岳行ノート
川上岳  1626m/岐阜県高山市

2007.9.8(土) 曇り時々晴れ
              27℃
往路:2時間20分 (小休止含)
復路:2時間30分


 川上岳(カオレダケ)は、山之口から紅葉期に登ったことがあります。教科書にした「癒しの道」を見るとツメタ谷の林道を通れば周回が可能です。

 ネットを見たら「御岳がみえる里山」さんが、8年前林道を通って宮村コースをピストンで歩かれています。しかし“宮の大イチイ”から稜線へのレポが見つかりません。

 周回には、この道が必要条件です。廃道になってしまったのでしょうか。そもそも根本的に駐車地まで道路が通行可能かという心配事もあります。3つの心配は

 (第1の心配)道路が通行不可
 (第2の心配)大イチイからの登山道が不明
 (第3の心配)宮村コースが歩行不能

 NGの場合の代替案を用意して山へ向かいました。

 教科書は、「癒しの道・南飛騨森林浴回廊21 14川上岳登山道」です。参考書は「御岳がみえる里山」さんにお世話になりました。
駐車場周辺図


季節のキャンバスに秋が一筆
(天空遊歩道)




大イチイ

天空遊歩道出合

川上岳

T字分岐

道標

登山口



※色線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」




 高砂親方も飲んでました。疲れた中高年の味方“栄養ドリンク”。値段はピンキリで写真の小さい方は1本170円。大きい方は1本54円なので3分の1価格です。

 という事は、高いのを1本飲むことと安いのを3本飲むのことは同じ価値。それなら私は3本飲む方が、疲れは取れると思う‥けど腹を壊す。さて今日の山では、このドリンクに助けられました。


 国道41号線を飛騨一之宮から宮川に沿う県道453号線で西進します。10kmほど走るとこの道標に着きました。

 (第1の心配)はクリア、道路は通行できました。左の地道へ折れると駐車地です。ゲートの横から林道に入ります。
(9:45)


 15分歩くと“宮の大イチイ”の分岐で左に下ります。すぐ沢に架かる木橋でこの写真を撮りました。カメラを手にしてナラの塗れた踏み板に足を乗せる。『ホゲーッ』大尻餅で目が覚めます。ひよこさんならきっと慎重に渡ったでしょう。

やがてヒノキ、ブナなどの巨樹が並ぶ神秘的な原生林。
その中でも別格「森の巨人たち100選54宮の大イチイ」です。
樹齢2000年、樹高25m、幹周6.9m、根系保護の柵で大きく囲まれています。
(10:05)
 


 嬉しいことに柵の横から確実な道標がありました。稜線まで標高差400mあります。これで(第2の心配)も大丈夫のようです。
 


 道はジグザグに高度を稼ぐ。1時間近く歩き水を飲もうと‥ペットボトル2本入れたはずが、リュックにポカリ1本『ホゲーッ』

 積み忘れたか、駐車場で落としたか?幸い今日に限り栄養ドリンクを2本持っています。足りない時はピストンだと決めました。
 


 『そうだ!尻餅ついたとき落としたんだ』今頃気づいても遅い。曇りで水をがぶ飲みしなくてもいいのが救いです。

 帰りの林道が見えています。
 



 巨樹から70分で待望の位山川上岳天空遊歩道に出合いました。運良く最近笹刈りされたようで道の笹がまだ緑色です。
(11:25)

あとは稜線漫歩。豊かな木々の森林浴を楽しみながら拾い歩き。
やがて笹の切り開きを通り抜けると‥

 1等三角点1626m山頂です。雲の海に浮かぶ島のよう。360度の展望は全部雲。ここまでポカリは、丁度半分消費しました。


  石に腰掛けドリンクでお握りを食べます。風で雲が走り、汗も飛ぶ。早めに切り上げ向うのピークまで登り返します。
(12:05)〜(12:30)
 


 そこはT字分岐、新しい道標を見て右折しツメタ谷登山口に向かいました。傍らに古い道標が捨てられています。
(12:40)
 

 道の刈られた笹は、こちらでは枯れている。これなら(第3の心配)は無用のようで登山道確保です。

 しかし目の前の雲が、朝原選手のように峰を走り抜けていきます。視界の心配が出てきました。
 


 尾根から降りる場所が、明確でなかったのでこの道標にほっとします。このピークから降るわけです。

 すると雲が突然、消えていきました。『良かった』おや、ここは展望がいい場所です。
(13:00)

