岳行ノート

金峰山 2595m/長野県川上村

2013年8月10日(土)


金峰山信仰の御神体・五丈岩より山頂を見る


五丈岩と山頂、どちらが高い?

朝日岳の展望台より/左:五丈岩、右:山頂


 猛暑日が、山行日の8月10日で4日続いています。こうなると低山は危険なので、標高が高く日帰りで登られる山をガイドブックで探します。

 長野県と山梨県の県境にある金峰山(キンプサン)は標高2595mと立派です。何と登山口の大弛峠(オオダルミ)は2360m、標高差は僅か235m。

 しかも「百名山」。シャクナゲの群生で「花の百名山」でもあります。展望は八ヶ岳、南アルプス、富士山と一級です。山頂の五丈岩という巨岩も楽しみ。


 欠点は我が家から274kmと遠く、アプローチに4時間以上かかることです。ただコースタイムが4時間20分なので日帰りは十分可能です。


 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県ガイド 長野県の山」です。参考書として、多くのHPにお世話になりました。
<駐車地>
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大きい地図


大弛峠駐車場→朝日峠→▲朝日岳→賽の河原→▲金峰山→五丈岩→大弛峠駐車場


 ※赤線はGPS軌跡  ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前5時25分発  晴れ/29℃
駐車地:午前9時45分着  晴れ時々曇り/22℃
往:2時間25分(五丈岩まで・小休止含)
復:2時間20分(ランチタイム除)
◆所要時間:4時間45分



 中央道の長坂インターで下り、清里から野辺山を経由し川上村へ入ります。千曲川沿いの県道68号線で東進。

 秋山地区で南へ方向を変え峰越林道大弛峠へ走ります。舗装が切れると超!ダートが9km、自転車並みの時速20qです。



 30分間、角々の石ころを無数に踏んだ車が可愛そうになりました。県境の大弛峠に着くと、山梨側がすごく整備されています。

 麓からの舗装道、駐車場、トイレ‥百名山人気は、関東側の方が高いようです。



 駐車場は足りず、林道に100mほど連なりに路駐してます。運よく私は峠に駐車でき、目の前の西側に大弛峠コース登山口。

 標高はすでに2360m、日本最高の車道峠です。富士山五合目2400mに近い高さ。それでは、針葉樹の森へ入りましょう。
(10:05)





 たちまち森林の芳しい香り成分、フィトンチッド。癒しと安らぎの道です。トウヒ・コメツガ・シラビソ・オオシラビソ(樹名板より)




 アップダウンするとダケカンバの大木とケルンがある朝日峠です。後続の登山者が、どんどんやってきます。
(10:35)

 再び登りが始まり、急登が終わるころ閉じられた森から抜け出ます。
一気に視界が開けると大岩の堆積地です。展望はありますが遠望が利きせん。
富士山を見る予定でしたが残念です。ここを登り、明るい尾根道を進めば‥




 朝日岳2579m到着。山頂標は2581mですが、見解の相違でしょうか。ここは眺望がありませんので、少し先の‥
(11:15)
展望台にはベンチが設置され前方のロケーションが開けています。
ここから左のピーク鉄山2531mまで歩き、右に折れて登ると山頂稜線に出ます。
そこが賽の河原、左に緩く登ると金峰山山頂です。後に南アルプスを見る予定でしたが残念。

そしてその左の突起した岩が、有名な五丈岩。丁度、日が当たって神々しい。
五丈岩と右隣の山頂をズームしたのがTOP写真です。さて展望台からは、一気に降り‥



 針葉樹林の中、岩の剥き出た道をひたすら進みます。勾配がなくなると四つ辻の分岐です。正面は鉄山(テツザン)2531mへ登ります。

 ところがストッパーの木があり、左の道も同様です。ここは右の道でトラバースして鉄山を迂回します。
(11:50)



 回り込んで尾根道へ戻り、緩やかな登りを行くとシャクナゲの密生する道になりました。5月中〜6月中がその適期です。

 驚くことにここまで平均1分間ごとに下山者とすれ違っていますが、数えられません。200人以上になると思います。




 視界が開けた岩原にポンと出ました。ここが賽の河原で森林限界です。ハイマツが山肌を覆っています。
(12:30)
当然好展望、、、この西北西に八ヶ岳全容が見えるはずですが‥残念です。
でも八ヶ岳は、高速を下り山裾を走りたとき、ばっちり見たので大丈夫。
さて写真右端が、お隣の百名山瑞牆山(ミズガキ)2230m。ここから近いですね。

中央を横断している尾根が金峰山の北西尾根。センターの岩峰が大日岩2201m。
左下の屋根が金峰山小屋で近くに平安時代の修業者の宿坊跡があります。
さあ、300m先の山頂を目指しましょう。





 おびただしい大岩のガレ場が現れますが、ゆっくり行けば以外に楽です。その最後に青春の石門があり、潜ると‥




 金峰山山頂。山梨ではキンプサン、長野ではキンポウサン。最高点は、この右側にある岩積を5mほど登った所です。

 三等三角点は、右下にあります。
(12:30)
広大な山頂部を山頂から100m西へ降ると五丈岩(別称御像石:ゴゾウセキ)です。
尺貫法で一丈は約3mなので五丈岩は高さ15m。神の創造物は、まさに石舞台。

