岳行ノート

両見山(西山) 340m/愛知県犬山市

2011年6月15日(水)


仙人の観花





 梅雨の狭間を狙っての山行は、中々計画通りに行きません。そんな折、近隣の低山をご一緒している野良人さんから“せせらぎとお花見登山”のお誘いをいただきました。

 野良観光社ツアーのセールポイントは「仙人の観花」ですが、意味不明です。場所は犬山市栗栖。そこには有名なミステリースポット桃太郎神社があります。

 野良観光社は、今まで外れたことがない鉄板プラン企画ばかりです。当然、参加を表明して木曽川左岸の栗栖(クリス)へ向いました。



 梅雨最中山行企画思案野良人さんのガイドです。

<駐車場>
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せせらぎルート
登山口

大平山分岐

岩場
(ランチ)

両見山

林道出合
(樋ヶ洞林道)



駐車地


 ※赤線はGPS軌跡 黄丸は分岐

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」



江  南:午前8時50分発  曇り
駐車場:午前9時分45着  曇り 
往:1時間25分(両見山まで以下、小休止含)
復:1時間40分(花菖蒲園まで)
◆所要時間:3時間05分

 名鉄犬山遊園駅から木曽川左岸を走り、桃太郎神社を過ぎると右に駐車場があります。その奥、公衆トイレ右側が登山口です。(9:50)

 神社は帰りにお参りしましょう。突き当たると栗栖遊歩道せせらぎルートの始まりです。名前の通り川辺を2.3km歩き尾根へ出ます。





 すぐ人工飛瀑の音が響き、せせらぎに出合いました。山奥へ延びるその流れを、電柱橋で右岸へ渡り‥





 遡ると先に小滝があるため右折して徒渉。左岸の巻き道へ移り、歩き続けます。
(10:00)

徒渉は何度もありますが、水量が極めて少なく問題ありません。
道は極めてなだらかでひんやり感もあり、今日は汗が遅い。
途中、いくつか分岐がありますが、沢沿いに徹します。



 やがて沢から離れ、少しきつめの斜面を10分。愛知と岐阜の県境稜線に着きました。ポカリ休憩します。

 南へ行くと継鹿尾山273m・大平山291mですが、私たちは北へ‥
(10:45)

 西山休憩舎分岐を左に折れると、すぐ右手東側に岩場があります。ここで腰を下ろし、早飯ランチとしました。いい場所は‥

 早いもの勝ち。絶好のランチスペースです。展望は北東に開け、木曽川の湾曲部と美濃加茂市街。中央の左よりの低山が納古山633mです。
(11:05)〜(12:00)

 食後、北西へ登ると両見山(西山)頂上です。
(12:10)

 四等三角点にucodeと書かれたICタグが埋められています。

 インテリジェント基準点で場所情報コード(ucode:緯度・経度・標高)が記録され、目的は測量、維持管理の効率化等です。





下山ルートは近年伐採され、すっきりとした尾根道になりました。尾根を外さないように降りて行けばOKです。




 山頂から(上写真左端)西南へ下山。途中の押すな岩は微妙に支えられ、下から見上げると微妙な不安が起こります。
(12:20)
 




 
小沢を渡ると下に栗栖林道終点が見えます。樋ヶ洞川に沿って下山するのですが、山歩きはこれで終わりと思いました。
(12:30)





 川を見ると小魚が沢山います。堰堤を歩いて近づくとわざわざ近寄ってきました。柿ピーを投げると大喜びしてます。




 林道の入口近く、ここを右へ行けば里の田園です。急に野良さんが『仙人の観花しましょう』と言い岩斜面に取り付きました。
(12:55)





 見ての通りルートではなく、グチャグチャで四肢を駆使して30mの高さを登ると‥





 5分ほどで岩の尖峰に立てます。野良さんはケイタイを取り出して誰かと話し出しました。ここに二人は立てないので覘くと‥

 栗栖の花菖蒲園が真下に見えました。その近くで手を振る人が‥
この近在に住む野良さんの山仲間です。その人を驚かそうと内緒で登りました。
『仙人のように空から花を見ようというプランです』仙人の観花の謎が解けました。
(13:00)



 来た道を戻るかと思いきや更に次を目指し、結局3つの岩頭に登りました。角度を変えての「仙人の観花」です。

 そして下山もバリルートと思いきや‥薄い踏み跡があったのは驚き。バリ好きな人はいるものですね。

 道に降りるとそこは、朝通った人工滝の上でした。左手前から流れて来て正面奥に落ち、右が用水路です。(13:40)

