岳行ノート

カナ山(夜叉ヶ妹池) 986m/滋賀県長浜市

2011年11月9日(水)


白龍大神神域の夜叉ヶ妹池<ヤシャガイモイケ:標高930m>

(福井県南越前町の夜叉ヶ池は標高1100m)


 その山を登るのは何か理由があるわけですが、山中に池があると何故か惹かれます。鈴鹿なら御池岳の池々、銚子ヶ口水舟の池三池岳仙香池等。

 印象に残ったのは夜叉ヶ池ですが、その妹の池があることは知りませんでした。湖北の金糞岳南尾根、途上に聞き捨てならない夜叉ヶ妹池があります。

 先週登ったブンゲンから一本西の尾根で、カナ山というピーク近くです。調べると、池や山頂へ辿りつくのに難渋するようで行く前から緊張します。


 ガイドブックの著者も迷い迷ったと書くほど。GPSを持って挑戦しましょう。名神高速道路関ヶ原ICで下り、道の駅伊吹の里を経由、草野川を遡ります。

 教科書は、ナカニシヤ出版社刊「琵琶湖の北に連なる山」です。参考書としていくつものHPを確認しました。 
<駐車地>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動


鳥越林道駐車地

夜叉ヶ妹池

カナ山

琵琶湖展望地

鳥越林道駐車地

 ※赤線はGPS軌跡

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時50分発  10℃ 曇り
駐車場:午前8時45分着  10℃ 曇り
往:2時間50分(カナ山まで以下、小休止含)
復:1時間40分
◆所要時間:4時間30分

 草野川左岸沿いの高山町に白龍神社があります。妹池は、神社の神域で以前は雨乞の行事が行われていました。後ろに‥

 名水百選堂来清水。説明板「遠く三国峠夜叉ヶ池を姉池とし、榧谷(カヤタニ)山腹の妹池に発すると伝えられている」池は湧水の水源です。

 高山キャンプ場の入口に鳥越林道金糞山登山案内図に「林道は自己責任で通行」と注意文言。

 バリケードは、車が通れます。

 3kmを15分走り、榧谷にかかる橋手前のスペースに駐車。橋を渡ると右に大岩と杉木立があります。

 登山口はその横、明確な踏み跡とテープですぐ分かりました。沢音を聞き植林を進むと堰堤があり‥
(9:00)

 左から巻き、小さな流れを渡ります。
(9:05)

 左岸沿いのはっきりした道になり、落葉を踏んで登りました。5分足らずで道は‥


 尾根に向い急勾配。植林は、食害除けテープ、枝打ち、間伐と手入れ充分です。
(9:10) 
尾根を登るには、東へコンパスを合わせればOKです。
良質な枝道や山腹道に何回も誘そわれますが、兎に角「東の登り」を貫きます。

曇天ですが、薄い雲から陽が射す事もあります。
植林されていない所に現れる色彩のキャンパスに急登が癒されました。

 振り返ると琵琶湖山本山324mや竹生島(チクブシマ)も見えます。
(9:55)

 踏み跡が薄く、コンパス通り頑固に東へ。歩きやすい場所を進むと植林↓になり、直登して‥


 空が多くなり稜線出合です。雪解け頃、ヌタ場になりそうな窪地が2ヶ所あります。この場所は下山時の目印です。
(10:25)

 広葉樹の明るい尾根を辿ります。倒木にサルノコシカケ。新しいカメラは一発でピントが合い気分がいい。

 女優で上手く合わす人は「泉ピント」

 尾根芯は、けたたましい藪で先が思いやられます。忘れていました、稜線に着いたら芯を外すことを。

 早速、左(西)斜面へ少し移動すると随分楽になりました。ヌタ場から15分(300m)歩き、池があるはずです。


昨夜、GPSナビに山頂から200m南、2重山稜風の箇所に妹がいると予測しマークしました。
案内板やテープは全くなく、斜面を登るとそんな雰囲気‥『妹さんですか』『はい』




返事はありませんが、予想通り藪の向こうに池が見え、反対側は地形図通り盛り上がっています。
気分も盛り上がり、藪を分け下から池を撮影@。想像より大きく、周囲が紅葉でいい雰囲気です。
妹は姉よりかなり小柄で東西10m幅、南北20m+沼地10mほどでしょうか。一周しましょう。
(10:40)



藪こぎして池南端Aに来ました。こんな藪こぎなら楽しい。
沼地にストックを差すと30cmくらい入る所もあるのでドボンしないように気をつけます。
『ドボンときたら龍角散』 この右の東側Bへ移り、撮影したのがTOP写真です。



北端Cに来て南方向を写しました。逆光なので水面は乱反射、偏光レンズが欲しい。
写真右からスタート、奥から左へ周回。(撮影時間込みで25分間)
途中、写真左の山稜で枝をよけると眺望が広がりました。それが‥

1週間前に周回したブンゲン1260m。その歩いたコースが全部見え感激的ご対面。
ブンゲンの下山時、スキー場施設が目についたのですが、ブンゲンは殆ど自然林です。
左側が奥伊吹スキー場施設、山頂は稜線最高地点のふたコブの右峰です。
 コースは、道標ゼロ、テープも殆ど有りません。藪を避けて歩くとき、向う方向をしっかり押さえます。

 珍しく枝にPPテープが、10m置きに付いていました。池から15分登ると台地になり、道を外れ東へ三角点探し。

 全然見つかりません。PPテープの跡を追っかけます。

 10分進みテープを見失いました。辺りは道を這う枝でグチャグチャ。地形図の三角点がここまでずれる?
(11:30)

