岳行ノート

                                ふたごやま
笹山2121m〜黒河山2128m〜二児山2243m
長野県大鹿村

2017年7月19日(水)


2000mの景勝!天空の池 <黒川牧場>


 先月、山友の岳魚さんから長野県大鹿村天空の池ヒマラヤの青いケシを教えていただきました。しかし、私は池もケシも知りません。

 公式サイトで確認すると場所や開花時期などがわかりました。二児山遊歩道マップクリンソウ咲く伝説の大池に興味を惹かれました。

 ケシクリンソウの開花は、6/中〜6/下なので、とっくに花期は終了。でも2000m稜線を縦走する周回コースは魅力です。


 最近、大鹿村リニア中央新幹線トンネル掘削工事のニュースでその名を目にします。村には鬼面山で訪れて以来、8年ぶりです。

 教科書は、大鹿村公式サイト「観光情報/二児山遊歩道マップ」です。
<駐車場>
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大きい地図
  中央自動車道松川ICで下り、県道59号線で東進。村役場から出たら2km北上し、〒鹿塩局で右折。1車線のウネウネカーブで高度を上げます。


黒川牧場入口

△笹山

黒河山

二児山

天空の池

黒川牧場入口

※赤線はGPS軌跡  ●は主な分岐点
■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」

クリンソウが咲いていた伝説の大池


中村農園青いケシ(参考写真)


江  南:午前4時50分   曇り/27℃
駐車地:午前7時45分   曇り時々晴/20℃
標高差:(1740m→2243m)503m
往:5時間15分(二児山まで、小休止含)
還:1時間50分(ランチタイム除く)
所要時間:7時間05分

 〒鹿塩局から伝説の大池ケシ中村農園を通過し、15km走ると黒川牧場の入り口です。何と!通行止バリケード。

 7/4の大雨で天空の池への道が、土砂崩落しました。路肩に車を置き、未舗装の坂道を2.2km歩いて登ります。
(8:00)

 3分歩くと‥『ここか』(巻頭の地形図×印)。 右の崖は垂直に近く、高さ30mあり上部から崩落しています。

 9日前の金剛堂山に続き、7/4大雨の災難です。ジグザグする道をショートカットしようと草原を直登しますが‥
結局、薮に苦しみ大回りして体力も使い「何してんの」になりました。
しかし、登り着いた所が天空の池の上だったので、池との出合いはいいアングルです。
標高2016mにあります。水が少ない。7/4の大雨はどこへ消えたのでしょうか。

左下に絵地図の看板が建ち、そこにカメラマンの若者がいます。
牧場入口で私が駐車した前方に1台先着していたので、きっとその人でしょう。
池にオタマジャクシが沢山泳ぐ。撮影したり話ししたり15分も居ました。奥へ遊歩道を辿ります。
(9:10)


 黒川牧場内を行きますが、現在は放牧されていません。だから自由に散策できるのですね。


 40分ほどかけ緩く標高を100m上げると8年前に作られた休憩小屋に出合いました。指標「笹山→」を見て進むと‥
(10:05)


 倒木が邪魔しましたが、小高いピークに登頂。第一山笹山2148mの私標が、ダケカンバに付きます。南へ降れば‥
(10:15)

展望地です。尾根は南東に伸びています。
7km先、写真中央のジャンクションピーク本谷山2658mで南アルプス稜線に合流。
左の尖峰は百名山塩見岳3047m。笹山との標高差は900mで登られる? それはない。

 休憩小屋に戻ると尾根に向かう踏み跡があり、その登山道を辿ります。10m毎に付くピンクのテープを追いました。

 似たような光景でどこでも歩けそう。誘導テープを見失わないように行くと‥


 腹が空き、開放的な岩場に出たのでランチを取ります。早朝、SAで購入した鱒寿司です。
(11:05)〜(11:30)


 ランチ場所から尾根を北へ登ると樹林の中に第二山黒河山2128m。笹山より20m低い。三等三角点があります。
(11:40)

 黒河山からは、踏み跡をゆったりと歩きました。30分ほどで黒川牧場の展望地。その先で岩山を左に迂回します。

 踏み跡は薄く、テープを追わなければなりません。方向転換もあり、難易度が高い。10分で尾根に戻りました。

 しばらく登れば「黒川牧場方面」の分岐標。先ほど登頂した黒河山の指標はありますが、目指す二児山の指標は付いていません。
(12:50)

 はっきりした尾根道を辿ると再び分岐標。ここも「黒川牧場方面」「黒河山方面」の指標です。周回コースを逆回りしているのか?
(13:15)


 分岐標からちょっと道を外れて西に行くと北600m先の二児山が望めました。右が本峰2243m、左が西峰2210m。


 目標が明確になり、気力が湧いてきます。しばらく苔むす岩場を歩くと‥

直登が果てしなく続いています。急勾配がどこまで続くのか。気力がしぼみそう。
顔を上げず黙々と足を運ぶ、高度は2200mで息苦しい。しかし10分ほどで明るくなり‥


 第三山二児山2243m二等三角点に登頂。丸太ベンチとあせた展望図。西が崖になっていてその縁に行くと‥
(13:40)

 遠望はなしですが、北に戸倉山1681m。(中央上奥) 下にスポットライトを当てたように明るい箇所が林道工事現場でした。右に転じると‥

 北東に南アルプス仙丈ヶ岳3033m。山頂を雲に突っ込んでいます。下山しましょう。教科書の遊歩道マップでは、山頂から降ると分岐ですが‥

 見つけられず来た道を降って行くと‥斜面下に屋根の一部が樹間に見えました。強引に山肌を降ると休憩小屋です。

 探していた帰路の遊歩道を見つけられました。これで楽に下山できます。ところが、ここからの道は‥
(14:10)


