岳行ノート

茶臼山/長野県売木村  標高1415m

2005.8.20(土)江南6時45分発 
           曇り 27℃ 
登り:計55分(小休止含)
降り:計1時間15分(小休止・カエル館見学含)
森周回:1時間25分
 また今週末も天候は不安定です。一日中曇り予報ですが、愛知県の最高峰で避暑気分を味わおうと思いました。ひよこさんが、2ケ月振りの山遊びなので優しいコースを選びます。ガイドブックが「あてび平・小鳥の森」の周遊道をミックスしてあるのが嬉しい。ところが行ってみて驚きました。スキー場キャンプ場など高原の開発地「茶臼山」のイメージとは正反対です。北・東側には原生林が豊かに広がっていました。今年最高の大ホームラン!!

 ガイドブックは、山と渓谷社「名古屋周辺の山200ベストコース」です。
 ※キノコ・蝶は三男山男さんより 花名不明多く陳謝


随所にせせらぎを見せるあてび平・小鳥の森
 




小鳥茶屋

茶臼山

カエル館

小鳥茶屋

小鳥の森周回

小鳥茶屋



※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」
 『ただいま』『おかえりなさ~い』幼稚園の娘が、飛びつくので抱き上げる。『 おとうさん、いいことしようか』それは、“かくれんぼ”か“お店ごっこ”  『ご飯食べてからしよう』『うん!』
 ちゃぶ台の横には、準備万端で玩具のレジや野菜など が並んでいる。夕刊やテレビも見たいけど、急いで食べなくては‥『さあ、遊ぼうか』娘の顔が輝く。 昔々の我家の光景。

  そして昨夜。『ただ今』『お帰りなさい。明日の山のお昼用意したから、ソ ーセージをボイルして玉子を‥』行く気満々のひよこさんがそこにいる。

  いつも私を待っていてくれる家庭がある。何でもない光景‥ずっと続いて欲しい小さな幸せ。

 そんなわけで昨夜は、興奮して眠れなかったひよこさんを隣に岐阜の道を走ります。

 県道
33号線の小里川(オリガワ)ダムに来ると突然、巨大な水車が現れました。道の駅「おばあちゃん市・山岡」にある24m径の木造水車です。日本一を誇っていますが、帰りに寄ってみます。

 

 岐阜から愛知を横切り長野の売木村に着きました。村営の小鳥茶屋の前に駐車します。 
 空は曇っていますが雨の心配はなさそうです。気温22度でとても涼しい。ひよこさんは空身で出発です。
(9:40)


 車道を100mほど上がると右に森へ入る狭い車道に出会います。

 そこを入ると左手にこの「茶臼山」一帯の案内板が立つ自然観察路の入口があり、ここから山頂を目指します。

(9:45)

 いきなり深い緑に包まれました。ひんやりとした空気、笹と高木の森です。木道が丁寧に設置されていて気持ちよく歩けます。

 『わしが森の主だ』と言わんばかりの巨木が、次々と登山道脇に出現します。この木も全身を苔に覆われ、千手観音のように枝を広げています。


左:シロバナゲンノショウコ(白花現の証拠)  中:?  右:ツリフネソウ(釣舟草) 

森は上を見ても下を見ても緑に溢れています。シダも伸び伸びと育っている。
心地があまりによく、嬉しくなって笑えてきます。

 やがて車道のガードレールが右手に見えてきます。高原センターの裏を通り、車道を横切りました。写真の建物はトイレでそこで大事な用を済ませ、その裏の登山道を進みます。

 この場所には「カエル館」がありますが、帰りに寄ってみましょう。
(10:00)

 再び森に入りますが、こんどはブナの巨木が待っています。足元は石畳です。変化に富んでいて飽きません。
 

 すぐに先ほどの車道を再び横切ると登山道の斜度がきつくなります。
(10:10)


足元は岩の階段道、巨岩コースです。

「雷岩」の分岐点まで来たら右の東側登山ルートを進みます。少し根性を出せば、この岩に登ることが出来ます。
 でも曇っていてそこからの遠望は望めないので中高年は無駄なことしません。
(10:25)

 急坂の階段を上り詰めると鉄製の展望台が建っています。
(10:30)


「丸山」と牧場方面

北を見ると右から雲が迫ってきました。

左:キンミズヒキ(金水引)いきっこさんより  中:ヤマトウバナ  右:キツリフネ(黄釣舟)

 鉄塔を降りて少し上ると頂上三角点に到達します。木製展望テラスが、見渡す限りの乳白色の海に浮かんでいるだけ。

 まだ雨は大丈夫ですが、長居は無用でチョコチョコと写真を取り帰還します。

(
10:35)

 来た道を戻り「カエル館」に着きました。ここの売りは「ワンワン」と鳴く「イヌガエル」です。
 見てみたいので中に入るといきなり一人
400円を請求されます。『高いんじゃないの』と中高年は心で叫ぶだけです。でも色々なカエルがいて一見の価値はあります。
(10:10)

