岳行ノート
            やまかど
山門水源の森 520m/滋賀県長浜市


2018年8月20日(月)


起源4万年の山門湿原

(左ピークが荒谷山658m、その右ピークが守護岩520m)


 ネーミングライツ(命名権)に興味があり、ネットで調べました。公共施設に企業が宣伝効果を期待して名前を付けます。70年代に米国で生まれました。

 日本では2003年の東京スタジアム(味の素スタジアム)が最初です。問題点もあり、施設の機能や場所が分からなくなってしまう事例もあります。

 何と命名権を獲得した企業が、施設名を変えず元のままの場所がありました。それが「山門水源の森」で、滋賀県長浜市と比較的近場です。


 そこはバブル期にゴルフ場建設の計画がありました。地元の反対やバブルがはじけ、計画は頓挫。その後、環境保全に向かい施設が作られました。

 調べてみると今は周回コースが整備されトレッキングできます。で野良人さんを誘いました。北陸道木之本ICで下り、国道8号線を北上。

 近江塩津駅を過ぎ、さらに3.5km走り沓掛バス停を左折します。1kmほど南下すると‥  教科書は、公式HP「奥琵琶湖 山門水源の森」です。
<駐車場>

大きい地図




西浅井斎苑駐車場→尾根道→森の楽舎→三角点→守護岩→山門湿原→沢道→西浅井斎苑駐車場

※赤線はGPS軌跡  ●は主な分岐点



■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前7時55分   曇り/26℃
駐車場:午前9時30分   曇り時々晴れ
標高差:(210m→520m)310m
往:1時間20分(守護岩まで、小休止含)
還:1時間20分(ランチタイム除)
所要時間:2時間40分





 「山門水源の森P」の案内板から西浅井斎苑の駐車場に入ります。本日は稼働してません。写真右方に誘導路があります。
(9:40)

 50m北進し、未舗装の車道を左折します。





 すぐに森の楽舎(マナビヤ:右)に出合い、保全活動協力金200円をポストに投入。コースマップ付きのパンフを頂きます。

 左奥のトイレで用を済ませ、右カーブして進みます。







 山門湿原から来た沢を渡り、尾根へ向かいました。
(9:50)






 尾根道を登ると植林地の終わりに分岐点。左は「←0.7km山門湿原」、右は「アカガシの森0.6km→」とあり右折します。
(10:00)

森は1960年代後半まで、薪炭林として利用されていました。
当時は、15〜20年に1度の期間で伐採が繰り返され、森が更新を続けたのです。
その後、50年以上利用されず、森は荒れていったのです。今は若返りの試験をしています。






 進むと幹に「G18」のマーク。そこを右折すれば、すぐに四等三角点「大池」352mです。展望はなく、引き返します。
(10:10)

 「ユキバタツバキ群生地」、「アカガシの森」を過ぎると「四季の森0.3km→」の分岐標。ここを左折して下降します。              (10:25)

 「四季の森」へ寄るためには、標高を50mほど下げなければなりません。湿原へ流れていく小沢を渡ると「四季の森」の核心地です。

コナラなどの落葉樹中心の森。時期には、見事な新緑・紅葉が堪能できそうです。
冬には、2mを超す積雪になります。
(10:35)

 さて命名権は、地元の工具製造販売(株)山久が、習得(2018年1月〜2019年3月末)しました。
 年額100万円です。企業が命名権の特権を行使せず、施設の名をそのまま残したのはなぜでしょう?

 「四季の森」から尾根道へ戻ると奇木に出会います。これは、キリンの木。

 これは、ラクダの木。苔が目と鼻の位置にあり、いい具合です。






 尾根道を行くとおっとと!ジョーズ岩。一目でこの名前が思いつきますね。張りぼてに見えますが、花崗岩です。






 標高490m辺りで大窓展望地です。山門集落から半島のように琵琶湖へ突き出す葛籠(ツヅラ)尾崎伊吹山は残念賞です。





 最高地点520mに花崗岩の守護岩。元旦にしめ縄が張替えられます。ここの中窓展望所伊吹山1377mは×でした。
(11:10)

 下山に南へ降ります。

寒冷な気候を好むブナと温暖な気候を好むアガシが同居するブナの森
保全活動間は日々行われています。特にイノシシ・シカの防網がよく壊されます。
やつらも必死です。
(11:20)






 シカ害防止の青テープが巻かれた「ヒノキの森」を過ぎ、高度を下げます。山門湿原案内板から、斜面を降りれば‥
(11:40)

