岳行ノート
編笠山  2524m/山梨県北杜市

2016年7月31日(日)


青年小屋から編笠山

坊主頭に編笠をかぶせた様な形からその名


 八ヶ岳は、南北30km余りの山体です。(下の画像)最南端に位置するのが、円錐形で整った編笠山で2524mと充分な標高と少な目の酸素。
 
 八ヶ岳諸峰は一直線に並び、両隣の山に視界を遮られるため180度以上の展望が困難です。ところが編笠山は、直列から少し西へずれています。

 その山頂は、溶岩が堆積した平坦地のため一級展望地です。最北端の蓼科山まで見てみたい。音平から登ってみます。


 観音平は、八ヶ岳南麓を代表する登山口です。ガイドブックでは、往復3時間45分とお手頃。

 教科書は、しなのき書房刊「信州 日帰りでゆく山歩き/中信・南信」です。
<駐車場>
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大きい地図
  中央自動車道小渕沢ICを下り、県道11号線で北上。途中、案内標で左折し観音平へ走ります。


観音平駐車場(奥)

雲海広地

押手川分岐

岩ゴロ展望地

▲編笠山

青年小屋

押手川分岐

雲海広地

展望台

観音平駐車場(奥)


※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時35分   晴れ/26℃
駐車場:午前9時00分   曇り時々晴れ/22℃
高差:964m(P;1560m)
往:3時間40分(山頂まで、小休止含)
還:2時間55分(ランチタイム除く、)
所要時間:6時間35分
 県道を左折し、片道1車線の広い舗装道をクネクネ上ると富士見平展望地。朝富士が上半身をのぞかせます。(上左) 思ったよりいい天気。観音平へ着くと最初の駐車場は満車、奥の駐車場に車を停めました。最初の駐車場へ歩き‥  (9:25)


 東奥へ行くと展望図看板があり、その右が登山口です。観音平は1560mなので今日は964mの標高の旅。


 樹林帯の笹分け道を緩やかに辿ります。ガイド本では964mの登りを2時間15分。私なら3時間以上かかる。


 標高を320m上げれば雲海広地1880mです。給水休憩。富士山の展望地ですが、雲が幕を引いています。
(10:25)


 美しいカラマツ林を進むと岩が多くなってきました。この有様で歩き難いことこの上ない。そして‥

 押手川分岐2100m。名の由来は「山人が苔岩を手で押して水を得た」ですが、川は枯れ流れはありません。

 下山は右方からここへ戻る予定です。休憩後、奥へ直進します。
(11:20)

 岩の上には苔。もやしみたいですね。

 傘にヌメリがあります。


 幼稚園の山男。登山道は、歩きにくい根っこ道も。テープもあり道迷いは無いでしょう。
押手川分岐から傾斜はきつくなりました。シャクナゲが増え、周りは見事なシラビソ林です。
登山道から 南アルプスと麓が見える場所がありました。

1分登ると西の樹間が明るく行くと、この岩ゴロの大斜面発見! 2315m辺りです。
大展望だ、中央:駒ヶ岳2966m、その左:北岳3192m、中央右:仙丈ヶ岳3033m。
(12:15)


 岩ゴロの急斜面は、鉄梯子で登ります。森林限界を超え、急登を頑張ると高山植物が散見されます。
(12:35)
ヤマハハコ     ミネウスユキソウ?     ヤマホタルブクロ     ?



キバナノヤマオダマキ  オトギリソウ     ハクサンシャクナゲ     赤とんぼ

 溶岩だらけの編笠山山頂2524m二等三角点。蓼科山山頂そっくりの溶岩が堆積した平坦地です。

 四囲を雲が囲むのでロールパン2個食べて待ちます。
(13:05)〜
一瞬、北東に八ヶ岳連峰、、、右端が修険道の権現山2715m。
権現山が奥の院で笠山は前山です。 一つ飛んで中央:赤岳2899m。


