岳行ノート

岩の滝・大沢崩れ 2310m/山梨県鳴沢村 

2014年10月10日(金)


御庭のカラマツ





 富士山の西にある大沢崩は、今も富士山を崩壊へと導いています。最大幅500m、深さ150m、山頂から標高2200m付近までの延長2.1kmもの浸食谷です。

 浸食は千年前から始まり、現在も進行しています。そこへ行くには御中道を辿ります。富士山に3度登頂した者だけが、歩くことができる修験道でした。

 中腹5合目〜6合目辺りを水平方向にぐるっと一周して結ぶ約20qの道。大沢崩は最大の難所でした。では野良人さんと岳魚さんの3人で行ってみます。


 新東名高速の新富士インターで下り、国道139号線を北上。途中、県道71号線へ移り青木ヶ原樹海を抜けます。富士スバルラインを走り‥


 教科書は、HP「富士山登りつくし」です。参考書として多くのホームページのお世話になりました。
<駐車場>
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奥庭入口駐車場


御庭山荘

滑沢

仏石流し(ブッセキナガシ)

一番沢

前沢

大沢休泊所

大沢崩見晴台

大沢休泊所(ランチ)

御庭山荘

奥庭入口駐車場



※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


10/8:赤銅色の皆既月食


江  南:午前4時40分発   晴れ/20℃
駐車場:午前9時20分着   晴れ後曇り/11℃
(高所順応のため、吉田口五合目・展望地を巡る)
往:1時間55分(大沢崩見晴台まで、小休止含)
還:2時間00分(ランチタイム除く)
◆所要時間:3時間55分





 富士山五合目の手前3km、奥庭入口駐車場へ駐車。綺麗なトイレもあります。風は無く、11℃は山行に丁度良い気温です。

 奥庭には寄らず、道を渡り御中道(オチュウドウ)入口へ歩きます。
(10:05)






 富士スバルライン沿いを100mほど東進。御庭入口から石畳の古道を登ります。苔と樹林に囲まれ、いい雰囲気です。

視界が開け、奥の右から鳳凰山2840m、鞍部を挟んで左へ北岳3192m、白根三山(間ノ岳3189m)
中央は本栖湖、中央右端が精進山1409m、その下にこんもりした寄生火山大室山1468m。
今年登頂した精進山(’14.6.1)と大室山(’14.6.17)は、思い出の山旅です。






 やがて廃屋の御庭山荘に出合います。奥は富士山。この自然庭園御庭(オニワ)は、下山時に周回しましょう。
(10:30)

 山荘から少し戻り、砂礫地に立つ大沢崩の指標から御中道を辿ります。

 紅葉は始まったばかりの溶岩道。この辺りは森林限界でカラマツコメツガの背が低いですね。






 やがて樹林帯に入り、苔には落葉したナナカマドが赤のアクセント。石楠花も多く、こんな道があるとは‥ん〜想像外でした。
30分ほどで森が終わると雄大な砂礫地に出ます。
山頂の左端が白山岳3756mピーク。冠雪していれば、きっとこたえらない光景でしょう。
しかし残念、今日の富士山はすっぴんです。


野良人さん『山頂まで2時間位で登れそうだな』
ここから標高差は1400m弱。『4時間半はかかりますよ』
『そんな風には見えん』ほんとうに山頂が近い。

砂礫地の端が滑沢(ナメサワ)ですが、ここは難なく渡れました。→
富士山一周の御中道が、横切る沢は全部で27本あり
大沢崩までは、5本の沢を渡ります。
(11:15)




 富士山の標高2400mをトラバース。オンタデが厳しい環境の中でたくましく斜面で命をつなげています。

 落石対応に3人は、ヘルメットを被りました。上方も注意し、進むとすぐ次の沢に‥






 仏石流し(ブッセキ)2404mの立派な石標。世界遺産登録で信仰の道は整備されたのでしょうか。右下に野良人さんと岳魚さん。
(11:20)





 樹林帯を過ぎると一番沢2409mの石標に出合います。二番沢の石標が見当たりません。二つの沢が合流したようです。

 ここから降り道になり、大沢崩まで高度を100m近く下げます。
(11:30)





 樹林帯を抜けると前沢。渡渉の道が崩れています。上部に補助鎖を付けた道が造られ、世界遺産は直しが早い。

 沢は巨岩で埋められていますが、いわゆる火山岩には見えません。
(11:45)




 谷の華やか紅葉に迎えられ大沢休泊所2317m(お助け小屋)に着きました。小屋前の斜面は憩いの場所に整地されています。

 そこにはバイオトイレがあり、世界遺産の課題をクリアしました。とりあえずリュックをデポし、斜面をジグザグ降ると‥
(11:55)

崖ギリにロープのストッパーが張られた大沢崩見晴台です。大迫力の光景。
大沢崩御中道で最大の難所ですが、こんな所をよく歩いて越えたものです。
最大幅500mですがこの辺りは300m、深さ150mの大迫力、
(12:00)

