岳行ノート
夜叉ケ池/福井県南越前町  標高1099m

2006.6.24(土)江南6時00分発 
       曇り後晴れ  21℃ 
登り:計2時間15分(小休止含)
降り:計1時間45分(小休止含)
 先週は、親戚の慶事で山行なし。今日は、雨の心配がない予報なので出掛けましょう。久々のひよこさんのため、楽なコースを考えます。

 夜叉ケ池へは、季節を変え3度行きました。いずれも岐阜側からで、一度は福井側から登りたい。それにもう一つの古池も見たいところです。

 今年は、7月2日(日)に例年より1月遅れで福井側の山開き。しかし「山あっとらんだむ」さんのレポで6月20日より入山可能になったことを知りました。

 教科書は、福井県自然環境保全調査研究会「夜叉ケ池 自然観察の手びき」です。
駐車場周辺図


県境から夜叉ケ池を望む


夜叉滝

トチノキ

夜叉ケ池

ランチ

最終地点



※色線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」

 




 愛知→岐阜→滋賀→で、やっと福井『思えば遠くへ来たものだ』

 北陸自動車道の杉津(スイヅ)PA展望台から敦賀湾を望み休憩しました。

 ETC2枚使いの半額割引でダメージを抑えます。(片道1800円)


 広野ダムに着きました。30年前に竣工し洪水軽減、工業水目的のダムです。

 今庄ICからダムまでは広い道ですが、ここから道は狭くなります。(IC→登山口駐車場:40分)
登山口には、もう15台ほど駐車中です。キレイなトイレも有ります。
川を覗くと『ギョッ!』岩に3匹の蛇がとぐろを巻いている。
気を締め、奥の鳥居を潜って出発します。(9:00)

「カツラの木」 幹廻り6.4m:樹高32m:樹齢400年






 すぐに圧倒的な緑の世界です。小虫がいなくて助かります。


 沢音が大きく響くと夜叉滝です。登山道から3段になっているのが見えます。
(9:30)

 道は、カーブして滝の右上に進み、上から滝を覗けました。『その写真、撮るの忘れた!』



 以前は丸太橋だったのが、流失し架け替えられました。この先2ケ所にも同じ橋があります。

 そして登山道も何箇所か修復されていました。今年の復元は、大変だったと思います。
すぐに「森の巨人たち100選」の案内板に到着。斜面を見上げると2本並んで『ぶっとい!』
写真の木は、右上の枝が折れています。手前に転がっているのがその枝です。
枝といっても普通の木より太い。この冬の豪雪が、耐えられなかったようです。(9:40)

100選/64「岩谷のトチノキ」 幹廻り6.4m樹高32m樹齢400年(写真は帰路に)




 大トチノキから道は、沢を離れます。そしてジグザグを切り、尾根を目指し高度を稼ぐ。

 久しぶりのひよこさんが、意外と軽快で私はアップアップしています。




 岐阜県側と同じような倒木関所です。この木も今年倒れたようではみ出た枝のカットが新しい。

ブナが大きい。広大な緑の領域。
ここの空気を吸うと肺から血液、脳みそまで緑色になりそうです。
ひょっとしたら明朝、起きるとモリアオガエルに変身してたりして‥

 『モリガの親分、お早うございます。緑のお衣装に紋様がイキですね』
 『お世辞はいいゲロ、わし昆虫定食たべたいゲロ。食後の温泉は?』
 『下呂!!』

 このモリアオガエル(ほぼ実物大)は、カメラを近づけても微動だにしません。




 根っこ頼りに急斜面を登ると‥。
「池まで500M」の道標に期待を抱きます。

 そして夜叉ケ池の劇的開放感。嬉しいことに青空になってきました。でも不思議に空いています。池は、75m径で周囲230m、深さ7.7mです。東岸の木には、モリアオガエルの泡塊が一杯ぶら下がっています。
(11:15)

 クリーム状で300〜800個の卵入りです。表面が乾燥し黄白色の紙のようになっています。1〜2週間でふ化し、雨で泡巣が解けると‥

 下では、イモリゲンゴロウが待ち構えています。落ちてきた赤ちゃんのオタマジャクシをパクパク食べる。(・_・;)
 池縁の県境に行き、西の崖を少し登ります。池が見える箇所で私たちもランチです。ポットのお湯で中華スープを作る。

 ここはコンロ禁止。食べた後の捨て汁が、池を汚すからです。
(11:30)〜(12:10)

