岳行ノート

比叡山回峰行コース/滋賀県大津市

2016年4月25日(月)


西塔の「弁慶のにない堂」(重要文化財)

(弁慶が渡り廊下を天秤棒にして同形の二堂を担いだという伝説)



 比叡山延暦寺は、山中と里を7年がかりで1000日間歩く「千日回峰行」という荒行があります。

1~3年目:1日30kmを260ヶ所礼拝しつつ6時間で巡拝。年100日の修行。
4~5年目:年200日の修行、これで計700日。
◆すぐに
堂入り9日間明王堂にて「断食・断水・断眠・断臥」の行。命がけです。

 昨年10月末、千日回峰行者釜堀氏(41)の明王堂入り満行をニュースで見ました。

6年目:大回りの行程となり、1日60kmを100日。
7年目:大回り84kmを100日、後半は30kmを100日。これが「千日回峰行」です。

  歴史ある延暦寺でも満行者は47人、うち戦後は7人。順調にいけば、2017年9月に釜堀氏は満行を迎えられます。

 奥比叡の桜が見頃えす。回峰行1日コースに挑戦してみましょう。教科書は、山と渓谷社刊
「新・分県登山ガイド 滋賀県の山」です。
<駐車場>
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大きい地図



坂本観光駐車場

庄墓

■明王堂

ケーブル延暦寺駅

■根本中堂/東塔

■浄土院/西塔

■釈迦堂(ランチ)

ドライブウェイ横断後
峰道へ

せりあい地蔵

■横川中堂/横川

■元三大師御廟

■牛尾宮

■日吉神社

坂本観光駐車場

※赤線はGPS軌跡 
●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」



江  南発:午前6時35分   晴れ/16℃
駐車場着:午前8時45分   晴れのち曇り/18℃
往:3時間45分(釈迦堂/西塔まで、小休止含)
還:3時間40分(ランチタイム除く)
所要時間:7時間25分



 名神高速道路京都東ICで下り、西大津バイパスに移ります。信号無しで快適、滋賀里ランプで下り、県道47号線で3km北上。

 広い坂本の観光駐車場に駐車します。県道を南へ1.2km歩くと左に‥
(9:00)



 琵琶湖病院があるT字交差点を西へ。そこは大原登山口の標柱が立ちます。南側は、庄墓(ショウバカ)の墓地です。
(9:15)

 舗装路の坂を登ること数分、車止めのチェーンを越えれば‥

 やがて石仏が並ぶ相応水(ソウオウスイ)の水場です。この先で林道は終了。不動坂の石段を登れば、祠の石仏が見送ります。

 斜面をトラバースすると、高度感が増します。紀貫之墓分岐を過ぎると、山肌は思ったより岩山です。やがて‥



 トウノ岩(遠見岩)に到着。南東に霞んだ琵琶湖が望めました。ここで道が分岐するので左の無動寺道へ進みます。
(10:20)

 堰堤を二つ見て、獣除け扉を開閉すれば、登山道から参道に変わり‥

無動寺谷エリアに玉照院大乗院。そこから坂道と石段を登れば、この重要文化財明王堂です。
ここが昨年10月末ニュースで放映された千日回峰行堂入り場所です。
釜堀氏が9日間の満行となったとき、未明にもかかわらず600人の信者が出迎えていました。

 

現在、千日回峰行は6年目、釜堀氏の巡拝は順調でしょうか?
巡拝は夜中2時出発し、おにぎり2個500ml。ヘッドライトは?
今日、もし巡拝されていれば出会えるかな?

すると堂の中から話し声が聞こえてきました。氏がおられるのでしょうか。
←使用されたわらじが、沢山ぶら下げてられました。誰の?
(11:05)



 明王堂から数分北進すると閼伽井(アカイ)です。釜堀氏は堂入り満行後、この井戸まで歩き、水を汲みました。

 数分で行けるのですが、往復30分かけ、ゆっくり堂へ戻り最後のお務めをされたそうです。さて整った道を行けば‥



 やがてケーブル延暦寺駅です。渋い駅舎は、1927年開業以来の建物で国の文化財になっています。
(11:25)

北上を続け第3駐車場のチケット売り場で延暦寺の絵地図が付く諸堂巡拝券を700円で購入。
1200年前、最澄上人が開いた延暦寺は、三塔(東塔・西塔・横川)エリアに分かれています。
延暦寺は、その総称です。まず東塔(トウドウ)に入り、本堂の根本中堂(コンポンチュウドウ)を訪ねます。


  間口51m・奥行49m・高さ24mと大きい。人力で整地し、材木や石材もよく運び上げたものです。
1571年に信長が焼き討ち、1642年に家光が再建しました。開創以来消えない「不滅の法灯」が必見。
今年平成28年から10年間、屋根の葺き替えと塗り替えの大改修がされます。

世界文化遺産で国宝、天台宗総本山なので50億円の費用です!
本堂で説法を行っていたお坊さんの手首に豪華な金時計。立派な方は、立派なモノを持ちます。
(11:50)





  東に石段を上がると文殊楼。左から入って垂直階段で2階に行き、垂直階段で右へ降ります。ここが延暦寺楼門です。



 東塔から西へ参道を進むといくつかの堂塔を過ぎます。そして弁慶水に出ると奥比叡ドライブウェイが右下を走ります。

 有料道は50年前開業。歩道は東海自然歩道・京都一周トレイルでもあります。この先、歩道橋でドライブウェイを跨ぎました。



 西塔(サイトウ)エリアに入り、浄土院の石庭を見て、TOP写真のにない堂を抜けます。

石段を下りると山上で最古の建物が、この重文釈迦堂です。見学後、裏で独りランチしました。
(12:40)~(13:00)



