2011年12月1日(木) ガスの空 笹枯れの道 御池岳 |
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早秋『御池の池巡りは1日で15〜17は行けますから楽しんでください』と御池池守さんからメーッセージを頂きました。その頃は登山口への国道306号が工事中です。 通行が可能になれば、池巡りしようと思いました。実は、9年前の5月「地図で歩く鈴鹿の山」に掲載された池巡りコースを一度トライしています。 そのガイドブックでは、10池を巡るのですが、私が見つけたのは、7時間かけ半分の5箇所。実力不足が明白なので御池池守さんに案内をお願いしてみました。 快く受けて頂きましたので喜んで出かけます。名神高速関ヶ原インターを降り、365号線で南下。黄金大橋南交差点を右折し306号線で鞍掛トンネルへ向います。 事前の池の確認は「御池池守のブログ」、ノート作成は近藤郁夫著「御池岳 風物語・雫物語・霧物語」にお世話になりました。 |
<駐車場> [-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動 |
↓ 鞍掛峠 ↓ @クマ池 ↓ ▲鈴北岳 ↓ A北池、B真の池 ↓ C南小池、D南池、Eサワグルミの池 ↓ F平池、G中池、Hウリハダカエデの池 ↓ I丸池、Jオチョコ、K風池 ↓ 天狗の鼻 ↓ ボタンブチ(ランチ) ↓ L幸助の池、M山東池 ↓ ▲丸山 ↓ N山西池、O上池、P道池、Q霧池 ↓ ▲鈴北岳 ↓ 鞍掛トンネル西口駐車場 ※赤線はGPS軌跡、 赤●は未訪の池(きはだの池以外の名は道草参照) ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
江 南:午前7時15分発 曇り 10℃ 駐車場:午前9時00分着 曇り |
往:2時間50分(丸山まで以下、小休止含) 復:1時間40分 ◆所要時間:4時間30分 |
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当日はバッチリの曇り空と強い風。鞍掛トンネルで三重から滋賀へ抜けた所に広い駐車場があります。 写真右方向が登山口です。 (9:05) |
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最初は植林の登り。剥皮防止テープが根気良く巻かれています。1本300円のコストなら補助金はいくら出るのでしょうか? |
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そんなこと考えているうちに鞍掛峠へ着きました。狭い交差点を右折し、お地蔵さんにご挨拶して尾根道を登ります。 (9:30) 以前、尾根は酷い藪でした。滋賀県側の山腹にそれを避けた踏み跡が残っていて池守さんはそこを進みます。 御池岳は250回以上登ったと言われ、それ自体が信じられないこと。 |
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数分で尾根に戻り、西側へ少し斜面を降りるとすぐ@クマ池(ヌタ場)がありました。 (10:00) |
稜線では強い風が吹いてます。すると雲が西から押し寄せてきて、この先の天気が心配です。予報では曇りですが‥ |
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炭焼きの古老は『笹は60年周期。涸れた時を見た』と言われます。笹も世代交代の時期のようです。 鈴北岳1182mピークです。御池は何とか雲を押しとどめています。以前来た時は、ここから南下して日本庭園に向いました。 (10:35) |
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今日は、東へ県境稜線を降ります。 山頂台地は柿色の絨毯、ズシンと重い丸山が乗っかっています。 4分ほどで鞍部になり、斜面を適当に南南東へ降って行きました。数分で‥ |
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A北池です。先のカレンフェルトの間を進むと、池の平の登山道に乗り右折すれば‥ (10:45) |
B真(シン)の池です。元池と並び良く知られています。ここを右に見て踏み跡を南下しました。 (10:50) |
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すると池は5,60m間隔で現れ、忙しくなります。C南小池は、穴が開き水は無くなりました。(10:51/その写真は道草参照) ヌタ場になったり枯れても、いつか復活するやもしれません。そこで池守さんは、名前の付いた池を案内してくれます。 次に写真のD南池です。その先には‥ (10:52) |
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Eサワグルミの池:下方に2ヶ所穴が開いています。(10:54) 南東へ少し登るとF平池。この池も水は無くなりました(10:55/写真は道草参照) | すぐ南にG中池(おむすび池)。この池は、充分水があります。ここから西へ進路を変えて歩き‥ (10:56) |
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Hウリハダカエデの池に出合います。 (10:59) 南の小さな尾根を越えれば‥ |
I丸池が見えます。A北池から15分間で連続9池。ここで小休止します。(11:02) |
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写真からもわかりますが、この辺りで栄華を誇った笹はなくなり、見晴らしが良く歩くことは容易です。 小高くなったコブは、苔の王国で踏み入らないように巻いて進みます。すると‥ ←オチョコ(御猪口)ブチに出て、台地の縁沿いに南東へ辿りました。 ここのJオチョコは、炭焼窯跡に水が溜まったものですが 今は枯れています。(11:08/写真は道草参照) |