10時~16時営業、月曜休館(夏休みは14時まで開館)・冬期休館

ワンワン鳴く“イヌガエル”

天然記念物“モリアオガエル”
左:クロヒカゲ(黒日陰蝶)  中:メマツヨイグサ(雌待宵草)  右:ジャノメチョウ(蛇の目蝶)

 小鳥茶屋に帰りここにあるベンチでランチとします。お湯は持ってきたけどスープの素を忘れたのでさゆスープです。少し寂しい。
 そこに追い討ちを掛けるように雨が降ってきました。茶屋に入りホットコーヒーを注文して中で食べます。美味しいコーヒーが
350円で飲めました。
 店主にいろいろなお話を聞き、雨が止むまで宿泊棟で待ちます。
 1泊
800円で台所や6畳の和室・15畳の大部屋があり、毛布はありますが寝袋を持ってきたほうがよさそうです。
(11:50)(12:50)

 ここは名のとおりオオルリ・コマドリ・キビタキなど多くの鳥を観察できます。また植生も針葉樹・広葉樹と豊かで、当然ザゼンソウ・水芭蕉・山桜・ギンリョウソウなどが咲く花の秘宝館です。

 茶屋に写真が、沢山掲げてありました。紅葉もすごいそうでいいところを見つけたと二人で喜びあいます。

 雨が止み防水ヤッケを着て「小鳥の森」に入ります。 

30m級の木々の間から木漏れ日が差し込みました。

左:アンズタケ(杏茸)の老菌 アンズの臭い・食用  中:オイコベニタケ  右:ヤマイグチ?

 切り株も年季が入っています。

 また雨が降ってきました。でも雨粒は広大な森の葉々が傘になり落ちてきません。
 せせらぎがいつもそばにあり涼しく、汗をかかないので休憩もほとんど取りません。湿地のミズゴケも見事です。


左:ヘビキノコモドキ(蛇茸擬)毒  中:チシオハツ不食(ナイナイの矢部が番組で食べあたった)  右:『この森は、キノコの秘法館です。』『この白いの載せるの?危ないんじゃない』『想像は勝手ですが茸です。』タケリタケ(猛茸)不食

左:フクロツルタケ(袋鶴茸)猛毒  中:ノイチゴ  右:チチタケ(乳茸)食用

 適度にアップダウンはありますが、息が切れるような箇所はありません。
 
 ここを登ると素晴らしかった原生林の散策も終わりです。晴れていたら色のきれいな写真が取れたはずですが残念です。

 管理舎の横にひょこっと出ると丁度、叩き付けるような本降りが始まりました。『ラッキー!』
(14:15)

 帰路、小戸名から水蒸気が沸き立つ「茶臼山」を見ることが出来ました。

 『愛知県の人は、県が宣伝しないからこの山に素晴らしい原生林が広がっていることを知らない』と店主が言っていました。

 それは原生林が、長野県側にあるからでしょう。でもそれが開発を逃れ、癒しの空間として残ったのは何よりです。

 帰路、岐阜県の小里川ダムに来ました。ダムの堤体近くに車を止めます。巨大なコンクリートの塊で下を覗くと怖い。

 幅
331mの中央まで歩くとエレベーターがあり、高さ114mの中段と下段まで降りられます。無料で9時~16時半(月曜休み)に乗ることが出来ます。

 小腹が空いたので、すぐ上にある水車の道の駅に行き、二人で思い出を食べよう。


  長距離の高速道路を割引料金で

 長距離を高速道路で走り割引料金で行くには、何枚かのETCカードを用意し、何回かインターチェンジを降乗します。それでは、お話させていただきます。

 高速道路を50%割引(サービス名:通勤割引)で走るのは、ETCカード利用者には常識です。ただ次のような条件があります

(1)ETC車載器とカードの利用  ()午前6時~9時の間に料金所を通過  (3)午後5時~8時の間に料金所を通過  (4)午前・午後それぞれ1回のみ  51100km以内

 さて名古屋から東京まで走ると325kmあるので51100km以内の条件に外れ、50%割引となりません。そこで夫婦二人で、2枚づつETCカードを持ちます。カード会社では、喜んで無料で作ってくれます。そして(4)の条件をクリアするため、次ののように走ってください。a)4650円で走られます。
 
定価料金との差は2450円、往復で4900もお得です。

IC名 浜松 清水 秦野中井 東京 高速料金計
IC間の距離:名古屋から 95.5km 82.2km 97.7km 50.1km 325.5km
)ETCカード4枚の高速料金
1300円 割1150円 割1350円 割850円
a)4650円
)ETCカード1枚の高速料金 1300円 5350円 b)6850円
)ETCカード未使用
7100円 c)7100円

:ちなみにETCカードが、1枚だとのように浜松ICで降乗しますがb)の6850円となり片道250円、往復で500円お得です。

:またETCカードがあっても面倒で名古屋から東京まで突き進むとc)7100円の定価どおりです。

 自営業をしている友人に教えてもらいました。JHにも確かめたところ問題ないとのこと。賢い人はいるものです。