 戻ってナビの三角点予測マーク辺りを重点的に探します。諦めかけた頃、前コマの場所でテープの意志発見。

 例のPPテープは10m置きに着いていたのですが、2つ前のコマの箇所だけは並んで付いています。

 発見場所から写真右上に回り込むと『あ〜良かった』三等三角点に出会いました。ヒントはあったのですね。
(11:50)

 『腹減った』ランチに妹池の近くへ戻ります。クッションを置き、『どっこいしょ、ギャー』

 山栗のいがった針が、薄いクッションを貫き尻を突き刺しています。『同系色で見えにくい』(12:05)〜(12:20)

往きに学習したから下山道は藪のない山腹を辿りました。
透過光のシャワーを浴びて黄金回廊を歩けます。登山者に与えられた至福のひと時‥


 ポイントのヌタ場を確認して西へ右折。いつか横にそれていました。本来の尾根へつなぐこの道に出合い修正。
(12:40) 

 林道駐車地に下山。(13:45)

 帰路、途中で北を振り返る。奥の左ピークが白倉の頭1271m、右の次ピークが金糞岳1317m。

 草野川沿いは落ち着いた町並みが続きます。道路沿いの公園は、「儀左エ門公園」と渋い。

 ミラーを覗くと額に赤い傷。藪と格闘して池と山頂を見つけた代償。指が触れた感触は懐かしい痛みです。


東海岳行
   “バンドは行く  

 私はおじさんバンドのメンバーでサイドギターをやっています。学生時代の稲田君はリードギター。彼の会社仲間、ベースギターとドラムの二人が加わりました。目的は年2回春と秋の発表会で演奏すること。今年2月から練習をやり始めたのですが、発表会は3月。無理なことは承知の助。

 1ケ月しか練習期間がないのに、4人中2人が働いていて週一練習です。何の曲をやる?稲田君と私はビートルズマニア、ドラムはベンチャーズ、ベースギターはジャズ。これでは決まらない、全員素晴らしいテクニックは持ちません。私が学生時代に作ったシンプルな曲を提案しました。

 1曲2分なので短過ぎ、もう1曲つなげてメドレーにします。私が下手ですがヴォーカルを担当しました。練習は1回2時間、この程度の練習ではいかんともしがたく発表会はミスや狂いの連続、私の採点は30点の出来です。応援に来た家族はサウンドが綺麗だったよと慰めてくれました。



 次の秋の発表会まででバンドは小休止。その間、稲田君はカラオケの上手い会社の女子にアプローチしました。私が、彼女はどんな曲歌いたいの?と尋ねると♪真っ赤な太陽♪青いうさぎ

 彼と二人で練習してみたのですが、歌謡曲は意外に難しく上手くできません。そのうち彼女が発表会に出るつもりは毛頭ないと言うので二人はがっくり。

 やはり私のオリジナルかということで前の反省を踏まえ準備に入ります。その頃、旧モーニング娘のコンサートに行き、激しい踊りと若さに圧倒されました。帰り道『そういえばダンス曲は作ってないなあ』 翌日からモーニング娘のベストアルバムを聴き、ダンス曲のイメージを探ります。



 以前、フォーク調の曲に、イントロ、旋律、リズム、構成を変えダンス曲風にしました。歌詞も新調しなければなりません。ダンス曲→疾走感がある→それならドライブ→車で知多半島から海へ→誰が主人公?と妄想します。聖子ちゃんの♪赤いスイートピーという名曲があります。

 「春色の汽車に乗って海に連れていって‥半年たっても手も握らない‥気が弱いけど素敵な人‥」この二人をドライブさせることにしました。汽車で海へ誘ったけれど手も握れず惨敗だった彼が車を購入し、聖子ちゃんを再び海へ誘う‥という設定です。

 原曲のアンサーソングですが、設定が明確なので詞は意外と速くできました。曲中にエフェメラルという言葉が何度も出てきますが、作ったとき福寿草の時期で花は春の妖精と言われています。それを引用しました。稲田君に聴かせると『新しい境地だね』と言われまんざらでもない私。



 新曲のデモCDを皆に渡し、それを聴きながら家で各自練習し、練習スタジオで音合わせという段取りです。9月の発表会に向け5月から練習を開始したのですが。2時間も根気が続かないため、練習は1時間に短縮。しかし、まあ皆さん練習しないこと、しないこと。

 帰宅してビール飲んだら楽器は持てないという始末。稲田君が、1曲追加して2曲やろうと言いだしました。『アンビリーバブ!』この先どうなるのでしょうか? それでもバンドは行く。※下のタイトルをクリックするとデモ曲が流れます。音が出るまで数秒、我慢が必要です。


♪不思議


(イントロ)

何だか不思議だ 助手席に君がいる
高速道路飛ばせば 緑に一直線
窓を開けて薫る 風を受けて行こう
揺れる髪に胸を焦がす 君は春のエフェメラル

何でもないこと 素直に言えばいい
チャンスはここにあるけど ぼくは口下手で
半年たっても君の 手さえつなげない
好きな歌を口ずさむ 君は春のエフェメラル

海岸道路走れば 開放的な気分に
一番大切な人は 君だ

(間奏)

取り留めないこと 浮かんで消えていく
まるで砂の足跡 波がさらうよう
心に刻む何かを 伝えたいけれど
日射しまでもぼくをせかす 君は春のエフェメラル

君は眩し過ぎるよ

(エンディング)

2011.11.13(日)22:35