岳行ノート

    ゆのほら             はんのぼら
湯之洞山(高山)〜母野洞  504m・614m
岐阜県美濃市



2016年2月18日(木)


湯之洞山南峰より東の眺望

(中央は歩いてきた尾根です)
正面奥は高曝山457m、左ピークは平成山381m、右端は大仏山435m


 美濃市湯之洞山の登山道が整備されました。「地域づくり事業」の一環として市の財政支援を得て「みのハイキングクラブ」さんが実施。

 昨年11月の整備レポを拝見。最近「ベッカムと山に登ろう」さんや「岐阜県の山歩き」さんも同山を辿られています。好展望で歩きたい。

 そこで洲原登山口から湯之洞山を登り、母野洞へ縦走。母野洞から西の片知川へ下山するコースにしました。下山地に車をデポします。


 野良人さんにお願いしてお付き合いしていただきました。東海北陸自動車道美濃インターで下り
北上して板取川を遡ります。支流の‥

 教科書は、風媒社「こんなに楽しい岐阜の山旅100コース/下」です。参考書は、「みのハイキングスラブ/高山・母野洞」さんのお世話になりました。
<駐車地>
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大きい地図


立花トンネル北駐車地(図右下)→六角堂→△湯之洞山南峰→▲母野洞→鉄塔74→
金門橋南駐車地(車)→水路橋→立花トンネル北駐車地(図左上)

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前7時00分    晴/0℃
駐車場着:午前8時35分    晴/2℃
往:2時間00分(湯之洞山まで、小休止含)
還:2時間00分(ランチタイム除く)
所要時間:4時間00分
 片知川沿いに2.3km北上し、金門橋南へ車をデポしました。車道を戻り、東の長良川鉄道湯の洞温泉口駅に出て国道156号線を北上。立花トンネルを潜り、右のスペースに置車。(上左) 出発、国道を西へ横断し、50m歩きます。斜面にある階段(上右)が洲原登山口です。(8:45) 

 倒木などで荒れていた山道は、綺麗に整備されました。程なく重文六角堂、応長元年(1311年)の再建です。

 養老3年(720年)の地蔵菩薩が祀られています。明治初め迄、郡上街道の地蔵峠と親しまれ人馬行き交う要所でした。
(9:00) 

 六角堂の先に「高山登山道 登り口」の案内板。そこから2分登ると尾根に乗り、四等三角点↓に出合います。
(9:05)

尾根道を辿ると突然、左に眺望が開きました。
南西、中央に長良川、右端奥が天王山538m、尾根伝いにその左誕生山502m。
左下に東海北陸自動車道が、左奥のピーク古城山437mヘ延びています。
(9:20)


 地形図の279mピークで右へ曲折。案内板があり、道ミスを防いでくれます。標示の高山は、湯之洞山のことです。
(9:35)

 鉄塔6を過ぎると北西に湯之洞山の山頂部が望めました。中央が最高点でその左隣が南峰です。

 なお送電線は、長良川水力発電所へ向かいます。


 登山道に謎の大穴が三つ。三角形に掘られているので塔でもあったのでしょうか。アップダウンが多い尾根です。
(10:00)

 三つ穴から数分で進行方向は、北から西へ変わりました。落ち葉で道は柔らかく、猪がほじくっています。

 巨大な露岩帯は左に迂回。ここは補助ロープが張られています。
(10:30)

やがて登山道は北尾根に合流。南西に松葉の尾根を登ります。数分間、急登を頑張れば‥


 湯之洞山504m山頂。低山とは思えない素晴らしい眺望です。少し楽しんだら南峰へ行ってみます。
(10:50)

 南峰への道は、整備されていないよう。難儀ではありません。10数分で到着しましたが、樹林に囲まれています。

 更に道は南へ続き、ろ山258mへ向かうのでしょうか。少し歩いてみると岩場からTOP写真の好展望。
(11:05)

南峰から山頂へ戻り、パノラマランチしました。
恵那山中央アルプスが望めますが、御嶽山の山頂部は雲がかかっています。
南東を見ると↑右の乗鞍岳から穂高連峰、槍ヶ岳、笠ヶ岳‥‥暖冬でもしっかり冠雪。
(11:50)〜(12:50)


