岳行ノート
天蓋山 1527m/岐阜県飛騨市

2006.8.18(金)江南6時00分発 
          晴れ   27℃ 
往路:2時間05分(小休止含)
復路:1時間30分(小休止含)

 『涼しくて低い山がいい』とひよこさんが、希望を述べても今は無理というもの。

 できるだけ緯度の高い方面の低山を探します。ガイドブック巻頭に未踏の「天蓋山」(テンガイザン)を見つけました。

 東隣の桑崎山側から頂上を見ると仏像の上にかざす天蓋に山容が似ているそうです。しかし天蓋そのものが何かわかりません。

 帰りに時間があったら「野麦峠」のみねさんのお墓がある旧河合村にも寄ってみたい。

 教科書は、山と渓谷社刊「新・分県ガイド 岐阜県の山」です。
駐車場周辺図


登山口付近の放牧場




雀平

天蓋山

水場




※色線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」

 



 豆腐の常識を覆すネーミング。「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」「男前豆腐」がスーパーで売っていました。「こどもびいる」もユニークだったけどスーパーでは販売されませんでした。こちらの販売量は、桁違いでしょう。

 これはスプーンですくって食べる柔らかいプリン風豆腐です。サーフボードのような形をした薄い容器に入ってます。醤油はいりません。298円で名前だけでなく味もオリジナリティがあります。

 「男前〜」の方は、容器が水切り用の2重底です。確かに水分を抜くと濃い味になります。「水を切った豆腐」→「水もしたたる豆腐」→「水もしたたるいい男」そして「男前豆腐」バンザイ!と言うわけです。

 ところで男前が、「男前豆腐」を食べると共食いになるのかな?
 さて、どうも遠出の感覚がマヒしてきたようです。3時間以上走り、山之村高原キャンプ場に着きました。バンガローでくつろぐ人達の横を抜け、最奥まで行きます。

 広いフリーサイトに車を止めさせていただき、炊事場を通って出発しました。
(9:40)
 すぐに高原ムード満点、白樺林に入ります。細身で色白‥まるでおしろいの様。沢音が涼感を演出してるけど気温は高めです。

しばらく、沢沿いを歩きます。
 谷も細くなり最後の水場です。ここからジグザグして尾根を目指します。
(10:10)
 オニヤンマが、やたらと飛び回る。日本最大のトンボで10cmほどの大きさです。緑の複眼と黄色の縞にインパクトがあります。

 『眼がグリーンピースみたい』とひよこさんに一刀両断されました。







 尾根からは、長い急登です。心臓が音を立てだしたらストップ。

 汗が滴り落ち、何度も給水休憩です。でも足場は、木の根階段で助かります。







 水場からこのミズナラの大木まで40分ほど一心不乱の登攀!!!

 それは、しゃがみこみ休憩も含んだ時間です。

 あ〜、まだ続く。
 青空が見え、正面に目印のヒメコマツ。待望の「雀平」1382m展望台です。左の切り開きに行くと‥
(11:05)
 黒部五郎岳、薬師岳、北ノ俣岳などの北アルプスが、望める‥そうです。が、本日は台風の影響か遠くの山には、雲がかかっています。
 山頂部が間近に見えてきました。
そこへは、まだ150mの高さが必要です。
 [あと30分ガンバレ]の励ましを受けます。突然、熊鈴を大きく鳴らした男女とすれ違いました。
ストックの先に急登が待っています。ブナも増えてきました。

写真を撮り終え、ひよこさんが一歩進むと悲鳴をあげて震える。
喉元が異様に膨らんだ大きな蛇が横切ったと言ってます。
『大きかった。1m以上あった!』
◆このとき、小学生時代に聞いたアメリカンジョークを思い出します。

嘘つきが言いました。
『昨日、山の中で長さ20m太さが1mもある大蛇を見た!』
『20mもある蛇なんかこの世にはいない。』
『そうだな、でも10mはあったはずだ!』

『この付近でそんな大きいなのは、聞いたことがない。』
『見間違えたとしても5mはあったはずだ!』
『今までそんな大きな蛇の目撃者がいないのは不自然過ぎる。』

『そうだな‥、でも確実に1mの長さはあったはずだ!』
『なんだって?すると長さ1m、太さが1mの丸蛇を見たのか?』





 さて頂上手前では、鞍部へのガッカリ降りがあります。

 そしてツルアジサイに巻きつかれた2本のブナの大木の出現です。

 門柱のように両脇に立ち、その間を抜けると‥







 ♪夏空と広い頂上

 日差しは、きついけど通る風が宝物です。

 蝶がその風に乗り、パートナーを選んでます。

そのため、どの蝶も落ち着きが無く、なかなか写真を撮らせてくれません。
種類も色々いたのですが、やっとのことでこの三枚。
左:ツマグロヒョウモン  中:キアゲハ  右:ツマグロヒョウモン(オス)
 シートを敷いてランチにしました。南方に朝通ってきた上宝村が見下ろせます。
(11:45)〜(12:45)

四周に展望はありますが、雲がかかり返す返すも残念です。
御岳、乗鞍岳、穂高、槍、立山、剱岳、大日岳を望む予定でした。
ゆっくり1時間休み、同じ道を戻ります。

帰り、道の花を探すのに精を出す。でも、ほとんどが盛期終了。

   左:白花ニガナ   中:ミシン目のような虫食い穴の笹   右:オトギリ草

休憩中、ひよこさんの汗ビショ登山パンツに蝶が止まります。
塩味が好みらしく、なかなか離れません。蝶名:イチモンジチョウ?
 駐車場に戻りました。なんとこのキャンプ場周辺では昔、金を採掘していたそうです。『それならその頃、来ればよかった。』
(14:15)

 この山は、キャンプ場の裏山なので道は、整備され危険箇所もありません。樹木の種類も多く10月末〜の紅葉は、きっと見ごたえがあると思います。

 時間があるので「専勝寺」に行きましょう。
 ニュートリノ観測のカミオカンデで有名な神岡町に入りました。林道を降りると不思議な湖。水が無く白い液状のものが広がる。地図で廃滓(サイ)推積場となってます。

 鉱山の選鉱後の処理場です。初めて眼にします。ちょっと不気味。そう言えばカミオカンデは、鉱山跡地の地中深くに作られたものでした。





  みねさんのお墓参り           付近の地図

 「野麦峠の館」の館長に教えていただいた政井みねさんのお墓に行ってきました。岐阜県旧河合村の小学校裏に「専勝寺」があります。そこの本堂裏に行くとすぐにわかりました。案内板に映画『ああ野麦峠』主人公と表示されています。明治21年2月3日出生、明治42年11月21日死亡(21才)です。

 みねさんを背負って帰った10才上の兄の辰次郎さんが、寄進した観音像がこのお墓の前にあります。みねさんの妹ふよさんも同じ糸引きで働きに行き、病気で帰省した後、同じ腹膜炎で亡くなられたそうです。現在、生家は残っていません。

 手を合わせてお寺から帰ります。白川郷方面は、通行止めです。高山経由で帰るしかありません。ここから30キロほどです。車ならあっというまですが、当時は大変な距離だったでしょう。
江南からここはとても遠いところですが、来て良かった。