岳行ノート

銚子岳・静ケ岳  1019m・1089m/滋賀県永源寺町

2004.10.16(土)7:05江南発 快晴12℃ 登り:2時間50分(小休止含)
短時間コース、あわや野宿! 下り:2時間05分(小休止含)


三重県北勢町より  左の山が「竜ケ岳」、その右が「静ケ岳」
V字形の窪みの右、最初の小ピークが「銚子岳」


  「藤原岳」と「竜ケ岳」の間にある「銚子岳」と「静ケ岳」は、山と渓谷社「分県登山ガイド」によれば三重県側の広川原から登りだけで3時間40分の長丁場。しかし、滋賀県側から短時間コースがあるというので出かけました。
 ガイドブックは、中日新聞社発行・西内正弘著「地図で歩く鈴鹿の山」です。


    


P→銚子岳→静ケ岳→銚子岳→P

   往復登山です。

  ※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」

           
 今年は、台風が異常に多い。その大雨の影響で鈴鹿の林道も痛んでいる様子。石榑峠の道も通行止めと聞いていたのですが、宇賀渓から走っていくと工事柵が開いて通れます。
 峠近くで道路が、大きくえぐれていました。
 滋賀県に入り、愛知川の支流茶屋川を林道で上流に向かいます。澄んだ川の流れを見て、すがすがしい気分になります。

 ガイドブックでは『この林道は相当な悪路』となってますが、運良くブルが地道をならしてたので快適でした。
 トンネルを抜け「太夫橋」を渡ると次の「焼尾橋」の手前に分岐があり、右手の山へ向かう道を上がります。
 プレハブの工事事務所の手前で林道脇に車を停めました。
 
登山道は、ひよこさんの後ろの青いビニールシートがあるところです。
(9:45)
 しばらくは、植林の尾根を直登したり、尾根下を右に巻いたりして登ると平坦な道になり、写真のヌタ場に出ます。
(10:45)
 
 雑木林を急登すると展望の利かない「銚子岳」1019m頂上です。
(11:10)
 頂上からほんの少し北に行くと軍艦山「御池岳」が、まともに見える展望地があります。その一段下のピークは「土倉岳」です。
 「銚子岳」からなだらかで気持ちのいい道を降ると「治田峠」への道標が立つ分岐に出ます。
(11:30)

 「銚子岳」を過ぎたころからひよこさん調子が悪くなってきました。「戻ろう」と言うと「せっかく来たのだし、もう少しだからがんばる」と健気に答えます。
 
 ここでガイドブックの周回登山をやめ、帰り道が明確な往復登山に切り替えました。
 峠からは、ガレ沿いを急降下します。帰りの急登が思いやられます。
 降下に少々うんざりしたころ、北勢町方面へ展望が開けます。
 「静ケ岳」は、見えますがまだまだ遠い。
 楽しみにしていた「セキオノコバ」を通過します。ここは、鈴鹿には珍しい草地で紅葉が空間を彩り、とても雰囲気の良いところです。

 ひよこさんは楽しむ余裕が無く、あとで『そんなとこあったの?』と言いました。

 この先に分岐があり、鋭角に右折します。
  尾根を進むとすぐに小広い「静ケ岳」1088m頂上です。
(12:35)〜ランチ〜(13:35)
 南西に展望があり、お隣の「竜ケ岳」その右後ろに「釈迦ケ岳」「御在所岳」が並んでいます。

 ひよこさんは一向に調子が戻らずお腹が痛いので食欲がありません。なんと腹ばいになって雑炊を食べました。

 ここで十分休憩を取り、少し体調を取り戻してから下山します。ひよこさんのリュックの中身を山たまごのリュックに詰め込みました。
 向こうに見えるピークは、「治田峠」への分岐のあったところです。ガレの縁を急登してあそこまで行かなければなりません。

 ピークが、随分遠くにあるように思えます。ひよこさんは、間近な急登を見て重い気持ちになりへたり込みます。私に負ぶって登る体力はありません。登れなければここで野宿かと一瞬考えます。

 永らく休んだ後、ここからは5分歩いたら10分休憩して少しづつ登ろうと言いました。
 やっと「治田峠」への分岐にたどり着き、グッタリしているひよこさんです。もちろんここで休憩です。
(14:30)

 ここまでくれば後はなだらかな道の向こうに「銚子岳」山頂です。
(14:40)
 山頂からは、駐車場所まで下りのみです。ひよこさんの気持ちが少し持ち直り、声が出るようになりました。
 途中、すすきの輝きが風に優しく揺れ癒されます。
 林道の脇に止めた愛車が、見えたらもう大丈夫。向こうに天狗岩のピークが見えています。
(15:40)

 山たまごの教訓
『登山途中で体調が悪くなったら即刻撤退すべし』と肝に銘じました。

 心底、帰って来られて良かった。
   ワッチャネーム?

 山に登ればその山名が、頭のアドレス帳に入ってその山とはもう友達だ。他の山に登ったとき、今までの友達をつい探す。登ってない山より登った山が、何倍の親しく思える。

 人も同じだ。名前を知らない人より知っているほうが身近だし、話をした人とはもっと親しくなれる。腕を組んだり肩を組めば好きになる。

 樹木や草花も山で見かける都度、何という名か気になる。写真に撮り、家で図鑑を調べると似たようなのがあり、なかなか特定できない。苦労して特定すると頭の図鑑に入りもう友達だ。
 まだまだ山には動物、鳥、虫、岩など、頭の中に図書館が出来るほど覚えることが沢山ある。ゆっくり友達を増やしていきます。「ワチャネーム?」