岳行ノート

<田原アルプス>
衣笠山〜稲荷山 278m〜68m/愛知県田原町

2010年2月7日(日)


田原アルプスの景勝「恐竜の背」より
(左:蔵王山 右:赤松山)


 先週は湖南アルプスでした。今回はアルプスつながりで渥美半島の田原アルプスを辿ります。実は08年「渥美半島七低山一日駆け」のとき、登らずにキープしておきました。

 渥美半島は、温暖な気候を生かし野菜・花・果物を栽培する農業地域です。特にブロッコリーやキャベツは、日本一の生産量を誇っています。

 アルプスに登れば、そんな田園地帯と大海原の眺望が期待できそうです。厳しい寒さから逃れて常春半島に出かけました。



 教科書は、風媒社刊「新こんなに楽しい愛知の130山」です。また「田原市観光ガイド」に掲載のトレッキングマップを参考書にしました。
<駐車場>
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滝頭公園P

衣笠自然歩道入口

衣笠山

滝頭山

恐竜の背

中西山

藤尾山

不動岳

赤松山

庄十山

稲荷山

稲荷神社

滝頭公園P



 ※赤線はGPS軌跡

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時00分発  -1℃ 
駐車地:午前8時30分着   2℃ 快晴
             冷たい強風は樹林がブロック
周回:衣笠山まで45分(以下、小休止含)〜45分滝頭山〜55分藤尾山〜50分稲荷山〜30分
◆所要時間:3時間45分



 豊川インターで下り、田原市へ入ると右手に最初に見える山が蔵王山250m。山頂に風車と展望台があります。

 そこを通り過ぎ、滝頭公園の大駐車場に車を入れました。滝頭山(タキガシラヤマ)256mを向こうに見て出発です。
(8:45)


 車道を5分ほど北上すると左に衣笠山遊歩道入口。ウォーキングシューズで足軽に登り出します。
(8:50)

 尾根分岐でガイドブックのように東へ行きました。しかし展望台は見つからずひよこさんに『ごめん』と謝って戻ります。





 大岩の松尾岩を巻き、南の覗きから逆光の太平洋を見て高度を上げていきました。ウバメガシの急登樹林を抜ければ‥




 衣笠山278m二等三角点山頂です。石柱に田原山宮奥社の彫字があり『失礼します』と大岩に登れば‥
(9:30)

海と山の展望。右は4階建てのレストハウスを乗せた蔵王山です。麓には石灰の田原鉱山。
正面の埋め立て地緑が浜に11基の風力発電機が、三河湾に向かって立ち並んでいます。
そこにはトヨタ田原工場もあり、レクサスやプラドなどを製造しているそうです。






 快晴の大展望に大満足して次の山へ。防火帯の広い尾根道は、1000mのジョギングコースにもなっています。




 高度を130m落とすと仁崎峠(ニサキ)。林道を横切って登ると山道仕様になり、ウバメガシのジャングルを歩きます。
(9:55)



 穏やかな道が、滝頭不動尊の分岐から表情を変えました。途中、北の覗きは枝越しの眺望サービスです。

 北西の風が強くなってきました。樹林がなければ震えあがったでしょう。




 石積みが現れたら滝頭山256m山頂。展望はよくありません。右下は意外!残雪です。さて道標を見て景勝地へ‥
(10:15)

蛇穴方面へ東に50mほど降りると恐竜の背
崖ですが岩の間を歩けられ恐怖感は、それほどありません。
風車の立つ蔵王山の背後に白い峰は‥南アルプス?


すると先着の方が『あちらに富士山が見えますよ』と指を差してくれました。
右写真はデジタルズームで撮り、色を強調したのですが富士山わかりますか・
双眼鏡では、はっきりと他の峰々がわかり15分も楽しんでいました。
(10:25)




 滝頭山に戻り、中西山を経て降ると西の覗き展望地。青い太平洋の右が半島最高峰大山328mです。
(10:50)




 少し降り林道を横断。ガイドブックで要注意と書かれた斜面に敷かれた金網の上を歩きます。
(10:55)




 この三つ俣分岐の道標で右折。倒木を避け行くと新しい丸太階段があり、登りきれば‥
(11:00)

藤尾山208m山頂。ちょうどご夫婦がランチを終え、ベンチを譲っていただけました。
幸いここに風は届いていません。黒潮と農村風景、ビニールハウスには電照菊かメロン?
そんな特産品以外にも田原市は、お笑いの三浦靖子・大久保佳代子・はんにゃの金田を輩出しています。


