42 チェーンソーアート”

 私の黄金の左足が「こむら返り」を起こしフクロハギを痛めてから2週間経ちました。軸足が定まらないのは、私の人生模様と一緒。年輪を充分重ねているので古木が朽ち果てるように身体のあちこちが弱って来ます。でも私は山を愛する登山マニアなのできっと山の神様が『小休止!』のお告げを下さったのでしょう。

 歩く時の痛みは殆どなくなりましたが、筋肉の中にしこりが残っていますのでそれが無くなるまでは辛抱です。連続の岳行ノートなしで訪問いただいた方には心苦しいですが、お許し下さい。最新ネタで大道草を作りました。よろしかったらご覧ください。
 


 5月29日(土)愛知県北設楽郡東栄町で開催された「チェーンソーアート世界大会2010」にひよこさんと行ってきました。

 チェーンソーアートは、チェーンソーカービングとも呼ばれ、主に丸太をチェーンソーで彫刻(カービング)し、北米・欧州や日本で盛んです。

 チェーンソーは動力式ノコギリでホラー映画のジェイソンでご存知ですね。大会は東栄町の西暦2000年記念イベントとして始まりました。(東栄ドーム会場:右地図)



 今年で10回目ですが世界大会としては今回で2回目になります。5月29日・30日の2日間。初日は2時間で作品を作る「クイックカービング」、2日目が休憩を挟み3時間半で作る「メインカービング」競技です。参加者は22000円の参加費を払い、材料・宿泊費・食事の提供を受けます。






 以前、東栄町には登りがいのある明神山1016mで訪れました。会場に着くと木彫りの熊さんが歓迎してくれます。
 開会式の後「クイックカービング」が12時30分の開始です。『バン・バ・バ・バ・バォ〜ン‥』

 山間にけたたましいエンジン音が轟きました。カウントダウンがされ『スタート!』の合図が出ると‥

 選手全員がチェーンソーを丸太に当て、おがくずのシャワーを舞い上げます。見学者に容赦なく降りかかりました。

 左の選手の制作過程を追ってみます。



 競技場はABCDのブロックに分けられ、選手は米国、カナダ、ドイツからの参加も含め72名です。

 木屑が飛び跳ね見学者に当たらないよう網で囲われています。72台のエンジン音は、すざましく話もできません。

 作品の制作過程を見ましょう。

 おがくずシャワーの写真に写っていた山形県の菊池さんは3回目の参加です。過去に上位入賞した達人とのこと。(左)丸太が切り刻まれ動物らしき姿が現れました。(中)それはフクロウと分かります。↓(下)羽根を丁寧に彫り込む。(右もう1羽が下に浮かんできました。焦げ目が表面に付くとリアル感が出ます。


 こうして選手は2時間通しで一心不乱にカービングをします。作品の形がスピーディに出来上がっていくので面白い。またプロのMCによるマイクパフォマンスも楽しく『これは何だ!』『すごい、すごい、すご過ぎる!』と場内をあおります。ファッションは安全第一で安全靴、眼と耳にプロテクター、安全ズボンを着用していました。

 5kgの重量を手で支え操作するスポーツ競技のような面もあります。轟音に囲まれ結構派手目なライブ・エンターテイメントです。基本的に丸太に下書きはせずイメージだけで削り、作品は作者の創造力が現れます。上級者のスピードやテクニックも見ごたえがありました。



 チェーンソーカーバーの皆さんをご紹介します。

カナダのポールさん(歴5年)奥さんが見守る。 兵庫県の女子ホワさん(歴5年) カナダのジェイコブ君(歴3年)は最年少の16歳。ポールさんの息子さん。


(左)材料の杉の丸太は直径40cm、長さ1m20cmほどです。数台のチェーンソーとコンプレーサーが彫刻道具。(右)ゴジラは作者の売り物です。気になるお値段は、、、、『何!』100,000円也。



 作品を紹介します。

(左)丸太を削りに削った     (中)ダイナミックなフォルムの  (右)焦げ目を付け鹿らしい


(左)立派な冠羽のカワセミ  (中)ペイントブラック!リアルなはベンチの柱  (右)自画像?このセンス日本人は無理





 お〜マイケル・ジャクソンの特許ダンス、45度傾く「ゼロ・グラヴィティ」です。新聞社のカメラマンが撮影しています。

 でも翌日の朝刊に乗ったのは大フクロウと上の写真にもあるでした。

 14時半、終了の合図が出ると広い競技場は静かになり、鼓膜は大きな振動から開放されます。選手はおがくず、切りくずを片付け、作品をドーム前に並べました。


 15時からは、競技場グランド隣のドーム会場で作品をオークションします。材料の丸太は原価2000円です。

 落とされたお金は募金され選手は貰えません。明日の「メインカービング」の場合は50%が選手、残りは運営費です。

 お値段は、2千円〜1万円が中心価格帯。さすが山形県菊池さんの2匹のフクロウは28,000円でした。

 行きも帰りも足助町は、5/8〜6/6芝桜祭り開催中の茶臼山への見物客の車で混んでいます。私達は未見ですが来年さらに10万本増やし40万本で植栽が完了されるようでその時行ってみようかな。

 今日は東栄町の会場まで3時間以上かかったけど、もう少し近かったら2日間連続で大会を見たかった。オークションで5作品を落とした方が見えます。狭い我が家には置けないし運ぶのが重くて大変なので小さな作品なら競り落としてもいいと思いました。彫刻は一生もの。
2010.05.31(月)00.:15