その左下:横岳2825m、更に左が少し雲のかかる:阿弥陀岳2805m
左端の遠い峰は:天狗岳2646m(左)、根石岳2603m(右)、これだけで十分。


 わけあってロールパン2個だけの軽いランチで済ませました。山頂北東の道標「青年小屋→」から下山します。
〜(13:35)
ハイマツシャクナゲの樹林帯を抜けると権現山との鞍部に青年小屋が見えました。
岩のペンキマーカーを辿り、140m標高を下げて小屋着。

実は、ここでカレー800円を食べるつもりでしたが、終わってました。
テラスでロールパン2個とアミノバイタル160kcalで2回目のランチ。下山道は写真右の樹林です。
(14:00)〜(14:15)


 掘道に岩がゴロゴロあり、歩きにくい。林内に迂回路を見つけました。苔岩、根っこ階段、男らしい道が続く。


 まだ明るい時間ですが、苔の波打つ林床は暗く、ちょと心細い。歩きにくい道を辛抱強く辿ると‥

 6コマ目の押手川分岐に戻り、ほっと一息。ここからは往きに歩いた道を降ると‥
(15:25)

 雲海広地です。左が往きに登って来た道で、右の笹道でカラマツ林を降りました。
(16:00)


 南アルプスの展望台に着きます。木が伸び過ぎ、長居は無用と東の「観音平→」へ進みます。
(16:20)

 笹斜面をトラバース、千畳岩を抜けるとやがて右下に駐車場が見えました。
(16:45)

 教科書は周回3時間45分、私は6時間40分ガッカリ?! 帰って別のガイド本を見ると周回6時間30分で一安心。

 気を付けなはれ、、、

 
東海岳行
  “車のABU” 

 この日、観音平へ下山すると車の周りをアブがブンブン飛び回っていました。あの蝿に似た吸血害虫です。おかしいんじゃないのと思うくらい元気印で窓ガラスにバッチン、バッチン激突しています。吸われると強烈に痛痒いので厄介です。ドアを慎重に開け、アレコレ帰り支度をします。

 その間も私の肌に止まるアブを追い払わなければなりません。いくら標高が高いといっても夏の長時間駐車で車内はサウナ状態。本当はドアを全開したいけど、、、ちょっと大きく開けると車内に1匹が飛び込みます。慌てて手で追い払い事なきを得ました。さっさと出発しましょう。

 エンジンをかけ、エアコンはまだ利いてませんが駐車場を出ました。ある程度走ってから4つの窓を全開して暑気払いします。高速に乗ったら窓を閉めエアコンのパワーアップ。やれやれ、、、5分ほど走ると突然、フロントガラスにバッチン、ブンブンブンと1匹のアブが縦横に飛ぶ。


 オーマイガー、ショック! 次のPAまで15kmもあり、停車してやっつけられません。目の前に来るので手でつぶそうとしても動きが速い。バックミラーを確認すると高速は空いていて後続車は全くいません。ティッシュを取り、アクセルを離しました。

 何度か潰そうとしますが、ガラスを滑るように動くので仕留められません。右の窓の縁に入ったので押さえつけました。ティッシュを隙間に押しつけ潰します。ティッシュを窓から離すとまた飛び回りました。オーマイガー! もう一度、縁に止まりました。今度はギュウギュウ押し込みます。

 ケリはついたようです。前を見ると車が、走行車線から30cm追い越し車線を跨いでいました。スピードも60kmに減速、慌てて左へハンドルを切ります。バックミラーを確認すると、50m以上離れた後ろで2車線に1台づつ並び、フラフラする私の車をうかがっていました。



 いや〜申し訳ない。しかし危ないところでした。アブ1匹に命をかけるなんて、、、反省。次のPAに入り、ティッシュを取るとパーツは付いていましたが、本体は行方不明。それは、それほど気になりません。家に着いたら探しましょう。

 しかし、いつアブは私の車に乗り込んだのだろう。駐車場としたらもっと前に登場し、私も車を停め戦うことができた。窓を全開していたとき、飛び込んできたのだろうか。それは謎です。次の日、私はまた戦う羽目になるとは、この時知る由もありません。それは次回に、、、

2016.08.09(火)00:30