岳行ノート

釈迦ヶ岳 1092m/三重県菰野町

2012年11月28日(水)


大蔭から猫岳1058m

猫岳の右奥は黒尾山948m


 釈迦ヶ岳は、朝明渓谷からの庵座谷〜県境稜線が基本的ルートでした。現在、08年の集中豪雨で庵座谷は難路になったようです。『歩いておいて良かった』

 私が鈴鹿を三重県側からよく登るのは、そのアピローチの良さがあります。尾高観音口からの周回コースは、その最たる絶好のアプローチです。

 しかし、地形図を見るとアップダウンが結構あり傾斜きつそう、体力いりそう。東名阪自動車道四日市インターで降り、国道306号線を北上し、尾高高原へ向かいます。



 教科書は、西内正弘著・中日新聞社刊「地図で歩く鈴鹿の山」です。参考書は「山好き的日々@京都北山」さんにお世話になりました。
<駐車場>
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尾高観音駐車場→卍尾高観音→▲尾高山→▲釈迦ヶ岳→▲釈迦ヶ岳最高点
水無尾根の頭→▲和田山→県民の森→尾高観音駐車場


 ※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時40分発  晴れ/3℃
駐車地:午前8時15分着  晴れ/3℃
往:3時間15分(山頂まで、小休止含む)
復:3時間10分(ランチタイム除く)
◆所要時間:6時間25分

 尾高観音口に広い駐車場。左の「尾高山十一面千手観世音菩薩」看板の奥へ歩き、右上のピークの尾高山に登ります。(8:35)

 一直線に延びる参道。樹齢300年、まっすぐなヒノキが両側にそびえる。歩を進めると毅然とした静観に包まれます。奥に見える六角堂の‥

 創建は江戸時代です。聖徳太子作といわれる「千手観世音菩薩」がこの六角堂に安置されています。
いつもと違い厳粛なスタートです。左の階段に「尾高山登山ハイキングコース入口」の道標が立ちます。




 すぐ東屋の展望台に着きました。秋色の尾高高原を眺めたら先を急ぎます。すると後光のような明るい黄葉に石仏様。
(8:55)



 山頂手前に「大石→」の案内板で左折します。20m先で切れ落ちた崖端の大岩テラスに乗れば好展望です。

 右に御在所岳1212m、その左で鎌ヶ岳1161mの山頂部が覗き、左がネコ614m。手前の色づく尾根は下山ルートです。



 登山道に戻ると数mで尾高山山頂533m。伊勢平野の向こう、左上に養老山地が朝の日を受けています。

 ここは鉄製の立派な展望台が立ち、鉄梯子を12段登ると‥
(9:35)
西にド〜ンと冠雪の釈迦ヶ岳、中央右の凹みが大蔭、その右ピークが最高点です。
さらに右の小さなトンガリが山頂。そこから手前に落ちる尾根が登りのルートです。
『稜線手前がきつそう』登る前に見てはいけない傾斜を見てしまいました。

山名は「釈迦入寂の図」、いわゆる寝釈迦(下左)からの由来と言われてます。
上の画像では‥どこが頭部かピンときません。
麓で撮った画像(右下)‥こちらの方が「お釈迦様の寝姿」に見えます。
   



 歩く東尾根は曲折する個所もありますが、登りのためか迷うことなく順調に距離を進めました。

 痩せ尾根を過ぎるとこの岩場の急登です。
(10:20)



 やがて鞍部へ降りると新雪がチラホラ出現。小ピークを避けた山腹道は、北側なので積雪しています。

 尾根道に戻るときは笹の斜面。藪と呼ぶほどではないけど急登で雪で滑る滑る。笹をわしづかみして体を持ち上げます。



 尾根に出ると腰までの笹。雪も多くなり勾配も増しました。再び笹の援助を20分ほど受ければ、待望の県境稜線です。
(11:50)

 霧氷を見ました。処女雪を踏めると思ったのですが、足跡があります。右折するとほどなく‥




 山頂1092m三等三角点。足跡はここで終わっていました。冷たい風が届くので記念撮影をしたら県境稜線を戻ります。
(11:52)



 先ほどの県境合流点から50m南下すると東側にスペース。風除けベストポジションで伊勢平野の絶景を見てランチです。
(12:00)〜(12:40)
食事中、ソロの登山者二人と挨拶しました。
『今日の釈迦で鈴鹿セブンマウンテンを制覇しました。最高点がありましたが、そこが山頂ですか?』
『いや、山頂はもう少し北に歩いて下さい』『いや〜良かった。最高点で帰るところでした』



食事を終え、さらに南下するとその最高点松尾尾根頭1097mです。→
山頂より5m高い。この裸地は東南に大展望が開けてます。
センターが雨乞岳1238m、右端イブネ1160m、左が七人山1073m。
(12:45)

 そして笹分けの道を激降すると大蔭と呼ぶ大ガレです。先月、4人でイブネ北端から遠くこの大崩れを見ました。

 その時、私以外そこを通ったことがないと知り、このコースを企画したのです。今日の一番のハイライト!(TOP写真)

