岳行ノート

大洞山  1349m/岐阜県飛騨市

2020年6月7日(日)


山毛欅の美林帯


 飛騨大洞山は、スキー場で知られる流葉山1423mから北東4km。教科書は、「知られざるブナの山と北アルプスの眺め」のキャッチです。

 郡上市の大洞山は登頂しましたが、飛騨の大洞山は、岐阜県北部でも富山に近く、あまり身近に感じません。

 コロナ禍の現在、移動可能なのは愛三岐。レポで確認すると、キツイ急登を耐えれば広大なブナ林で癒やされようです。


 飛騨清見ICから無料の高山清見道路で国道41号線に移り、東進して神岡町に入ります。船津トンネル北口を出ると左に‥

 教科書は、中日新聞社刊「東海・北陸の200秀山/上」です。参考書として、「山だよねぇ」さんのお世話になりました。
<駐車地>
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大きい地図


船津トンネル北口駐車地→御嶽神社→▲大洞山→北ア高原郷の展望台→船津トンネル北口駐車地

※赤線はGPS軌跡 ●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前6時05分   晴れ/21℃
駐車地:午前8時35分   晴れ/20℃
標高差:
(430m→1349m)919m
往:3時間55分(山頂まで、小休止含)
還:2時間10分(北ア展望台・ランチタイム含まず)
時間:6時間05分

 広いスペースがあり置車。左が船津トンネル北口で右の建物は、スケートボードを楽しむ神岡ランプです。前を通り、奥へ進むと‥(8:50)

 道路脇のトンネル擁壁に、「大洞山登山口」「大洞山10/10」の看板が立ちます。杉林を登り鉄塔を経て、コンクリ鳥居を潜ると参道です。


 ジグザグの参道を行くと、折れ角5箇所に石仏が迎えています。そして‥


 出発して20分、御嶽神社に着きました。境内を左折、林道を100m進むと‥
(9:10)


 「大洞山9」の看板に出合います。林道に分かれ、右折して登山道へ。
 (9:15)


 鉄塔に出合い左側を通り、から森に入ります。この時期は草が鬱蒼としていますが、登山道は明確です。


 密集する雑木林は、次第に急勾配となり、補助ロープが出現しました。『キツイぞ!』 身体を急上昇させると‥
(10:00) 


 南東方向の眺望地。左上奥は、山頂を雲が覆う乗鞍岳3026m。町並みは、飛騨市神岡町中心部、標高は350mです。

そして「大洞天狗の岩棚」と名付けられた露岩。かつて天狗が住んでいた伝説が伝わります。
中央最上部に「大洞山7の看板、標高790mです。
(10:20)


 990m辺りは大木がバタバタ倒れ、登山道がグチャグチャ。でも倒木はカットされ、テープがあり道程は明確です。
(11:15)


 ようやく斜度が緩み、北アルプス展望地。峰々には雲がかかりますが、ギリで北東に北ノ俣岳2662mをゲット。
(11:15)


 辺りは、ゴヨウマツ(別名ヒメコ)の尾根で「分岐点(標高1000M)」の看板。分岐する道は、未確認です。


 やがて待望の「山毛欅(ブナ)の美林帯1130m」 期待が膨らみます。まもなく‥
(11:50)
平坦になり、細幹のブナがズラリ。ここは、ブナの一人勝ちした原生林です。
嬉しみのナイアガラ・グリーン・シャワー。

ところが、背は随分高いけど、時代を重ねたブナが見当たりません。
「大洞山4(12:00)から15分ほど歩いても細幹ブナです。

ブナ林を撮影しながら30分近く歩くとぶっといブナが、ドッカン・ドッカン出現しました。
さらに10分ほどで、『おお! おぬしが主か』 一番は、どの木?


 このブナ林は何処まで続くのか? 広大さに感嘆します。「大洞山1/10」から左カーブすれば‥


 飛騨・大洞山山頂1349m三等三角点
「北ア高原郷の展望台」のプレートに導かれ、笹下の踏み跡を南へ1分行けば‥
(12:45)
南東方面の眺望、神岡町中心部と右奥に雲がかかる乗鞍岳3026m、左奥は北アルプスです。

運が良いと黒部五郎岳2840m、薬師岳2824m、剣岳2999m、笠ヶ岳2898m、槍ヶ岳3180m!
‥らしいですが、木が生長しているようでいかがでしょう。
(12:50)


 南に御嶽山3063m。山頂ランチ。富山のソロの方と山談義。『富山でお薦めは?』『猿倉山』
(12:55)〜(13:25)


 下山では、「ブナの美林帯」を違った角度で見られることが楽しいですね。やっはり急勾配の復路は早い。
駐車地着(15:35)
 
 
東海岳行
  “子ども山ビル研究会” 

 子ども山ビル研究会 鈴鹿山脈の麓で子ども達が主体となって山ビルの生態を研究しています。研究員は、自然や生き物が大好きな小・中学生。今回は、2つの研究成果をご紹介します。


<1>ヤマビルは木から落ちてこない (三重県博物館長賞受賞)

A) ヒル採取地(藤原町)でブルーシートを敷き、回りからヒルが入り込まないようヤマビル忌避剤を散布。3時間待機したが落ちてきません。晴れの日・雨の日、いずれも結果は同じ。

B)  雨の日、カッパを着てテープで目張りをし、ヒルが居る場所で10分間歩き回る。ヒルは足元から登って来ただけ。

C) 木の地上1mにヒルを5匹付ける。4匹は降り、1匹は2mまで登り、研究員の呼気に反応して2mから落ちた。

D) 部屋にブルーシートを敷き、研究員がビニル袋に入って座る。ヒルを放つと登り始め、腕・肩まで数分で到達。このことからヒルは下から登って肩まで到達することを確認。

 結論は、ヒルは木から落ちてくることは思い違いで、全て地面から登って来る。


<2>呼吸・体温・足音‥ヤマビルが反応するモノは何?

A) 水槽にヒルを入れ、外からビニルホースで二酸化炭素を入れます。ヒルは、ホースの口へ首をもたげ、二酸化炭素がくる方向を探します。ヒル採取地で落ち葉や腐葉土に息を吹きかけると間からヒルはヒョコヒョコ出て来ます。ヒルは二酸化炭素に敏感に反応することが分かりました。

 ※二酸化炭素を感知できる距離は、1.5m〜2mです。

B) 500mlのペットボトルに40℃の湯を入れてヒル採取地に置きます。暖かさを感知したヒルは、2分ほどで集まって来ました。

C) ヒル採取地で足音高く歩きましたが、ヒルは現れません。そこでラジコンカーを何度も走らせたのですが、無反応です。


 結論として、ヒルは「呼吸(二酸化炭素)」と「体温(熱)」に反応して集まってくることが分かりました。
2020.06.21(日)18:15