藤原岳 1145m/東近江市 |
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茶屋川の河原歩き |
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花の百名山「藤原岳」は、早春になれば大賑わい。私たちも福寿草を見るため泥まみれになりました。この山を一度、滋賀県側からも登って見たい。 ガイドブックでは茨川の周回コースが紹介されています。茶屋川の遡行、西尾根登山口への到達、帰路の曲がりくねる県境縦走路‥ 荒れた伊勢谷などの不安点は、ネットで事前に確認しました。ひょっとしたらこの奥深い地で紅葉がまだ楽しめるかも‥単独です。 教科書は、中日新聞社刊/西内正弘著「地図で歩く鈴鹿の山」です。参考書は「イチマル:山のアルバム」さん「遊歩ク民」さんにお世話になりました。 |
駐車場周辺図 |
駐車地 ↓ 蛇谷出合 ↓ 展望地 ↓ 藤原岳 (展望丘) ↓ 尾根出合 ↓ 迷尾根 ↓ 治田峠 ↓ 駐車地 ※色線は実測ではありません。 ■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」 |
八風街道から「茨川」の表示を見て、ナビにも表示がない地道の林道に入ります。茶屋川沿いを右に左に10km。 しか〜し!昨夜の雨が、道に水溜りをボコボコ作りました。朝日の紅葉の中、ドロンコ車で走り抜けます。 |
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林道終点が駐車地です。広島ナンバー車に驚く。と、川からインド風の楽器を持った若者が近づいてきます。 『名大小屋で泊まり、今日藤原岳に登りもう一泊します』と爽やか笑顔。川の水量のようにたっぷり時間の青春が羨ましい。 (8:45) しか〜し!いきなり道が流されています。 |
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廃村跡を進み、名大の山小屋裏からいざ入水。昨夜の防水スプレーでぬかりはありません。 |
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しか〜し!川を2回ほど渡渉すると靴の中が‥『あれれ』足裏に冷たい水を感じます。 スパッツをしていても靴上あたりの深さだと、てきめんに浸水事態。 でも逆にその程度の深さまでなら渡り歩けます。 |
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岩壁の明るい木々、ときどきの巻き道、くねる川筋。 靴の中にできたぬかるみのことは、あきらめましょう。 10回も渡渉したでしょうか‥ |
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初めての川の合流点でときめきます。ここです蛇谷出合。左が本流、右が蛇谷。そして中央の三角州から斜面に取付ます。 上の木にテープが見え確信の急登です。藤原岳の道標もあり、ひたすら尾根を目指します。 (9:45) |
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5分で尾根に乗りました。鈴鹿らしい明るい二次林で気分が良くなります。靴の中が、グチュグチュで靴下を取替えなくては。 暫くで尾根を外したこの山腹道に変わります。樹間から天狗岩と台形の御池岳が珍しい。左尾根との合流点からピークへ。 |
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平坦地に出ると突然、台風並みの北風を受けます。その冷気で汗が引き、体調がおかしくなりました。慌てて手袋・フリースを着用します。身体は秋仕様、季節は冬模様。 |
戻ろうか‥しばらく休んでいたら重い雲も御池岳で止まり、身体も復活。そして大地主「小野田セメント所有地」の杭。藤原岳は坪いくら? (11:25) |
展望地を過ぎると白い裸木の異様な光景、そして急登。石灰岩が無数に転がり、歩きにくくなると間もなく‥ |
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1145m山頂展望丘です。右に天狗岩、左は御池岳 さらに左へ少し下がったピークが先週の土倉岳 痛快な展望ですが、恐ろしい烈風。風を避けて石影でランチをします。 登ってきた単独の方が、谷の紅葉を見て 『三重側の紅葉は終わっていたけど、滋賀側は綺麗だなあ。そっちから登ればよかったか』 『私はそっちから登りました。綺麗でしたよ』と駄目押しの返し言葉。 (11:55)〜(12:25) |
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帰り道は、藤原鉱山を下に見て南へ石灰岩の間を抜けます。 |
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岩が無くなるとヌル道の急降下です。5m置きにお導きテープ。鈴鹿で一番付いていると思えるほどでありがたい。 |
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落ち葉で隠れされた山腹道の踏み跡を慎重に拾います。テープ充分ですが、時々途切れるとウロウロするばかり。 「登山道案内図」番号の山頂20番〜治田峠10番も心強い目安。ここは17番、迷わないよう進入禁止ロープがあります。 |
