岳行ノート
烏帽子岳 2195m/長野県松川町


2016年5月29日(日)


烏帽子岩より東の本高森山1890m




 最近、車で3時間以上の京ヶ倉、小富士と遠場が続いています。思考岩場も、慣れると怖いもの知らず。2時間以内なら近場と思ってしまう。

 その近場、長野の伊那谷烏帽子岳を選びました。まもなく列島は梅雨入りするでしょう。その前の晴れ日を狙って出かけます。

 話変わって新聞によるとカナダのトルドー首相は、サミット前日に夫人と青峰山古刹正福寺を訪れ、結婚記念日を満喫したそうです。


 あの辺りの朝熊ヶ岳は登った記憶がありますが、青峰山はどんな山でしょう。ネットで検索して開くと東海岳行2007年1月の岳行ノートにありました。

 やれやれ私の記憶の沼は濁っています。中央道松川ICから県道15号を北へ1.6km‥。教科書は、山と渓谷社刊「東海周辺週末の山登りベスト120」です。
<駐車場>
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大きい地図



鳩打峠駐車場

▲小八郎岳

白ナギ

飯島ルート分岐

セキナギ

烏帽子岩

烏帽子岳

飯島ルート分岐

鳩打峠駐車場


※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南発:午前6時00分  晴れ/19℃
駐車場着:午前8時10分  晴れのち曇り/16℃
往:4時間25分(烏帽子岳まで、小休止含)
還:2時間35分(ランチタイム除く)
所要時間:7時間00分

 県道の「烏帽子岳登山口→」看板で左折、中央道を潜り、林道小八郎線で西進します。終点が鳩打峠で2段の駐車場(WC有)に置車。林道を少し登り‥
(8:25)

 右カーブすると登山口です。念丈倶楽部の案内図では小八郎岳まで1時間。烏帽子岳へは更に4時間で標高差1080mの旅になります。







 すぐ尾根に登りました。ササユリ採取禁止の看板があります。瑞山の道はヤマツツジの彩りでリズム良く歩け気分良好です。






 やがて小八郎岳(右)と迂回路の分岐です。余裕がある往きに小八郎岳を登頂します。緩やかな傾斜を登ると‥
(8:50)

東屋のある小八郎岳1470m山頂。標高350mを上げたので残りは725mになります。
ここは戦国武将片桐小八郎の山城があり、右の石碑が昭和10年建立された霊碑です。
人力で上げたのでしょうか。中央の石盤は、昨年設置された山名表示板で重さ600kgもあります。
(9:10)

 四等三角点から伊那谷中部の眺望がありますが、今は霞んでいて残念。南アルプスが間近です。

 北西に目指す烏帽子岳、崩壊地セキナギからの傾斜がきつそう。右ピークは飯島ルート分岐です。




 小八郎岳から7分降ると迂回路と合流。樹林の笹道が続きます。時には笹が道を覆う。その中をトレランの人が颯爽と走る。

 右幹に4/10の表示は4合目のことですね。登山道は、常念倶楽部の皆さんが整備をされ難儀することなく辿れ感謝します。
(9:50)




 5合目(10:10)から15分ほどでチラチラ白い崖が見え、崩壊地の白ナギです。覗きたいけど縁は危険。

 手を伸ばしても大した写真は撮れません。進むと北端に撮影場所がありました。崖の最上部は、200mもの幅があります。
(10:45) 




 白ナギからひと登りで「飯島ルート」分岐1849mで休憩。ポカリを飲み、アミノバイタルをチュウチュウして小腹を満たします。

 塩飴を口に入れ出発。残りは、350mの標高差です。
(11:00)

白ナギ北端1800m辺りからイワカガミが、チラホラ咲いていました。
登るにつれ群生が見られます。このピンクのちびっ子は、予想外でしたのでチョー嬉しい。






 分岐からこの緩い登りに油断してると15分ほどで道は急勾配に変貌します。そこを登ると崩壊地‥
(11:20)
 





 セキナギ。展望がいい。ここは岩山ですが、それ以外はもろく崩れやすい地層です。右上ピークは‥もう遠い小八郎岳
(11:35)




 それから次々と現れる急坂、踊り場、急坂、踊り場‥5回以上繰り返したでしょうか。気づくと笹は随分少なくなりました。

 2000mを越え足が重いのは酸素が少ないのでしょう。岩と根っ子のステップが助けです。『こりゃ険しい』 ここが正念場。






 セキナギから1時間かけ、300m標高を上げると烏帽子岩下に着きました。左が迂回路ですが、往きは右上から岩登りします。
(12:30)






 烏帽子岩は、高さ20m以上ありそうです。補助の鎖や番線があります。岩に足がかり手掛かりがあり、三点確保で登りました。
岩上に出ると抜群のパノラマが広がり、思わず『お〜!!』と声が出ます。
奥は南アルプス、その2列手前左が神馬形山1445m。細長い平地は飯島町・松川町です。
右下の緑のピークは飯島ルート分岐で、白ナギの崩壊も確認できます。

烏帽子岩は高さはありますが、一か八かの場所はありません。岩上は平らでちょっと広めです。
写真を撮りながらですが、十数分かかりました。そして6mほどの高さを降り、登山道へ戻ります。






