岳行ノート

養老山  859m/岐阜県養老町

(三方山720m・小倉山841m) 

2015年1月20日(火)


山旅は思わぬ銀雪


 養老山登山は、ピストンと周回をしました。今回は縦走を試みましょう。この時期は当然積雪があって当たり前ですが、状態がわかりません。

 野良人さんを誘っての山行日は1月20日なので前日、岐阜に住む娘にメールを送りました。『田んぼ越しに見える養老山地どう?』

 すると『雨で何も見えん』 う〜む雨か、ひょっとすると山は雪かもしれない、、、翌朝、期待と不安を乗せ2台の車で走ります。


 名神高速道路の大垣ICから一般道へ。養老山地の麓を南北に延びる県道56号線で養老病院へ行きます。

 その西の神明神社に車をデポ。もう一台を養老の滝北東の有料滝駐車場に停めました。
<駐車場>
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  教科書は、ヤマレコhiroCさんの「養老山地 三方山〜小倉山〜養老山〜津屋避難小屋」です。




滝駐車場

三方山

小倉山

養老山

津屋避難小屋

神明神社駐車地


※赤線はGPS軌跡 
●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時30分発   曇り/3℃
駐車場:午前8時00分着    曇り時々晴れ/6℃
往:2時間45分(養老山まで、小休止含)
還:3時間40分(ランチタイム除く)
所要時間:6時間25分

 杭瀬川から朝日を受ける養老山地。どこが最高ピークかわからないのが特徴。
養老山は左端に近い位置です。昨日の(19日)雨は、山は雪で標高500m以上が冠雪しています。


 養老公園Pより200m標高の高い有料滝駐車場に到着。無人では料金を支払えません。車止めチェーンから林道へ。
(8:10)


 滝谷の渡渉点まで進み、右岸で左折し「三方山→」の標示から登山開始。

 急斜面のジグザグ道で高度を稼ぎます。思ったよりきつい道。昨日降った雪が現れます。
 蛇行道を30分、高度を250m上げ尾根出合。濡れ雪に足を沈ませ進むと…(8:55)


 三方山分岐。ひと登りで720m山頂です。晴れですが濃尾平野展望台の絶景は、昨日の雨でもやっています。
(9:25)

起伏の少ない山腹道に足跡を残すのは、『気持ちいい』
ところが注意をしていないと、頭に垂り雪(シズリユキ)を受けます。


 まもなく笹原峠。右方向は、もみじ峠へ林道が延びています。左方向が次の小倉山です。
(9:50)


 樹林帯を抜けると尾根道は、開けて明るくなります。雪はくるぶしが埋まるくらいの深さです。斜面を登りきると‥

 小倉山頂園地841m。北に眺望が良いのですが、ここも霞んでいます。
(10:10)

 西に東屋。思わずランチしたくなりますが、先があるので寄るだけ。北西の養老山地最高峰、笙ヶ岳908mと南の養老山と‥

西方の素晴しい展望と言いたいのですが、霞んでさっぱりでした。
この写真は、8日後にもう一度、長男と養老山をピストンで登った時のものです。
霊仙山1094mが、迫力あります。

 小倉山
に戻り、3つ目の養老山へ向かいます。広い道を20分で左への曲折点。山頂前のコブで30cmの積雪。

 ラッセルを頑張った野良人さんと交代しました。傾斜があるのできつい。

 山頂丘から右の林道に移ります。→

 丘を回り込むと林道終点に登山道がありました。樹林の養老山一等三角点に登頂。(10:55)

 山頂から東へ降り、「津屋避難小屋100分」道標方向へ。

 数分で休憩地。ランチします。食後、私はワカンを履き、南へ歩きます。
(11:05)〜(11:50) 

 ルートは、東斜面を削った山腹道です。私がワカンで踏み跡を作り、野良人さんがツボ足を置きます。

 左足がズボッと股下まで入雪。股間の魔物がピンチ。抜こうと踏ん張ると右足も入雪。『これはタマランチ会長』
道は東向きになり、アセビに囲まれた多芸の台に到着。
養老山の旧名は多芸山です。東に広がる濃尾平野揖斐川の両側は田んぼばかり。
(13:00)


