岳行ノート

仏ヶ尾山 1139m/岐阜県下呂市

2012年7月4日(水)


登山道P1045mのペトログラフ(線刻)

(象徴的な形の岩、何かが刻まれています)


 てっきり岳行ノートで取り上げたと思っていたけど実はそうでなかった山がありました。仏ヶ尾山(ホトケガオイヤマ)で調べると8年前の7月に出かけています。

 先回はピストンでしたが、今回久し振りにたたみ君頼りの周回です。下呂へは大好きな国道41号線で走ります。美濃加茂バイパスは快適です。

 昭和村を過ぎ信号の少ない国道へ入ると蛇行する飛騨川沿いのためカーブがやたら多い。しかし道の流れは、美しい渓谷の景観を楽しめるドライブです。


 気は抜けませんが、早朝は車が少なく高速道路代が不要なのが嬉しい。やがて急峻な崖が囲み、トンネルを抜けると夏の山が続くのです。

 フロントガラスに一面の緑が満ち満ち爽快、確かな季節は、期待を膨ませます。参考書は「みのかもから山登り」さんにお世話になりました。
<駐車地>

[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動
 上呂交差点を左折し浅水大橋を渡ると正面のカーブミラーに登山口案内板。 


墓地横駐車地

ペトログラフ

仏ヶ尾山

蓮坂峠
林道(たたみ君)

墓地横駐車地

 ※赤線はGPS軌跡
※●は分岐地点

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前7時10分発     晴れ/22℃
駐車地:午前9時50分着     晴れ/27℃
往:2時間15分(山頂まで以下、小休止含)
還:40分  林道:30分
◆所要時間:3時間25分


 案内板を辿れば、登山口へ着きます。100m上り、墓地横に置車しました。高原橋を渡って車道を降れば‥
(10:40)
 ログハウス横が登山口。絵地図と山名由来が書かれています。

 猟師が山の尾で頂きの鳥を撃つと、それは阿弥陀如来像でした。以来、猟を止め仏山の名が伝わります。
 
 像は旧家に祀られ、明治に修繕で仏師に見せると「人間技でない。もったいなくて修繕できません」と言われた。

 道進むと「さあはりきって行きましょう」の激励看板。嬉しいですね。その後、色々な言葉で山旅を元気付けてくれます。

 植林の切開きに鉄塔分岐。鉄塔へ向かわず右へ折れました。「←」の標識で左折し、尾根へ取付き急登の始まりです。


 桧林の下、風のない汗噴き坂ですが日影なのがありがたい。

 激励看板「これから先はまだ長い 一休み」「森林浴」「山頂まであと1.4km」「展望どころ」とお薦めされました。
(11:40)

 樹間の展望、ご厚意は受け取らせていただきます。ピークは湯ヶ峰1067mです。出発して1時間、半分来ました。 

「ペトログラフ」標識から尾根に巨岩が連なります。自然林に変わり、雰囲気がある場所です。
岩は苔生して岩面線刻が良く分かりません。岩屋や石門があり、ここで10分遊びました。

 「ロマン伝説雨ごいの岩」(穴岩)です。窪みに山姥が棲んでいたと伝えられます。雨乞いの儀式が行われれました。

 岩は容易に登られ、‥
(12:20)

御前山1646mの大展望。写真中央の最高ピークは標高1650mで、右の本峰よりも4m高い。
左斜面に御嶽山3063mが覗く。眼下は飛騨川沿いの萩原町集落。
先に進むとTOP写真のペトログラフ三角岩です。

 「なんのこれしき」ゲキ看板の急登を行くと素朴な鳥居。「白山大神・御嶽大神」石碑は、明治25年建立です。

 曲折して北へ方向を変えます。
(12:40)

標高を30m下げ、40m登り返すと二等三角点山頂広場。虫除けを身体と周囲にスプレーして静かなランチに。
(12:55)〜(13:35)

 登山日誌で地元の「野上塾」が整備されていることを知りました。感謝!


 東方に雨乞岩より標高が100m高い展望です。左奥の御嶽山3063m山頂は、雲に覆われてしまいました。

 北東の乗鞍岳3026mも同様に雲が邪魔しています。樹が伸び、見にくくなりました。

 北西の白山2702mは‥デジタルズームで何とか捉えることが出来ました。


 下山は、山頂から北東への急降下で始まります。こちらのコースは、テープマーカーが追加されました。

尾根の真ん中に大岩があるので左へ巻きます。降りて行くと、手書きで‥
(13:45) 

 尾根道と巻き道の分岐案内。躊躇なくピークを避ける道を選択します。 (13:45)

 方向を変えると「猪の水浴場」で1m径の小さな水溜り。珍しく砂利場にあります。

 数分で巻き道は尾根道に合流し、緩やかな雑木林の道です。振り返ると山頂が見送っていました。

 仏ヶ尾山からこの尾根を12km北へ真直ぐ伸ばすと川上岳1626mです。

 右下に蓮坂林道が見え、降りる道があります。地形図では、降りた所が蓮坂峠ですが、ミスプリでは?