 岩に腰かけてランチにします。
スペシャル・シートから見てると何十人もの人が登頂しようとチャレンジしています。
一番上、左の赤シャツの人の所が難攻ポイントで殆どそこで敗退。その謎を解きたくなりました。
(12:30)〜(13:20)



 時間をかけてその謎を解き、五丈岩の左側に回ってみました。(解答は下の“道草”で)こちら側だと意外に迫力がありません。

 石舞台の形が、山頂に向かってあることが絶妙です。充実した時間を過ごせ大満足で下山にかかります。



 どんどん降って鉄山の山腹を辿り四つ辻の分岐に来ると‥倒れた道標の後ろにデカイ雌鹿が首をかしげ私を見ています。

 ビックリして思わずオウ〜』と声をかけると踵を返して逃げ去りました。後続の登山者2人にこの出来事を話します。
(13:50)



 朝日岳で休憩していると後続の人が追いつきました。『あそこで待っていたらあの鹿がまた来ました。人懐っこいかも』

 
用心深いと思っていましたが、そんな鹿もいるんだ‥縞枯れの眺望道を降り、朝日峠を過ぎ‥



 車が、まばらになった大弛峠に帰着しました。ストレッチ体操後、帰り道は山梨側の舗装道か、長野のダートか悩みます。
(15:40)

 カーナビ検索では山梨廻りは、30分以上余分にかかりそう。金峰山はかって金や水晶が出た事を思い出し「時は金なり」。



 ニュースが甲府市では、気温が40℃を越えたと伝えています。山は涼しかった。もう一度ダート道を下り、川上村を走ります。

 村は有数なレタス産地。畑のスプリンウラーが回り、車にもかかり砂埃が洗えました。お!後はすごい里山、ん〜登りたいな。


東海岳行
   “五丈岩一撃” 
 
 ロッククライミングは、三点支持しか知識がありません。そのため五丈岩の謎解きは15分もかかりました。

 

 鳥居から登り、では手も使います。そしてが難攻の核心部です。そこをズームしてみたのが下左写真の字の所に白い服の男性が立っています。私もそこまでは順調に行けたのですが、上の岩棚へ上がる方法がわかりません。そこで写真をいくつか撮って腰にぶら下げたペットボトルホルダーにカメラを納めます。

 ふと気づくと石舞台に乗っているのは私だけです。昨夜、ネットを見た時、女子が一人で時間をかけて五丈岩を登ったレポがありました。登る方法は絶対あるはずです。下左写真の左端、青シャツの人のように岩にもたれ気を落ち着かせます。実は登る前に断念してきた登山者に登れなかった理由を尋ねました。

 『もし岩棚に上がっても棚自体の幅が50pで狭く、下に傾いているので無理』と言われました。ところが現場に行くとBから岩棚に上がることが難しい。白い人がいた所では上がれず、もう一歩右へ身体を移動させます。すると岩棚で探ると伸ばした右手と縮めた左手に人工的な溝の感触がありました。


 親指以外の4本指の第一関節が入ります。その二つのポケットの発見に嬉しくなりました。足をかければ三点支持で上がれそうです。右足の横を見ると60p位の高さの所に小さな岩の突起がありました。その形が水平なら足の踏み台になりますが、残念なことに斜め45度に傾いています。

 一応そこに右足を当て、二つのポケットに入れた両方の4本指に力を込め、上体を持ち上げました。何と上の岩棚に乗ったのです。右足、左足を引き上げ、身体を岩棚でうつ伏せにします。すると下で見ている人から『お〜!』と歓声が上がりました。私は中腰で方向転換‥そして四つ這いでゆっくり岩棚を進みます。

 岩棚の端のD上右写真)で幅は、1m位に拡がり傾斜はなくなりました。最上段の岩の向こう側に両手を伸ばすとオープンハンドで引っかかります。右足を岩の合わせ目に置きたいのですが、写真でわかるように狭くて入りません。登山靴を右にひねって横にしました。甲の部分が挟まり、両手で身体を持ち上げます。


 登頂 その瞬間、下から大拍手が聞こえ、立ち上がって見ると誰もが手を叩いています。これほど気持ちがいいことはありません。喜びが込み上げおもわず『よしッ!』とガッツポーズしました。ロッククライミングでは、初見で登ることを一撃と言うそうです。『五丈岩一撃』 岩登りの醍醐味を味わえました。

 降りるのは心配したより簡単で登るときと同じフォームをとり、足が届かなくても20cm位の高さなならポンと飛び降ります。四つ這いした岩棚も立って通過できました。下は見ませんでしたけど。降りて五丈岩を見上げます。登れなかったらきっと敗北感を持ち帰ったでしょう。登頂できたので充実感は『半端ない

 レポを作っていて写真をよく見ると大発見がありました。上左写真の難攻の核心部をアップしてみると右上に足をかけられそうな黒い穴があります。人為的な形なので登山靴は入るでしょう。白っぽい服の人の写真もアップしてみました。上右写真:左足の膝上あたりにあります。灯台下暗し的な見逃しでした。

13.08.13(火)20:30