岳行ノート

冠山 1257m/岐阜県揖斐川町

2008年7月5日(土)

冠平のニッコウキスゲ


 ニッコウキスゲが見頃のこの時期に冠山行を計画していました。やっと訪れた週末の梅雨晴れ。でも国道は徳山ダム周辺道路の工事で通行がはっきりしません。

 そんなおり、先月せきすいさんが山行され、もう大丈夫とのこと。国道を登る途中でこの山を南方から見ると岩壁の山頂が望めます。

 また西方の登山口から見れば、伏せた冠か魔女の帽子のような形です。でも北方と東方からの姿は見たことがありません。今回は、四方からその峰頂を眺めます。



 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県登山ガイド 岐阜県の山」です。
駐車場周辺図
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冠山峠P

1156m
越前峠
(田代尾根ノ頭)

1111m

冠平

冠山

冠平
(ランチ)

1156m

冠山峠P

※色線は実測ではありません。

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」



2008年7月5日(土)江南発  6時25分
         晴れ時々曇り   25℃
往路:1時間35分(小休止含)
復路:1時間10分(寄り道除く)



 お母さんと小さい子が、七夕飾りを持って歩いています。幼稚園で作ったのでしょう。短冊に書いた願いことは?『ケーキ屋さんになりたい』『唐揚げいっぱい食べたい』子供らしくて可愛い。

 私も願い事が叶うよう短冊に書きましょう。『ギックリ腰よ来ないで』『ヘルニアよ出ないで』腰痛持ちらしくて悲しい。でもこれは七夕には、ぴったりだ。ほら歌にもあるでしょ。 “♪腰に願いを”
 徳山ダムで沈んだ国道は、快適なトンネルに変わりました。いくつか通り抜けダム湖を見ると立ち木や案内ポールが村の名残です。

 子供のとき、ダムは日本の地形を有効に生かした有益なものと教えられました。今は、環境破壊や無駄使いの矢面に立っています。

 この大規模ダムは、その規模に合った活用をしなければなりません、徳山村の人、現場の工事に携わった人のためにも。




 冠山峠で福井側に行くと車庫入れ駐車で規模も大きい。でもこちらに停めるのは何だか後ろめたい気持になるのはなぜでしょう。



 やっぱり尾張小牧ナンバーは、岐阜側で縦列駐車します。準備開始。先日までの雨降り対策でスパッツを着用しました。

 そうしている間にも両県ともどんどん登山者の車が上がってきます。
(9:15)



 歩き出すと登山道に紫のノアザミが色鮮やか。しかし葉が針です。『あいた!あいた!』と泣き声をひよこさんがあげます。

 『誰に会いたいの?』と子供の頃のギャグを言っても受けない。


そのノアザミに乗りツマグロヒョウモンは、人目も気にせず朝のお食事で忙しい。






 5年前、登ったとき泥濘の道に閉口しました。今日は“ぐちゃぐちゃ”と思っていたら意外です。“ねちゃねちゃ”ですみました。。



 1156mピークで方向転換して進行方向は、南東に変わります。すると前方に猛禽類のような姿が現れた。

 『あの頂上に登れるの?』とここからでは登頂を想像できません。
 





 『やった!』幻の池?発見。さすがにお山も連日の雨を給水できなかったようです。深さ2cm?




 ブナ林の原生林に入ると虫が出ると思い虫除けスプレーを用意しました。今日は意外です。使わなくても大丈夫。


尾根道が、山腹道に変わるとすぐ冠平に着きます。
ニッコウキスゲの黄色い声援に迎えられ、憩いの地に向かいました。
そこはロープで丸く囲われ、サークルK(K:冠平)と呼ばれて‥いない。
(10:25)





 球形の裸地で休憩したら、リュックをデポ。アタックの道筋が、右下からはっきり登っています。



 ここは本日、最大の難所です。補助ロープは2本。真剣に足場を決め、両手両足を使って急斜面をクリアします。

 転がり落ちたら擦過傷だけではすみません。



 そして15分も登れば、嬉しい1257m山頂です。狭くて絶壁なので気は抜けません。360度の展望は霞んで残念賞。

 記念撮影の交換会が済んだら、三角点山頂の東端から西端に行きましょう。
(10:50)


 
 『細長い山頂、すれ違い緊張
      (注:ジョイマンマン並みに韻を踏む)


 右上のピークが越前岬、左奥に霞んで見えるのが金草岳です。かなり日差しが強くなってきました。梅雨明けしそうな勢いです。
 


さて、冠平に戻ってランチにしましょう。
その後でお隣の若丸山までは行けませんが、向うの尾根に登り東方から見た冠山の写真を撮ります。
藪がひどそうなので、ひよこさんは待機です。
(11:10)〜(11:50)
 



 尾根に向かって歩き出すとすぐ道は背の低い笹に隠れます。するとお花畑出現、これはラッキー。帰りに写真を撮りましょう。

 少し降りになり笹の背も伸びてきました。隠れた道を探しながら進む。尾根に取り付くと更に大きな笹に手こずります。

 殆どほふく前進。ササユリに励まされ、ちょっとした踊り場に出ると雑木がけたたましく、道が消えました。

 ここで頭を出して写真撮影。突然飛び出した私に向かってひよこさんが手を振る。私もストックを振り返す。『帰えろっと』


 予定通りお花畑を撮影。笹との格闘で全身ぐしょぐしょです。
冠平に戻ったら体制を整え帰り支度。
(12:10)


 駐車場に近づき、峰頂を振り返ります。直射日光が厳しかったなあ。きっと30℃は越えているでしょう。

 登山口に戻ってもまだひと仕事あります。福井の池田町側へ降り、北方からの冠山を撮影しなければ‥
(13:10)
 