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オチョコブチから350mほど行くとK風池。ロマンチックな名ですね。梢の向こうの空から、風が昔話を運んで来るのでしょう。 (11:18) |
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今日は、強い風が地上から吹き上げてきます。山では寒気に身をさらし自然を受け入れるだけ。ひょっとして恐ろしい不況風? 崖っぷちにある天狗岩の鼻は自慢げに上を向いています。眼下600mの絶壁の迫力は感動的です。 (11:27) |
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次にボタンブチへ行き、ランチにします。着いた時は、まずまずの展望でした。 ところが奈良から6名パーティが到着されると、雲海展望に急変しついていません。 池守さんが、この急崖のある場所に洞窟があり行った事があるそうです。道順を聞いても行けるわけがありません。 (11:30〜11:50) |
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また、パーティに登頂前に次の二つの池を誘われました。いい提案です。ボタンブチまで来たら見逃せませんよね。 L幸助の池 以前、笹海を平泳ぎして見ました。今は楽なもの。この池や元池、北池、真の池等は昔から知られた池です。 (11:57) 山頂に向かう途中のM山東池は干上がっています。(12:08/写真は道草参照) |
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丸山山頂は、広大な御池岳の最高峰です。つまり鈴鹿で一番高い所。以前来た時、展望は良くありませんでした。 今は、冠雪の山容引き締まる白山も見えます。8分休憩し登山道で下山するパーティと別れ、北西に降ります。 (12:13) |
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山頂から160mくらいのN山西池(ヤマニシイケ)は、もうヌタ場です。 (12:24) |
更に130mほど降るとO上池(カミイケ)に出合います。大きさは申し分ないのですが、ここもほぼヌタ場です。 (12:26) |
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上池から北北東へ斜面を適当に歩くと‥登山道を降る奈良のパーティが向こう見えました。 我々は、池間を最短ルートで歩くので『先に鈴北岳に着きますよ』 私もそう思います。 一旦、登山道に出て右折すると‥道に水が溜まったのでP道池。今は迂回する道があります。 『大半の池に豆メシジミがいる。山を上って来たのではなく山と一緒に高さを上げた。 百万年前から住んでいますよ』と言われ驚きました。それじゃ生きた化石だ。 池巡りも残り一つ、谷部を北西に県境稜線へ登ります。 (12:35) |
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実は池守さんは御池岳の多くの池を発見されました。このQ霧池は霧の中で見つけられたのですが、歌になりそうな名前です。(12:45) |
道脇に鹿の糞?パラパラしてなくまるで葡萄のよう。味を試すことはできません。どんな感じで○門から出たのか?その光景を見たくはないけど興味深い。 |
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周囲は雲でも幸い一度もガスに囲まれませんでした。やはり鈴北岳には、パーティより私たちが先に着きました。 (12:55) 道中聞いた御池物語はとても面白かったのですが、私のメモリーが少し大きかったらと思うばかり‥ →鞍掛峠(13:35)→トンネル西口駐車場(13:50) |
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東海岳行 |
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“御池物語” | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
御池岳の池を18か所巡ったのですが、1/25000分地図に記しました。赤線が歩いた軌跡です。 この日未訪の池を、池守さんにご教示いただき、ヌタ場になったり涸れたものも含め、下地図に表示します。 元池(雨乞い池)、お花池、草原池、ひょうたん、幻池(ヒキガエル池)、空池、 まゆみ池、東池、奥の池(中央池)、きはだの池(TOP地図に) (赤字は、2005年5月の「御池岳(池巡り)」で出合いました) 尋ね忘れ、場所が不明で未表示なのは、御手洗池、日本庭園の池があります。 ということは名前のある池は、18+12=全30池です。 また龍神のヌタバやドリーネの青のドリーネ、黒のドリーネというものもあります。 <岳行ノート本文に未掲載の変遷した池の写真>
池守さんが池探査された20年近く前、御池岳は笹やススキが覆っていました。 また刺のある猛烈なブッシュも要所要所で待ち構えています。 そんな見通しが悪く登山道もない条件下で、コツコツと情熱的に池を探し歩かれたのでしょう。 殆どの池探し山行は『何の成果も無い事の方が多かった』ということです。 今ではどこも笹藪やブッシュも無く、池もすぐ見つかるので探査は難しいとは思えないでしょう。 昔の山や藪の状況は、とても想像できません。でも大変な労苦と時間を費やされた事はわかります。 前説で記した近藤郁夫著「御池岳 風物語・雫物語・霧物語」を読み池関連を抜粋してまとめてみました。 この三冊は、池守さんからお借りしたものですが、その活躍は驚愕します。すごい。
御池岳の池リスト(19) <近藤氏の池の定義:直径2m以上、2、3日で枯れないもの>
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