岳行ノート

金山〜雨生山 424m・313m  吉祥山 382m
/愛知県新城市・豊橋市

2012年4月1日(日)


新城市中宇利「世界の桜の園」 小彼岸桜

空に向って広げた枝一面の蕾が、日毎に膨らみ
「見て、見て!」と微笑む様は桜守にとって至福の時です。

-2004年3月新聞記事より-


 8年前の新聞で、校長を定年退職された岡田真澄さん(現在76歳)が、平成の改元を機に友人と共に、里山を世界中の桜の木で埋め尽くそうとしていることを知りました。

 花見と言えばソメイヨシノですが、その意味では珍しい桜の山は植物園のようです。その後NHKテレビでも放送されました。現在120種、約9000本です。

 目標は2万本ですが、今では新城市の名所になり、9月下旬〜4月下旬までどれか桜が咲いています。これは行かねばなりません。


 そこで三河に詳しい岳魚さんにコース案をお願いしました。7人の山仲間パーティで東三河の低山を巡ります。東名高速の豊川インターで下り、国道151号線で北上。

 一宮町豊交差点を右折して県道380号線を走ります。県道81号線へ移って高速を潜り、富岡交差点で右折して400m先で左折し‥

 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県登山ガイド 愛知県の山」です
<駐車地>
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世界の桜の園P

比丘尼城跡

金山

▲雨生山

宇利峠P
   (車)
世界の桜の園P

※赤線はGPS軌跡

※●は主な分岐
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江   南:午前6時00分発    曇り/3℃
登 山 口:午前7時55分着   曇り時々晴れ
往:1時間10分(金山山頂まで以下、小休止含)
還:1時間40分
◆所要時間:2時間50分


 ‥2km東進すると右に桜色の幟が見えました。辺りは農道で駐車地がありません。入口手前のスペースに置車できました。
(8:00)

 幟の先から坂道を登り、「世界の桜の園」の案内図を確認して山腹を行くと‥
まだ山は桜色に染まっていません。今年はどこも1週間は遅いようです。でもこの陽光桜はいい感じ。
寒緋桜、おかめ桜、楊貴妃なんていうのもありますが、今日は花冷えで桜は寒そう。
この桜の山は卒業、結婚、誕生を記念して2000人(掲示板より)の方が植樹されています。

御存じソメイヨシノは江戸時代に作られた品種で、挿し木や接ぎ木でしか増やせません。
すべて同じDNAのクローン桜のため同一地域のソメイヨシノは、一斉に咲き一斉に散ります。
その鮮やかさ、いさぎよさがあるから人々はこの桜を愛でるのでしょう。寿命は短く約60年ほどです。

 東屋へ来ると麓が好展望ですが、ここでひと息入れます。足元のハルリンドウは、まだ蕾です。さらに桜の植樹地を進むと‥
(8:15)

 223mピークの比丘尼城跡(ビクニ)。戦国時代の砦跡です。春はキンラン、秋は紫のセンブリ等何十種類ものお花見処になります。
(8:25)
 鳴らすと幸福になれる愛の鐘を経て、「世界の桜の園」を抜けると登山道の分岐です。ここを左折し‥
(8:40)
←貴重な木の花ですが、名を失念しました。キンモクセイと同じ匂いで、白花沈丁花に似るけど‥

※岳魚さんより:胡椒の木



 よく踏まれた山道から林道を横切ります。中電の反射板指標から登れば金山(カナヤマ)山頂です。三等三角点と西に反射板。

 眺望は、フェンスが邪魔で意外に良くありません休憩もそこそこに尾根道を南西に降ります。
(9:10)

 少し笹籔っぽい道があったりしますが問題ありません。快適な降りです。

 やがてケルンのあるピークに出ます。次の道がどこか分からなくなりますが、北へ続いていました。

「世界の桜の園」方面への分岐標を過ぎるとすぐこの展望ピークです。ここもケルンがありました。
すかっとした眺望は、時を忘れさせます。先ほどの金山の反射板も確認できました。
西を見ると左に形の良過ぎる独立峰。次の吉祥山382mで山肌はゴルフ場です。中央奥が本宮山789m。
(10:00) 
       
