岳行ノート
権現山 565m/福井県越前市

2016年8月20日(土)


「柳の滝」のメイン(3)布滝

高さ30mから白布をたらしたような美しい滝ですが、水量が少ないので‥



 夏の登山で登山道沿いに滝を見ると涼しげでいいものです。福井県越前市の権現山は小粒の山ですが、連続する柳の五滝を辿って登ります。

 登山道には大岩のこもり穴、樹齢500年以上の大木が立ち、山頂には雨乞い神社が建てられています。山頂先のピークが展望台です。

 柳の滝は、ツバメ返しの佐々木小次郎の生誕地に1.5kmと近くゆかりの地です。彼は幼少期に滝で遊んだのかもしれません。


 今回の山行は裏参道から登り、表参道で降る周回です。  教科書は、山と渓谷社刊「新・分県登山ガイド 福井県の山」です。
<駐車場>
ドラッグスクロールで移動
大きい地図
  北陸自動車道武生ICで下り、東の小次郎公園へ向かいます。県道117号線を南下すると「柳の滝→」の案内板で左折し、柳元町の集落へ‥


窓の滝駐車場[裏参道]→(1)不動滝→(2)お釜ノ滝→(3)布滝→(4)窓滝→(5)夫婦滝→
大モミ→△権現山→鞍ヶ上展望台→△権現山[表参道]→大杉→林道出合→窓の滝駐車場


※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点 □は渡渉点

■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」

江  南:午前07時30分 晴れ/28℃
駐車場:午前10時05分 曇り時々晴れ /29℃
標高差:(130m→620m)490m
往:2時間25分(展望台まで、小休止含)
還:1時間05分(ランチタイム除く、)
所要時間:3時間30分

柳本町に着き「柳の滝→」案内板から東を見ると権現山が待っています。
中央ピークが鞍ヶ上展望台でその左が権現山山頂です。
この辺りには青田の田園風景が広がっていました。もうじき稲刈りですね。


 案内板から700m集落内を走れば、柳の滝駐車場。左端がトイレ、左奥が裏参道入口です。
(10:20)


 整備された散策路は沢の右岸沿いにあり、すぐ橋で左岸へ移ります。100m進むと‥


 不動明王の祀られた高さ8m(1)不動滝です。幅7mの丸みを帯びた一枚岩を流れますが、今日は水量が少ない。


 滝の左を高巻きます。下の白い手すりが散策路です。荒々しい場所に頑張って作られました。


 すぐに(2)お釜滝。高さ5mと低いの。滝の中程が落水で掘り込まれ、釜底形に窪んでこの名です。
(10:30)

 緩い勾配を登るとTOP写真の(3)布滝。散策路は、トントン拍子で観曝ができます。
(10:40)

 木橋をいくつか渡り、左岸でこの分岐に出合いました。右が登山道ですが、直進してこもり穴と(4)窓滝へ。


 左に幅12m奥行9m・空間高さ1.5mの岩屋。昔、源氏に追われた平家の落武者が隠れていたのでこもり穴です。
(11:15)


 こもり穴の右に高さ36mの段上滝。鎖場を登ると滝壺に着きます。一か所窓を切ったように落下するので(4)窓滝
(11:20)

 分岐に戻り、山腹道を登ると高さ10mの小滝。えぐられた岩を二筋で落下し、滝壺で一つになるので(5)夫婦滝

 大きな障害にぶつかっても乗り越えて生き抜く夫婦愛に習っています。センスのあるネーミングですね。
(11:35)
滝巡りが終わると急登になり鎖場が現れます。山腹を登ると右上に巨木が見えました。
回り込むと大きなコブを沢山まとう逞しい大モミ。こんなゴツイのは初めて見ました。
 
 幹周6m・樹高30m・樹齢500年以上で越前市の天然記念物です。(山渓の教科書はツガと誤記)
この先で雑木林の尾根に出て緩く登れば‥


 権現山565m山頂。松ヶ嶽権現神社は雨乞いの神社で、左に鐘があり叩きます。「か〜ん」 西に里の展望だけ。
(12:20)


 山頂から東南の鞍ヶ上展望台までは、往復35分。ランチは後回しにして10mほど高さを落とすと‥

 鞍部にとても造りのいい小屋が建っていました。角がピシッと決まり、隙間がなく戸の動きもなめらかです。大工さん、いい仕事しています。

 鞍部から少し登ると広地に三峰神社が鎮座します。祠の左にモミの大木。右の尾根道を登れば‥
(12:30)


