岳行ノート

御在所岳9  1212m/三重県菰野町


2015年11月2日(月)


初めて、鈴鹿の雲海

(御嶽神社より南西方面 右端:サクラグチ919m 左端奥の双耳峰:仙ヶ岳951m)


 御在所岳を巡る登山道は一般ルートにバリルートを含めれば数多くあります。中道、裏道、表道、武平峠道、一ノ谷新道、本谷、藤内沢、地獄谷

 以上の8ルートは過去に辿りました。私の知る範囲ですが、バリルート等で4本残っています。今回は御嶽神社から群界尾根を歩いてみましょう。

 NHKBSプレミアムで昨年、「グレートトラバース〜百名山ひと筆書き踏破」が放送されました。プロアドベンチャーレーサー田中陽希氏の挑戦です。


 着想が素晴しく毎回楽しく視聴しました。すると今年は2百名山ひと筆書き踏破です。5/25にスタートして北海道の暑寒別岳から九州の御岳まで。

 HPでスケジュールを確認すると御在所岳は11月2日です。彼の登頂を見てみたいということで三重・滋賀県境の武平峠へ向かいました。

 参考書は、西内正弘著・中日新聞社刊「鈴鹿の山 万能ガイド」です。
<駐車場>
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大きい地図


武平峠駐車場

武平峠

天指し岩

▲御在所岳

御嶽神社
(ランチ)

右折点

左折点

レスキューポイント
BA

武平峠駐車場


※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南発:午前6時30分     雨/13℃
駐車場着:午前8時20分    雨のち曇り/7℃
往:1時間15分(山頂まで、小休止含)
還:1時間25分(待ち時間2:15、ランチタイム除く)
所要時間:2時間40分

 滋賀県側、武平峠の駐車場に着きました。雨が降っています。2台の車が来ましたが、やはり雨待ち。30分経つと小降りになったので出発。写真奥に‥
(8:55)

 この登山口があり、登って左に武平トンネルの上を歩き鈴鹿スカイラインを越えます。明解な登山道で峠へ向いました。






 谷部を渡ることもありますが、テープのマーカーも付いています。プレート通りに進めば、10分で‥






 武平峠に出てここを左折。そして峠道御在所岳へ向います。
(9:05)






 雨・雨・雨:::::。砂ザレ道は溝道になり、やがて岩塊の連続です。でもペンキのマークがあるので安心して登られます。

岩峰は好展望。指の短い天指し岩から南を望めば、隣の尖峰鎌ヶ岳1161mが鈴鹿ブラウン。
日差しがあれば、衣装が輝くところです。そして広場を通り、笹道を抜けると‥
(9:40)






 山上公園の舗装された遊歩道に出ました。写真左ピークの山頂に向かいます。途中、長者池の様子を見て‥
(9:55)






 長階段を踏みしめれば‥





 御在所岳1209m頂上です。今日は最高点1212mの望湖台は省略します。雨はまだ降り続くので近くの‥
(10:10)





 休憩所へ行きました。もう20人近くが、雨を避けて陽希(ヨーキ)さんの登頂を待ち構えています。待つこと待つこと待つこと2時間!

感激のホンモノ到着。早速、カメラが登頂の感想を述べる顔をアップで撮っています。
私は写りこまないように気を付け、何枚も写真を撮りました。
15分ほどで交流が終わり、BSチームは食堂にカレーうどんを食べに行ったので私は下山します。
(12:10)





 BSチーム峠道をピストンすると言っていました。私は峠道とバリルートの周回。雨が止みました。南の長者池に降り‥
(12:25)





 少し登れば御嶽神社。明治に木曽の御岳神社より祭神の分霊がここに移されました。裏に回ってランチします。
(12:35)〜



 そこには予想外の展望が拡がっていました。雨上がりの雲海(TOP写真)。雨日に登ってよかった。超感激、今日は感激ふたつ。

 神社裏からは、笹分けの郡界尾根の道が南東に降りています。初めて歩くルート。バリですが、きっちり踏み跡はあります。
(13:00)




 10分歩けば、尾根の分岐地点。テープが沢山あり注意を促しています。右折しますが、少し左に行ってみました。
(13:10)

 そちらの尾根も歩けそうです。確認したらここへ戻り、トラバース気味に右へ降ります。

すると尾根は、鈴鹿らしい良い二次林になりました。ここは、陽光が欲しいですね。
踏み跡は続き、藪もなくテープは5mごとに付いています。





 気持ち良く右折点から15分ほど降ると再びテープが激しく注意喚起。直進禁止の枝ストッパーもあります。左折して急斜面を‥
(13:30)


5分降れば、クラ谷から武平峠へ向かう道に出合いました。
(13:35)

ここを左折すれば、すぐレスキューポイント3番→
辺りの谷はガスが覆い、幽玄の雰囲気を醸し出しています。
トラバースの道は、時々小さく崩れている個所があり要注意です。





 「←雨乞岳」「武平峠→」の道標がある谷部。初心者の頃、この道を降った時は、登り用の道標しかなく難儀でした。
(13:50)





 ほどなく周囲は植林になります。やがて鈴鹿スカイラインが見え、大勢の登山者の声が聞こえてきました。

 『これはいけない、急ごう』

 下山口からトンネル方向に歩けば武平峠駐車場です。登山者に尋ねると『下山した陽希さんが挨拶され、お別れしました』
(14:15)

 次の釈迦ヶ岳(奈良)へと向かったとのこと。車で追うと路肩にいるBSチームを発見。でも旅の邪魔はしてはいけない。

 車中から見送りました。

 
東海岳行
  “日本2百名山ひと筆書き” 

