岳行ノート

         よこやきょう
横谷峡 712m/長野県茅野市

2019年7月29日(月)

二段の王滝


 台風一過、ようやく梅雨明けしました。いきなり真夏日に突入しましたが、身体が慣れていません。そこで蓼科中央高原横谷峡を散策します。

 標高が1200m〜1500mなので、我が街が真夏日35℃でも8℃程度低い気温でしょう。高原に刻まれた深い渓谷に渋川の流れ。

 渓流には、いくつもの滝と奇岩があります。遊歩道が設けられていますので辿ってみましょう。暑い時期には納涼滝巡りのトレッキングです。


 昨日、台風6号が過ぎたばかりで峡谷を流れる水量は多いでしょう。ダイナミックな滝を見られそうです。

 中央自動車道諏訪ICで下り、国道299号線で東進します。横谷峡入口交差点で「横谷峡」の看板を見て右折。右側の広い駐車場に入ります。
<駐車場>
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大きい地図
  教科書は、信濃毎日新聞社刊「信州・高原トレッキングガイド」です。


横谷峡入口駐車場→乙女滝→霧降の滝→大瀧神社→横谷峡入口駐車場→(車)御射鹿池

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点 □展望台


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前07時10分   曇り/29℃
駐車地:午前10時20分   曇り/28℃
標高差:(1210m→1570m)360m
往:2時間35分(大瀧神社まで、小休止含む)
還:1時間30分(ランチタイム除く)
所要時間:4時間05分


 無料の横谷峡駐車場に置車。舗装路を東へ歩きます。木戸口神社を左に見て進むと‥
(10:35)


 坂を降り切った右に「乙女滝・横谷峡遊歩道入口」道標。そこの階段を降りていくと激しい水音が聞こえ‥

豪快な乙女滝、優しい滝名とはミスマッチ。大量の飛沫が上がり、カメラに掛かります。
  落差20m・幅8m。227年前、江戸時代に開設された農業用水路の人工滝です。
右に滝横を登る道があり、日が差していたら午前10h頃まで飛沫に架かる虹を見られます。
 (10:45)


 横谷渓谷渋川沿いの遊歩道を行きます。至る所でスケッチする少女画家。名古屋旭丘高校美術科の皆さんでした。


 遊歩道は、工事のため横谷温泉旅館を抜けます。再び川沿いを行くと霧降の滝(キリフリ)、落差5m・幅15mです。


 道には「炭焼釜の跡」が残ります。上部を石で塞いであるのは初めて見ました。


 遊歩道を更に辿れば、対岸に鷲岩。見所前には標札が立てられています。どうしてワシなのか?
(11:35)


 左側の山側には、岩に根っ子を絡ませた根性木。


 次の見所は、垂直の絶壁・屏風岩と標札にありますが‥これ? 冬は氷瀑になる名所とのこと。

そして一枚岩、50m〜100mの岩盤。
川床の赤茶色は、水に含まれる鉄分が酸化したためです。
渋川というだけあって、非常に酸性が強く魚も住みません。
(12:05)


 一枚岩から川を離れ斜面を登ります。2箇所の分岐は、「横谷観音→」に従います。ようやく登山気分の急登で‥

 川から170m標高を上げ横谷観音展望台北アルプスから中央アルプスまで展望図絵にありますが、今日は遠望が利きません。 (12:45)

 ただ100m眼下の樹林帯がポッカリ口を開けていて、王滝の一段目が望めました。これはズーミングしています。


 展望台背後に横谷観音。昭和12年に地元の方の尽力で奉賀されました。御堂は昭和50年の建立です。左端の岩に‥


 頭は人間、胴体は蛇‥不思議な石仏です。少し先に鳥居が見えるので行ってみましょう。

 鳥居を潜り、10分ほど長い階段を登ると大瀧神社。社殿は平成25年完成されました。御神体は、大きな黒曜石です

 昭和16年、東の冷山2193mより人馬のみで曳行して奉納されました。ここでランチを取ります。(13:10)〜(13:40)

