岳行ノート

        はぎたろう
萩太郎山〜茶臼山 1359m・1416m
愛知県豊根村

2017年5月29日(月)


芝桜の丘は見頃となっております(^O^)/


 5月中旬から「茶臼山高原/芝桜開花状況」で見頃チェックをしていました。5/27(土)、「いよいよ見頃(^◇^)/」と嬉しそうに発表。

 土日の高原道路は大混雑なので山行日は月曜日に決め、山友の野良人さんと岳魚さんに連絡。公式HPでハイキング用絵地図をプリントすると‥

 高原の矢筈池から萩太郎山へ登山道があります。「新こんなに楽しい愛知の130山」では、登山道があることすら知られてないと嘆く。


 忘れられた道を辿りましょう。芝桜見物後は、当然茶臼山登山。下山後、子育て中のブッポウソウがいる村へ岳魚さんにご案内して頂きます。

 教科書は、山と渓谷社刊「東海周辺週末の山登りベスト120」。参考書に「茶臼山高原HP>初心者でも安心のコース・ハイキング」を確認。
<駐車場>
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大きい地図
  中央道恵那ICで下り、国道257号線を走り、上矢作町弁天橋で左折。長野根羽村から酷路を走り、売木峠から茶臼山高原へ向かいます。



駐車場(第3P)

矢筈池湖畔のアジサイ

萩太郎山への忘れられた登山道は
下図左下の波形破線。


図では、茶臼山高原道路下を潜り
その破線を辿っています。

×通行止>登山口探査

登山口発見

▲萩太郎山

料金所

▲茶臼山

雷岩・雨乞い岩・夫婦椹

■矢筈池(ランチ)

駐車場

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時00分   晴/16℃
駐車地:午前8時50分   晴/21℃
標高差:(1220m→1416m)196m
往:1時間45分(茶臼山山頂まで、小休止含)
還:1時間00分(ランチタイム除く)
所要時間:2時間45分

 売木峠から茶臼山高原道路に合流。25分並び料金所で700円払い高原の美術館第3駐車場に誘導されました。

 8時の開門前から車は並んでいるようです。岳魚さんがバイクで登場。3人で矢筈池東湖畔に歩きます。
(9:10)
 高原の池は穏やかです。正面はレストハウスやはずで、緑地広場左にはリフト乗場。池の南東外れにある‥

高原道路アンダーパス入口に「危険のため通行禁止」表示。(涙)
 登山口を探しにリフト乗場横から‥

 斜面階の段を登り、道路に上がります。リフト落下防止網の下にある横断歩道を渡り、左折して道路橋を歩きました。

 山側を注視して150m歩き、T字路に登山口発見。左の立木にテープ(黄矢印)。笹を分け、道が森へ入っています。(赤矢印) 

 登ってトラバースする踏み跡を追いました。アンダーパスを右下に見送り、低い尾根を越えると登山道に出合います。

 登山口から約50m西進。疑似木階段は荒れていますが、道に問題はありません。登って森から出ると、驚くことに‥

 獣害防止ヘンスが、行く手を遮っています。5年前、芝桜イノシシ・シカに荒らされていると新聞に載りました。

 その対策がなされたようです。希望を胸に直進すると扉がありました。『あ〜良かった!』 開閉してお花畑へ。
(9:35)
芝桜の丘は、平日ですが賑わっています。村興しの一環で10年前から植栽を始めました。
昨年は1ヶ月で26万人もの来場者があり、「天空の花回廊」は愛知の人気スポットです。
今年10万株増やし、40万株。花の絨毯は入場無料。駐車場とリフトは有料です。

駐車場から高さ110mを登れば、リフト往復料金800円が節約できます。
展望台から代表的な光景、ハートマークを撮影。

 ハギが咲くから萩太郎山1359m。茶臼山に次ぐ愛知第2の高峰です。四等三角点西隣に今年完成した展望台。
(9:55)


 新展望台で360度の絶景を楽しみましょう。写真は、山並みを略して芝桜中心にしました。左上は次の茶臼山です。

 リフト西側にコンクリ遊歩道が、蛇行して下りていますが、誰もそこを歩きません。私達も足に優しい草地のゲレンデを降ります。

 高原道路の跨道橋上に来ると、高原道路の渋滞は相変わらずです。愛知県から来るのは、この一本道だけで渋滞は常態化しています。

 跨道橋を渡ると駐車場料金所。場内は一方通行で入場管理はしやすいけど、渋滞の一因です。

 徴収員2人、増員するか入場口を増やすか‥改善お願いします。私達は茶臼山西側登山ルートで山頂へ向います。
(10:20)

やがて草原の淵を道は辿り、明るい展望地になりました。
このベンチセットが置かれた自由の丘(自由の広場)で小休止。
1km南にお隣さんの萩太郎山芝桜の丘の喧噪は幻のよう‥ここは静かです。
(10:40)

 休憩を終え、自然林に入ります。うらびれた見晴台を横目に進むと森の広場分岐。ここから階段の急登が始まります。

 すぐ次の分岐は左を取り、登ると笹刈りの平坦路となり‥


 愛知県最高峰茶臼山1416m2等三角点山頂。愛知県豊根村・長野県根羽村の県境です。展望台は平成11年製作で‥
(10:55)

登れば萩太郎山を高い高度から見下ろせます。山頂のANT群右奥は三ツ瀬明神山1016m。
左下に矢筈池と赤い屋根の美術館、その左が置車した第3駐車場、右端に駐車場料金所
まだ渋滞は続いています。ランチには早いので下山しましょう。北東へ100m歩くと‥
(10:55)


