岳行ノート
天王山/美濃市  標高538m
2005.7.23(土)江南9時00分発 
           曇り 28℃ 
登り:計2時間10分(小休止含)
降り:計1時間35分(小休止含)
 夏はじめの山行報告は、高い山や長野県方面で華やかに涼しそうです。私も行ってみたいけど、先立つものがどこに消えたか見当たらない。1000mクラスでは、熱中症のリスクを背負って登るようなものです。こんなときは、スーパー低山をぱっと登り、さっと降りて汗をかこう。サウナ山には「天王山」。

 ガイドブックは、風媒社「岐阜の山歩きベストコース55」です。この本は、5年前Qちゃんがシドニーで1位になった日に感動記念に買いました。初めての山のガイドブックで何度読み返したことか。メモと蛍光ペンが、いっぱい書き込まれてます。


天王山登山口の大矢田神社
 



白山神社P

天王山

大矢田神社P

白山神社P

(黄線は一般道)

※赤線は実測では
ありません。

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」

  近所の用水に住み着いたカルガモ親子です。6月18日「能郷白山」の1番コマで紹介した時に比べ随分大きくなりました。
 コンクリートで囲まれた用水で何を食べて育つのか不思議です。

 朝、橋の下で3家族がくつろいでいました。地元民だけの秘密の名所です。
  話し変って、山道楽とかけて何と解く?かっぱえびせんと解く。その心は?やめられない、とまらない。

 本日は蒸し暑く、空模様が怪しくても、やめられないわけで単独で美濃市まで来ました。

 そして「白山神社」に車を止めます。写真左にグランドがあり、スポ少が野球をしていました。登山口へは、鳥居の左を進みます。
(10:05)
  植林の中、今朝ほどの雨で足元は濡れていました。スパッツは持ってきましたが暑いので着けていません
  5分ほどでこの分岐に来ます。ここで右に写真の標識がありました。これを見落とし直進すると堰堤で行き止まりです。
 右折したらすぐ標識の案内で左折します。以後も要所で標識が出てきました。とても分かりやすく設置された方に感謝します。
  植林の下は、薄暗く蒸し暑いジャングルです。やがて登山道は、尾根を上がっていきます。
  ここは最初の鉄塔です。
(10:25)

 道に、はみ出た濡れ葉に触れるとイヤなので下に注意して歩きました。

 すると、唇に蜘蛛の糸が引っかかり、巣にかかった虫が口元にぶら下がります。大慌てで振り払いました。 
  ストックを竹刀のように構え、蜘蛛の巣破壊王となって進みました。10m進むのに7箇所も壊した道もあります。
  汗を滴らせながら登りました。突然、下草から『ギー、ギー』と奇声をあげたセミが横切ります。そっちも驚いたろうけど、こっちも驚いた!

 二つ目の鉄塔に着きました。風があるので機能性Tシャツは、速乾の名に恥じずあっという間に乾きます。
(11:00)

 休憩後、歩き出すと熊蜂がホバーリングして警戒中です。少し待ちましたが、持ち場を離れないまじめ蜂なようで遠回りして行きます。
  またまた登山道には、濡れた葉や草が覆いかぶさっている。ゴアテックスの雨具を着てもいいが 、買ったばかりの新品を汚す気になれない。
 
 しかしそれでは、何のために用意したのか分からない‥。
  よって防水性をなくした登山用高機能パンツは、ビタビタです。

 鉄塔からいったん下がると低山と侮れない急登が2ケ所あります。木を掴みアキレス腱をしっかり伸ばし、登りました。  


※左の上から2つ目:ひとくち茸
※右:かわら茸(三男山男さんより)
 見晴らしの利く岩場で風を受け、歩いてきた稜線を振り返ります。
 倉木谷ABCコースからの道と合流しました。山頂の期待が高まります。
(12:05)

 そこからすぐ、登ってきた左の大矢田神社コースと出会いました。帰路はこちらの道を降ります。

 標識版が賑やかになり頂上が間近なのを知らせます。
(12:10)
  「天王山」山頂です。ちょうど5名の方が降りていかれた後で誰もいません。
(12:15)~(12:50)
 頂上の小屋掛けからビールケースの椅子を借りランチタイムです。自慢の眺望は、まことに残念賞です。

 パンツも乾き食後、付近を散策しました。小屋掛けの中には、せきすいさんのHPがプリントして掲示されています。「誕生山」からの縦走コースの案内図もありました。

 反射板のほうに少し降るとブルーシートで囲われた簡易トイレも健在です。中を覗く勇気はありません。
  山名標識の横にある記帳ノートに「7/23山たまご」と登降コース名を書き込みました。

 ノートをめくると“緊急事態発生の件”の表題の下、1ページにわたりその尋常でない様が、一生懸命綴られています。
 詳しくは下段の“道草”を後でご覧ください。
山頂下の道分け岩を過ぎ、戻ります。
  帰路の大矢田神社コース最大の難所は、ますますやせ細っていくようです。

 ヘアピンカーブにある大もみじを巻きながら足早に進みます。

 なぜなら蚊が、顔の周りを飛び回っているからです。
  このロープ場の降りは要注意です。注意しながらゆっくり降りると蚊に刺されし、慌てると滑って転ぶ。
  このコースは、トラバース・岩場・ロープ・沢・雑木林・展望と登山の楽しさを短時間で味わえます。

 山を始めた頃、軍手とスニーカーで登ったこと、知人の筋肉マンが大もみじまで行けずギブしたこと等思い出がいっぱいの大好きな山です。

 沢を渡渉すると登山口は近い。
 大矢田神社本殿脇に着きました。

 ここは交通安全や防災祈願などにご利益があります。なんと1200年の歴史を持つ神社です。
(13:40)
 「もみじ谷」のヤマモミジ樹林は、国指定天然記念物となっていて、参道にもヤマモミジが並木をなしてます。

 紅葉シーズンの11月23日、大きな張子の人形を操る奇祭「ひんここ祭」にこの道は、3kmの大渋滞です。でも朝早く来れば、楽しい一日を過ごせます。
 山門からは、30分ほど一般道を歩き、駐車地点へ戻ります。
 実は“たたみ君”を折り畳んで連れてきたのですが、雨の中で待ってもらうと錆びるのでやめました。





 途中、今日の歩いた山稜を望みます。右の薄く写る鉄塔まで登り左端の山頂まで縦走しました。
 出発した白山神社に着きました。グランドの野球少年達はもういません。車のドアを開けるや否や雨が降り出しました。歩数計は16000歩で低山にしては良く歩いたほうです。
 
 携帯に娘からメールが入っています。それでは一風呂をやめ、get buck go home [ポール マッカートニィ]
(14:25)

      <緊急事態発生の件>

 「天王山」山頂の記帳ノートに1ページにわたり、書かれていたことを要約します。

 6月4日(土)午前11時30分ごろ、御手洗コースより登山してきた方と下山中のご夫婦が、大矢田神社コースとの合流地点手前20~30mで倒れていた男性を発見しました。
 頂上におられた関中濃病院の看護士を含む9名パーティも駆けつけ、119番通報、応急処置などをします。しかしその60~65才と思われる単独男性は、呼吸も脈もない状態です。
 その状況は関中濃病院へ報告され、午後12時過ぎ救助のヘリコプターでその方は搬送されました。

 『6/5現在、生死の情報は入ってないが、暑くなったこの頃、どの方も体調には充分注意してください』と救助にあたられた方が締めています。でもその下に追記の2文字‥。
  ご冥福を祈ります。