岳行ノート

硫黄岳 2760m/長野県茅野市

2012年7月28日(土)


爆裂!火口崖

(888年火山爆発)


 長野県のほぼ中心に諏訪湖があり、そこから中央道は甲府市へ延びています。その高速の北側が八ヶ岳、南側が南アルプスです。

 八ヶ岳は、南北25kmの連峰の総称で南八ヶ岳北八ヶ岳と分かれます。南八ヶ岳は、火山の歴史が新しく褐色の山肌、牙を向く岩峰と荒々しい景観です。

 北八ヶ岳は歴史が古い分、風化侵食が進み丘のような柔らかな姿を見せます。我が家から距離的にも近く度々登りました。


 南八ヶ岳は未踏で挑戦します。強烈な爆裂火口の硫黄岳に決定。北と南の境界とされる夏沢峠から山頂へ辿り周回ルートを歩きます。

 教科書は、しなのき書房刊「信州 日帰りで行く山歩き 中信・南信」です。
<出発駐車場>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動
  中央自動車道諏訪ICを下り、ゴルフ場「CC三井の森」を目指します。大雨の前夜、その近くで車中泊。


桜平駐車地→オーレン小屋→夏沢峠→▲硫黄岳→▲赤岩ノ頭桜平駐車地

 ※赤線はGPS軌跡 ※●は分岐

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江南前夜:午後6時30分発   晴れ/30℃
宿泊地:午後9時45分着    大雨/25℃
当  日:午前5時10分発    曇り/21℃
駐車地:午前5時45分着     曇り/18℃
往:3時間35分(山頂まで以下、小休止含)
還:2時間45分(山頂散策時間除く)
◆所要時間:6時間20分


 朝霧が出ました。夏沢鉱泉へ東進。凹凸道を6km.、25分走る。桜平のスペースに6時前でも7割ほどの置車。

 朝食を済ませ出発。登山口から山頂まで860mの標高の旅です。道を少し戻り‥ (6:15)

 車止ゲートを越え、下り坂を歩きます。鳴岩川に出て橋を渡ると上り坂になり‥

 太い丸太の橋を2つ渡ると夏坂鉱泉に到着。18℃なので汗はかきませんが、酸素不足を体感。

 30分毎に休憩を取ります。天気情報や開花情報が掲示板にありました。コマクサ、ミヤマシオガマ、コケモモ
(6:45)


 沢音を聞き、シラビソと苔の「ザ・八ヶ岳」の森を歩きます。1時間、薄い酸素の慣れました。これ、天然ゲート?


 オーレン小屋到着。由来は高山植物オウレンより。東の稜線は後で歩きます。小屋を過ぎたら分岐を直進して‥
(7:45) 


 シラビソ樹林の道は、思ったより緩やか。薄暗い緑を切り裂き、鋭い刃のような夏の日差し。眺望を期待します。


 夏沢峠に出ました。ヒュッテ夏沢は学校専用で小諸東中学の生徒が朝食の準備中。爆裂火口崖が迫ってます。
(8:25)


 樹林帯のきつい勾配を抜けると森林限界、荒涼とした急斜面。平たい石が積み重なって歩きにくい。高度が上がり‥
辿って来た道を俯瞰する素晴らしい眺望が広がります。
上左が天狗岳2646m、右が根石岳2603mと双耳峰のように並ぶ北八ヶ岳

青い屋根のヒュッテ夏沢では、青いジャージの中学生が朝礼をしています。
左斜面には、枯れ木でわかる縞枯れ現象。
火口崖に沿って道があり、爆裂火口崖(TOP写真)を覗くと高度感があり恐ろしい。

 広い山頂です。左後ろは避難小屋(↓)。三等三角点を探しに行きましょう。(9:50)

地形図では、火口崖に沿って東へ500m行くと縁に三角点があるはずです。
崖は下の地肌まで標高差600m落ち、写真右上の人影が蟻のように小さく落ちると大変です。


 三角点への道は、崖に近寄らないようロープで止められていました。斜面で咲くコマクサ保護も兼ねています。

山頂から400m進むとロープが進入禁止の意志指示。→
「火口跡周辺は崩れる恐れがあり近づかないで下さい」の看板。


三等三角点は諦め、山頂へ戻ってランチします。
 こうして見ると土砂を溶岩が覆っているようです。

展望ランチは360度。写真中央が南八ヶ岳の最高峰赤岳2899m、その右下奥に権現岳2715mが覗き、右端は阿弥陀岳2805m。赤岳左の三角峰が横岳2829m、その右下に個性的な大同心(左写真)が突き出ています。