 昨年BSで放送された「日本百名山ひと筆書き〜グレートトラバース」は面白かったですね。アドベンチャーレーサーの田中陽希さんが、3年前の29歳に思いついた前人未到人力の山旅です。のっけから単独で屋久島からカヌーで鹿児島へ渡ることに度肝を抜かれました。そして見事209日で達成しました。

 NHKも確かな手ごたえがあったのでしょう。今年は2百名山に挑戦となりました。242日の計画です。この前見た放送で今回の2百名山の旅が『何か、面白くない』と言っていました。昨年の偉業で一躍有名人となった彼を登山口、道々、山頂と大勢のファンが待ち構えています。

 そうなるとお相手しなければなりません。純粋に登山を全うする環境ではなくなったのでしょう。プロとしてマスコミに乗って良い仕事をした結果です。しかし、ファンあっての番組ですからこれからはその対応も必須にならざるを得ないと思います。開き直ってそれを楽しんで欲しい。そういえば五郎丸選手もそうですね。


 私もそんなファンの一人。彼の2百名山の進行をHPで追っていました。10/31(土)、滋賀県から武奈ヶ岳を登頂。土曜日、好天、紅葉と好条件に大勢のファンが待ち受けていたようです。翌日、琵琶湖大橋を渡り、滋賀県日野町に宿泊。町で泊まる所は一軒、ビジネスグリーンホテル日野に多分お泊りでしょう。

 11月2日(月)がいよいよ御在所岳です。(予想コースは千種街道を歩き、杉峠国見峠経由で登頂し、武平峠に下山と予想しました。結論ハズレ) さて当日、天気予報はよりによって雨。どうするか前夜悩みましたが見逃して後悔するより私もチャレンジして応援に行きましょう。

 ホテルから25km歩けば武平峠ですが、標高差600mを登らなければいけません。しかも朝は本気雨でした。情報では7時ころ出発したようです。番組のHPでは、[now here]と彼の現在位置が刻々と地図に記されます。ドキュメンタリーでグッドアイデアです。


 <山上公園の休憩所で待つ>
 
<武平峠到着のメール>

<12:02陽希、遊歩道を走る>

 山頂の休憩所(上左写真)で皆さんと待っているとケイタイに『鈴鹿スカイラインに入った』『11:09武平峠に着いた』(上中)とメールや電話で連絡が届きます。待っている間、ワクワク気分で楽しかったですね。峠道からの所要時間1時間30分です。プロの彼なら一般人の半分の時間、12時頃には登頂するでしょう。

 11:33、私は長階段を降り、その先の高所で遊歩道を見張ることにしました。『あれそうかな?』『彼はWストックなので違うな』二人登山者を見送ります。30分近く待っているとガスで煙る道に3人組の姿。信じられないスピードで遊歩道を長者池方向に走っています。(上左:左側に走る姿が)

 『来たぞ!』 山頂で待つ人に手を振る。(下) 陽希さんの御在所岳踏破が、真空掃除機のように大勢のファンを山頂に吸い込んだようです。見えてからあっという間来ると思ったのですが、レインウェアを着ていたようで4分後に長階段に到着。ゆっくりアクションカムを持って登って来ます。12:09登頂、1時間かかりました。

 

 全員が拍手で迎えると女子がせーので『ようきさん、よーこそ三重へ、登頂おめでとう』声を揃える。いつの間に練習したのでしょう。彼は『ありがとうございます。皆さんの紅葉が綺麗いですね』 待っていた60人のレインウェアを見て言葉を返しました。そして皆さんと握手しながら三角点に近づく。


<長階段に着く>

<ゆっくりと‥>

<到着!>

 彼は32歳、私の子供と同じですが、スポーツマンとして見ます。声を揃えた姉さまたちはどんな感じで見ているのでしょう。類いまれな身体能力を活かし、プロアドベンチャーレースの競技者です。そんなレースがあることさえ知りません。公式では身長180cm、体重74kgですが、今日はそんなに大きくゴツク見えません。

 筋肉でがっちりしているかと思いきや締まった体に幼さの残る顔です。昨年末に結婚されたそうですが、甘い新婚生活は、この仕事で遅れませんね。お決まりの登頂写真(下左)を撮り、三角点西でガスった景色を眺め、囁くような小声で感想シーンを撮影していました。

 お仕事がひと段落したら、ファンに声をかけアクションカムを使っての全員で写真撮影。私も当然入りましたけどその写真の手に入れるにはどうすればよいのか不明です。レインウェアのフードを取り『トレードマークですから』綺麗に剃り上がった頭を披露しました。(下右)


 差し入れもなく、サインや記念写真をねだったり、励ましの手作りプレートを渡すのは誰一人いません。。民度が高い。HPの「山中での無理な滞在によるリスク軽減のためサインや写真撮影は控えさせていただきます。自分の食料は自分で確保していますので差し入れは不要です。ご理解ください」を守っています。

『ここは何か美味しいものあります』と女子に尋ねると『カレーうどんがいい』 そしてチームは、レストランへ歩きだし、15分間の交流会は終了しました。私は下山します。今までは登山界のアイドル?は、田部井さんや岩崎氏が中高年の指導者と言う感じでおられました。陽希さんは老若男女のニューヒーロー。

 来年は3百名山踏破に期待します。そして北・中央・南アププス縦走とか、ローカルだけど鈴鹿県境稜線縦走、高島トレイルなどにもスポットを当てて欲しい。「がんばれ、ようき」 降っていくと若い登山者も降りてきて、話し声が聞こえてきました。『やっぱ来て良かったな』『うん、楽しかった』 私も同じ気持です。

 
2015.11.09(月)00:35