 長い間、使用禁止だった長野県の展望台が、土台を残して取り払われました。右折して「雷岩→」へ降ります。

30mほど急降すると雷岩の名札がある大岩に出合いました。
岩登りが好きな野良人さんは、早速天辺に立ち、えびす顔。
登るよう誘われますが、往きは良いけど還りが怖そうで私は断念しました。
(11:10)
 
  雷岩から森の広場を目指します。岩の後を右折し分岐を過ぎると、次の見所雨乞い岩です。高さ10mはあり、大きく立ち上がり全容が撮れません。傾斜が緩むと、岩上に夫婦椹(サワラ)。分岐を右折してトラバースの道を南西に。  (11:25)

 分岐を左折してトラバースの道に別れ、直進するとやがて森の広場です。平坦地で光が降り注いでいます。

 ここからは芹沼池を目指し直進すると、車道に出合いました。ガードレール沿いに南下すると‥

 レストハウスやはず北の広場です。屋台村でランチを調達しましょう。行列の少ないお店で購入したのは‥

 串肉だんご、焼きソバ、アマゴの塩焼きにラムネの豪華ランチ。美味しそう。矢筈池のベンチで食べます。 (11:55)〜(12:55)

 『スワンボートに乗ってランチしよう』と野良人さんのグッド・アイデア。ところが、本日休業です。

 高齢者3人のロマンチック・ランチは夢物語。さわやか緑陰ランチして駐車場へ戻ります。そして岳魚さんの企画で‥
(13:00)

 
東海岳行
  “村のブッポウソウ” 

 ‥長野県天龍村の村役場へ走ります。茶臼山高原から東へ33kmで普通なら1時間ちょっとで着くはずです。ところがナビが渋滞の中を走るよう指示し、正直に車列へ突っ込み2時間近くかかってしまいました。役場は、天竜川左岸に建ち(下左)、ここで村鳥のブッポウソウを観察する企画です。

 誰も見たことありません。体長30cm、翼開長は70cmと大きく、輝くルリ色の体とオレンジのくちばしが特徴です。因みに街で良く見るハトは体長33cm。(ハトの翼開長は55cmで小さい)

 「緑の宝石」と呼ぶほどの美しい鳥です。冬は東南アジアにいて暖かくなると繁殖のためやってきます。レッドリスト指定の貴重な渡り鳥です。20年前、天龍村役場の通気口に巣があるのを小学生が発見します。


 それならということで翌年から役場庁舎の屋上に巣箱を設置するようになりました。(上中) 今では橋の上など、3か所に巣箱が設置されています。(上右) ブッポウソウ(仏法僧)の名は、夜に「♪ブッポウソウ」と鳴くと平安時代から千年以上に渡り信じられていました。

 昭和になり「♪ブッポウソウ」と鳴くのはコノハズクフクロウの仲間)だと判明。(下左) 実際は「♪ゲッゲッゲッ」の鬼太郎鳴きです。役場庁舎内に大画面の液晶モニターがあり、巣箱ライブカメラでブッポウソウの現在を観察できます。(下中) 今年、GW初日4/29に飛来を確認。


 GW最終日5/7に巣箱に入ります。5/16に第1卵を産み、5/24までに2日に1個の割りで産卵。現在、5個を抱卵中。(上右) メスが体勢を入れ替えた時、3個だけ見られました。職員さんに頼めばモニターで昨年の生態をDVD(23分間)で見ることができます。以下の画像は昨年のものです。

 昨年は5/30に5個目を産卵、6/16〜18に4羽が孵化。(下左) 残念ながら1羽は孵化しません。以後、1か月近く両親は大忙しで餌をせっせと運びます。(下中) ブッポウソウは、とても飛び上手で空中で餌を捕まえます。オニヤンマ・セミ・カナブン・タマムシ(上右)などの昆虫です。


 巣箱の入口にタマムシを加えたオスが止まり、それを中から撮った絵は抜群。(上右) 昆虫の羽は、吐き出され巣箱に散らばっていました。ヒナには、貝殻や小石などを飲み込ませます。胃の中でひき臼に利用し、消化を助けるのです。ある時、サワガニを丸ごと口に与えました。(下左) 

 それにしても赤ちゃん鳥が、サワガニを丸飲みするのはすごい。1か月近く経ち、大きく育ったヒナに巣立ちの気持ちが芽生えます。(下中) 親鳥が近くに飛んできて飛翔を促します。オッカナビックリ、でも決心して生まれて初めて巣箱から空中に飛び出る。


 近くのアンテナに止まりました。(上右:左下がヒナ) すぐ上手に飛べるようになるのは野生の力です。アンテナ上で見守るメス。そこにオス(右)が飛んできてご褒美の昆虫を子供にあげます。親も嬉しい、その気持ちわかるなあ。7/10〜12で4羽とも巣立ちに成功し、森へ引越ししました。

 そして秋になる前、東南アジアに旅立ちます。日本各地にブッポウソウが渡りで訪れますが、天龍村は自然豊かでエサが多いことが毎年やってくる理由なのでしょう。この日、帰宅したら岳魚さんからメールが届きました。

 『ヒナが孵化したら親鳥は頻繁にえさを運ばねばならないのでその時が生ブッポウソウを見るチャンスですね。天龍村へ行く理由を考えねばなりません』
 素晴らしい好奇心です。

2017.06.05(月)00:50