岳行ノート

志賀山 2036m/長野県山ノ内町

2009年8月8日(土)



“鬼の相撲場池”

(志賀山と裏志賀山の鞍部にあり、雪解け水が溜ったもので亜高山帯の低温環境で蒸発も少なく枯れません)



 お盆時期の高速1000円追加日が、8月6日(木)から始まりました。これを利用して遠征を考えます。梅雨明けしたはずですが、その週末は天気予報がどこもイマイチです。

 候補地としては、長野県北信の志賀高原を考えました。山行予定日は終日曇り予報です。縦走案と池巡り案を携えて出発します。

 因みに縦走案のメイン志賀山は、裏志賀山との双耳峰です。池巡り案は四十八池大沼池です。300kmを超す長距離なので前夜泊としました。


 夏の車中泊の鉄則は、標高の高い場所でのお泊り。その体験も兼ねての岳行となりました。


 教科書は、るるぶ社刊「山頂駅からの山歩き」です。

駐車場周辺図
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硯川P
硯川バス停
      <高原バス>
のぞきバス停

▲横手山

パン屋

草津峠

△鉢山

四十八池

裏志賀山
志賀山神社

△志賀山


渋池

硯川P


 ※赤線はGPS軌跡
※青線はスカイレーター&スカイリフト

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」



江南:前日14時15分発
   当日 20℃/曇り、泥たっぷりパズルたっぷり
周回:志賀山まで、3時間45分 (小休止含)〜
    硯川駐車場まで、1時間30分

292号線で志賀高原に入ると、道は池の間を縫うように走ります。
途中、道沿いの草地がピンクに明るく、思わず車から降りました。
ここワタスゲ平では群れ咲くヤナギランが視野に広がり、夏野の景を作っています。




 天気はもちそうで縦走案に決めました。硯川駐車場に置車します。公衆トイレ前から8:57始発の高原バスに乗車(350円)

 クネクネと10分間揺られるとのぞきバス停に着きます。



 バス停前から動く歩道のスカイレーター&リフトで一気に志賀高原最高峰の横手山2305mへ。(片道510円)

 ところが上空には、雲が駆け足で押し寄せています。



 すっかり雲が覆ったので山頂はパス。山頂駅先のヒュッテに行き、日本一高所の手作りパン屋さんで食料を仕入れます。

 その横に石碑があり、そこから縦走スタート。3分ほどで分岐道標に出て「鉢山・四十八池」方面へ右折します。
(9:35)

そこからシラビソの原生林に入り、急降下していきました。






 樹林を抜けるとちょっとした湿地に出ます。木片の引かれた道は快適。しかし、その後また樹林に入ると‥
(9:55)

(左)ヤマハハコが、白い球形の花を沢山つけています。  (中)直立するヤナギランが斜面で華やかに咲いていました。  (右)オタカラコウには、エボニー&アイボリーの虫がたかる。



 連日の雨で道はグチョグチョ。靴やズボン裾を大いに汚しました。やがて2041mと志賀山より若干高い鉢山山頂。

 すれ違った方が、火口湖鉢池への道がないと言われました。登山道が崩落して笹が伸び自然が封鎖したのでしょう。
(11:30)
鉢山から標高160mをどんどん降ると下から賑やかな声が聞こえてきます。
大勢のハイカーが行きかう本日のハイライト、四十八池です。
この湿原は、標高1880mで鉢山志賀山に囲まれ60以上の池塘があります。

 大昔、志賀山の噴火で生じた300m×200mほどの素晴らしい高層湿原です。
泥んこ道から解放され、ゆったりと木道を歩けます。しかし木道がなかったら大変だろうなあ‥ありがたい。
前方の裏志賀山へ向かって進みます。草色の中で紅色は何?‥モウセンゴケでした。
(12:05)

左)ナカボノアカワレモコウ(長穂赤吾亦紅)開花後少し経って暗紅色になったもの。  (中)ウメバチソウ:1cmくらいの小さな花です。花弁の間にがくが見えます。(8/11:ご教示感謝します)  (右)モウセンゴケ:ご存じ食虫植物。葉に生えた赤いせん毛から出す粘液で虫を捕まえます。

