岳行ノート

    のだい      ただ                      おばま
野代山〜多田ヶ岳 712m/福井県小浜市

2019年7月10日(水)


梅雨の晴れ間の里山

(左端ピーク:多田ケ岳、その右ピーク:野代山)


 今夏は、晴れ日が極端に少なく水不足はないけど、日照不足です。東海、北陸の天気予報を見てようやく「梅雨の晴れ間」を見つけました。

 福井県の嶺南地方が良いようです。小浜市の多田ヶ岳は未踏峰。ガイド本では、地形図の破線の北尾根ルートを紹介しています。

 事前にネットを見ると「小浜山の会」さんが、山の全ルートを詳しく案内されていました。破線ルートは、尾根沿いの新ルートということです。


 整備は途中までで中級コースとのこと。もう一つ同じ出発地から辿る初級の野代コースが紹介されてい。二つを組み合わせて周回しましょう。

 舞鶴若狭道小浜ICで下り、南東へ3.4kmの野代(ノダイ)の妙楽寺へ。教科書は、山と渓谷社刊「新・分県登山ガイド/福井県の山」です。 
<駐車場>
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大きい地図
  参考書に「若狭の山にようこそby小浜山の会」さんのお世話になりました。




妙楽寺駐車場

登山口

488m

△野代山

多田ヶ岳

488m合流地

林道終点

妙楽寺駐車場



※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点
□    渡渉点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時50分   曇り/27℃
駐車地:午前9時05分   曇りのち晴れ/23℃
標高差:(20m→712m)692m
往:3時間30分(山頂まで、小休止含む)
還:2時間45分(ランチタイム除く)
所要時間:6時間15分


 妙楽寺のひろ〜い駐車場に停めさせていただきます。お寺&WCは左です。右奥の林道で野代川を遡ります。
(9:20)


 林道の「多田ヶ岳→」の案内板に従います。20分で林道が左折する場所で奥へ直進。(下山は左からここへ)
(9:40)


 すぐ「多田ヶ岳登山口(野代コース)」の標示板。珍しい角材のような石橋で左岸へ。(9/15〜11/30は、止め山)

すると左に「瀬波戸の滝」、落差2mほどの可愛い滝です。
滝を右から迂回して滝上で右岸へ渡渉し、すぐ左岸へ渡り返します。
(9:45)


 道は右斜面をトラバース。補助ロープの急傾斜もあります。複雑な経路ですが、テープや標札がきっちり付きます。

 やがて涸れ沢を少し歩き右岸へ。
(10:35)

 杉林を抜けると山腹道、この心細いに道には補助ロープが設置されています。


 釜跡を過ぎ(11:15)、道は右カーブ。テープを追って斜面を登ると‥ようやく尾根に乗りました。
(11:30)

 尾根を50mほど行くと道は、左へトラバースします。往きは、あえて尾根を直進して野代山をピークハント.。

 急登で道は、あるようなないような‥イワカガミの群落が続きます。


 登り初めて15分でピークに到着。野代山560m山頂は、山名標も展望もありません。速攻で南へ降ります。数分で‥
(1::50)

野代山を迂回してきた道と合流。尾根を200mほど南進すると道は尾根を外れます。
左斜面をトラバースするのですが、ず〜っと、ず〜っとこれが続くのです。トラバース天国。
時々の尾根にでますが、またトラバース。アップダウンが、少ないのが長所です。やがて‥


 道は大きく左カーブ。30分以上山腹道を歩き飽きた頃、多田分岐に出会いました。ロープをまたいで斜面に取付き‥
(12:35)


 山頂前の急斜面をジグザグ登ると‥

 多田ヶ岳山頂712m三等三角点です。ランチにしましょう。『いただきマントヒヒ』

 写真奥に岩があるので登れば‥
(12:55)〜(13:25)

四囲のパノラマ。ただ湿気の多い空気にもやっています。
海に近い山の特典、北方は山海の絶景です。
小浜市街地と若狭湾そして、久須夜ヶ岳(クスヤガダケ)619m。来た道を戻ります。


