岳行ノート
巌立〜根尾の滝/岐阜県下呂市
2006.6.28(水)江南6時35分発 
     曇り時々晴れ  25℃ 
巌   立:周遊計35分(小休止含)
根尾の滝:往復2時間35分(小休止含、大休止除)

 梅雨時は、山の選択に悩みます。苦労して登っても展望もなく曇り景色では残念です。

 山頂は目的でなく、ひとつの目標と思います。では、以前行った「野麦峠」のように目標を他に決めましょう。

 「癒しの道」を見て今回は滝巡りにしました。単独です。

 教科書は、「癒しの道・南飛騨森林浴回廊21」(コース21)です。参考書は、教育出版文化協会「ぎふの名瀑名峡」にお世話になりました。
駐車場周辺図 START:巌立P



名瀑壮観!根尾の滝

巌立P
↓↑
行者橋



唐谷滝



滝P
↓↑
根尾滝

※黄線は車移動
※色線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」

 


 小学一年生の7月7日、学校で先生から織姫・彦星の話しを聞きました。

 夜、それを確かめたい。一人では怖いので母に頼みます。外に出ると隣のユキちゃんもお母さんといます。そのとき仰いだ天空は、星屑で満ち溢れていました。天の川は、苦しいほどの密度で輝く。‥名古屋市南区が素朴だった頃の話。

 あの星空は、今でも脳裏に焼きついています。豊かな視力は失ったけれど山頂なら乏しい眼でも見えそうです。もう一度、どこかの山で降るような満天の星を見てみたい。

駐車場は「がんだて公園」、目前に「巌立」がそそり立っています。
この大壁は、5万4千年前に御岳の火山活動で生み出されました。
15qも流れてきた溶岩です。六角柱状節理の大岸壁で高さ72m、幅120mもあります。

「御前山」の屏風岩も仲間でしょう。

※07年4月18日(水)岐阜新聞:がんだて公園で「滝開き」、テープカット・たる開き・太鼓演奏
 広い駐車場の案内板より下りました。川より「巌立」を間近で見上げることができます。スーパー迫力!でも溶岩が、なぜ垂直なのか遠い不思議?
(9:55)
 サワグルミの横、濁河(ニゴリゴ)川の美しい渓谷を進みます。
 やがて行く手が、険しい岸壁になれば鉄板の滝見遊歩道です。これなら降雪にも壊れない。でも建設時は、足場も悪く大変な労力だと思われました。

 赤い「滝見橋」より上流の「三ツ滝」が望めます。この橋より遊歩道は、岸を右に変えます。
(10:05)
 巌立峡の「三ツ滝」は、三段の滝が連続しています。滝壺が深そう。上段6m,中段11m,下段5m。(写真は中・下段)水量はたっぷり。

 こんな滝が、我が家の裏庭にあったら夜、町民は眠れない。‥三つの滝音が重なり豪快。

岩壁の根性アスナロ
 「行者橋」に着いたら左岸に渡り返します。
(10:20)

そして林道に出て10分も歩けば駐車場です。
(10:30)
 車に乗り林道を上流に走ります。5分かからず「唐谷滝・あかがねとよ」の入口です。手前に駐車地があります。二つの沢の合流点に降りればそれぞれの沢に‥
(10:50)
 岩間に品良く女性的な「あかがねとよの滝」です。これまた滝つぼは、綺麗なエメラルドグリーン。不思議なことに流れが消えて池の様です。


銅金樋の滝:樋を立てかけたような岩を流れ落ちています。その岩肌は、緑青色で銅のように見えるためこの滝名です。(落差14m)
 隣の別沢からゴーゴーと自己主張の滝音。岩壁が、柱状節理状で男性的な「唐谷滝」です。岩に囲まれて水音が響き、すざましい迫力。

 こんな滝が風呂場にあったら、風呂桶は1秒で満水、永年無料の水道代‥助かる。
(11:10)

◆から谷との合流点にあるのでこの滝名です。落差15m右側を見ると岩の間から「あかがねとよの滝」の水が染み出ています。
 また乗車して林道を進むと‥キジに似たヤマドリが歩きながら草をついばんでいました。