 そこから馬も通った旧道が、里へ下っていたのですが草に埋もれたようです。
(14:05)
 石碑のある蓮坂峠に下山。
(14:15)

 シミ・錆びの浮き出た「たたみ君」お待たせです。蓮坂林道は、登山口まで6km舗装されているので躍動してもらいましょう。

 ここは標高900m、峠のお地蔵さんが祀られています。たたみ君の準備が出来たらスタート。

 ボルトは100mを9.58秒。たたみ君は、彼のトップスピード時速44.48kmを出し、風を切る感覚が味わえます。

 東屋がありました。右の小高い所に乗鞍岳・御嶽山展望台。設計者は木が伸びることを知らなかったようで展望NG。

 風を感じよう。ハンドルを握りブレーキをかけペダルは踏まなくてもOK。
登山口着(14:45)
 

東海岳行
   “熱中症防止の帽子” 

 暑くなってくると熱中症の話題がニュースで取り上げられます。ひよこさんは2回、私は1回、登山中に熱中症の沼にハマりましたので他人事ではありません。三大誘因は「暑さ」「湿気」「無風」。夏日、スーパーで買い物を終え、炎天下に停めた車に入るとこれが経験できます。

 3つが揃わなく2つの要素でもなるようです。気温が25℃未満で蒸し暑く風がない日はよくあり、そんな時激しい運動をすれば発生します。標高が100m上がるごとに気温は−0.6℃下る法則ですが、登山口が30℃で1000mの山へ登頂してもそこが24℃ではないことは経験上知っています。

 9時に登り始めれば12時過ぎに登頂ですがその間、太陽は強さを増し結局、標高を上げても気温は登山口と変わらない。1500m以上になるとさすが低いと感じます。夏場、悲鳴を上げるのは、木陰のない登山道を延々と歩く時です。



 後ろから日を浴びたり、低い笹の照り返しがあると堪りません。伊吹山の南斜面、鈴鹿竜ヶ岳冠峠から行く金草岳の長い笹道は要注意。私はスーパー低山の岩場で背後から日射しを浴びハマりました。こんな日は、水分と塩分を補給するため、半分凍ったスポーツドリンクを飲みます。

 お茶、コーヒー、ビールは、利尿作用があり脱水症状が進むため良くないそうです。『オシッコ、我慢すれば良いのだろ』 どうでしょう。熱中症にハマった時、私は身体に力が入らず、頭がボーッして、頬が熱く咽が異常に乾きました。木陰でドリンクを飲み1時間以上休み何とか回復。

 熱中症シーズン前の5月にいい帽子を見つけました。クールビット・キャップです。以前からマラソン選手やトライアスロン選手がかぶっているのを見て『あれ、よさそうだな』と思っていたのですが、テレビで紹介されました。種類がハット・キャップ、性別、サイズと色々あり迷います。



 結局、最新モデルに決めたのですが、送料込5000円ときつい価格。命を守るには、仕方がないと思い購入しました。素材は、フニャフニャの柔らかいソフトチタンで太陽光を反射し遮蔽します。

 一番の特徴はフラップ部です。運動神経が集中する後頭部から首筋に気化熱を利用して冷涼感をもたらします。ボタンとマジックテープで着脱でき使用前、水にタップリ浸し軽く絞って装着します。

 かぶると『ひやっ』として気持ちが良い。10℃以上の冷却効果があり、3時間使用しても冷感は継続。都度、予備水を持参しましたが、下山時に補給することはありませんでした。意外だったのは登山後、全身汗をかいても頭はクール。



 暑さによるダルさ、疲労感が少なかったことです。この帽子は日本人が発明し、世界中で何と14億円も販売したということです。その人は億万長者だ。最近、新聞で熱中症は高齢者ほど危険なことが立証されたとの記事がありました。

 内容は「65歳にとって気温35度は、25歳の40℃に相当し、汗をかき始める気温は、25歳よりも3℃高い。高齢者は体内水分量が少なく、暑さへの感覚は鈍く、気温上昇に気付き難いため熱中症になりやすい」というものです。ということは私は、枯れ木寸前か! 

 そういうことで若い人は透湿速乾の帽子でいいのでしょうが、私は手に入れたその機能プラス冷える機能の付いたソフトチタンの帽子をかぶって今年の夏に負けないよう登山します。  「冷える帽子・クールビット」のHP
12.07.09(月)20:55