 風がなく山頂ランチは快適。さて北尾根を3分降りると、この分岐に出合います。左へトラバースして母野洞へ‥

 分岐から先、整備されていませんが、登山道は明快。山頂から20分100mほど降ると地形図の397m鞍部。→
(13:10)

 西からの谷道が合流しています。鉄塔73を潜り、山頂ピークを左から回り込むと‥

 母野洞三等三角点614m山頂。眺望はありません。北尾根は、直線で3.5kmの片知山966mへつながります。

 東尾根に長良川鉄道母野駅へ降りるバリルートがあります。早々に下山しましょう。
(13:55)


 来た道を降ると中電の鉄塔指標74がトラバースの道を示しています。尾根道から右折して山腹へ‥
(14:20)


 その鉄塔74は、眺望がありません。10年前「岐阜県の山登り」さんのレポでは、ありましたが木が育ちました。
(14:25)


 急こう配の植林を降ると沢に出ます。3mほどの小滝があり、そして数十mの滑滝。
(14:40)

 やがてコンクリ護岸の川へ出ました。下流にある鉄網橋を渡ります。集落内の道を西へ歩き、広い車道に出て左折。
(15:00)

 片知川金門橋を渡れば、朝停めさせていただいた墓地前の駐車地。写真右上は母野洞(山頂は稜線の中央辺たり)洲原登山口へ車で走ります。
(15:05)
その途中、寄り道。湯之洞温泉湯本館(S28年創業)へ向かいました。
目的は、その宿の手前に建つ登録有形文化財指定湯の洞谷水路橋です。
明治45年に完成の長良川水力発電所へ水路は続いています。橋上に登られ‥

 長良川から取水した迫力の大水流を見ることができます。
柵があるので安心ですが、落ちたら絶対アウト。

←写真左の野良人さんも水量と水流に興奮しています。
寄り道しなければ駐車地間は、8km20分くらいです。

 
東海岳行
  “今津の座禅草” 

 『タンポポの花がおうちにの中にいるみたいでかわいい』 三歳の女の子が笑顔。滋賀県高島市今津町弘川で春の訪れを告げる座禅草が見頃を迎えた‥と2月19日(金)の中日新聞朝刊。座禅草は、しばらく見ていない気がします。花の命は短いので早速、その日ひよこさんと出かけました。

 江南市から約2時間、湖北バイパス弘川インターで下り、西へ走るとすぐ「座禅草群生地」の案内板があります。インターから300mで「座禅草駐車場」に到着。10台は停められそうです。(下左)写真奥から行くと、住宅地に今津川が流れ、橋を渡ればを「座禅草群生地」入口です。(下中)


 整備された竹林に遊歩道が設けられています。(上右) ここは湧水で湿地化した県有地。群落は広範囲・高密度に生育し、20年前、県の緑地環境保全地域に指定され保護されています。湿地をロープが囲い、中に木道があるので降りると無数の座禅草。(下左) 住宅地でこれほど咲くのはすごい。

 春の花のあでやかさはありませんが、独特の姿は愛らしく個性的で私は好きな花です。(右下) 35年前の1981年、地元の中学生が理科の課外授業で偶然発見しました。それ以来大切に保護され、今では数千株が早春に花を咲かせます。関西で見られる唯一の座禅草自生地です。

   

 湿地の東端には、きちっとしたトイレ。その少し南に集会所があり、座禅草まつりの期間中、土日祝は休憩所やイベントの場として利用されています。(下右) 地域の皆さんが、22年前からボランティアで春秋2回整備を実施。竹林は間引きされ、風通しが良い。

 今冬は昨年12月7日に早くも開花。暖冬の影響でしょうか。私はいくつかの山で座禅草を見ましたが、群生地が無残な姿になっていた所もありました。サトイモ科の多年草でイノシシは大好物のようです。陽光を浴びると紫褐色のマントが開き、黄色い粒が群がる花穂が現れます。


 『こっちにいいのあるよ』 湿地には入れないので花穂が見える株を探して撮影するのも楽しみです。土日は大勢の見物客が訪れるので平日がおすすめ。10分ほどで1周できますが、2時間かけてここへ来たので私たちはもう1周しました。

2016.02.21(日)23:55