 四十八池の奥には木製テラスがあり、そこのベンチに座ると‥
目の前でイワショウブの白い清楚な小花にツマグロヒョウモンのオスがお食事中。
私たちもランチにしましょう。
〜(12:45)

 さあ、少し重くなった身体に気力を充填して裏志賀山へ向かいます。志賀山神社の鳥居をくぐると‥以外に急登。

 でも背後に四十八池が鳥瞰できこれは嬉しい。

 ベンチのある展望地から志賀高原最大の大沼池が右下に運よく望めました。

 山頂2037mには、祠が祭られています。後ろに回ると‥やはり雲の海でした。
(13:15)





 裏志賀山から降ると最低鞍部にある鬼の相撲場池(TOP写真)が見えてきます。鞍部から最後の登りをすれば‥







 タテヤマウツボグサ↑と三等三角点に出合う。少し歩けば志賀山山頂2036mですが、またも展望は雲海‥
(14:00)
 


 今日は、いたる所でぬかるみの道に悩まされました。できるだけ避けて道縁を歩きましたが、最後は開き直り。

 スパッツを一人分しか持ってこなかった報いです。

 火山岩のパズルを解きながら安全な足置き場所を探る。

 コメツガの根のパズルを解きながら安心な足置き場所を探る。


 登りも降りも泥寧とパズル道で明日の四肢の筋肉痛が確実でしょう。岩間の光苔を見るとパズルは終了。


四十八池からの遊歩道と合流すれば難儀から解放されます。
(14:50)

帰路の途中に渋池。浮島に赤いモウセンゴケが印象的な光景を演出していました。
池畔にあるハイマツは、氷河時代の遺物で非常に珍しいと説明板に書かれています。
(15:10)

 硯川バス停に降りる前山スキー場リフト乗り場が見えました。その手前の左折する道でもバス停に降り立てます。

 その差は、4分と20分、一人260円と0円。さあ、ひよこさんはどちらを選ぶでしょうか???




 硯川駐車場着(15:30)


東海岳行

    “車中泊・夏編”

 車中泊は、いよいよ三度目です。今回の課題点は‥


@今までは単独、今回は二人なので体温で車内は灼熱?
A季節は夏、車内は炎熱? 
B掛布団は夏用?



 車内の温度は上昇すること間違いなし。そこで外気を取り込む防虫ネットを作ることにしました。窓フレーム用に樹脂ボードの「カラーダンパネ」90cm×90cm(600円)をホームセンターで購入します。開口部を10cmの高さにしてカッターで型取りしました。
 
 ネットはダイソーで日よけシェード大を105円でもとめ、ハサミで切ってクラフトテープでフレームに装着します。これを左右の窓に、はめ込み窓ガラスを下げれば通気口確保。



 家を出るときは[14時:31℃]でした。志賀高原硯川の駐車場では[20時:15℃]これでは夏用の掛布団では寒い。持参した寒さ対策用の寝袋では暑い。そこで高原を再び降り道の駅:北信州やまのうちへ戻ります。

 そこでは気温が[21時半:20℃]これなら夏用掛布団で大丈夫。早速窓に防虫ネットをはめウインドウを10cm下げました。他の窓は、銀マットのウインドウシェードを当てます。道の駅に車中泊で駐車している車は13台。

 22時過ぎにルームの体勢が整い、睡眠導入剤を飲んでお休みなさい。ネットを潜った冷気がちょうど顔に落ちて涼しい‥ところが夜中になると寒くて目が覚め、結局窓は閉めました。



 朝は[6時:23℃]に起床し、車内で朝食をとります。バイキング形式の洋食?です。睡眠は6時間確保できました。このロイヤルホテル・エクストレイルは、ひよこさんには概ね好評です。

 但し、窓を閉めたため湿度が高くなり、起床すると布団はしっとりしていました。今後の改善点としては、ロイヤルホテルといえどシングルルームに二人は、ちょっと窮屈です。もう一工夫せねばなりません。



 次回は秋に挑戦してみましょう。

2009.8.10/14:50