    水生植物のアギナシ
 湿原南部展望台です。4万年前に地震による断層活動で形ができました。その後、ミズゴケが堆積して泥炭層ができ、貧栄養の湿原になります。トキソウなどの貴重な植物の宝庫です。今日は希少種のアギナシが咲きます。ここで例によって炭水化物ランチを頂きましょう。風が涼しい。
(11:45)〜(12:30)






 分岐に戻り、少し降ると「展望台0.2km→」の道標があり、10mほど高さを上げます。湿原を違った角度から望めました。
(12:35)






 その後は、湿原に沿った平坦な道を進みます。保全のため厳重に獣除網が張られ、本当にご苦労さまです。

やがて湿原の中央付近に着くと、西方向の展望が広がります。
大きさは、長いところで南北500m・東西300mの広さほどです。

 沢に出たら左岸に渡り、右折すれば帰路の沢道です。この右上に‥                (12:50)

 現役の炭焼き窯。やはり窯は、沢近くにあるのですね。東へ歩きます。






 この沢道は、森が薪炭林として活用されていた頃の作業道です。10分ほどで森の楽舎、そこから数分で駐車場です。
(13:05)


東海岳行
  “驚異の超絶技巧” 

 多治見市の岐阜県現代陶芸美術館での「驚異の超絶技巧!」が、6/30〜8/26に開催されていました。行こう行こうと思っているうちに、はや8月下旬。焦っていたのですが、たまたま野良人さんに山行の帰りにお誘いしたら『行くよ』の二つ返事。行動力のたいまつに火が点りました。早速、8/24に多治見に走ります。

 多治見に着き、先にランチしようと大平町の蕎麦屋「てんとろ」へ入りました。(下左) 最初に券売機で食券を購入するシステムです。(下中) レジと金銭管理の人件費が削減できます。一番人気と表示された冷やしたぬきそば500円を購入。席に座ると数分で運ばれてきました。(下右) 


 因みにざるそば390円と有名店の半額ほどで安い。北海道産の蕎麦、鰹と利尻昆布のダシとこだわりがありますが、蕎麦は最新のヌードルマシンであっという間に作られます。これは相当人件費が削れます。マシン蕎麦の味は‥コシがあり知らなければ分かりません。おいしく頂けました。

 食器は返却口へセルフで運びます。コスト削減の工夫で安価に提供できるのですね。さて会場の東町現代陶芸美術館は、初めて訪れました。(下左) 駐車場から延びるギャラリーウォークは、驚きの150mの長さです。(下中) 山斜面に建てられ、美術館も素晴らしい。


 「驚異の超絶技巧!」展は、2014年に全国6会場を巡回し大好評でした。今回は2回目の開催です。残念ながら私は1回目のことは知りません。作品は、木彫、金工、牙彫、漆工、陶磁、石彫などの現代工芸品です。入館料は900円で、全150作品が展示されています。

 入口に「オオサンショウウオ」の鍛金作品。(下左) 鉄板をバーナーで熱し、ひたすら叩く技法で作られました。今回私が最も見たかった3作品があります。まず大竹亮峯「自在 鹿の子海老」。(下右) 38cmの実物大で木彫りの自在置物です。歩くわけではありませんが、海老のように動くことが出来ます。

   

 持ち上げると海老のようにグニャリと曲がり、ねじは使われていなく木彫りの仕掛けだけです。トゲとか細部まで施された模様などリアルで生きているかのよう。触っりたいのですが、ケースの中に入っています。制作期間は半年。次は、最近素性が明らかになったばかりの伝説の牙彫師・安藤緑山の傑作「松竹梅」(下左) 

 象牙の彫刻で本物と同サイズです。造形と色の表現力は感動的で生命力を感じます。タケノコの薄い皮を間近で見ると毛羽立っていて信じられないくらいの質感です。そして3作目は、現代作家高橋賢悟作「花葬」(下右) 頭蓋骨を花で飾り、不思議な雰囲気があります。

   

 融けたアルミニュムを型に流し込み鋳造で作られています。奈良の大仏と同じ製法です。その真逆の極小世界の鋳造作品。通常では3mmの厚さが限界とされていますが、この花びらは驚異の0.1mmの薄さです。生け花を型にするアイデアで実現しました。死の象徴である頭蓋骨に花を飾り、命の尊さを訴えています。

 明治に輸出用として作られた工芸作品が海外から里帰りし再評価されました。現代作家は、超絶技巧に+αの機知に富んだ作品を生み出しています。あ〜終了間際に間に合って良かった。1時間くらいかけてみたのですが、野良人さんは、帰りに3000円近い作品集を購入されます。けど、私は手ぶらで帰ります。

2018.09.04(火)22:15