 野代山手前に迂回地点。写真右端「野代→」の白い標札へ降るとロープ場の急降。山腹道から尾根道に出ると‥
(14:20)


 488mピークの分岐点。往きは左から登って来て尾根道に合流しました。下山は尾根を直進します。
(14:35)


 すぐ岩場に出合い、慎重に岩を避けて北方へ降下。道は明確でなくテープは少ないのでGPSが役立ちます。

 やっと標札に出会いました。先で右斜め前に方向転換するので注意して降ります。尾根の降りは難しい。GPSが無ければ無理です。(15:25)

 右にトラロープがあったので一安心しました。ロープ場は頻繁に続きます。逆周回の方が良かったかと反省しながら踏ん張りの急降をすると‥

 立木の向こうに広地の林道終点
(15:50)

 5分ほど歩けば2コマ目の地点に出て、往きの道で帰ります。
駐車場着(16:10)
体制を整えたら駐車場奥に建つ、若狭最古の古刹妙楽寺を尋ねましょう。
参道は長く、重厚な仁王門を潜ります。本堂は国の重要文化財で鎌倉時代建立です。

祀られている二十四面! 千手観音像は平安中期のもので国の重要文化財です。(拝観料400円)
1000年経っても金ピカだそうで、ケチッて拝観しなかったことを反省しています。
境内で欧米系男子1人が、熱心にでかいカメラで撮影していました。
(16:10)

 
東海岳行
  “熱中症対策” 


 この日、多田ヶ岳登山で感じたこと‥雨が降り続くと、山土は水分をタップリ含みます。雨水を吸い込んでも富士山のようにすぐ地面がさらっとなる吸水速乾タイプは、登山には好都合。しかし、そういう山は少なく、脚を置くと落ち葉がジワ〜ッとしたり、泥んこの道になったり。

 空は雲の蓋、樹林帯に日は当らず、山に湿気がこもっています。雨は降らなくても湿度は100%近い。その中で体重+αの重さを何百メートルも揚げると‥体温上昇。体温調節に汗が噴出します。山シャツは吸汗性が高くすぐ吸い取ります。そこに風か日があれば速乾性良いので乾くはずです。

 ところが今回は、山中では風も日も無く、山シャツの高機能は封印されたまま。気温は25〜27℃程度でしたが、登頂する頃には、ビショビショ・シャツです。



 下山を始めて90分経った頃、頬がポ−ッと熱くなります。何度もこの経験があり、私の熱中症サインです。リュックを下ろし座って水分を取ります。

 丁度、尾根をいい風が上がってきたので5分ほどで頬の熱は下がりました。再び、歩き出すと20分くらいでまた頬が熱くなります。同じように休憩を取りました。その後、林道に降りたので、傾斜を降るエネルギーは不要です。最後の水分を取るとペットボトルは空っぽ。

 山の大きさから判断して2本しか持ってきてなく、最後は沢水を取るつもりでしたが、ギリギリでした。駐車場の自販機で水を購入し、一気に飲み干しました。さて避暑には高山登山ですが、毎週は出来ません。帰宅してから熱中症対策を考えます。



 夏の帽子は後頭部を隠すタイプです。そこに高吸水性高分子が内蔵されていて、水を含ませれば登山の間、冷やしてくれます。

 この日、気温は高くならないと思い込み濡らしませんでした。今後は家を出るとき、濡らして持って行きます。また凍らせたペットボトルを2本、冷やしたペットボトルを1本。

 3本はリュックに入れましょう。そしてなによりも山頂で濡れた山シャツを着替えることです。カメラ・GPSをリュックの腰ベルトの両ポケットに入れたのですが、湿気に囲まれ、やばくなりそうでした。やはりケースに入れ、身体の湿気を防ぎます。お体を大切に、機械を大切に。

2019.07.16(火)23:35