 緩い登りでガックリ。この周回は時計回りした方が良さそうです。山肌は、まるで八ヶ岳の縞枯れ現象のような樹木。
トラバースの遊歩道で600m南下して斜面を森に降ります。
森を抜けて明るい笹原↓に出たら、程なく天空の池です。
(14:55)
池からジグザグ砂利道を降ればいいのですが、思わずショーットカット。
降りは行き先が見えるので大回りしません。今日は思わぬ通行止でロングコースになりました。
帰って大鹿村公式サイトを確認すると、ちゃんとそのことが掲載されています。
牧場入口(15:30)

 
東海岳行
  “天空の楽園ナイトツアー” 

 信州阿智村ヘブンスそのはらでは、スキー場として賑わう冬期以外にも高原を色々活用しています。4月から10月は、日本一の星空をウリに「天空の楽園ナイトツアー」を開催。(除外期間を除く) スキー場のユリ園は良く聞きます。星空なら初期投資やメンテが低コストですみそうです。

 素晴らしいアイデアは、2012年から始めたのですが、初日は3人の客でした。口コミで広がり2015年驚きの6万人の来園者。行こうと思ったのは2年前、イベントで「星のお兄さん解説ショー」が行われると知ったからです。星業界では大人気のスターで全国区のテレビでよく紹介されます。

 しかし、2年前も1年前も彼が来園する夜は、悪天候で行きませんでした。今年こそと思ったのです。星のお兄さんはショーのために毎月、来るのですが、7月の3日間は天気予報は良くありません。雨が降らなければいいやと出かけることにしました。夕食はSAでコンビニ・サンドイッチ。


 中央自動車道園原ICから5分でヘブンス園原。(上左) 6時40分、運良く近い場所に駐車できました。ロープウエイ往復券は2200円、ゴンドラ運行18:30〜19:30でその乗り口は宇宙的デザインです。(上中) 所要時間は15分、高度を600m上げて標高1400mの高原へ到着。(上右)

 気温20度で長袖を着ました。場内ライトがあり懐中電灯は不要です。草地にステージが設けられ、最前列が二人分開いていたのでレジャーシートを敷き、ひよこさんと寝転がりました。この時点で19時5分、ショー開始まで1時間近くあり、小虫がうっとうしい。虫除けがいりました。

 肝心の夜空は曇ったまま。一応雨具は持参してます。トイレはステージから往復10分、あらかじめ済ましました。途切れなくお客さんが来て1000人にはなりそう。三脚のカメラマンは最後尾が指定地。20時、星のお兄さんが登場しカウントダウンをします。(下右)


 『じゃ、カウントダウン、1000からいこか』(笑) 3・2・1・ゼロで消灯すると真っ暗闇。『星は?』 北西に3つ雲間に見えるだけ。最初は宇宙を旅するオリジナルムービー、ダンサーが映像とシンクロするユニークな物です。10分で終わり、暗闇に顔も見えない星のお兄さんが再登場。

 『星のお兄さんというおじさんです』(笑) 滋賀県ラフォーレ琵琶湖のプラネタリウムに勤める54歳。独自のトークでジョークを交え爆笑星座解説で有名です。全国を巡り爆笑星空解説ツアーをし、オリジナル曲のCDやDVD、書籍出版、ラジオのパーソナリティをするスーパーサラリーマン。

 毎月、彼はこの仕事で阿智村に自家用車で来るのですが、先月高速で前のタイヤが一本はずれ、車より先に走っていったそうです。今月は、阿智村を走っていると、おじいちゃんの車が横から飛び出てぶつけられ大破して車は滋賀県の家に運ばれました。『人の不幸話し、好きでしょ?』(笑)


 ひと笑いふた笑いを取ったら、スクリーンに星空を写し、見えたはずの星座の解説です。一番前に座って良かった。後ろだったら画面が小さいく何か見えないでしょう。手にしたレーザーポインターは3kmも届く優れものと自慢しますが、今夜はあまり役に立ちません。

 北斗七星の一部が空に見えレーザーで少し解説をして、次にスクリーンに←うしかい座を写し『このおじさん何を言っているでしょう? “イエ〜”ファンキーですね』(笑)

 隣のおとめ座を写し『羽、前についてたら飛び憎いで〜』(笑)と突っ込みを入れる。話し方や声が嘉門達夫にそっくり。



 『実は乙女座はファンキー爺さんに怒っています。“ライダーキック!”』 (笑) まだまだ楽しい解説は続きます。これは人気者になりますね。

 

 そういえばこのうしかい座おとめ座のくだりですが、7/7半田プラネタリウムの七夕ジャズで解説員が同じネタを披露していました。彼の爆笑解説の本が出てますから多分、ぱくったのでしょう。天空の楽園では、、音楽ライブや望遠鏡天体観測会など色々なイベントがあります。

 ただ草原の両側に立木があり、全天の星というわけではありません。それに視力が弱ければ、かなり少ない星数になってしまうので間違いなくプラネタリウムの方が圧倒的な星空です。さて今夜の解説ショーは、30分間で終了。あっという間です。帰りはゴンドラの行列で20分待ちました。

 暗闇のゴンドラは初めての体験で時々のライトに向かって下りていくのは中々ロマンチックです。着くと観光バスが7台も駐車しています。ツアーや昼神温泉からも来ているのでしょう。星のお兄さんのもう少し長い解説を聞きたいですね。

2017.07.25(火)00:35