岳行ノート
七つ岩~権現山 400m・516m/岐阜県関市

2021年12月3日(金)



七つ岩より北西の展望

中央奥三つのピーク左:北山908m、そして板取川の美しいカーブ)


 2年前に岐阜県関市で寺尾岩巡りをしました。南方の352mピークまで辿ると、南に延びる尾根の先に権現山が見えます。

 尾根伝いに歩けるか確認してみたい。水曜会山行でジオンさんが、寺尾ヶ原千本桜並木の西尾根を汾陽寺山から縦走したと聞きました。

 そこで千本桜並木の東尾根で七つ岩~権現山の縦走が可能か気になると話します。すると後日、一緒に山行しましょうと連絡を頂きました。


 半端ない行動力に舌を巻きます。早速、岩巡りから権現山縦走に挑戦。縦走後の帰路は、距離があるので車をデポします。

 教科書は、「東海岳行/寺尾岩巡り」です。県道59号線で武芸川町武儀川を渡り北進します。寺尾ヶ原千本桜の駐車場で集合。
 
<駐車地>
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大きい地図



寺尾ヶ原千本桜駐車場(車デポ)
(車)

よぼし岩
(車)

県道59号線路肩駐車地

縄文岩

七つ岩

花見台

権現山

寺尾ヶ原千本桜駐車場
(車)

県道59号線路肩駐車地


※赤線はGPS軌跡
○はコブ
●は主な分岐点


■この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得て同院発行の数値地図50000(地図画像)数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである(承認番号 平17総使、第98号)」


江南発:午前6時50分    晴/4℃
駐車地:午前8時00分    晴/1℃
標高差:(120m→516m)396m
往:3時間55分(P391m鉄塔まで、小休止含)
還:0時間55分(ランチタイム含まず)
所要時間:4時間50分


 寺尾ヶ原千本桜駐車場に車をデポして北へ2km走ります。珈琲館花の木前のスペースに置車。祠横が入口です。
(8:10)


 急勾配をジグザグ登れば、よぼし岩です。梯子で上がり、西に武芸川町谷口集落と柳島山を眺望して戻ります。
(8:20)


 車で600m北の小坂橋登山口へ。県道路肩に置車したら登山口へ行き、網扉を開閉して、登山道に入ります。
(8:45)


 道は、「NPO/自然、生活共生会」さんの整備のおかげで安心して歩けます。


 やがて「縄文岩→」案内板の先に眺望地。そこで高さ7mほどの重なり岩を見学します。尾根まで登り‥
(9:15)

「七つ岩→」案内板で左折すれば、すぐ高さ5mほどの立岩です。
『よい眺めじゃ』とTOP写真の眺望を鑑賞。岩上から下を見ると‥
(9:30)


 確かに大岩は、七つ数えられました。次は尾根を南へ辿ります。地形図には、権現山まで10箇所のコブ・コブ!


 二つ目のコブが、「花見台」。南に寺尾ヶ原千本桜並木、左に目指す権現山、右は汾陽寺山520mです。
(9:55)


 ここには、迷い込み防止にロープが張られています。踏まれた道を降り、次々と現れる大小のコブを越え‥


 左曲折(10:30)・右曲折(10:45)は、GPSで確認。391mピーク南の鉄塔で汾陽寺山を見て休憩します。
(11:20)


 鉄塔から1分、ぼやっとした箇所を右折ですが、明快な直進路へミス。中央の幹の2本テープを見逃しました。
(11:35)

倒木や少々のヤブはありますが、順調に尾根歩は続きます。おっと急登りもありまっせ。
このルートのレポは見つけられず、維持されているのが不思議です。


 登る途中、東に天王山538m。距離は、2km足らずと至近です。
(11:45)


 尾根歩きを飽きないよう岩場の仕掛けが施されています。

権現山は間近になりましたが、12時を過ぎ鉄塔№107で展望ランチします。

北方に左端:北山908m、中央奥:雪の滝波山1413m、中央手前:柳島山469m。
中央下は、よぼし岩登山口のある谷口集落です。
(12:30)~(13:00)


 鉄塔から権現山516mはひと登り。植林で展望なし、△点もなし。山名を表すように祠があります。来た道を戻り‥
(13:10)


 分岐を鋭角に左折します。途中、鉄塔№106に寄り、高賀三山を展望。さらに山腹道を降ると‥
(13:15)


 すぐ岩が埋まる右折点。ここは間違えませんでした。
(13:35)

ルートが山腹から尾根に変わると、黄色の縁取りが続きます。
初めて見ましたが気分が良い。これは何の木でしょう?

 平坦地に出て道をミス。以前歩いた道は、藪で廃道状態。正解は、平坦地最初の分岐で南の良い道に左折です。後はこの良い道を行けば‥

 寺尾ヶ原千本桜駐車場。デポした車に乗り、北へ約3km、小坂橋登山口の駐車地へ走ります。
(14:05)


東海岳行

  “恩返し” 

 秋田県の森吉山1454mは、自然が豊かで登山者に人気があり、人とキツネにまつわる伝説が数多く残されています。山の中腹の代々続く温泉旅館「杣の湯」には、近くまでキツネ・タヌキ・テン・鹿がやって来るそうです。

 宿の主人は、以前キツネに化かされたことがあります。
『14~15人でウサギ狩りをしていた。山を歩くうち仲間の声が聞こえなくなり、気がつくと独りになっていた。ふっと周囲を見ると自分が元いた場所に戻り、方向音痴になっていた』

   

 周りにキツネの足跡があり、
『昔からキツネに騙されるって言うけど、実際にあるんだな』と思ったそうです。更に主人は、15年前に不思議な体験をしました。『大晦日は、神様に御神酒などお供えをする行事があります。

 
元旦には、必ずそのお供えをご馳走になりに行くんです』 元旦の朝、友達と一緒に行くと‥『あれ? 御神酒が倒れ、お酒や煮干しが無いぞ。きっと神様が飲んだ。これはいいことがあるかもな』 家に帰るとみんなが大騒ぎしている

   

 『どうした?』『キツネが逃げないでいる』 お酒を飲んだ犯人はキツネだ。酔っ払って体を丸め完全にどうしようもないという感じです。人が近づいても逃げられない。
『お前、人のものを盗みやがって』(笑) 4~5時間して行くともういない。

 正月にご馳走をあげたのは、良かった良かったとみんな安心しました。まるで人間のようなキツネの振る舞いに愛着を持ちます。『不思議な力のある可愛い生き物だと思う』 昔話では恩返しをしてくれるのできっと良いことがあるでしょう。

   

 しかし主人は、
『未だに恩返しはないんですよ』(笑) 昔から、稲荷神社:キツネ熊野神社:ヤタガラスと神と共に動物がいました。琴線に響く動物との物語に出会うと意味がわからなくても理屈を越えて共感できるのは、日本人の特性ですね。

2021.12.19(日)17:25