 10分ほどで根尾滝駐車場に到着です。トイレの前に案内図と注意書。滝まで往復2時間、適切な服装・靴、飲み物・食べ物の用意など要覚悟。
(11:40)

 林道を行くとすぐ遊歩道入り口です。ひのき林に入ります。

 植林地を抜けると斜面を一気に130mほど川まで降ります。帰りのことを思うと‥。
 でも廻りは荒々しい原生木が、高く太い。何の木なのか葉を写してもどれがこの木のものやら。 
 濁河川に架かる吊り橋を渡ります。軽量化のため床は、網で流れが素通しでまたよく揺れる。
(12:10)
 橋から一旦、川を離れ山腹道を辿ります。
 再び川に近づき中間地点「あまどり岩」の展望台です。やはり柱状節理状の岩壁で、下方に窪みがあります。そこに岩ツバメの営巣があり、10数羽単位で飛び出て来る。

 体長は15pほど。このときも無数に岩壁近くをすごい速さで跳んでいます。岩ツバメが写ってないのは予算のせいです。
(12:20)
 この巨木の道を過ぎれば、川に下りるのも近い。
 大岩の転がる川岸に出ました。滝姿が望めれば、鉄パイプの階段を上がります。











 名瀑「根尾の滝」

 落差65m,幅5m「日本の滝百選」で滝型は一文字落下です。

 滝の周りは、トップ写真のように柱状節理状の大岸壁。

 向う岸に渡れば、滝壺近くに行けます。今日は、水量が多いので止めました。
 




水煙が大暴れしています。適当な岩場に座り、ランチです。
(13:00)〜(13:35)

 こんな滝が風呂場にあったら、1秒で風呂場が壊れる‥いらない。
 帰り道、2mほど先の岩陰にいたヤマドリが私に驚き、大きな羽音を立てて飛び立ちました。谷斜面を滑翔してあっという間に消えます。

 アンタもビックリしたけどワシも毛穴が開きもうした。林道で逢ったヤマドリに似ていたような?
 揺れる吊り橋に着き、上流を省みます。「根尾の滝」から落ちてきた水が足下を流れる。

 さあ、川旅の締めに登りが待っているなあ〜。
(14:20)
 20分我慢して斜面を‥
 登り終え、植林下を行くと覚明行者が開山した「旧御岳登山道2合目」の標石です。昔は麓から御岳を目指したのだ。すごいなあ。

 “二合目 左ネオタキ”と刻まれています。

駐車場着(14:50)
おまけ(1)

 帰り、巌立駐車場を過ぎると林道の右に「牛の鼻づら」看板。穴の入口が2つあり、中でつながっている洞穴です。ここも柱状節理で出来ています。

おまけ(2)

 道の反対側にある「覚明水」。覚明行者が、1791年御岳登山道を飛騨小坂より開くときに発見。登頂の水場として瓢に満し、勇躍山頂を目指しました。





  
    赤沼田天保林                  

 滝巡りをした帰り途中「道の駅 南飛騨小坂はなもも」がありました。そこを過ぎて500m西進すると南へ鋭角に左折する道が「赤沼田天保林」への林道入口です。その林道を3qほどさらに南へ走りました。要所に案内板があり、迷わず到着できます。
 
 天保13年(1842年)ここ赤沼田村では、飛騨国代官所の植樹令により、村人が2年かけて4,079本もの植栽をしました。天保林は、この時代でただ一つ現存する植林場です。ヒノキの植林では、最古といわれています。国内でも例の少ない高齢級の造林地であり歴史的・学術的に価値が高く、赤沼田天保ヒノキ植物群落保護林です。

 遊歩道が整備されたばかりで道のチップも匂うほどの新しさです。森の巨人たち百選56「天保の大ヒノキ」ほか、数々の巨木に逢えました。20〜30分で周遊できます。
 
↑@赤沼田天保林入口        A木橋                 B甚四郎滝  落差10m
↑Cカツラ/幹周3.8m,樹高37m,樹齢〜299年
↑D天保の大ヒノキ(樹齢160年,樹高36m,幹周3.5m)↑
↑Eイヌザクラ Fスギ/幹周3.5m,樹高35m,樹齢〜300年 Gケヤキ 左/幹周2.3m,樹高36m