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1時間ほどのトラバースでやっと尾根に戻りました。ここからもくねる道なので地形図、ナビを神経質にチェックします。 (13:35) |
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このルートは、夕べの雨風で紅葉が落ちたようです。そして蛇谷への分岐点に到着しました。緊張が連続したので少し休憩します。 (13:55) |
さらに尾根道を行けば、「ここは迷い尾根」と名付けられるほどの注意ピーク。13番・12番・11番と立て続けの案内図が誘導してくれます。。 (14:10) |
あとは治田峠への一本道。ふと左の樹間を見ると藤原岳。 左端山頂から右の多志田山を回り、手前の紅葉の稜線を左方向へ辿ってここにいるわけです。 『よ〜歩いたなあ』でもまだまだ歩かなくてはいけません。 |
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秋を突き刺したストックの先にとうとう治田峠道標です。「じたとうげ」ではなく「はったとうげ」‥読めない。 (14:30) 右へ植林道を急降下すると10分ほどで沢に降りつきました。 |
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その小沢を右左と歩きやすい道を探して辿ります。時々のテープに『ありがとう、ありがとう』と心からの感謝タッチ。 やがて大崩壊地を避け高巻く。おびただしい植林杉が累々と沢に覆いかぶさっています。 |
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崩壊後に作られたダムに着き、中央左岸に林道が確認できました。 (15:20) 降りて林道を歩くと崖が何箇所も小崩壊。「治山施設」の銘板を見て自然の力を治めるのは並大抵ではないと感じます。 |
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駐車地着。紅葉、川、尾根、谷と変化に富むいいコースでした。しか〜し!本音は『ホッ』複雑でタフなコースです。 (15:35) 落陽は早く茶屋川は夕暮れを急ぐ。陽の当たらない紅葉は、まるで醤油の無い寿司。秋が見送ってくれています。 泥に汚れた車でおうちへ走りましょう。 |
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東海岳行 |
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映画の力 | |
以前はインディー・ジョーンズやスターウォーズなどドンパチ映画が好きでした。『ああ、面白かった』と言えれば大満足。ところが最近は泣かされる映画に嗜好が変わったのです。『ああ、泣けた泣けた』 どうも感性が、乾燥して涙の潤いを欲しているのでしょう。さて今まで泣かされた映画ベスト3といえば‥ 「シネマパラダイス」 何と言っても子役が可愛い。情感溢れた音楽も良かった。ラストの繋いだキスシーンは素晴らしいアイデアでボロボロ泣けました。 「砂の器」 弟と名画座で見て、回想シーンは涙が止まりませんでした。主題歌のレコードを買って帰り、家でそれを聞きながら二人でまた泣いたのです。 「蛍の墓」 ご存知アニメの名作。末娘が節ちゃんと近い歳でよけいに思い入れがありました。これ以上は無い号泣。堪らず原作を買ったのですが、映画は原作を越えていた。 映画を面白く見られるようになったきっかけが高校時代にあります。休日に所在無げにテレビを見ていたら森繁久弥氏がアナウンサーとトークしていました。映画の話になると俄然彼のテンションが上がります。 ●映画は観客の心を如何に引き込ませるかだ。 例えば主人公の左膳がボロ長屋で酒を飲んでいる。場面が変わり敵討ちの姉と弟が、探していた素浪人を見つける。『親の敵!覚悟』と叫んでも相手は野獣のような大男。『カンラカラカラ、返り討ちにしてくれる』ちゃんばらが始まるがすぐ弟が追い詰められる。 ボロ長屋に場面転換『大変だ、鈴之助と小春さんが親の敵を見つけた。とても勝ち目がないような大男だ。左膳すぐ助けに行ってくれ』『何!』左膳は酒壺を放り投げ外に出る。カメラは遠くから堤防を写す。左膳はそこを走っているが画面の端でとてもちっこく写っている。観客はハラハラ。 場面は戻り、姉が弟の前に入り素浪人の刀を受ける。しかし力の差は歴然、突き飛ばしてへらへら笑うひげ面のアップ。振り上げられた刀が光る。再び堤防の遠景、相変わらず走る左膳はちっこく写っている。観客はドキドキ『なにやってんだ、あ〜とても間に合わない』といらつく。 また場面が変わり、素浪人が突き刺した刀をすんでの所で身をかわす姉。しかし彼女の上に跨り、見下ろすアップ。今度こそだめだ、弟が体当たりをする。場面転換、相変わらず堤防を走る左膳。場面転換、怒り狂った素浪人は、本気で弟を襲う。危ない!!! 突然、左膳の大アップ『待ちやがれ悪党、俺が相手だ』観客は救われ画面に大拍手。そして大立ち回りのすえ素浪人を仕留める。再び観客の拍手。これが映画の醍醐味、観客の心を捉えることができた映画がいい映画ですね。● 森繁氏の話術は巧みで聞き入ってしまいました。 『なるほど、そういうことを考えて作っていたのか』それから映画の見方が変わりました。だから先のベスト3も作るほうがうまいわけで、仕掛けにまんまとはまっているわけです。 最近は「嫌われ松子の一生」「三丁目の夕日」「自虐の詩」で泣かされました。山好きで映画の好きな方も結構見えるのでその感想はとても参考になります。さあ今度はどんな映画で泣こうかな? |