  硫黄岳南八ヶ岳4番目の標高。左尾根の青い屋根が硫黄岳山荘。26年前の8月、皇太子殿下が硫黄岳横岳赤岳の縦走時に宿泊されました。トイレはとても綺麗だそうです。
(10:30)〜(11:05)
 頂上西のケルンから下山します。

 ガレた道を降るとモアイ像が見送ってくれます。あの白地が分岐点。

 その先、丘のような赤岩ノ頭へ行きます。

(左)ゴゼンタチバナ  (中)シナノオトギリ(ミヤマオトギリ)  (右)キバナシャクナゲ


 赤岩ノ頭2656mは25分で着きました。分岐点に戻り、オーレン小屋へ降りる道に入ります。
(11:30)


 分岐から10分でダケカンバの樹林帯。用意した冬山装備は、幸いにも使うことはありませんでした。

 (サングラス、冬手袋、耳あて、フリース、ダウンジャケット)

 シラビソの森から峰の松目分岐を過ぎ、木橋を渡ればオーレン小屋のテント場です。往きの道に合流します。
(12:25)

 夏沢鉱泉
(13:15) 

 八ヶ岳の雰囲気たっぷり。人気コースで、子供も若者も大人も山ガールと賑わっていました。

 駐車地に帰着。登山口ゲートから2km離れた所まで車が停まり、車で通り抜けるのもギリギリです。
(13:50) 


東海岳行
   “サーモシール” 

 以前、地球の平均気温は20℃とNHKテレビで見ました。4月を迎えると20℃気温が訪れ、本当に幸せな気持ちになります。暑さが続く今日この頃、『ミスター太陽、夏の時間給はよほど高いの?』 頑張り過ぎないでほどほどにと願いたい。

 何年か前、名古屋駅前で信号待ちしてると、すざましい夏の日差しを浴びました。コンクリートの照り返しで身体は焼けるようです。『シシャモか!』 40℃近い気温を記録した日のこと。学生時代の夏休み、バイトで瓶ビールを運ぶ8トントラックの助手をしました。

 酒問屋に着き、満載のビールケースを運転手と荷台に掛けたローラーへ運びます。問屋の人が、冷蔵倉庫へ積み上げる。荷台が空くと空瓶のケースを積めるだけ積みます。1時間で作業が終わり、全身ビショビショ。問屋の人が『冷蔵倉庫で涼みな』と勧められ飛び込みました。



 外は40℃、中は8℃で生き返ります。ところが、ドクドクしていたの心臓が、急にドッ、、クン‥ドッ、、クン、止まりそう。慌てて外へ逃げ『死ぬかと思った』と運転手に話すと他人事のように笑いました。超低温の魚市場の冷凍倉庫でバイトしたこともあります。マイナス20℃です。

 冷凍の魚を出したり入れたりするのですが、真冬にその仕事はきつく1週間で身体を壊しました。下宿生活をしている時、隣部屋の同級生が私の部屋へ来て『一晩、外にミカン出しておいたら凍った』と驚かされます。私もその夜、ミカンを1個窓の外へ出したら、朝やはり凍っていました。

 それを食べられないので部屋のミカンを取ると『凍ってる!』 思わず私は弟に手紙でこの事を知らせました。『凍死するところだった』と結んだのですが、そうならなかったのは、コタツで寝ていたからです。先日、登山をご一緒する野良人さんから電話がありました。



 『今、時間あります』『大丈夫です』『じゃあ、30分後にコメダ(喫茶店)で会いましょう』 7月17日横山岳で野良人さんが、私に『暑いはずだ。32℃あるぞ』とスットクを差し出す。そこに気温計が付き「32」と青色で表示されています。『え!気温計付きのストックってあるのですか?』

 驚いていると『東急ハンズでサーモシールを見つけて張りつけたもう一枚あるので、今度山さんにあげますよ』と嬉しいお言葉。

 コメダに、デジタル・サーモシールを持ってきて頂いたのです。価格は252円とお手軽ですが、どの売場にあったのでしょう。よく見つけたものです。「20、22、24‥32、34」と温度ピッチは2℃でその気温が液晶表示されます。



 『もっと低いのも欲しいね』と野良人さんが言われるのでネットで調べました。東急ハンズでは売り切れて見つかりませんでしたが、色々な温度のシールがあります。

 低いものは「-6℃〜14℃」で「16℃〜36℃」とつなげれば完璧。ところがその会社は小売店ではなく、販売単位が30枚入りで8977円。欲しい人を30人集めなければなりません。

12.07.30(月)21:50