岳行ノート

岩籠山 765m/福井県敦賀市
2009年9月16日(水)


-インディアン平原の奇岩-

(羽飾りに見えなくはないですね)



 ガイドブックを調べていると敦賀市には、敦賀三山として岩籠山(イワゴモリヤマ)、野坂岳西方ケ岳があることを知りました。全山未踏なのでこれは楽しみです。

 三山の中で岩籠山に魅かれました。いくつかコースがあり渓流コースは「夏でも涼感」があるそうです。朝晩は秋の気配が漂っていますが、まだまだ日中は残暑があります。

 しかし、ひよこさんは渓流歩きが苦手です。前日に防水スプレーをしっかり用具にかけ、用心していきましょう。



 教科書は、山と渓谷社刊「関西周辺の山250」です。参考書は、多くのHPにお世話になりました。

駐車地周辺図
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市橋登山者用P

林道終点

堰堤

分岐

△岩籠山

インディアン平原

分岐

市橋登山者用P


 ※赤線はGPS軌跡


■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江南:午前6時25分発  17℃
    快晴後曇り、時々転石パズル
往路:2時間40分(小休止含、山頂まで)
復路:2時間40分(高原経由)[歩行時間:5時間20分]



 敦賀インターから国道8号線を南下して市橋交差点を右折。右の林道を800m進むと簡易トイレもある駐車場です。

 気温21度と涼しめ。大阪の熟年ご夫婦に挨拶して先に出発します。「熊出没注意!」の看板がありました。
(8:35)





 広葉樹の林道を足慣らしで15分歩くと林道終点。もうここで後発のご夫婦に追い抜かれます。
(8:50)





 いよい渡渉開始。足周りは防水スプレーで強化されてますが、ビビリー・ひよこさんのの心臓は強化できません。
(8:55)

 コースには高さ6mの滝もあり、涼しさに包まれた渓谷道。
右岸へ左岸へと渡り歩きますが、テープが要所にあるので道筋を失うことはありません。



 眼の良いひよこさんが『これ、トカゲと違うよねえ?』と指差すので尻尾をつまむと‥アカハライモリでした。

 北陸産は腹の黒斑点が多くそうです。イモリは皮膚から毒を出すので触ったら手を洗わなければいけません。





 やがて堰堤が現われ、その端に乗り越しの道があります。これは二番目の堰堤ですが、全部で五つありました。
(9:25)

渡渉を数えたら何と22箇所。ようやく緊張から解放されてジグザグと斜面を登ります。
中々、森に日が差しません。天気予報は「日中は晴れで風がある」
現実は曇りで無風。おかげで汗をしっかりかきました。
(10:15)



 登り着くと夕暮山との分岐。大阪のご夫婦が休んでられます。下山は駄口コースにすると言われました。

 下山口から駐車場まで、結構距離がある大周りコースです。
(10:45)




 ひと休みしたらトラバースしながら少し降ります。『わっちゃ!』分量が多いから熊?

 隠れても 蠅に見つかる 野糞かな





 分岐から20分ほどで左斜面に直登する道があります。登り切ると岩籠山765m三等三角点。四囲に好展望です。
(11:15) 

山頂から本日のメイン、インディアン平原の笹道が快適に歩けます。
『インパクトのあるネーミングだ』
右寄りの岩が、トップ写真の羽根飾りの岩です。左のピークで大休止しましょう。


  食パンに似た岩陰でランチにします。ここで汗を飛ばす風に会いました。空も少しづつ雲が退場しています。

 食パンはパンの王様。あんパンもカレーパンも食べるパンなのに食パンは食・パンの名前を独占しています。
(11:25)〜(12:05)



 ここは山頂より敦賀市街が好展望。北電の敦賀火力発電所の200m煙突が、右端でチカチカ点滅しています。

 大阪のご夫婦は、高原から駄口コースへ降りられていきました。



 私たちはピストンで下山。西に夕暮山720mの電波反射板、その左に野坂岳914mが頂上を雲に隠しています。

 大阪から来た20人の団体さんとすれ違いました。皆さん熟年、今日は平日だから?
夕暮山との分岐:12:35)



 本日の渡渉先導は私の役目。その都度、飛び石は右か左か???天秤座なので、その判断が苦手です。

 でも今日の沢幅は狭く、水深も浅く慎重に渡れば大丈夫でした。





 途中、森にようやく日が差します。くらがり登山道で私が一つ餅をついただけですみました。





 岩は所々で鮮やかで不思議な茶色をしています。大岩盤で広がった流れは、晩夏の谷に落ち速度を上げる。

夏劇場の幕が下り、今は幕間のような中途半端な時期。
やがて豪華絢爛の秋の幕がこの谷にも訪れます。
駐車場に着くと案の定、大阪のご夫婦が先着し登山靴を脱いでおられました。

