岳行ノート

高時山 1564m/岐阜県中津川市

2015年5月21日(木)


噴煙を上げる御嶽山

(剣ヶ峰は噴煙に隠れ、左の尖峰は継母岳2867m)


 御嶽崇拝の山は多くあり、基本的には御嶽山が好展望。この高時山もその一つで、登山拠点の渡合温泉はランプの宿として知られる秘湯です。

 加子母から木曽越峠〜渡合〜滝越を通り、木曽へ抜ける道は鎌倉時代に開け、江戸時代には御嶽登山道として盛んに利用されたそうです。

 高時山へはその古道を辿って登ります。渡合温泉(ドアイ)までの道の状況は、温泉のブログで問題がないことを確認しました。


 中央道中津川インターで下り、国道257号線〜256号線で付知峡方面へ北上します。付知峡口のY字交差点で右に折れ、渡合温泉へ。

 教科書は、山と渓谷社刊「東海周辺 週末の山登りベスト120」です。今回は、野良人さんとの二人旅となりました。
<駐車地>
ドラッグスクロールで移動

大きい地図 [+]詳細図、[-]広域図




渡合温泉駐車場

親滝・小滝

林道出合

高時山

△東峰

林道出合

林道

渡合温泉駐車場


※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時15分発    晴れ/15℃
駐車場:午前8時40分着    晴れ/16℃
往:3時間00分(山頂まで、小休止含)
還:2時間55分(ランチタイム除く、東峰山行含む)
所要時間:5時55分

 一軒宿渡合温泉の広い駐車場を利用させて頂きます。登山口は宿の右。宿の人に一言声をかけ道の情報を得ましょう。

 御主人は6代目、昔は林業が盛んで500人もの住人がいました。広い敷地は木材の一時保管場だったのかも。
(9:00)

 階段を登ると分岐標、「高時山/峠越しコース→」 左折すると木橋に出合います。手摺りが朽ち通行止の掲示。

 今日は底柱がまだしっかりしているようで自己責任で中央を渡ります。
(9:03)


 植林下、丸太で整えられた山腹道を右岸沿いに進みました。「渡合三滝100m→」の指標があり寄ってみましょう。
(9:15)

 「渡合三滝」とは親滝・子滝、木曽越の滝です。滝展望所の先に橋があり、滝を上から見下ろせます。

 木曽越の滝(落差20m、幅3m)です。上のコマの分岐へ戻り、「高時山→」を行くと3分で支流の渡渉。


対岸に渡ると左に時代物の石仏が鎮座していました。
一旦、川岸へ降りすぐ岸を登って道に戻ると、、、登山道消失!?
向こうの藪からソロの方が『道がわからない』と言って戻ってこられました。
「高時山→」の指標が、木の陰に転がり、渡渉を促すのでここから3人で行きます。
右岸から左岸に渡り、岸辺を50m歩き再び右岸に渡渉。登山道に出合いました。


 ソロの方が2回目の渡渉で流れに足を浸されたよう。伐採地に出ました。カシモ谷の右岸をゆっくり登ります。
(9:45)

 古道木曽越峠には33観音が祀られていました。17番と移転された18番が並んでおられます。

 観音様前を見ると唐突に堰堤が現れました。左端に乗り越える道があります。(10:00)

 しばらく進むと道が行き止まり。「古道木曽越峠→」の指標で右曲折。そこでカシモ谷を左岸に渡渉します。

 渡って登ると石積みの行き止まり。指標の指す右へ折れました。崖に出て左へトラバースすると‥ 
(10:10)

 高時山林道出合。帰路はこの道で下山します。左折して(写真右方)未舗装道を600m歩くと‥(10:15)

 ヘアピンカーブに「木曽越峠→」「高時山→」とダブル指標。川へ降りて対岸に渡ると‥ (10:30)


 登山道は丸太で整備され、植林の急登となります。標高を120m上げ‥

 待望の木曽越峠。南の加子母から来た林道が延伸工事中。(10:50)

 ←13番観音、峠の風情はなくなりました。広場から御嶽山の展望があります。林道を2回横断‥

巨木の立ち並ぶ、快適な稜線歩き。昔、高時山は伐採で丸裸になったそうです。
以後、植林はされず、いうならば二次林というところでしょうか。


 落雷樹が登山道の真ん中で墓標のようの残っていました。2m以上の高さですが、中は炭になっています。
(11:20)


