岳行ノート
高取山 584m/奈良県高取町

2018年7月11日(水)


高取城本丸の石垣


 NHKで6月末あなたも絶対行きたくなる!日本最強の城スペシャル」が放送されました。現在、空前の城ブームだそうです。紹介されたのは…

 ◆フォトジェニックな城、「彦根城/滋賀」・「松本城/長野」・「丸亀城/香川」 
 ◆トリック満載の城、「伊予松山城/愛媛」・「会津若松城/福島」・「山中城/三島市」
 ◆トレッキングに最高の城、「備中松山城/岡山」・「高取城/奈良」・「七尾城/石川」


 「最強の城」は、「高取城」になりました。理由は、何があるか見に行く価値がある。ロマンがありそう。石垣しか残らないが規模を知りたい。

 赤字が未訪で9城中7城もあります。よし、「高取城」に行こう。教科書は、山と渓谷社刊「関西周辺の山250/改訂版」です。
<駐車場>
大きい地図
 名阪国道針ICから南西の近鉄吉野線壺坂山駅へ… 駅前で国道169号線を左折し、土佐街道に入ります。 



高取町観光駐車場→宗泉寺→岩屋不動→猿石→国見櫓→▲高取山(高取城址)
五百羅漢→壺阪寺→高取町観光駐車場

※赤線はGPS軌跡  ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時35分   晴/27℃
駐車場:午前9時25分   曇り時々晴/31℃
標高差:(140m→584m)444m
往:2時間50分(山頂まで、小休止含)
還:1時間55分(ランチタイム除)
所要時間:4時間45分

 土佐街道は、町の中を高取城へ向かって延びるメインストリートです。途中、大正時代の呉服屋を改修した観光案内所「夢想館」があります。

 100m先、左に無料の観光駐車場。30台は停められそうです。今日は暑さ厳しそうで帽子の後頭部カバーをグッショリ濡らしました。(9:25)

 綺麗な舗装の土佐街道は、安土桃山時代に開かれ全1.2km。高取藩筆頭家老の植村家長屋門(県重文)に出合います。

 美しい模様のなまこ壁です。
(9:50)

 長屋門を過ぎると行く手に高取山がそびえます。右端の高所が山頂、そこが高取城本丸です。

 右にかわいい水車を見ると川のほとりに出ます。整備された砂防公園が現れました。そして…

 案内板だけの一の門(K門)跡があります。高取城は400年前に築城され、本丸まで高低差350mもあります。

 程なく宗泉寺への分岐です。高取藩主・植村家の菩提寺で、初代藩主の邸宅跡に1689年創建されました。
(10:25)


 
分岐へ戻れば、いよいよ大手筋の山道が始まります。木橋を渡ると「七曲阪」と呼ばれる蛇行道。終わると急坂の… 

 「一升坂」築城時、石材を運ぶ人夫に米一升を加増し、やる気を起こしたそうです。「岩屋不動100m→」の案内板。

 立ち寄ると、岩屋があるかと思いましたが、石仏3体。戻って進むと…
(11:15)


大手筋と明日香村の分岐に強烈な猿岩。高さ85cm、顔・目・鼻が丸い。
築城時に明日香村から石垣材として運び、途中ここに置かれたようです。

明日香村にも猿岩が4体あります。猿というより渡来人では?(右)
あらわな男性器が人間っぽいでしょ。猿岩からすぐ…
(11:30)

 二の門跡です。その門前に山城では珍しい水堀を見ます。更に登ると「国見櫓跡→」の指標があり、平坦地を…

 西へ120m行けば、「大和の国展望」の図絵板が建つ展望地。まほろば眺望スポットの一つです。(11:45)

北西、左奥は葛城山960m、そこから右に降った所のピークが二上山474m。
奈良盆地はもとより、条件が良ければ、六甲山比叡山が望めるそうです。
良い風が吹き長居したくなります。では本丸へ登場しましょう。

石垣の間を抜けると大手門。一帯に残る巨大な石垣は壮大で威容を偲ぶことができます。
この城跡は、日本三大山城の一つです。因みにあと二つは「岐阜・岩村城」「岡山・松山城」。

 大手門から二の丸を経て本丸(TOP写真)まで石垣を上ったり下りたりして見学します。
規模が大きいので解説を聞けばもっと面白いでしょう。
奈良県は、古墳や神社仏閣のイメージでしたが、これだけの城跡が残ることに驚きます。
(12:10)
  広地の本丸跡につきました。ここが高取山山頂584m三頭三角点です。もぐもぐタイムにします。(12:30)〜(12:50)
 判然としませんが、南の大台ケ原方面の展望。高取城は南北朝時代のお城を1585年大修築。明治20年頃、取り壊されました。


 食後、本丸の周囲を一周。立派な石垣の迷路を歩くと、思わず石は何個上げたの? 先人の苦労に思いを馳せます。


 城跡西の「壺阪寺方面→」へ進み、木製の階段を降り、お城に別れます。
(13:00)


 山中を進むと県道に出て右折。すぐ「壺坂寺→」の道標で山腹道へ。崩壊地もあったり。そして「壺阪寺大淀街道」を行けば‥
巨岩に無数の仏様が彫られている五百羅漢
「親に会いたくば、五百羅漢へ…」と言われたそうです。その心は?