 積雪があるので充分注意して無事通過できました。(12:55)


←振り返るとすごい傾斜です。このくびれが寝釈迦の首です。

そして中尾根分岐から少し笹藪ですが大したことありません。
(13:00)
 



 松尾尾根分岐(13:10)も過ぎ、笹道を降下すると大岩の急斜面です。ここは補助ロープに助けられました。
(11:25)

  やがて左にバリルートの焼合谷分岐のテープを見ましたが、谷は荒れたようでやり過ごします。(13:45)


緩くなった傾斜の二次林を快適に進むと突然広い台地に出ました。
道標に水無尾根の頭の表示があり、とてもいい感じです。
北東に岩の累積した小ピークがあり、これが頭なのでしょうか。→

高さは10mもなく登ってみましたが展望は望めません。
このルートも紅葉が見頃ならパラダイスは間違いないでしょう。
素晴らしい空間を惜しみつつ尾根を辿ると‥
(13:50)

 周囲に人工林が見え始めました。小さなピークを登ると私製の山名標「和田山685m」 アキ子さんの山なのか。(14:05)

 巨木の横から(14:20)5分ほど歩くと、テープは斜め左に降ります。植林の斜面は広く、尾根芯どころか道がわかり難い。でも‥



 きめ細かな赤テープが、安心のルートを教えてくれました。以外と急こう配でジグザグに降ります。

 テープを辿るとやがて明確な尾根道になりほっ。




 すると未舗装林道の折れた個所に出ました。ここまでくれば大丈夫、一息入れて左へ降ります。
(15:00)

 のんびり道を歩けば、舗装された広場でここは県民の森です。絵地図を確認し、さらに東進しました。道が右カーブする‥
(15:10)

 曲がり角に「ことりの里」の道標があります。そこから階段を降りると車道に出ました。(15:30)
 左折して緩く降れば、広い駐車場です。
(15:40)



 右から博士、野良人さん、画伯。みなさんお世話になりました。ありがとうございます。


東海岳行
   “被害” 

 登山を始めたころは、スーパー低山を登っていました。道は遊歩道より登山道に近いのですが、縦横にひかれていて迷ったことがあります。方向違いの場所に降りて『ありゃ』 しかし、小さな山なので遠回りすれば駐車地には戻れます。

 少しづつ大きな山にトライしていきました。鈴鹿のクロソ山に挑んだとき、尾根に乗る手前が広い斜面で登山道がはっきしません。どこを歩くのか悩んでいると木に巻かれた赤いテープを発見『これを目印に辿ればいいのか』と認識しました。

 今回の山行も植林の急斜面でテープに助けてられましたが、お導きテープには随分お世話になっています。ただ、雨乞岳で二股に分かれた沢のどちらにもテープがあったときは往生しました。当然、山はテープだけでは登れませんので地図やコンパス、GPSとの総合判断をしています。



 テープは、つける人の考え方やセンスが反映していて面白い。ポツン、ポツンとしかなかったり、頻繁につけられたり、重要ポイントは二色で目立つようにしたりと工夫されています。

 積雪する山では登山道が見えなくなるので距離をあけずについたり、手の届かないほどの高さにつけられ、危険を避け遭難を防ぐ役目もあります。最近、新聞記事で読んだのですが、鈴鹿でテープを外しそれを大量に握りしめた男性がいました。

 すれ違った登山者が訳を尋ねると『山に人工物はそぐわないし、動物が食べたら死んでしまう』と回答したそうです。口論となり立ち去りました。人が入る山にはいっぱい人工物があります。丸太橋、補助ロープ、鎖‥大きいものなら林道、堰堤、鹿除けネット‥



 テープは明らかに新旧ダブったりしてつけすぎの個所もあります。取る取らないの基準はありません。でもそういう場所の間引きならわかります。

 記事では、テープどころではなく菰野町観光協会の設置した道標が引き抜かれたり、表示をはがされたりの被害が相次いでいると書かれています。これはただ事ではありません。今年7月に国見岳を登った50代の男性が、道標が失われたため道に迷い捜索の末に救助されました。

 右上写真の道標で青いシールをはがされたり、難路の表示がマジックで消されるなど10か所で被害がありました。なんと湖西の比良山地でも同様の被害が出ています。山に慣れた人が『地図だけを頼りに登るべきだ』と考えてやっているのかもしれません。



 登山はベテランだけではなく初心者も登ります。観光協会は被害届を警察に出すようでそうなると器物損壊という犯罪です。道標は2008年の豪雨で登山道が荒れたため、翌年から設置し225本立てられました。

 三重県の遭難対策委員長は『山はだれが訪れてもいい場所。身勝手な考えは許されない』と語ります。以上は11/29中日新聞勇敢の記事「道標荒らさないで 相次ぎ被害 遭難を誘発」を引用させていただきました。テープをはがした人が犯人かどうかは分かりませんが、そんな人を見たら尋ねてみましょう。

 『ひょっとして中日新聞の記事に載った人ですか?』

12.12.04(火)15:20