 横から見ると水量が多く人工滝とは思えません。用水路沿いに歩き、民宿の軒先を通り抜けるとそこは栗栖花菖蒲園でした。

何と野良さんの友人が私たちを待っておられ解説をしていただきました。
上から見ると3分咲きくらいでしたが、ほぼ満開とのこと。午前中にNHKが取材に来たそうでそれは残念です。
ここには40種以上1万2千株が植えられ、地元の方たちが整備をされています。

写真左の岩頭が最初に立ったピークで、花菖蒲園から70mほどの高さです。
野良さんは、あれらのピークを見ていつか登ろうと思い今日、念願が叶いました。



 あぜ道には古い枕木や丸太が並べられ、腰掛けて休めるようにベンチもあります。

 どうも上から見るより、お花畑で見る方がボリュームがあるようです。‥ということが分かりました。
(13:50)



 その後、お友達の家で小豆アイスを頂き『さあ、タケノコ堀りに行きましょう』と誘われました。近くの竹林で初めて体験。

 採ったその夜、家で食べたら新鮮なタケノコは、柔らかく口の中で香りが広がることを知りました。


東海岳行
   “初めての3つの出来事” 

 夏の扉が近くなると恒例のコンサートへ行かなければなりません。その日は今年も雨でした。土曜日の17時開演と早めの設定が嬉しい。聖子ちゃんのコンサートツアーは、ひよこさん必見で名古屋笠寺のガイシホールへ出かけました。3時間前に着き、まず外のグッズ売場でウチワを購入し ツアートラックの写真を撮ります。

 開場は16時、まだ時間があるので車中へ戻りました。駐車場にどんどん車が入ってきます。二人は鬼マンジュウを更食べて体制を整えました。昨年はアリーナ席でしたが、全員が立つのでコンサートを見るにはストレスがあり過ぎです。そのため今回はスタンド二階席にしました。


 始まる前、節電のため照明はLEDを多用し、いつもの1/3の電力とアナウンスされます。17時15分「ドカ〜ン!」爆発で幕が開くと二階形式の舞台。スポットを浴びたギターリストが二階中央にいます。そのギターをかき鳴らす(フリ)聖子ちゃんは、オーラ出まくりのスター。バンド6名、ダンサー7名と人件費がかかっています。



 今回のコンサートで初めての出来事が3つありました。一つ目は、新アルバムの曲を歌っている時、地声から裏声になる箇所で音を外しました。彼女は、音程やリズムは完璧ですからびっくりです。

 ひよこさんもそれがわかったと返事しました。昔の曲で裏声で歌う曲は、1曲知っているだけです。最近は表現力の幅を広げるため挑戦しているのでしょうか。外したのは四分音符一個分ですぐ修正し何事もなかったように歌い続けたのはさすがです。

 二つ目は、歌っている時マイクがハウリングしました。それは「ピーッ」という耳を突く高い音で、ハンディマイクや運動会などで誰もが一度は聴いたでしょう。コンサートでは、音響係がフロアー席の後ろに陣取ってコントロールしています。それが3〜4回もありました。担当者はタップリ冷や汗をかいたでしょう。



 3つ目は、Wアンコールで起きました。舞台最前列で聖子ちゃんとメンバーが手をつなぎ揃ってお辞儀。メンバーは引きますが、彼女は一人残り最後にカラオケで歌ってくれます。

 その曲が終わる頃、観客に手を振っている時、急に泣き始めたのです。その泣き方はどんどん深まります。舞台中央に戻ると泣き顔を見せないように90度屈みお辞儀状態。双眼鏡で覘くと小刻みに身体が震え、嗚咽まで聞こえました。

 聖子ちゃんはポロポロ顔でバックに流れている歌(カラオケではなくアルバムの曲ををそのまま流し、観客にコンサートの終わりを知らせる曲)を泣きながら歌い出しました。「♪ありがとう」というタイトルです。このコンサートは6月12日埼玉からスタートし2ヶ所目が名古屋でした。アルバムは、6月1日発売なのでギリギリです。



 彼女がトークで明かしたことですが、震災が起きてコンサートができるかどうか全く分からなりました。そこから自分の気持を持ち直し、レコーディングを進め、舞台装置を変え準備し直したようです。コンサートの最後の最後、多くのファンが顔入りウチワを力一杯降った時そんな思いがよぎったのでしょうか。

 来年も50歳の彼女に逢いに来ましょう。

11.06.20(月)22:55