風化が激しく左端が、1/4崩れています。
横に整然と石仏が並ぶ新たな五百羅漢
(13:35)

 県道に出ると壺阪寺。703年創建、室町時代の三重塔・礼堂は国重文です。

 インドとつながりがあり、デカン高原の石を使った大観音立像・涅槃像などが建ち、入山料600円。
(14:00)

 壺阪寺新参道の案内板から県道と別れ降ります。入山受付所を横目に北へ広場を横切ると‥

 バス停があり、午後2本だけ。写真左奥に登山道のような参道が降りています。(14:05)


 バス道の県道を歩くよりは、参道の方がラクチンです。15分ばかり辿ると‥

 県道に上がり(左上)、100m下ればガードレールの切れた所から参道へ降ります。(中) すぐ集落が見え、橋を渡りました。あとは地形図を見ながら町に入りました。 

 狭い道は、昔の風情を残していい雰囲気です。町屋は2階の屋根が低く、使用人部屋、物置として使われました。

 駐車場着(14:55)


東海岳行
  “レリビーのミス” 

1.リクエストはレリビー

 今春、告井延隆のライブに行きました。ビートルの曲を一人でギター演奏します。年に1〜2回名古屋に来るので学生時代の友人2人と聴きに行くのですが、超絶テクニックが楽しい。料金2000円でお値打ち、お客は十人程度でこじんまり。リクエストタイムがあり、殆どの曲を弾きこなすので嬉しくなります。

 その日は、アビーロードという喫茶店での演奏、お待ちかねのリクエストタイムになりました。私が、一番に手を上げ『Let it be! ポールがピアノをミスタッチした箇所も再現してください』と頼むと『ミスしたら、普通レコードにはしないけど? どこ?』 プロでも知らないことがあるんだ。

 私はちょっと得意げに『間奏後、サビが終わった2回目のAメロです』 具体的には「♪ I wake up to the /sound music,/ mother Mary /comes to me〜」の歌詞で、コードはC/G/Am/Fですが、motherAmをミスタッチしています。話している間、お客さん全員が私をマジ見。



 『知らんなあ』
 いくら達人でも知らないものは演奏できません。まあ、偉そうに言っても、実は私も昨年購入したビートルズ本でこのミスを知ったのですが。



2.フィル・スペクター

 さて1970年発表されたビートルズの最後のアルバムLet it be」は、ジョンジョージが仕上げを米国のフィル・スペクターに依頼しました。天才的な音楽プロデューサーで1963年、彼が作ったザ・ロネッツ「♪ Be my baby」は、斬新なサウンドで私も良く聴きました。

 1970年、当初のコンセプトと違うアルバムLet it be」が発表され、ポールがその仕上がりに憤慨したことは有名です。その後、ポ−ルの意向通りに編集し直し、2003年に発表された「♪ Let it be…naked」では、ピアノのミス部分が、貼り付けで修正されました。多分、ポールは気にしてたんでしょうね。

 最近、テレビ番組でその後のフィル・スペクターが紹介されていました。彼は2003年、女優を自宅で射殺した容疑で逮捕。禁固19年の判決を言い渡され、現在77才、刑務所の薬物中毒治療施設に収監中です。計算するとあと4年で出所ですね。おかしな話になりましたが、グッドニュースがあります。


3.サンデージャポン

 7/8(日)、サンデー・ジャポンデイブスペクターのコーナーを見てたら、何とポール・マッカートニーの動画が流れました。英国のコメディアンが司会する番組「CarpoolKaraoke」で、彼の運転する車にポールが乗り込んできます。

 車中でトークをしたり、ビートルズの曲を二人で熱唱していました。故郷のリバプールに寄り、曲に登場した理容店やポールが、ティンエイジャーの頃住んでいた家にも立ち寄ります。『この部屋でジョンと♪She Loves Youを作った』などのエピソードも語りました。そしてパブでサプライズ・コンサート開催。

 ジャ〜ン「♪A Harrd Days Night」のイントロが響き、急にカーテンが開き、ポール&バンドの演奏が始まります。お客は大喜び。「♪Hey Jude」では、司会者が顔を押さえていました。デイブが、9月7日に5年ぶりのアルバム「♪Egypt Station」がリリースされ、併せてツアー日程の発表をしました。



 9月カナダ・12月英国。え、それだけ? 後日、12月のポーランド、オーストリアが追加されました。10月11月抜けているし、カナダまで行って米国に行かないことはないでしょう。上手なプロモーションです。

 さて日本公演はあるでしょうか?…来年でもいいから来てちょんまげ。私はポールが生きていることだけで有難いと思っています。衰えない創作力、ツアーへの意欲・体力を持つ76才。いわば歌う世界遺産。

◆『Carpool Karaoke』

2018.07.17(日)01:00