 南斜面にニッコウキスゲ・ノアザミ・イブキノトラノオが、明るくリズミカルに咲いています。

<ハチもシュビシュビ夢中ランチ>左:イブキトラノオ 中:ノアザミ 右:サワフタギ(fukiさん感謝)
 夜叉ケ池山(夜叉丸)は、昨年登りました。今日は、あの東斜面を登り三周ケ岳を見にいきましょう。リュックはデポします。
 最初の岩頭から岐阜県側の谷を覗く。と、まだ残雪があります。岐阜の池ノ又谷林道は、通行止めだそうで誰一人登ってきません。

 『どおりで空いてるわけだ』

笹ヤブ道を進んで行きます。ひよこさんが、左手前のピークに立ったらハイチーズ。
左奥が三周ケ岳です。何年か前、藪に泣きながら頂上に辿り着きました。
本日は、ここまでとします。池に戻りましょう。
(12:30)
 木道も雪の重みで何本も折れています。張り替えた木の色でわかる。ひよこさんの右下は、ヤハズハンノキです。

(右拡大):葉の先端が凹んでいて矢の筈(羽)のようです。
 祠前にいた巡視員の方に尋ねました。『登山口案内板にあった古池はどこですか?』

 道を教えて頂きましたが、一般人は立入禁止です。ここから350m北東にあります。『行くほどではないですよ』

 今回の教科書の手引きに水を湛える古池の写真があります。夜叉ケ池と同じ年代にできたようです。でも、もう水はなくヨシの湿原とのこと。
 祠から先では木道建設中。スコップを鋏にしたような道具で杭穴を掘ります。私なら一日にひと穴がやっとでしょう。大変な作業だ。
(13:15)

帰り道、時々吹く風がさわやかで生き返ります。
ミズタビラコ(水田平子)も風に揺れる。(fukiさん感謝)
 このルートは、後半がなだらかな道でありがたい。川の涼しい水音を聞き、気分良く歩けます。

 福井側も岐阜側も自然豊かで見所も変化もあり、どちらも甲乙つけがたいいいコースです。岐阜から登って福井側に降りた人っているのかな?
(15:00)
 駐車場の石碑には‥
  花は人の目を誘ふ
  水は人の心を引く
  君も夜叉ケ池を見に来たと云ふ

      泉鏡花「夜叉ケ池」より

 帰路、スィーツが欲しくなり、グリコ「ももわり」をコンビニで買いました。

 もも果肉入りの新食感氷でプニプニ、今夏はこれで幸せになりましょう。
(昨年発売)





  夫婦50割引終了

 夫婦のどちらかが50歳以上なら、二人で2,000円で映画を見られます。でも6月末でこのキャンペーンは終了です。2年前に始まった頃は、サービス先行で中高年向きの作品が見当たりませんでした。
 「三丁目の夕日」がヒットし、中高年向けの映画が作られています。

 私たちもこのキャンペーンのお陰で映画館で感動を味わうようになりました。特に最近の見た作品は、ハズレがありません。映画館で受ける感動はレンタルビデオの比ではない。いい大人が泣くことは、普通の生活ではありえません。それだけでも映画のパワーはすごい。


「明日の記憶」渡辺謙主演で若年性アルツハイマーのお話です。重いテーマですが、構成が良くそれを感じさせません。病気が進行して夫婦喧嘩をする場面、カット割で見せて『え〜』と驚かせる結果の見せ方がうまい。最後まで私は泣かなかったけど隣の若い女性たちが泣いてました。

「嫌われ松子の一生」:中谷美紀主演でお笑い芸人が存在感のあるチョイ役で多数出ます。ポップな映像、スピーディな展開、出演者の強烈なキャラクター、話の面白さなど秀逸です。きっと日本アカデミー賞をたくさんとるでしょう。繰り返される主題歌が耳に残ります。最後に出演者たちが、歌い出す場面で何故か大泣きしました。ひよこさんが、映画館を出て一言『おもしろ〜い』

「ダビンチ・コード」トム・ハンクス主演でテーマのスケールに驚く。出だしで撃たれた人が、こった謎を残す。『死ぬ間際にそんな元気あるかいな?』という無茶苦茶な設定も忘れさせます。史実を組み合わせてよくこんな話しを創作したと感心。家康が平民出という秘密で押した「カムイ伝」を思い出しました。

 割引サービスが終わるのは残念ですが、レイトショウや毎月1日には、2000円で見られるから今後もなんとか大丈夫。