富士見台〜神坂山 1739m・1684m/長野県阿智村 |
---|
|
|||
花風にそよぐ駒つなぎの桜(神坂神社手前) |
|||
珍しく一年前から行くことを決めていました。リンクいただいているASAKOさんの昨年のレポを拝見し、とても楽しそうなのでその夢を小さな胸に抱いていたのです。 新聞に高原山開きの広告が載りました。ちょうど麓の「花桃の里」も見ごろを迎えているようでこれも楽しみです。 富士見台には、いずれも神坂峠から3度登っています。今回は、長野県側の神坂神社を登山口としました。単独です。 教科書は、風媒社刊「岐阜の山旅100コース美濃下」です。 |
駐車場周辺図 |
神坂神社P ↓ 崩壊地 ↓ 萬岳荘 ↓ 神坂小屋 ↓ 富士見台 ↓ 神坂小屋 ↓ 神坂山 ↓ 萬岳荘 ↓ 崩壊地 ↓ 東山道 ↓ 神坂神社P ※色線は実測ではありません。 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
2007.5.1.00:35
“萌えいずる春”。車窓から見る園原の里は、美しい風景画のようです。
神坂神社に着くと既に20台近くの全国ナンバー車。
階段を上ると社殿横、巨大な日本杉に驚きます。フレームに入りきりません。
神社の左脇が登山道です。
(8:40)
すぐ地道の林道に上がりました。正面道標の指す古代東山道に向かわず右へ降ります。
50mも行けば、斜面に切られた新道登山口です。最初は植林の中を登ります。
やがて緩やかな尾根道になり、一息入れました。
白いシラカバ、黒いカラマツ、緑のササ、茶の落ち葉。
これが、伝説の“大須ういろ道”? ♪白・黒・抹茶・あがりコーヒー・柚子・桜
1471mピークを降ると古代東山道との合流点に着きます。
左へ東山道を少し歩くと崩壊地、恵那山、神坂峠を走る車が見えました。
(9:50)
池の平の道標から10分ほどでこの湿地です。“春走る沢”を一跨ぎ。
ほぼ道は馬車も通れるほどの広い道です。突然、さびた鉄柵に囲まれます。
S56年肉牛繁殖施設の名残の牛集牧柵でした。
(10:30)登山道両脇にバイカオウレン(梅花黄連)の群生があります。
森の妖精と呼ばれ1.5cmと小柄で清楚。装飾的な色彩も魅力的で恋に落ちました。
私がハナカミ王子ならバイカオウレンさんと是非交際したい。
そういえば、ひよこさんもこの花に似ている所がある。小柄な所だけ‥
まだタップリと残雪がある恵那山が近くに見えてきました。手前のピークは、神坂峠からのルートと思われます。直角に右に折れ恵那山を目指す‥すごく距離がありそうだ。
いい匂いがしてきたら萬岳荘です。山開きで振る舞われる肉串・豚汁などを準備しています。
私のリュックにはおにぎり2つだけですが、豪華なランチが楽しみです。
(10:45)
青い宇宙、緑の笹海、風光る高原にUVビームの雨嵐
レンジャーの方に『古代の道は、海沿いの東海道(トウカイドウ)、中を行く中仙道(ナカセンドウ)、そしてこの東山道(トウサンドウ)が神坂峠を越えている。』と教えてもらいました。
ヒガシヤマミチと読んでいた!
やがてトイレのある神坂小屋です。列を成す観光客の多さに圧倒されます。
ここで係りの人に『先着300名分の引換券は終了しました』『ホゲェ〜!』
食糧事情が一変しました。
(11:10)
『わしゃ、7年間毎年山開きに来ているが、今日が一番え〜天気だ』の声が後ろから聞こえます。
富士見台頂上で中津川市街、御岳山、乗鞍岳、北・中央・南アルプスと四望を心行くまで遠見しました。
(11:20)
孤高の御岳山は、その高度を誇らしげに雪をしっかりまとっています。
そういえば富士見台直下を貫通するのに“恵那山トンネル”と呼ぶのは、
千葉にあるのに“東京ディズニーランド”と言うのと同じかな?