左写真:南を見ると浜名湖猪鼻湖(手前:イノハナコ)。
右写真:北は、写真中央のピンクが「世界の桜の園」で駐車地の車も確認できました。
このピークから一旦降って登り返せば‥


 雨生山(ウブサン)山頂。ケルンはありますが、三角点はありません。南に猪鼻湖が覗いていますが眺望は良くありません。

 この山では湧水が良く出るため雨が生まれる山となったのではというお話し。なら第一山の金山は、金の出る山かもしれない。
(10:20)

 雑木林の登山道が植林に変わります。愛知・静岡県境の東名高速宇利トンネルの上部を歩くので、車の音がやたら聞こえるのかと思いきや‥

 国道301号線の走行音でした。下山口は、県境の宇利峠(ウリ)です。デポした車に乗り込み‥
(10:50)



 出発地の「世界の桜の園」駐車地まで10分ほど走ります。農道脇に停めたけど上にも停められるようです。

 ランチは、次の吉祥山(キチジョウサン)の休憩所で取ることにしました。
 県道81号線で西へ走り、東名高速道路を潜って県道381号線に移ります。もう一度潜り返して工場の手前で右折。(走行10分)


 休憩所P→鉄塔→ベンチの分岐→休憩所→吉祥天女祠→▲吉祥山休憩所P

  ※赤線はGPS軌跡  ※●は主な分岐

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 

 教科書は、山と渓谷社「新分県登山ガイド 愛知県の山」です。

 そこに立派な休憩所・駐車場・トイレ・案内図がありました。豊橋といえば石巻山358mというイメージを持っていました。
 
 この山には、随分力が入っているようです。因みに豊橋市の最高峰は平尾山464m。

 ランチを済ませたら軽いリュックで出かけます。
(10:50)

 休憩所前の舗装道を少し登ると登山口標柱があります。

 雑木林でいい感じ。それほど急登もなく、4本の鉄塔を越え標高を200mかせぐと‥





 「そこそこDX」のベンチがあるY字分岐です。右が山頂ですが、左の山腹道を辿ると‥
(12:35)



 展望もない場所にこんなウッディで大きな休憩舎。駐車場の休憩所も凄かったし、382mの低山ですが別格扱いのようです。
(12;50)

 さらにジグザグ登れば‥

シイの大木に囲まれ、大岩を壁にした小さながあります。
平安時代、この地の大寺院今水寺(コンスイジ)の奥の院としてここに吉祥天女が祀られました。
山名はそこから名付けられたものです。
(13:00)




 丸太の階段を登っていくと三等三角点の小広い山頂。圧巻の展望です。四囲を見れば独立峰ということが認識できます。
(13:10)
ゴルフ場が下に見え、奥に弓張山脈(ユミハリ)の峰々。
右に顕著なピークが富幕山(トンマク)563mで、分かりにくいのですが斜め右手前が金山424mです。
元旦は、初日の出狙いの人で山頂は立錐の余地が無いほどになります。

この好展望なら豊橋市が力を入れる理由が分かる気がします。
展望絵図があり南に三河湾・太平洋の海原、北西に南アルプス、運が良いと富士山も見えるそうです。
木製ベンチも用意されていて25分も休憩を取りました。





 山頂から西南尾根で下山。10分ほどで「そこそこDX」ベンチの分岐に出合い、登って来た道を降ります。


 森に落花したヤブツバキは、暖かくなった地上で咲いているようです。この吉祥山お花の山で、ガイドブックにもキンラン・ササユリ・シライトソウの名前が載っていました。同行のhakki15さんご夫妻は花に猛烈に詳しく、路傍でたちまち見つけたり『この辺りで咲くけど今年は‥』とご自分の庭のよう。

 やがて登山口が、見えたら春山の旅は終幕です。下山口で、いつものようにリュックに荷物を詰め直します。入りきれないほどの日常という名の荷物を背負いまた我が人生の旅を続けましょう。明日の朝はゴミ出しだ。
(14:10)

 

 岳魚さん、rinpyouさん、funa84さん、hakki15さんご夫妻、kazeさんご一緒させていただきありがとうございました。

 ご夫妻に金山吉祥山で貴重な花の名をを教えて頂いたのですが「きっと帰宅するまでに忘れるだろうな‥」と思ったとおりの結果になってしまいました。すみません。

 書込み頂いたコリンさんのHPで判明。シュンラン


東海岳行
   “トンネル廃線活用サミット”  