 祠から高度を60m上げ、草地の鞍ヶ上展望台620m。「官行造林記念碑」(昭和36年7月)の立派な石碑が建ちます。
(12:40)
南に180度の展望ですが遠望は霞んでいます。右が日野山794m、左から二つ目唐木岳738m。

展望台の直射日光を避け、山頂に戻りランチしました。
食後は「表山道下山口→」の指標から西へ降ります。
指標の佐々木小次郎のイラストが可愛い。燕が体を巻いています。
(13:00)〜(13:20)


 下山は、急斜面の小さな蛇行道。小さな歩幅でゆっくり降ります。雑木林の木陰がありがたい。


 途中、西に北坂下集落の眺望がありました。山頂でも同じ風景が望めましたが、こちらの方がよく見えます。

急降を続けると突然、目の前に老木の大杉が現れました。
両手を広げたほどの幅がありそうです。材木に適さない形で良かった。
数百年の樹齢はあると思われますが、若い肌です。大木の下から植林地となり‥
(13:40)

 明快な表参道を降りると傾斜が緩みます。やがて林道に出合いました。右へ進むと二俣になり左道を取ります。
(14:05)

 ほどなく柳の滝駐車場です。シャツは汗まみれ、あせもになるので着替え無くてはいけません。
(14:10)

 
東海岳行
  “クラウンとベンツ” 

 昔、テレビで「いつかはクラウン」というCMがありました。私たちの世代は、そのころ富の象徴として憧れたものです。友人でクラウンばかり乗っている人がいました。休みの日に乗るだけです。でも3年くらいすると飽きて別のクラウンに買い替えます。もちろんローンを組んだ中古車です。

 また勤め先にクラウン好きがいて型は古いのですが、重量感のある黒のクラウンで通勤していました。ある日、直進で交差点に入ると無理に右折した小型車と衝突事故。クラウンのデカイ鉄製バンパーに当たりました。向こうは横倒しになり、前がつぶれて復帰不能状態。運転手は大丈夫でした。

 警察が来て現場検証が終わり、殆ど傷のない彼の車を見て『やっぱり、クラウンは強いな』と言いました。警察の高い評価に彼は満足しました。私はクラウンに乗ることはありますが、500万円もするオーナーになることはないでしょう。



 一方、外車にこだわる知人も何人かいます。ある奥様は、ミニクーパーが好きで手に入れたとき、年賀状の写真になっていました。またワーゲンマニアもいます。小さいながら輸入関係の会社社長は、アメ車好き。

 『乗せたるわ』と言われ、助手席で自慢話しを聞きました。また外車好きの友人のこだわりは色々なメーカー・車種に乗ることです。秘めたる思いは「いつかはベンツ」でした。ある時、8年落ちですが良い状態のベンツSクラスを見つけ、価格が1/10で即行購入。ついにオーナーです。

 しばらくするとCDチェンジャーが壊れました。外車は結構、電装品が壊れるそうで代理店に行きます。修理はダメで交換。15万円+工賃と聞いて『痛た!』。ちょうど30代の若い夫婦が入店しました。ベンツ代理店に入店するお客は、それなりセレブ的な身なりをしてるものです。



 しかし、二人はユニクロ系の服装でこの店ではやはり違和感があります。隣の応接セットに座り係員と話しているのが彼に聞こえてきました。『一番高いベンツが欲しいのですが‥』 友人は『はあ〜?』と思いました。

 ベンツを買う人は、Aクラス、Bクラス、Cクラス等モデルを普通は指定します。ベンツが好きで購入できる財力があって来るわけですからそれはそうでしょう。トヨタ車でも『一番高い車を下さい』とは言いませんよね。ベンツの最高級車はSクラスで2000万円、マンションが買えます。

 『じゃあそれを買います』即決。係員はちょっと心配で『お支払いはどういたしましょう?』 『現金で払います』 友人は、おいおいと思いました。若い旦那さん、『宝くじ当たったので』 え〜! 二人は億万長者だ。彼は立ち上がって夫婦の顔を見ることを必死で我慢したそうです。



 宝くじの高額当選は、何十年も買い続けていれば、確かにチャンスはありますが、当たることはほぼありません。当たった人に出合う確率も同じように低いので友人は、運が良かったのか悪かったのか。

 私は宝くじの当たる確率の低さを雑誌で見たので一度も買ったことがありません。20年前、『今日、宝くじを買いなさい』というお告げの夢を見ました。初めて購入しようかと思ったのですが、悪魔のささやきだと思いやめました。あの時買っていれば、、、ベンツを手に入れていたかも。

2016.08.21(日)22:30