岳行ノート
                   つまぎ
城山(妻木城跡) 407m/岐阜県土岐市
 

2021年6月15日(火)


妻木城跡の自然の造形

(右の階段を上がると山頂・一の曲輪)


 6/10新聞のコラムで妻木城が紹介されました。自然の巨石群が見応えあるそうです。城跡がある標高407mのスーパー低山城山です。

 梅雨時期でも25℃以上の夏日はあり、低山登山は要注意。城山は樹林が多く、じっくり散策しても2時間程度なので暑さはしのげるでしょう

 さて妻木城は、「麒麟が来る」で注目された明智光秀の奥方のご実家といわれます。まら城の門が、里の崇禅寺に移築されました。


 崇禅寺の門を見学後、山城散策しましょう。東海環状自動車道土岐南多治見ICで下り、県道19号線などで6km南下すれば崇禅寺です。

 教科書は、「土岐市公式サイト」です。参考書として多くのHPのお世話になりました。
<駐車場>
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大きい地図





妻木城城跡駐車場

士屋敷跡

登山口

三の曲輪展望地

土塁・重ね岩

▲城山/妻木城跡

くさび跡の石

本城池P

登山口

妻木城城跡駐車場

※赤線はGPS軌跡
●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前09時30分     晴れ/27℃
寺駐車地:午前10時45分    晴れ/28℃
城跡駐車場:午前11時15分  晴れ/28℃
標高差:(230m→407m)177m
寺:25分
往:45分(山頂まで、小休止含む)
還:1時間05分
所要時間:2時間15分
妻木城跡駐車場近くの古刹・崇禅寺に寄り道しました。
妻木城の城門が、菩提寺で山門として現存するのは素敵です。

茅葺きなので、城門らしさは感じられません。資材を利用し、山門にしたのでしょう。
南に城山山頂が望めます。直線゙800mの距離です。(道草参照)お寺を見学して‥

 車で600m走れば、妻木城跡駐車場です。道路を渡れば妻木城士屋敷跡。(は“さむらい”) 妻木城・士屋敷跡散策マップを頂けます。  

 入口の<復元図>を見ました。広大な武家屋敷群跡がそのまま残るのは、全国的にもかなり珍しいといわれます。     (11:25)


 1300年代、土岐氏が築いた城は、歴史を経て妻木氏 の居城になりました。残念ながら今は、遺構が残るだけです。


 江戸前期1658年、城主が39歳で急死し断絶、廃城となりました。段差を石垣で保ち、上と下では格が違います。
領主の御殿が最上段に建ち、下段に家臣の武家屋敷が築かれました。
御殿に入るための石段。正面からも右側からも上られる珍しい構造です。

石段の上に門の跡があるので、下から上へ自由に行き来できないようです。
門跡脇に丸い形の井戸跡が残っています。断絶後、ここは農地になりました。


 士屋敷跡西の舗装道を進めば、すぐに登山口です。さあ森に入りましょう。
(11:35)


 道標完備・、整備は行き届き、いうならば半遊歩道です。


 登山口から十数分、突然岩がゴロゴロ。岩石劇場の開幕です。下山のご夫婦、「お宅も新聞見て来たの?」


 登山口から20分で分岐点。直進は太鼓櫓南登山口(本城池P)方面ですが、左折して階段道を登ります。


 そこは三の曲輪城山で唯一の展望地。ただ遠望には厳しい雲の状態です、
(11:55)

北の領内を見ましょう。右の小山・中央に崇禅寺
奥に延びるのは、妻木町の街並みです。右に振ると‥


北東展望。右が屏風山794m、左奥薄い山は笠置山1128m。御嶽山・中央アルプスは残念賞。
三の曲輪の後ろに城跡・巨石群分岐があります。まず後者へ行ってみましょう。


 歩き出しは、笠原断層による断層崖に設けられた登山道です。南下すると数分で土塁に出合い、その先に‥


 石垣? マグマが地下で冷え花崗岩になる時、等間隔に割れ目(節理)ができ、地表に出ると積んだように見える。 
(12:05)


 TOP写真の三角石垣から登れば、広い城山山頂407m(一の曲輪)。左奥は八幡神社の祠です。
(12:10)


 <復元図>山頂を中心に約200m四方の範囲に、曲輪、石垣、土塁などの遺構が残ります。


 一の曲輪南端に伝旗立岩。どんな旗を立てていたのでしょう。山頂から北に降ると‥


 一の曲輪(奥)から降り、二の曲輪の鳥居を潜ります。降り口が「門跡」崇禅寺の門はここから移築したのですね。


 1周して三の曲輪に戻りました。分岐点に降り、「伝太鼓櫓」へ直進して2分、「伝太鼓櫓・くさび跡の石」を右折。
伝太鼓櫓の広地を横断すると、斜面下に十字のくさび跡が残る3mの大岩です。
堀切の上に転がり邪魔ですが、「岩の除去を断念した」と説明板に載ります。
(12:25)

山頂周辺には、至る所で巨岩が転がり、堀削は困難を極めたそうです。
本城池P・土塁・枯れた井戸跡・御釜屋・蔵跡を見学しながら下山しました。


 再び士屋敷跡の石垣。よい状態で残されています。蔵跡の川岸側にある5mの高石垣は、逆光で撮影できず残念。
(13:15)


東海岳行

  “林先生の叔父さんの絵 

 妻木町崇禅寺(ソウゼンジ)に、妻木城から移築された城門を確認するため訪れました。県道19号線から駐車場に入ると隣に茅葺きの山門が建ちます。(下左) 「多分これだな」 でも違っていたら残念なので他に3ヶ所ある境内の門全部を撮影しましょう。

   

 ところが、想像より本殿は立派で庭園は枯山水。感心して見学していると本殿から見学の女子が出て来て、案内の人が見送りました。(下) その後、私が本殿を覗くと案内の人と目が合い、「ご案内しましょうか」「ありがとうございます。お願いします」

 お話では、開山は1354年で妻木家とのかかわり、枯山水は現ご住職が作られたとか興味深い内容です。そして本堂の裏山に建つ位牌堂へ行きます。本堂奥の障子を開けると‥階段廊下に驚きました。(上右) 外からでは、この感動は得られません。

 

 位牌堂にはベランダがあり、下を見るとすごく高さがあります。(下左) 心字池の周囲にカエデが植えられ、秋は綺麗でしょうね。 部屋の左右には、ものすごい数の位牌が整然と並んでいます。「檀家さん、めちゃめちゃ多いのですね」

 正面裏には、変わった形の大きな妻木家の位牌群。窓を開けると下に妻木家墓所の墓碑が立ち並ぶ。「墓石、大きいですね」「上を見てください」「おぉ~」 思わず声が出ます。四角い天井絵が50枚以上。(下右) 

   

 「はやしおさむさんの叔父さんの天井絵もありますよ」「??」「テレビで有名になった先生ですよ」「あ~林修先生ですね」 叔父さんは解説書きによると、「林雲鳳 1989年没89歳、日本画家で多治見市笹原町出身‥」 

 解説の最後は、「“今でしょ”で有名なタレント林修氏の叔父です」とキチッと押さえています。描かれた絵(下左)の一部、上の段:中央、下の段:左と右です。林先生も叔父さんもお会いしたことはありませんが、なんだか天井絵に親しみが湧きます。

   

 案内の女子の方に「妻木町案内マップ」「崇禅寺の文化財」などのパンフを頂きました。25分間の滞在でしたが、フワッと外観を見ただけでなくて良かった。ふと、植え込みを見ると案内の方が、掃除を始めています。

2021.0620(日)23:10