ここで右に曲折し、再び尾根縁の道を辿ります。
←すると根っ子がめくれた大木が、登山道に覆いかぶさり通せんぼ。
(13:35)


 待望の津屋避難小屋。雨戸で閉められていました。養老町と海津市の境界尾根を東へ降りますが、その道が不明。
(13:50)


 探すと避難小屋西に大きな溝。それがハーフパイプの下山道でした。尾根には、この掘道が延々と続きます。


 歩き出しはワカンですが、雪は減り、外しました。進むと分岐が2つ続きます。いずれも左を取りました。
(14:30)

 斜度が緩みハーフパイプの道が歩きにくくなります。植林の道を歩くと東海自然歩道の二股分岐です。
(15:10)

 左(養老公園→)を取って直進、5分で自然歩道の標柱、そこは右折します。


 朝、車をデポした神社の鳥居が見えます。車に乗り滝駐車場へ7km15分。まだ無人、500円出費しないで済みました。
(15:20) 

 
東海岳行
  “雪山デビュー” 

 長男の久蔵からケイタイ。『父さん、来週、山に連れてって』『あれ、一人で登らないの?』 彼は山の魅力を知った初心者。昨年12月に入道ヶ岳を二人で歩いた後、『来月は一人で登ってみる』と言いました。積雪が無く登山道・道標がしっかりした猿投山の地図をあげたのです。

 美濃市の天王山辺りが良かったかなと反省。一人で登るより私の案内があった方が楽しめると考えたのでしょう。野良人さんと1月20日に歩いたばかりの養老山で雪山デビューさせてやろうと思いました。私の場合、デビューは登山歴二年目に各務原市の八木山296m。

 その日は、ひよこさんと普通のズボン、軍手にストックを持って果敢に登りました。反省メモが残っていて「防水ズボン、防水手袋、スパッツ、軽アイゼンが必要」 スーパー低山でも積雪が10cmあればそうですよね。当日、久蔵に登山靴を履き手袋をしてアイゼンを着ける練習をさせました。

     

 上の岳行ノートの時、養老山は積雪充分でしたが、1週間後は里から見た山は(上写真:右→左)すっかり融けています。ルートは、滝駐車場から養老山ピストンです。8時45分スタート。斜面を登り尾根出合に着くと全く雪はありません。三方山手前で残雪登場、山頂は雪なし・展望よし(下左)

 次の笹原峠で積雪があり(下中)、踏み跡表面が凍っています。傾斜が緩くツボ足を経験するためアイゼンはまだ付けません。足の運び方や置き方を教えると素直に実行していました。転ぶのはいやだし、何より命がかかっていますから。小倉山山頂(下右)はペラペラ雪で、東屋付近は雪なし。


 小倉山から降った鞍部でこぶに登るため二人ともアイゼンを付けました。久蔵は、ひよこさんのをものを借用。さあ〜と歩き出すと『すごい、滑らない』と喜ぶ久蔵『すごいすごい、斜面も普通に登れる』と大喜びの久蔵。私は得意げに『アイゼンってすごいだろ、天下無敵だ』

 こうして無事、養老山登頂。下山では、降りの足の運びを確認します。往きよりアイゼン歩行の距離を伸ばし、小倉山を過ぎた笹原峠で外しました。登る前は、雪山って怖いなあと思っていたそうです。『楽しかった』と今日の感想。彼は冬に山が楽しめるとは、想像していませんでした。

 滝駐車場に戻ると係員がいる! 500円支払う。帰りの車中で久蔵『2月も山に連れてって』と言う。ちょっと待て長男よ、ひと月前、一人で登ると言ってたんじゃなかったのかな? 2月の山は、東海岳行から探しておきましょう。

2015.02.01(日)22:00