岳行ノート

池山/駒ヶ根市  標高1773m
2005.9.17(土)江南6時30分発 
           り 23℃ 
登り:計1時間55分(小休止含)
降り:計2時間10分(小休止含)
 晩夏に信州へ行きたくなりました。長野県に遠征しても高額ガソリンは、ETCの高速半額でカバーできる。3連休の今週末は、やっと天気当たりが良よさそうです。展望がよく、見所豊富な「池山」に決めました。お初です。

 ガイドブックは、山と渓谷社「名古屋周辺の山200ベストコース」です。参考書は、「信州山歩き地図」さんのお世話になりました。

唐松・白樺のプロムナード(散歩道)
 






籠ケ沢岩窟

野性動物
観察棟

池山

新池山小屋

鷹打場跡



※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」

連休初日、駒ケ岳SAは行楽客で満車です。
 小学校の鈴木先生に『約束は守りなさい』と教えられた。今でもそれは、私の中に生きている。

 20年ほど前、式場で始めて会った牧師に『汝は生涯かけて愛し、幸せにしますか?』と聞かれ『Yes,I Do』と答えた。

 私は、その約束を守るため日夜、努めなくてはならない。そして今日もひよこさんの幸せのため中央道をひた走る。

 あの時、若さの勢いでああ言ってしまったが、生涯保険を掛捨て保険に切替えて欲しい‥。
 
 駒ケ岳ICを降りて右折し、バス停を見ると目が点。風呂屋でもこんな標示はない。『ふ~む。そうか入口は、ここだったのか知らなかった。』長年の謎は解けたけど、今頃判明しても‥。

 ここでウロウロしているわけにはいけない、山の入口へ向かいます。

※昔、寺院の僧侶がここで女性と密会していたとか(中京TV/07.10.11:秘密のケンミンショー)
 しかし、晴れの予報はどうしたのでしょう。山は雲を被っています。午後までに回復期待です。

 複雑な別荘地の道もカーナビで楽です。
 林道古城線のヘアピンカーブあたりに車を止めました。温度は19℃!さすが駒ヶ根高原。

 まだ林道は続いています。でも歩く時間が、物足りなくなるのでここより出発しました。
(9:50)1215m

踏み込むと登山道は、豊かな森に包まれいい雰囲気です。
 小広場には、三本木地蔵と遭難碑が祀られています。
(10:00)1275m
 ひょっこりと林道終点に出ました。東京・北陸など全国区ナンバー車が17台です。この写真の右方向にあるトイレの後に旧登山道が続きます。

 私たちは、駐車場を奥まで進み池山自然遊歩道に向かいました。
(10:15)1365m
 その入口標識には『標高1365m 空木岳 南駒ケ岳登山道 鷹打場40分』と表示されています。 

幅広い道は、ゆるい登りで快適です。
子供連れでも安心ハイキングでしょう。
森の霊気を感じたのか、ちょっとした病気なら治ると思わせます。
 「籠ケ沢岩窟」(コモリガサワ)の分岐標で谷方向に降ります。
(10:40)1390m

 笹を分け狭い道を進んでいくと沢音が聞こえてきました。紅葉期には、もみじが映えるでしょう。
 5分ほどで岩窟に到着しました。

 説明板には『この岩窟は光前寺の開山本聖上人が平安時代のはじめ東風巡錫の途中、この岩窟にこもって修業をしたと言われている。』と書かれています。

 下登山、その「光前寺」に行きましょう。

 先ほどの分岐に戻り、更に遊歩道を登っていきます。
 昔、鷹打ちをしたと伝わる「鷹打場」の十字路に着きました。
(10:55)1510m
 「野生動物自然観察棟」へ寄り道します。裏のテラスから市街地が見えるはずですが、曇りなのでダメです。

 鍵はかかってなく、綺麗なフローリングのワンルームですが、トイレもありません。そして誰も観察はしていません。
 先ほどの十字路に戻り、尾根道から頂上へ向かいます。
(11:00)

 広い遊歩道から一転、笹が覆う登りとなり汗をかきました。
 枯れ木にキノコとドングリのような変わったものが付いています。手で簡単に取れました。世界不思議発見!