冬日を浴び、目に美味しい場所なら
味噌おでんも美味しくいただけます。
三等三角点はベンチ右です。

ここからこの時刻でまだ富士山が見えました。
富士山に出会うと、いつも得した気持ちになります。
今日は快晴の空、気温の低さなど遠望条件が揃ったのでしょう。
(11:10)〜(11:50)
 一旦、三つ俣へ戻り、さらに不動岳を通り過ぎます。

 赤松山
193mから振り返ると滝頭山の山腹に恐竜の背が確認できました。5人の登山者が休憩してられます。


 
少しずつ高度を下げて尾根を辿れば、風がすごい音。風速10m以上はあるでしょう。庄十山の次で最終の八山目。

 稲荷山68m四等三角点山頂です。この展望台からは蔵王山方面が望めました。すぐ先にある‥
(12:40)




 稲荷神社の鳥居を潜ると立派な本殿が改修中です。車道に出ればの花が咲き、はっさくが実っています。
(12:50)


 キャベツ収穫のトラックが道々見えました。この野菜は地中海が原産で明治の頃、日本に伝わったとのこと。

 衣笠山へ向かうとサッカー試合をする子供達の声が聞こえます。トヨタ労組が植樹した桜並木に出れば駐車場です。
(13:10)



 この後、田原アルプスの締めに蔵王山へ車で駆け上がりました。4階展望室からどうでしょ、見えます見えます。

 富士山を始め、本家アルプスの峰々‥え〜多分、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、御岳山恵那山多分





市街地の汐川まで来て西を振り返ると、今日辿った田原アルプスが一望できます。
右端の衣笠山から左端の藤尾山まで辿り、滝頭山から手前に下る尾根で降りました。

藤尾山             滝頭山                            衣笠山          

 東名高速に入る前、豊橋市内を通るので“道草:遠足は豊橋へ”の甘味処大正軒に寄ります。
つばきセットを注文。白玉ぜんざいの甘味、ところ天の酸っぱさ、みたらしだんごの香ばしさ‥
♪Oh〜oh素敵なハーモニー(チューリップ) 疲れた身体が糖分を喜んでいます。



東海岳行

    “搭乗者”

 『ヨー、久しぶりに飯でも食べようか』
と旧友の自営業社長から電話がかかってきました。私の小・中学校の同級生で何度も“道草”(名乗るほどの者じゃない人)に登場している彼です。最近は景気が良くなく苦労しているようですが、また面白い話が聞けるかもしれません。

 食事しながら『以前、取引先の若い近藤クンが休日、事故に合ってね』と話し出します。何でも片道1車線が工事していてガードマンが車を止めていました。近藤クンは、停車している何台か後ろに止まったそうです。その途端、ガシャーン!追突されました。玉突き事故になり、彼は救急車で運ばれます。

 半年後に旧友が近藤クンと仕事先で会う機会がありました。その時事故の話を聞いたのです。近藤クンは鞭打ちも治り、元気に仕事をしています。停車中の追突事故なので加害者が100%責任があり、その人の自動車保険で治療費、休業補償や示談金が彼に支払われたそうです。



 ここまで話し終わると旧友が『さて問題です。近藤クンは自分の自動車保険から保険金を受け取ることはできるでしょうか?』『100%加害者の保険で支払われたから、何もないんじゃないの』『ブッブ〜』

 
近藤クンの会社では、自家用車で通勤するには規定があります。自動車保険の保険金は、対人賠償(1名につき)-無制限、対物賠償(1名につき)-無制限、搭乗者傷害保険(1名につき)-1000万円以上がその最低条件で車両保険は条件外です。

 旧友は『搭乗者保険の請求ができる』と言うのです。『搭乗者保険って?乗っていたのは彼一人だから関係ないのでは‥』『搭乗者=同乗者ではない。運転手も搭乗者だよ』『そうなの?』旧友は契約内容を確かめるため近藤クンの自動車保険証券を見てあげたそうです。



 すると「搭乗者障害(1名)1000万円、入院日額5000円、通院日額3000円」となっていました。彼は通院だけなので「通院した日数×3000円」を近藤クンの保険会社に請求できるというのです。(事故日より上限180日以内の通院が対象)

 自分が加害者で通院してもこの搭乗者保険の対象とのこと。しかもこの請求をしても翌年の割引等級に反映されません。それを聞いた近藤クンは、直ちに保険会社へ電話して届け出用紙を送ってもらい請求をしました。『半年過ぎていても大丈夫なの?』

 『イエス!2年間は大丈夫、まあ俺は保険会社の人間じゃないので詳しいことは自分の保険会社で確かめることだね』『いや〜知らなかった。いいこと聞いたよ』
私が感心していると旧友は、オードリーの春日のようにふんぞり返り、得意げにビールを開けました。

2010.02.08/17:00