 シャクナゲの葉が茂る道を歩けば、すぐ烏帽子岳山頂2195m二等三角点。お握り弁当を完食。
(12:50)〜(13:30)
山頂から 北西に美しい中央アルプス、左端:越百山(コスモ)2613mです。中央に集中する4つのピーク。
左から仙涯嶺2734m、南駒ヶ岳2841m、赤梛岳(アカナギ)2798m、空木岳2864m。
そこに雲が迫りますが、上昇気流があるのかピークを隠すことはありません。

往きに笹道で追い抜いて行った若いトレイルランナーが、念丈岳2291mから戻ってきました。
案内図では、ここから往復4時間半の距離です。一筆書きの速攻派田中陽希君を思い出しました。
ひとときお話をして『お先にどうぞ』と譲って私も下山します。





 すぐ先ほど登った烏帽子岩の岩峰ですが、還りは右の迂回路を降ります。今日は、10人以上すれ違いました。

飯島ルート分岐通過。
(14:30)

 尾根道では、西風が濡れたシャツを抜けていきます。『あ〜涼しい』 この小八郎岳分岐は、右の迂回路の山腹道を取ります。 (15:25)

 15分辿り合流すると、そこからは歩きやすい道です。今日は盛期のヤマツツジに随分励まされました。
鳩打峠駐車場着(16:05)


 車で松川ICへ来ると烏帽子岳がその名通りの尖峰を見せています。その右下手前、黒っぽい山が小八郎岳です。

 すれ違ったベテラン登山者が『ワンランク上の山だ』とつぶやいてました。確かに高さ、眺望、時間、道を考えればそうですね。

 私は登り3時間までが適正ですが、本日はプレミア筋肉痛山行でしょう。

 
東海岳行
  “花園” 

 学生時代の同窓会が定期的に開かれるので参加しています。学友の住まいは、関東から関西に広がるので集まりやすい中間地点で開かれ、この前は熱海、今回は蓼科です。宴会場に20人近く集い乾杯でスタート。一人づつ現況報告をすると大稲荷君がグイグイと突っ込んだ質問をします。

 『外国人の奥さんとのなれそめは?』『中国で5年いたって!役職は?収入は?』 答える方は困った顔で聞く方は大笑いです。彼のおかげで宴会は盛り上がりました。中締め後、数人で彼の部屋を訪ね二次会です。大稲荷君は酔っぱらって赤ら顔で上機嫌だ。また昔話を肴に飲みなおします。

 話題が詰まった時、彼に突っ込んで尋ねました。『大稲荷君は、就職してすぐ会社を辞めたね。研修で自衛隊に体験入隊し、激訓練に付いてけない思い辞めたとのうわさがある。本当?』



 『だいぶ尾ひれがついてるな。高校は男子ばかりの進学校、大学は女子ゼロの理工系。就職したら女子の事務員に囲まれたホワイトカラーがが夢だった』『禁欲生活7年の青春時代はつらいな』『就職担当の先生は、東京本社の上場会社を紹介してくれた』

 『内定をもらい、2月になると社内報が届いた。見ると地方で建築中のビル写真ばかり。おれ、現場監督するのか、、、女の子いない。就職担当の先生にこの会社でなく他を紹介してくれませんか、と申し出たんだ』『えっ2月に!?』『先生に何を考えている、そんなことできるかと一喝された』

 『そりゃ怒るわ』『仕方なく3月末、江の島の研修先へ行った。えらいさんの話や教育も上の空。3か月の研修期間を待たず退社を教官に伝えた』『どのくらいいたの?』『う〜ん、、1週間かな』



 その後、大稲荷君は故郷に帰りました。しばらくして地元で就職活動を始めます。大勢の女子工員が働く工場、やはり女子店員が多い小売業など訪ねたのですが『あいにくですが、間に合っています』

 そのころは売り手市場でしたが、4月は新卒を採ったばかりですからね。困ったなあと思っていると親戚から助け舟。親戚の人が、働いている地元の金融機関を紹介してくれました。当時、店舗にATMが導入されたばかりの頃です。まだまだ省力化は進んでおらず、窓口には独身の女子行員が並んでいました。

 入社して「花園に白馬の王子様が出現」状態だと彼は思ったそうです。きっとよだれ出してたろうな。夢は叶い、よほど居心地がよかったのでしょう、大稲荷君は定年まで勤め上げました。



 数々の武勇伝があったでしょうが、まあそんなことはいい。『で、奥さんとは社内結婚?』『いや、おれはまだ独身なんだ』『え?』『結婚は一度もしていない』 皆は驚きました。この話は華厳の滝クラスの落ちだ。理由を聞きたいけど聞けません。彼ほどえぐい突っ込みのできない私です。

 しょうがありません。もう青春は彼方で戻ることはできません。全員、枯れ野の老人様。すると西君が話を変え『僕の知ってる先輩は今年83歳。毎年同窓会をしてたんだけど、もうこれで最後にしようと全員で決めたらしい』『そうかそうか、お、12時過ぎた。もう寝ようか』 何か‥え〜話しやなあ。

2016.05.31(火)20:55