ツリガネタケ(薬) 

右:モリノカクレバタケ(食)
※以下、茶文字は三男山男さん

左:ノリクラアザミの葉は、よほど美味しいらしい。  中:ヤマハハコ  右:ダケカンバの樹皮がとても美しい。私がダケカンバなら結婚してもいい。 

 とうとう雲は取れませんでした。「池山」山頂は小広く、ランチにします。
ひよこさんがポットの湯量を勘違いし、1.5人分しかありません。
私が先に食べ、残った汁をひよこさんのに付け足しました。
仲のよろしいことです。
(11:45)~(12:50)

『ブーン』という音が時々聞こえます。蜂の羽音ではないし人工的です。
雲が少し取れたとき双眼鏡を覗くと駒ケ岳ロープウェイの千畳敷駅が見えました。
音はロープウェイのものだったのです。

頂上は、昆虫天国で写真を撮って遊びます。

左:アキアカネが沢山飛んでました。  中:メタカラコウ  右:ゴイシシジミ(鄙家さん)足の先が黒い


遠望写真が不能でしたので頂上の眺望図でご想像ください。
遠慮のないアキアカネ君のご無礼をお許し願います。特に「北岳」「間ノ岳」は、ごめんなさい。


左:ナキイナゴ   中:ミドリヒョウモン(緑豹紋蝶)後翅の傷みが痛々しい  右:キリギリス

ここはキノコ天国でもあります。今日の一番好きな写真です。
できるならこのキノコを養子にしたいぐらいかわいい。
チョコにナッツをまぶしたようで思わずペロリとしたいけど‥。テングタケ(毒)

左:傘が粉吹くカバイロコナテングタケ  中:ドクツルタケ(猛毒菌の三羽ガラス) 右:アイシメジ(食)
 頂上尾根を降っていくと明るい草地に出ました。枯れたヤナギランが赤く見えます。この右手に広い窪地があり「池山」の由来となった池跡らしい。

 上方の影地で何人か休憩中です。
 丸太を刳り貫いた水場です。豊かな水量でビールやスイカも冷やせます。ひよこさん『おいひ~い』
(13:10)

 「空木岳」方面からどんどん登山者が、降りてきて休憩します。当然「池山」は1773mでも格下です。お気楽ハイキング者には肩身が狭い。

 ところで「空木岳」は「そらきだけ」じゃなく「うつぎだけ」ですね。恥をかくところでした。
 早々に水場から離れ、奥に見えた池山避難小屋に向かいます。しゃれたロッジ風デザインで太陽光発電の設備を持ち近代的です。が、外の水場は枯れていました。

 綺麗な室内に入るとこの山に咲く花々を季節ごとに分けた写真が張ってあります。「池山」は花山だったのです。ここは、中にトイレもあります。
(13:20)
 帰路、遊歩道を降っているとあちこちのカラマツに水害後のゴミのようなものがぶら下がっています。
何でしょうか?世界不思議発見2!

左:センジュガンピ(千手岩菲)        中:ゴマナ       右:ベニナギナタダケ(食用)

帰る頃になってようやく日が照ってきました。
ひよこさんに『今から景色を見に頂上に戻ろうか』と言うと『行ってもいいよ』と切り返されました。
行く分けない。
 写真を撮っている間にひよこさんが、先に進み姿が見えなくなりました。追いつくため旧道で遊歩道をショートカットします。すると展望地に出て稲穂が色づく市街地が望めました。

 林道終点の駐車場に降り、ひよこさんを待ちます。なかなか来ないので痺れを切らし、迎えにいく羽目になりました。
(14:45)


 そこから山道を駐車地点まで戻ると16500歩、今日は丁度いい具合です。
(15:00)
 空が晴れたので「木曽駒ケ岳」を見ようと車で「駒ケ池」に行ってみます。しかし、肝心なところは見せてくれません。やっぱり今回も天気当たりは悪かった。次回に期待!

宝積山「光前寺」見学   

 駒ヶ根市の「光前寺」は、約6.7Haの広大な敷地に杉の大木が うっそうと繁ってます。開基時代は、なんと860年(1145年前)です。庭園を含め寺全体が、国の名勝庭園の指定されています。門前の駐車場に大型観光バスが、5台ほど停車していて大変な人出です。そのとき土産物店は、女性兵士達の戦場になりました。
 




 仁王門より参道を見ます。両脇の石垣の間に光苔が自生していて緑色の光を放っていました。

 本堂は1851年に再建されたとのこと。しだれ桜と紅葉が有名です。500円の有料名勝庭園は、ひよこさんに簡単に却下されました。

 1000年杉でしょうか1.5m径ほどの巨木が境内に何本もそびえています。寄り道だけど充実×2人。

 こうしてひよこさんは、今日も幸せだったのです。誰のおかげか気づいているのでしょうか。つづく