 岐阜県飛騨市神岡町に神岡鉄道の廃線跡を走るレールマウンテンバイクがあります。一度訪れたいのですが何しろ我が家からは遠い。亜鉛採掘の神岡鉱山が閉山すると鉄道も2006年末で廃止となりました。何でも撤退に当たり鉱山側は15億円を町に寄贈したそうです。
 その一部が充てられたのか、2007年アクティビティとして軌道自転車を走らせ、線路は復活します。運営は現在、23歳の女性が一人で頑張っていて、昨年は年間14,000名の利用者で、ビジネスとして成り立って行くところまでこぎつけました。電動アシストバイクは二人で3000円です。

 往復6キロの道のりをトンネルを潜り、高架を走るのでスリルも味わえます。今年は営業日を拡大して4/14〜11/25(水曜日ほぼ休)要予約です。そんな写真や説明を「全国トンネル廃線活用サミット」で聴いていると益々行きたくなりました。



 その集いは、今年3月末に愛知県春日井市のホテルプラザ勝川で開催され、参加無料なので私も出かけました。内外の廃線トンネルの活用が紹介され、海外はフランス、ドイツ、国内は各地にあり知らないところばかりです。勝沼鉄道トンネル群(山梨)、宇津の谷峠・重文の天城峠(静岡)、亀の背トンネル(大阪)。

 地元では代石の地下壕・地球の回廊(岐阜中津川)、磨洞温泉・飯高洞窟美術館(三重)、さらに旧海軍司令部(沖縄)、高森湧水トンネル(熊本)、トンネルの駅(宮崎)、きらら夢トンネル錦川鉄道(山口)、田谷の洞窟お寺(神奈川)‥沢山あります。

 パネラーは、愛岐トンネル群保存再生委員会、士幌線ひがし大雪アーチ橋友の会(北海道上士幌町)、碓氷峠鉄道遺産群を愛する会(群馬県安中市)、篠ノ井線ケヤキの道(長野県安曇野市)、湊川隧道(ずいどう)保存友の会(神戸市)の皆さん。



 話しで特に驚いたのは、めがね橋で有名な碓氷峠の充実ぶりです。急勾配の線路があり日本で唯一、機関車が歯車を利用して登って行くアプト式です。

 廃線後、国のテコ入れで整備され、遊歩道、トロッコ電車、鉄道文化むら、丸山変電所、天然温泉峠の湯、貸コテージ‥累計50億円の税金で鉄道テーマパークが作られました。

 群馬県碓氷峠を越え長野の軽井沢まで既に用地は確保され、さらに伸長していくようです。そんな恵まれた所は、他にはありません。多くの意見は廃線トンネルなどをビジネスとして継続したい。観光化して雇用を創出できれば最高です。



 始めの神岡鉄道がまさにその例で事業を継続するにはリピーター、あるいは広範囲からの集客が必要です。各団体共通する悩みは、継承する若い方がメンバーにいないこと。ボランティア頼りの所は退職した方がメインになるのが実情です。

 さて愛岐トンネルの今後は?用地を買い取るため1300万円集まりましたが、収得にはまだ不足のようです。トンネルは1号から14号まであり、1号2号はJRで使用されています。3号から6号までが現在、期間限定ですが廃線ウォークできる区間です。7号から岐阜県となりますが、そこは何と名古屋市の所有でした。

 近くにある名古屋市愛岐処分場を建設したときの残土がトンネル内を埋め尽くしています。その次の8号から12号までは、コンクリートで塞がれたため修復不能です。(9号は廃止されています) 13号14号は現存します。多治見駅まで延びたら凄いと思いましたが、当分無理ですね。



 トンネルは損な構造物です。橋は色々な角度で眺められ絵になります。観賞できるのは抗門のデザインくらいで中はひたすら暗いだけ。でもそれが非日常的でいい体験が出来ると思います。休憩をはさみ3時間半、初めてのトンネルサミットで関係者と愛好家の話しは、新鮮で興味は尽きませんでした。          
2012.04.09(月)14:30