 この画像は、昭和10年の信者の巡拝です。大沢崩では、昭和52年(1977)に転落事故が起き、それ以来閉鎖されたままです。

 富士山頂の西で山体をえぐる大沢崩。山頂をお鉢巡りすれば、この崩壊源頭を見られるでしょうか? 現在も1日275tの土砂の崩落が続いています。

山頂の大沢崩源頭部をズームアップ。いくつもの白い筋が見えますが、つらら?
右上に剣ヶ峰3776mの旧富士山測候所の建物が望めます。

5分ほどすると沢下から雲が噴き上がり、辺りは白い世界『タイミング良かった』幸運でした。
 そうだ、機会があれば大沢崩を麓から見上げてみたい。大沢休泊所へ戻ってランチしましょう。

 休泊所前に座ってランチ。山道具の話が弾みます。左のヘルメットは好日山荘13000円、中は自転車用で8000円、右はホームセンターで買った私の工事用1500円です。野良人さんが、おニューのリュックを自慢します。米国のガレージメーカーZpacks製、防弾チョッキの生地で52g・300gの超軽量です。
 
 そのため、小袋が省略されています。お値段は驚きの34000円。野良人さん『防水だからカバーがいらないんだぞ』『素晴しい‥けどデザインがいまいちですね。まるで土嚢袋』『それは言わないでくれ、、、実は、恥を忍んで今日持ってきたんだから』『デザインが悪いこと認識しているじゃないですか』(大笑)
(12:10)〜(13:00)





 私たちがランチしてるとご夫婦の登山者が来て雲の中を大沢崩見晴台に行かれました。ここでメインが見られないと悲しい。

 1時間経っても雲は動きません。ご夫婦は粘っておられるようです。私たちは、下山しす。






 仏石流しまで来ると雲は消えました。おっと‥『頭上のあの岩、やばくネェ?』早足に通り過ぎます。
(13:40)

 御庭山荘に着き、周回路で御庭を巡りました。あと一週間くらいで黄葉になるでしょう。
スッピン富士山が、これほど赤い肌だとは驚きました。しかし、稜線は美しいカーブです。
(14:25)




 やがて石畳の周回路は、富士スバルラインへに降りました。道を渡り、左折して歩道を400m歩きます。
(14:45)

 奥庭入口駐車場着。『今回はシャッターチャンス多すぎだ』
(14:50)

 
東海岳行
  “おまんと祭り” 

 「世界ふしぎ発見」っていう番組がありますが、テーマがエジプトのピラミッドだと必ずと言っていいほど考古学者の吉村先生が出てきます。実は、先生は祭りが大好きで300以上の日本の祭りを見たそうです。「林修の今でしょ!」に出演した時、日本の危険すぎる奇祭を自らランク付けしていました。

 1位愛知県国府宮「はだか祭」、2位長崎県「脇岬祇園祭」、3位愛知県高浜市「おまんと祭り」、4位長野県野沢温泉「道祖神祭り」 知っているのもあれば初めて聞くものもあります。祭りは行くも見るも大変です。紹介映像を見る限り「おまんと祭り」は、その敷居が低く行ってみようと思いました。

 10月の第一土日、名鉄三河高浜駅西の春日神社で開催されます。車で行くので高浜観光協会で調べると臨時駐車場が設けられ、神社までは無料の巡回バス(下左)を利用できます。1時間に2本出ていて神社近くに10分ほどで到着です。 


 当日、神社入口(上中)で天むすとお稲荷さんを購入し、出番を待つ馬を見ながらまずはひよこさんとランチします。「おまんと祭り」は、1803年から200年以上続き雨乞いの駆け馬奉納行事です。その祭名は、右上写真のような馬の塔を「おまんとう」「おまんと」と言ったことから由来しています。

 駆け馬は、丸太を円周100mに組み、柵の馬場で9時〜17時まで行われます。(下左)その時間に行けばいつでも見られるのです。敷居低いでしょ。馬は1周10秒で走り、時速40km。全速力で走ってくる馬に飛びつき、首に抱きついて1/4周ほど馬と一緒に走ります。半分の人は馬をつかめず、振り飛ばします。

 捻挫したり骨折したりする人が普通に出るので救急車が駐車場で待機。私たちも見ようと柵に近づきました。しかし、多くの人が柵に乗り見ているので入り込む余地がありません。半周位探すと丁度、柵から下りる人がいたので私たちも乗りました。尻を叩かれた馬が内側に身体を傾けてすごい勢いで駆けてきます。(下右)


 まさに手が届く距離を疾走。怖いくらいですが、子供もそうやって見ています。ところが目の前を走り抜けると砂がブシャーとズボンや靴にかかる。柵に乗ってなければ全身にかかるところでした。次々に馬が変わります。やがて馬役の町内が変わると最初は子供衆がポニーを引いて一周します。ポニーは走りません。(下右)

 可愛いですね。そして大きな馬が現れ、どの馬よりも早く走り出すと誰も捕まえられません。その中でガッシッと上手く首に抱き着き、一体になって走る若衆がただ一人いました。見ていた人は『お〜』と歓声を上げ、拍手が送られます。40分くらい飽きずに見ていました。

 久しぶりに大きなお祭りを見ましたが、来るまでは『行くの大変だなあ』と否定的な気持ちですが、見終わると『面白かったなあ』と満足しています。


2014.10.13(月)20:55