 始めは右のピークだけ見えていたのが、全容が望めるようになりました。
この一瞬だけ幸運の視界がプレゼントされたのです。人生には良いこともあります。
右のピークがT字分岐の箇所、左が山頂です。
  




 こちらの尾根もいい雰囲気で紅葉のときは素敵なプロムナードになるでしょう。

この登山道にも秋の気持ちが浮かんでいます。

高度が下がるとバイクのバリバリ走る音‥2〜3台いるよう。
『え、進入禁止の国有林の中で?』
 

 登山道の最後は、この登山口に降ます。こちらから登り、大イチイに降りるコースも良いかも。(山頂〜登山口/2.9q)
(13:55)

 100m先、分水嶺の林道分岐は右折です。良く整備された地道。ここでポカリを飲み干しました。(登山道〜駐車地/3.1q)
 
 カーブミラーは、季節の変わり目を映しています。うつむいて貯金通帳の残高を考えながら歩く。カードの支払いは足りるかな‥

 ふと眼を上げると20m先の道路に大・日本カモシカ。眼が合った瞬間、重い足音で素早く走り去る。『あちゃ〜惜しい』

 すると後方から軽ワゴンが走ってきました。3人乗っていて荷室に草刈り機3台。何だバイクではなかった。



 大イチイの分岐に来たら確認のため、もう一度沢まで降ります。やはり『お〜い、お茶』と踏み板の間でボトルが叫んでいる。『お主、やはりここか』

 半分ほど一気飲みすると乾いたスポンジ体に染込みます。氷が程よく解けてうまい!かたわらの蝶に笑われそうなチョンボでした。
 ゲート前の駐車地で待たせていたCR-Vに乗り込みます。そしてもう一つ確かめます。
(15:15)

 それは県道453号線を宮川防災ダム経由で清見村の国道257号線(せせらぎ街道)まで走られるかどうか。(※)

 30分間、人家は一軒も無くまさに“森のドライブ”でした。道の状態は良く、土曜のためか一台もすれ違いません。

(※)朝、この道で駐車地に入りたかったのです。時間と経費節約ができ通帳残高の不足の心配も要らなかったかも‥

(※)逆にせせらぎ街道から駐車地へ行く林道入口に進入禁止の柵があるようです。(2009.6.5現在)利用される前にご確認にください。

 (※)清見村から県道への入り方:道の駅パスカル清見から国道257号線を約5q北上します。左カーブが終わったら北側(運転席側)にある県道453号線へ右折します。右カーブしながら橋を渡ると降雪期のゲートがあり、それが森への入場門です。あとは一本道、控えめな速度で慎重に走りましょう。



東海岳行
       貧乏峠     

 登山の途中、折角稼いだ高度を一旦降って登り返す峠はやるせない。ひよこさんと二人でやれやれと思い、降りの体制を整えます。いきなり急降で慎重さが必要です。随分降りて来たとき、道標が見えました。近寄って見ると「貧乏峠→」インパクトはあるけど、いくら何でもそりゃあないだろう。

 「ザックザク坂」「金運滝」「宝満池」などの名前も聞いたこと無いけどあまりいい感じはしません。しばらくして峠に降りたちます。普通、峠はV字状になっていてすぐ登りに変わるのにここは違いました。だらだら長いこと歩きます。何度も休憩しましたが、中々峠を抜けられません。

 やがて向うに登り坂が見え、その手前に山頂でもないのに記帳箱が設置されていました。みんな、この峠のことをどう思っているのかノートを出して見てみます。

 『私は、この峠を抜けるのに7年かかりました。二人息子がいて一人は下宿して京都の私学、もう一人は大阪の国立ですがやはり下宿です。この峠で蓄えは完全に無くなりました。ようやくこれから少しづつ高度を上げていけます』

 『私の一人娘は、一浪して東京の私学に行きました。在学中もなんだかんだとせびられ、やっと卒業かと思ったら英国に語学留学したいと言う。その間、住宅ローンも残っており貯金では足りず教育ローンを組みました。峠どころか海抜以下です』


 みなさん苦労されています。私も通り抜けには6年かかりました。自分の親もそうだったから仕方ありません。ひよこさんに登りを促されました。これからは、無理しないで一歩一歩上がっていきましょう。

 45歳〜55歳頃に訪れる貧乏峠。まもなくの人、その最中の人、終えた人‥無事通り過ぎたとき、夫婦でお互いに『ご苦労様』と言えるといいですね。

2007.9.9/23:55