 釈迦堂から北上、ドライブウェイを横断すると峰道です。起伏が少なく車道と並走しますが、車が見えないような作りです。

 でも所々で車道が覗けます。丁度八重桜が満開。新緑も輝く時期なので、多くの登山者とすれ違いました。



 よく踏まれた道を進むと玉体杉(ギョクタイスギ)。峰道から京都市方面が望める一番のビューポイントです。

 回峰行の行者は、ここで止まり御所に向かい、天皇のご安泰をお祈りします。
(13:50)

 5分ほど降るとせりあい地蔵の分岐点です。ここを右折して‥  (13:55)

 ドライブウェイ下の隧道(スイドウ)を抜けます。筒状で狭いのですが、ちょっとだけ辛抱。すぐ‥




 この釣垂岩(ツリタレイワ)。更に東海自然歩道を辿ります。この先でコブにある不二門(フニモン)を通るのを忘れました。

 横川駐車場へ降り、受付で巡拝券を見せ横川(ヨカワ)エリアへ入ります。

参道は素晴らしい新緑のトンネルです。そして最初に出合うのが、舞台造りの横川中堂(ヨカワチュウドウ)。
横川エリアの本堂で鮮やかな朱色が印象的です。




さて回峰行の行者は、エリア内で参道を行くと思っていたら違いました。
参道近くの山道を辿るのです。例えば‥
横川入口:右に平坦な参道、左に階段の山道があります。大変だ。
(14:30)



 三塔を巡ったので下山したい。でもガイド本はエリア一番奥の元三大師御廟へ誘導します。250mの下り坂は帰りがきつい。
(14:50)

 根性で来た道を戻り、四季講堂前のベンチで10分ほど休憩しました。参道を南の滋賀医大霊安墓地方面へ歩きます。
(15:25)



 霊安墓地から車止チェーンを跨ぎ、林道を降りました。三石岳分岐では、山頂へ行かず左の巻き道へ。ピークハント・ゼロ・キャンペーン。
(15:30)

 山頂道と合流後、数分でこの林道分岐。左道が正解ですが、右道へ行ってしまい、少し藪こぎして戻りました。
(15:45)

間違えた林道分岐から10分後、南向きの林道が急に北向きになります。
すると少し先で南に降る登山道に出合いました。「日吉大社坂本→」の案内標があります。
やっと登山靴にふさわしい道です。本日はローカットですけど。


送電鉄塔を過ぎ、八王子山の西側をトラバースすると広い石段の道に合流しました。
それを登ると牛尾宮(ウシオノミヤ)・三宮の社殿に出合います。420年前、崖に建てられた舞台造りの重文です。
社殿前から琵琶湖への眺望が広がります。最後に電撃を食らいました。
(16:15)



 広い未舗装道を降りていくと日吉神社東本宮に着きました。参拝時間ギリで、華麗な本宮を見学。(16:30)

 ピークハントもなく、回峰行行者との遭遇もありませんでした。でも仏教の故郷を歩いた今日は、随分濃い[A Day In The Life]
(16:40)

 
東海岳行
  “ギア” 

 京都は、2014年・2016年と2年連続で観光都市「世界1位」に輝いたことで有名です。さて京都の数え切れないほどある観光スポットで外国人が選ぶ人気観光地1位は「稲荷山」。それは行かねばと今年2月、野良人さんと山行しました。その時、知ったのですが、、、京都の人気観光地2位ってご存知ですか?

 清水寺金閣寺か‥と思っていたら2位は「ギア-GEAR-」 何それ? 聞いたこともない。調べるとロングラン公演を行う日本初の劇場パフォーマンスでした。外国人は、すぐこういったものを察知するのですね。今年で5年目、演劇でもサーカスでもミュージカルでもありません。チケットは中々手に入らないようです。

 なぜなら席数はたったの100! 余計行ってみたくなり応募します。2月下旬に申込み、4月公演の第三希望日で当選できました。京都まで車で2時間ですが、公演は80分(平日3200円)なのでついでに観光もしましょう。三条の専用劇場1928ビル(下左)に早めに着き2階でランチしました。


<専用劇場1928ビル>
 <キャスト>
<舞台>

 築90年の新聞社支局ビルを劇場にリノベーションし保全しています。本日のキャスト5名が、入場口前に掲示されていました。(上中) ブレークダンス、パントマイム、マジック、ジャグリング、役者ですが、大会優勝者もいます。ハードな舞台なので交代制でキャストは全22名。スタッフ100名もいるそうです。(下左)

 傾斜のある席で前から5番目のいい場所でした。もちろん満席。舞台(上右)は、様々な仕掛けが20個ほどあり、あっと思わず声を出したものもあります。ネタバレで書けませんが少し紹介。プロジェクションマッピング、レーザー光線、コンピューター制御のライティング、光るドレス(下中)と綺麗。

 4体のロボットと1体の人形が絡むスピード感あるストーリーです。しかしセリフは一言もない。外国人が来るのがわかります。最後に巨大ファンが廻り、私たちは圧倒的な嵐にさらされました。終わると劇場内はグチャグチャ(下右) 一日4公演なのでどうやって片付けるのか見てみたいくらいです。


<キャスト&スタッフ>

<不思議な光るドレス>

<終演後の散らかった劇場>

 次々展開するパフォーマンスに舞台から目が離せません。笑わせたり驚かせたり感心したり、何と100回以上見ているリピーターもいます。この内容なら小さな子供や年配者でも楽しめます。公演回数1300回を数えるそうですが、まだまだ続くでしょうから。私たちもまた来たいと思いました。

 さてこの後は、劇場から近い世界遺産二条城へ行ってみましょう。


2016.05.03(火)00:05