<北方より>

冠山峠からは、くにゃくにゃの細い道のすれ違いに緊張しまくり。
ゆっくり下りて30分で山頂が望める箇所に来ました。左の水平な場所が冠平です。
 
       <西方より>                 <東方より>

 冠山林道から見る姿が、一番山名にふさわしい。   笹藪を抜けて撮ったもので山塊という感じがします。

<南方より>

絶壁です。右端の少し盛り上がった部分が細長い山頂部。
真下の谷に揖斐川の源流があり、徳山ダムに流れ込んでいます。
※写真の方位はシビアではありません

このように見る角度で違う姿を見せてくれます。人気があるゆえんでしょう。
野の花、ブナ林、笹の平と変化に富んだ登山道も魅力があります。
何より登頂時間が手ごろで一級の展望が楽しめるのがグ〜



東海岳行
  “必死のチケット”
      
 
 彼の公演チケットは、中々手に入りません。この一年で3回挑戦しましたが、いずれも瞬間ソールド・アウト。2ケ月ほど前、今夏のツアーが発表されました。驚いたことにわが街の江南市民会館に8月、来演します。こんなチャンス、そうはありません。何としても行かねば。

 綾小路きみまろをひよこさんは、大好きで山の帰りにCDを聞き大笑いしてます。そこでチケット入手作戦を考えました。事前リサーチのため市民会館へ行き、チケットの発売予定を聞いたのです。ただ枚数割当は、重要機密らしく教えてもらえませんでした。

第一チャンス:市民会館友の会/電話申込  6月13日(金)9時〜
第二チャンス:市民会館窓口販売        6月22日(日)9時〜
第三チャンス:チケットピアなど一般発売     6月22日(日)10時〜

 第一チャンスは友の会会員だけなので即、年会費1500円を払いひよこさんが入会したのです。ちょうど青森ツアー最終日が、その電話申込日でした。岩木神社で願を懸け、申込開始9時から車中でケイタイをリダイアルしまくりました。2回線しかなく中々繋がりません。1時間後、ついにひよこさんがヒット・ヒット!

『えぇ‥、はい‥、えぇ‥』『どうだった?』と尋ねると
『もう売れ切れたって』『むぎゅう〜』
『これじゃ絶対変えない。もうあきらめようよ』『くやしい〜スッ!』

 後で聞いた話ですが、市民会館の施設で働いている人が、友の会事務局の真ん前で中を見ながらケイタイをかけまくったけど買えなかったそうです。

 さて第二チャンス市民会館窓口で買うとなれば、いつから並ぶかが勝負の分かれ目。私は、発売時刻の9時、2時間前と考え会社の女子に聞くと『みんなもそう思う。ならば6時から、お並び!』う〜ん、そうなると心の準備が必要だ。ひよこさんはすでに戦意を喪失しています。

 そこで発売前日の朝、一度会館へ様子を見に行きました。するといるいる熱心なファンが。貫禄の姉さま方が、5人椅子に座って並んでいます。私が『いつから並べばいいですか?』と尋ねる『朝4時なら間違いないね』ま、ま、真っ暗だ。しかしそれを聞いて、なぜか二人ともファイトが沸きました。

 その足で映画「インディー・ジョーンズ」を見に行き、夕方もう一度、会館前へ様子を見に行くと‥あの5人の姉さま方だけ。これなら安心。帰宅して「お並びセット」を準備します。折畳み椅子、クッション、雨傘、蚊取り線香、お茶、お菓子などなど。早めに寝て朝3時半に起き、車に乗り、コンビニで朝パンと牛乳を仕込みました。雨が降っています。
 
 暗闇の会館へ4時に着くと正面玄関には、すでに25人ほどが椅子に座っています。これなら大丈夫。ひよこさんと1時間交代で並ぶことにしました。駐車場に停めた車の中で食事したり仮眠したり。5時になると列は50人になり、6時には100人近い。7時150人。列は、雨を避け軒下のある所を折り返して延びる。いよいよ盛り上がってきましたよ。

 退屈なので並んでいる人とお喋りします。美輪明宏のときはどうだったとか、都はるみはこうだったとか、並んでる人が倒れて救急車で運ばれたとか、だんだん親しくなり、並び人同士で連帯感が生まれるのが不思議です。やがて発売1時間前の8時になると係員から番号札が配られ「27番」をゲット。

 一人4枚まで購入できるので120番までは必ず購入でき、150番までは運が良かった買えるそうです。券をもらえなかった人は、第三チャンスの10時発売のチケットピアに走らなければなりません。会館の発売時刻、9時15分前になると係員が順番に席図を見せ、席番札を貰ってからチケットを買います。

 一人5000円、友の会は4000円です。席図を見ると後ろや両縁の良くない場所は黒く塗られています。それは友の会やチケットピアの分なのは明らかです。ここで並んで買った人がいい場所を取れるわけで良心的だ。そういう意味では、第一チャンスで買えなくて良かった。

 一人で来た男性が番号札を持って並んでいます。札をもらえなかった人が彼に近づき‥

『何枚変われます?』『2枚です』一人4枚まで買えます。
『ではあと2枚頼めないでしょうか』『並んだ人のことを考えると、ぼくにはそういうことは出来ないなあ』


 えらい!私ならネット・オークションに出して一儲けする所だ。そして私たちの番が来て、とてもいい席を買うことが出来ました。初めて並んでチケットを買いましたが、そのこと自体が非日常的で楽しめました。8月30日(土)の公演は、もっと楽しめると思います。
2008.7.6/22:50