下山に2時間、国道歩きが1時間かかったそうです。
それでも私たちより早い。いかに私たちが慎重な下山をしたか‥単に貧脚なだけかな。
お二人にその途中の疋田舟川(ヒキタ)を教えていただきました。車で5分ほどなので寄り道しましょう。
(14:40)

※(10/26)キノコ達人より:密集しているキノコは、夜に発光するツキヨタケ(毒)です。


 この舟川は、江戸時代に琵琶湖と敦賀湾を結ぶために作られた運河です。昔はこの倍近くの川幅がありました。

 京都への上り荷は米や海産物、下り荷はお茶などを輸送。街並みと流れの風景が、往時をしのばせます。

 さあ家路につきましょう。


 敦賀バイパスで敦賀インターに向かう途中、坂の下トンネル手前で下車しました。南方、写真中央が岩籠山です。

 その左の小ピークがインディアン平原。そうだ、子供の頃は「インディアン嘘つかない」という言葉を使っていましたね。

 その後に続くフレーズが思い出せません。


東海岳行

    “白い雲の夢”

 随分前のことですが、会社の先輩がカメラ雑誌に作品が入賞したり、俳句の好きな知人が新聞に作品を掲載されたり、そういった趣味を永く続けていると奇跡の作品ができることがあります。


 私は高校時代、進学したらビートルズのコピー・バンドをやることを夢見ていました。楽器は何もできないのに‥。ビートルズが、自作の曲を次々ヒットさせていた頃です。日本では加山雄三が自作の「♪君といつまでも」を歌い、350万枚の大ヒットとなりました。そんなことに刺激され私も曲を作ろうと考えたのです。

 作曲の仕方も知らないでメロディを生み出すのは容易なことではありません。受験勉強の合間、既存の曲をヒントに小学生の頃のハーモニカーでスーハースーハーと少しづつ音符をつなぎ合わせて行きました。どれもどこかで聴いたことがあるようなメロディです。



 やがて大学に入学し、ギターを猛練習しました。楽器ができるようになると比較的、曲作りは早くなります。夢見ていたバンドにも入り、譜面を読むようになると自分の曲も譜面に書けるようになりました。しかし作曲法は始めたころと変わらず、天からメロディがポトンと落ちてくるのを待つという方法です。

 三年生のある晴れた日曜日、バイトにあぶれて下宿で転がっていると頭の中でメロディが流れました。それを元にギターであれこれ発展させ一曲仕上げます。次は歌詞を作らなければいけません。♪目覚まし壊して飛び起きた日曜日〜と言葉を結んで行ったのですが‥これはさえない。

 そこでもう少し考えます。当時「あしたのジョー」という漫画が流行っていて、彼が住む長屋の住人に小さな女の子がいました。髪を左右に小さく束ね、いつも素足に下駄をはいている活発な子供です。その少女の10年後を想像し、イメージを膨らませ歌詞を作りました。20歳の作品です。




 ♪青空広がる丘の上の木陰で 白い雲と一人話した 誰も知らない夢のこと
 ♪何だかこの頃 不思議な気持ちよ いつも一人ここへ来ては ため息ばかりついてるの
  『どうしてそんなにしょげてるの 悩みがあるなら叫んでごらん』
 ♪構わないで欲しいわ 一人でいたいの 何となく胸が切なくこうしているのそれだけよ


  『そうしてだれでも悩むのさ そうして誰かを恋するのさ』
 ♪夢から覚めて丘の上を見たら いつの間にか白い雲は風に流れて青い空




 女の子が、夢の中で雲と話すというストーリーでタイトルを「♪白い雲の夢」にしました。それまで数十曲も作ってきましたが一番いい出来です。名古屋に帰省した時、この曲をラジオの深夜の音楽番組に投稿しました。

 すると採用の連絡があり、私はウキウキで栄町の放送局に打ち合わせに出向きます。

 番組は私と同年代の男女2人がパーソナリティをしていて、彼らと打ち合わせをしました。



 その時、彼女が大胆なミニスカートを履いていたので、彼が『舞台で○○○が見えてしまうかも』と言って笑わせます。硬くなっている私をリラックスさせたのでしょう。この2人が番組で私の曲をギターで歌ってくれるのですが、一か所、直したいと申し出がありました。

 上の譜面で赤音符が私のもの、黒音符が直されたものです。その修正でメロディがくっきりとします。『さすがプロは違うな』と思いました。それから数年後、彼らはメジャーデビュー。そして「♪てんとう虫のサンバ」等の曲をヒットさせ、ビッグになりました‥そうチェリッシュですね。

 奇跡のこの曲はラジオだけで終わらず、1年後テレビで全国に流れることになります。タイトルのように夢のような出来事です。すみません、私の自慢話はまだまだ続きますので、我慢強い方は第二部もお読みください。

2009.9.17/17:15