 地形図の1434mピークで左へ曲折。あと130mの登りです。尾根道は明確で‥


 高時山1564m二等三角点登頂。ピッタリ12時。北の展望を鑑賞しながらランチにします。
(12:00)〜(12:45)
左の台地状の稜線中央で突出したピークが、直線で6kmにある小秀山1982m。
御嶽山は直線で19km。待てば山頂の雲がいなくなるかも、、、

この日、下呂市から五の池小屋へ現地調査が行われていました。
6月下旬、小屋までの入山規制を解除する方針です。

 食後、ソロの方が先発されたので二人で東峰1540mへ行ってみました。少々藪がありますが、大したことありません。

 10分で着きましたが、北の御嶽山の山容は変わりません。南に展望があり‥


 奥に恵那山2191m 右に付知川(ツケチ)の流れる付知町の町並みです。山頂へ戻り、13:15下山開始。


1434m曲折ピーク(13:45)
木曽越峠(14:10)
林道出合(14:35)から未舗装の林道を1時間歩かなければなりません。

稜線の登山道では、マイズル草チゴユリの白色系が咲いていました。
渡合温泉に戻るとあちこちで群生するクリン草が鮮やかな色で目を引きます。
しかも花弁はハート型、、、何を訴えているのでしょう?
(15:40) 

 
東海岳行
  “憧れの船旅” 

 新聞の広告でよく見るクルージングって憧れます。豪華客船の旅は、二人で100万円は必要で庶民には高根の花です。実は私は、学生時代に客船に何度も乗り、すべて大部屋雑魚寝の3等クラスでした。ある時、船会社の事情で3等の料金でロイヤルクラスのおもてなしを受けたことがあります。

 その話しは長くなるのでいつか道草に著そうと思いますが、その時感じたことは船中では格差社会の嵐に耐えねばならないことです。それが惨めで今まで船旅は敬遠していました。ある日、新聞に興味を引く長崎ツアーが載っていました。往きは新造船の大型フェリー、還りは新幹線です。

 ひよこさんも船旅を一度はしたいと思っていたので予約しました。ツアーの方が船賃、ホテル料金、新幹線運賃は団体割引、取りにくい予約も旅行社がやるので楽チン。しかも船の部屋ランクは、わくわくのスイート。通常のツアーより料金は高めですが、ひっくり返るほどではありません。


 名古屋からバスで大阪の泉大津市の阪九フェリー乗り場まで総勢26名で行きました。4月に就航した「ひびき」は、1.6万トン、全長195m、幅30m、旅客643名、トラック288台・乗用車188台で7階建。私の知るフェリーの概念を壊すほどデカく近くで見るとビルです。新門司まで船旅します。

 スイートは最上階の7階、窓は大きくバス・トイレ付で40型テレビが嬉しい(上中)。長旅の豪華客船とは違いショー等のエンターテイメントはなし。大浴場・露天風呂、展望ルーム、展望デッキ等の施設があり、出航まで巡回しました。吹き抜けロビーのエレベーターが豪華さを演出しています。

 唯一のレストランは、定食屋方式。食材が乗る皿をプレートに集めレジで精算しますが、2000円のクーポン券をもらっています。5時半出航早々に並んだのですが、全旅客が来るので列は長い。15分で席に着き早い方です(下左)。2000円クーポン全部使いましたが、味は、5段階で下から2?
 

 楽しみは、淡路島に架かる明石海峡大橋を潜る瞬間です。(上中) 出港して1時間後、6時38分通過。中央下に神戸市側の主塔が見えますが、1年前「ブリッジ・ワールド」のツアーであの塔頂に2人で登りました。1年後、橋の下を潜るとは、、、19時前、夕日が海に消えるまで見送りました。

 なでしこのゲームをテレビで見ます。電波はほぼワンセグで荒く、時々受信できなくなり画面がフリーズ。でも勝利ゲームで気分よく寝られる、、、と思ったら「ゴー」部屋は最上階でエンジンから離れた船首ですが、機関の音が小さいながら聞こえ、微妙な振動がベッドに伝わります。

 40年前の船旅を忘れてました。あの時、船底で船尾にある最安の大部屋で音と振動はもっと凄かった。若かったので寝ることができましたが、今はいけません。うつらうつらするだけ、朝6時、下船でゆっくりしてられない。5時に朝食をとらなければなりません。結論が出ました。船旅はいいや。

2015.05.31(日)23:55