戻って行くと神坂小屋近くでは、山開きの神事が始まったようです。
人中(ヒトナカ)では神主さんの姿も見えず安全祈願の声だけ聞こえます。
しばらくして後ろに続く神坂山への笹分けの道を辿りました。
(11:45)
ぽ〜ん■■■■ 臨時ニュースです。
丁度、同時刻にリンクいただいている白影さんとASAKOさんファミリーが、神事後の餅投げに待機をされていました。結果は0個対20個とシビア、詳細は各HPをご訪問ください。
想像より笹藪は、切り開かれています。
ショウジョウバカマ(猩々袴)の少女が、あちこちで大人になる日を待っている。
ときどき笹が深くなりますが、ネバーマインド。子供でも歩いています。
カラマツの幹や枝が、強風で偏っているのは冬の厳しさの証。
ピークに大岩の岩田石が見えたら回り込み神坂山(ミサカヤマ)山頂です。カミサカと読んでいた!
眺望は富士見台には勝てません。が彼の地に無い三角点があります。
登山者も極端に少なく登頂の満足感に浸り質素なランチです。おにぎり2個のみ。
(12:05)〜(12:20)
山頂から見る南アルプスは、白い波線のようです。
要注意!旧牧場の錆びた有刺鉄線が、頂上や登山道の笹に隠れています。
鉄杭周辺が注意ゾーン。私も危うく破傷風になるところでした。
午後風の中、富士見台の山容を違った角度で見ながら戻ります。神坂小屋までは、少し我慢の登りです。その後は降るだけ。
※「仲よし中年夫婦のホームページ」さんが、2009年11月3日神坂山から萬岳荘への近道を歩かれました。
萬岳荘に着いて物欲しげに探りを入れても何もいただけなさそう‥。
でもこのホルンは聴きたかったのです。コンサートに間に合い良かった。
(12:55)
往きと同じ道を崩壊地まで歩きます。
谷まで150mの高度があり、工事は命がけです。 ここより分岐を右へ古代東山道で降ります。
(13:50)
こちらの道は、山腹道です。途中、崩壊した箇所には木橋がかかっていました。
やがて自然林から檜林に変わり、車止めされた林道に出ます。
ここから神坂神社まで2kmを園原川の流れを聞きながらウォーキング。
(14:25)
30分で駐車場に着き、着替えたら花桃を見に行きましょう。
(14:55)
そして月川温泉の「花桃の里」に寄りました。ゴールデンウィークが見ごろで村おこしとしても優れたものです。花桃に彩られた里を観光客がそぞろ歩いています。5月6日まで「はなももまつり」開催中。数々の春の写真をお土産にナビを自宅にセット。。。。。
金華山の挨拶
『いい山があったら教えてもらえませんか?』知人から尋ねられました。
休日、子供達にどこかへ連れて行ってくれと言われたそうです。6年生と3年生の男のお子さんがみえます。彼は海道楽の趣味なので山は知りません。私が山道楽しているので尋ねてきたのです。
で条件は@家族は、一度も登山したことが無い。Aコンクリートの遊歩道は、いやで登山道を歩きたい。の二つを言われました。ではと住まいから近く短時間で登れ、登山の雰囲気が楽しめる山を選んであげました。金華山です。岩戸公園の無料駐車場を利用し、コースは東坂登山道を推薦したのです。
しばらくして彼から『金華山に行ってきましたよ。公園から何処で右に回るかわからなかったけど適当に曲がったら東坂登山道に出ました』と嬉しそうに話されました。
『どうでしたか?』
『野生のリスを見て子供たちのテンションが上がりまして。丸々してるのですね』
『岩道の所はどうしました?』
『もちろん子供は、岩道の方へ行きたいと声を揃えました。岩場は、言われたとおり景色が良かったで す』
『お城の前に手乗りヤマガラはいましたか?』
『頂上は、すごい人でいませんでした』
満足してもらえたようだと思っていると彼は『子供が、普段見られない自然を感じて喜んだこともあったのですが、いい社会勉強にもなりました』と話を続けます。
『どんなことですか?』
『登りだすと子供に知らない人が“オハヨゴザイマース”とすれ違いながら挨拶される。二人は最初キョトンと不思議顔でどう対処すればいいか戸惑って私を見ました。住んでる街では、そんな体験がありませんからね。
私がちゃんと挨拶を返すのだよと教えました。すると二人でどちらが先に挨拶のお返しができるか競争ですよ。やがて話し合って交代ですることにしたようです。いい体験学習が出来ました』
『それは良かったですね。ところで翌日は、大丈夫でしたか?』
『いや〜私と子供は全然平気だったのですが、嫁さんが筋肉痛になり階段の上り下りもままならなかったんですよ』
『大体そういう結果になるみたいですね』
私が山登りを始めた頃のことが蘇りました。それは、挨拶するといいことした気分になること、自然にそういうことができる山っていいなあと思ったこと‥山道楽は、いい趣味だ。