26  “小さな幸せの日

 大雨が続き山の状態が心配です。昨夜、日曜日の天気予報を確かめるとどこも良くないので無理をしませんでした。朝起きると裏切りの日差し。でももう遅い。そこでまたまた「大道草」を作りました。よろしかったら読んでください。



1.始めは小学3年生
 子供のころ住んでいた集落は、新しく建てられた200軒の平屋建てです。一本道向こうは、地元の地主さんで全部2階建て、敷地も数百坪はあります。家から100mほど西に小学校3年生の同級生で伊藤恵子ちゃんがいました。ある日、彼女の誕生会をするため同級生が招かれたのです。

 私も光栄にも呼ばれヨレヨレの普段着で行くと、迎える彼女はよそいき服でお迎え。お母さんと二人で2階の12畳和室に案内されました。招かれた平屋組の男子、女子二人づつはガチガチで座布団の上。彼女は小柄でおかっぱのどんぐり眼。ガチャガチャ喋ることなく理知的なお姫様です。

 すぐお菓子が運ばれてきて一人づつ目の前に置かれる。皿に乗った柔らかそうな食べ物は見るからにおいしそう。『カステラよ、さあ召し上がれ』食べたことがない。箸とさじなら知っているが‥先っぽが何本かに割れてるものは使い方がわからない。恵子ちゃんの食べ方を真似する。飲み物もお茶色だけど砂糖を入れる不思議なもの。

 私はこの日から恵子ちゃんに憧れを抱きました。3年生のころは容姿や性格にはこだわりはありません。ただ別世界に住むお嬢様に憧れたのです。すると毎日学校へ行くのが楽しくなりました。恵子ちゃんを見つめるだけです。4年生になると彼女とは別の組になりました。それでは遠距離になるので、すぐ憧れは消えました。

 するとクラスにかわいい子がいたのです。今度はその子を憧れの君に決め、学校へ行く楽しみにします。それ以後、中学でも高校でもクラスの女子の誰かに憧れるようにして学校生活をバラ色に染めていたのです。告白するつもりは全くありません。学校生活に潤いを与えるためにしてるだけです。

 それは大学1年生まで続きましたが、2年生で工学部に移り、女子のいないクラスになりました。そのためその楽しみは、失われ忘れ去られたのです。



2.1ケ月に1日
 さて山を始めたころは、1年に数回しか登るだけでした。そのせいか登る前から高揚感がドンドン高まっていき、前夜はそれがピークに達し、興奮して寝付かれません。やがてそれを何回も経験してホームページを始めたわけです。慣れは恐ろしいもので毎週のように山へ行くようになると興奮するどころか冷静なものです。

 しかし、遠方山や未知のルートなどのときは、夜準備をしているとアドレナリンが噴出します。やはり寝られません。どうもそういったことは、期待感に比例するようです。当時、眠れぬままそんなことを考えているとあの伊藤恵子ちゃんのことを思い出しました。バラ色の日を自分で作っていたころを‥

 そこで私は、昨年からひよこさんと自分のために「小さな幸せの日」を作ることにしました。それは1ケ月に一回、特別なイベントを行うのです。それでその一日は、バラ色の人生になるというわけです。たとえば今年の「小さな幸せの日」の内容は‥(茶文字は道草でご紹介)

1月「渥美半島七低山のあと魚料理を食べる」2月「映画を見る」
3月「名古屋国際女子マラソンでQチャンを応援する」4月「ミュージカル・マンマミーアを観る」
5月「家族で食事会」、6月「孫の幼稚園七夕会に参加」
7月「地デジテレビを買う」、8月「綾小路きみまろのライブを見る」

 この後、9月から11月までは決まっています。決めた日から楽しみが始まり、当日まで楽しみが継続する。人生で大きな幸せはそんなに出合うことはありません。でも小さいものなら考えれば作られる。お金がかかるものもあるし、かからないものもあります。

 いつまで続くか分かりません。内容も変わってくるでしょう。さあこれからも小さな幸せのカケラを集めていきたい。



3.きみまろ爆笑スーパーライブ 

 では一番新しい8月の「小さな幸せの日」をご紹介します。7/5の道草「必死のチケット」「綾小路きみまろ 爆笑スーパーライブ」に行ってきました。当日、8/30(土)天気は本降りの日です。江南市民会館の収容キャパ1400人が満席。女性9割、平均年齢は‥う〜ん60歳以上?

 それはとにかく私たちは、やったねの最前列です。単独ライブといっても3時開演から4時半までの1時間半はきついなあと思っていました。司会者が出てきて挨拶と軽いギャグを放ち、前座の女性歌手の紹介です。『やっぱり』きみまろと縁もゆかりもないそうで4曲演歌を歌い20分でステージは終わりました。

 そのあとに軽快な音楽に乗り待ちに待ち登場。そして70分間喋りに喋り、館内はまさに笑いの鳴門の渦状態です。次から次へと飛び出すネタやギャグで涙が止まりません。1分以上笑わない時間がない。商売といえ、よく長時間の漫談を暗記していられるものです。

 新ネタは7割ほどでライブならではの下ネタも豊富。前列に陣取るネエ様方をイジルイジル。『‥その顔で』『‥その体で』 ネエ様方も負けていない。『かつら取って!』『取るくらいならつけてません』と彼もやり返す。彼は右へ左へと舞台を歩くので近いときは、眼の前2mくらいの所に来ます。唾も飛ぶ。

 そして最後の口上で締めにかかったとき、爺様が一人退場していきました。たぶんトイレが我慢できなかったのでしょう。彼は唖然とした顔で『‥一生あの人の顔を忘れません』とアドリブで場内を笑わかす。さすがだ。

 聖子ちゃんのコンサートは、2時間以上で出演者10名、大きな仕掛けセットで1万円、彼は90分で出演者3名、セットなし(舞台に小テーブルにイス、水、お絞りがあるだけ)5000円。コストからいえば彼の方が割がいいでしょう。 

 終わるとすぐ握手会をホールでします。第3弾のCD(30万枚も売れてエグザイルといい勝負だそうです)やDVDを購入した人が並べます。私は、1000円の携帯ストラップだけ買ったので対象外。でも本当によく笑ったのでお腹が空きました。

 3か月前から準備したこの「小さな幸せの日」は、こうしてあっという間に過ぎました。さあ次は9月の「小さな幸せの日」が来るまでその楽しみを増幅させましょう。それは2か月前、友人の奥さんから誘われた不思議空間への時間旅行です。きっと「道草」のネタになると思います。

 
2008.9.1(月)00.45