 横山峡
は、乙女滝からおしどり隠しの滝までの3kmです。最後の滝までここから往復1時間余りかかるでしょう。

 遠雷が聞こえ、この先天候が変わりそうなので王滝展望所経由で戻ります。

王滝は、横谷峡一番の見所です。2段に落ちる滝は圧巻です。落差21m・2段の幅14m+7m。
(13:50)

 3人の女子にスマホ撮影を頼まれます。いいアングルで撮ろうと岩に登ると滑って右手をつく。手にはスマホ。

 叩きつけた画面を見ると‥割れていませんでした。もし破損したら弁償しなくてはならないのか?


 もう一度乙女滝に寄りました。上流で降雨があったのか、午前中より増水しています。

 駐車場着(15:10)
近くの御射鹿池(ミシャカイケ)まで車で走ります。10数分で広い駐車場に着きました。
マイカーや観光バスの見物客が次々やって来ます。歩道の柵越しに眺めると‥


 昭和8年に完成したため池は水深8m。
流れ込む冷たい水を溜め、温めて農業用水として利用します。
平成22年農水省ため池百選に選定されました。

 ←東山魁夷作「緑響く」のモチーフとして有名です。
10年前、吉永小百合主演のアクオスのCMは記憶に残っています。
駐車場の規模が半端なく、人気は想像以上でした。

 
東海岳行
  “富士山モンスター” 


 TV「激レアさんを連れてきた」でミスター富士山・實川欣伸(ジツカワ ヨシノブ/76歳)氏を紹介していました。2年前「富士下山」の山行途中、氏にお会いしています。番組は面白くご紹介させて頂きます。彼は登山家ではなく、ただ富士山を登る民間人です。(本年7/21で2041回登頂)

 普通、富士山登には、6〜7時間ですが、4時間で登られます。沼津在住で、以前登山は月1回程度でした。65歳で退職すると暇をもてあまし、『やることないから富士山でも登るか』 その翌日『やることないな〜、仕方ない今日も富士山でも登るか』という理由で富士登山を重ねます。

 多くても年10回の登山でしたが、この年だけで248回といきなりラッシュ。彼は富士山モンスターに変身しました。身体に変化が起き、脚が異常なまでにマッチョ化。数をこなすうち体力が付き、1日1回では物足りない。



 ある日、富士山から帰って時計を見てふと想います。『あれ? 今から、もう1回登れるんじゃねえ』 そして1日2往復が日課となりました。1000回を突破すると普通の登頂では満足できず、とんでもない登山方法を思いついたのです。

 ある時、用事で上京するとたまたま富士山が見えました。『そうだ東京から歩いて富士山に行って、そのまま登頂したらどうなるんだろう』 そして東京駅から東海道を歩き富士山を登頂。43時間かかりましたが、一切睡眠を取りませんでした。

 食事はわずか2回、コンビニのおにぎり・サンドイッチです。登山中、大岩がカニの怪獣に見える幻覚に襲われました。その行程で一番辛かったのは、山頂前の急登ではなく、東京の炎天下の照り返しです。その後、『あ〜もっと辛い思いがしたい』と、より過酷な富士登山を実行しました。


◆伊豆下田から不眠で登頂
◆75日連続で1日2回登頂
◆休憩なしで5連続登頂
◆54時間不眠で8連続登



 そして2014年、塗り替え不可能と言われた最多登頂記録1672回を半世紀ぶりに更新したのです。その記録は、梶房吉(1900〜67)氏で、登山者の荷物を運ぶ強力(ゴウリキ)を生業としていました。實川氏は、とうとう2018年2000回に到達。(上図)

 大記録に満足せず、富士登山を続けています。その理由は、記録を狙う刺客が存在するからです。登山仲間の戸倉氏(76歳)・佐々木氏(69歳)で、お二人は1400回超の記録をもっています。いずれにしても富士山は、高齢者が尋常でない体力になるパワースポットです。

2019.07.31(水)00:35