岳行ノート
竜頭山 752m/愛知県新城市

2008.2.11(月)江南6時10分発
      曇り時々晴れ  2℃
往路:2時間25分 (大竜頭まで)
復路:2時間55分 (小休止含)

角のような小竜頭


 奥三河を走ると頭上に上写真の角が見えます。気になっていたのですが、ガイドブックで竜頭山小竜頭という岩頭とわかりました。

 昨年天狗棚の下調べで知った「奥三河名山八選」から地図がプリントできます。土曜の雪が、日曜の太陽である程度は融けているはず。

 月曜日は、まずまずの天気なのでアイゼン&安全を乗せて出発。それに一度行きたい場所が、山の近くにあります。帰りに寄り道しましょう。


 教科書は、奥三河開発協議会HP「奥三河名山八選」です。参考書はリンクいただいてる「鄙の家」さんにお世話になりました。
駐車場周辺図
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鳴沢の滝


登山口

竜頭山

大竜頭

竜頭山

小竜頭

分岐点



※色線は実測ではありません。

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」




 夜更かししてもニワトリより早起きの好山病。

 足助を過ぎると国道420号線の陽のあたらない坂道は、カッチコチの路面。山に雪は、残っていそう。

 国道を右折して鳴沢橋を渡り、100m先の側道を左に降ります。閉店中の鳴沢苑駐車場に駐車しました。

 案内図から5分歩けば、落差15m鳴沢の滝。撮影しようと岩に乗るとツルッ。『凍ってる!危ない、危ない』

駐車場に戻り、道標を確かめると行く手には田園風景が広がっています。
思わず歩きたくなる道ですが、田畑の猪除け電気柵には注意しなければなりません。
(8:35)

 5分で県道に上がり、下小滝バス停から左の民家の間の道を下ります。

 川に架かるこの鉄板橋を渡ると左にまた鉄板橋が見えますが、渡ってはいけません。

 その手前にある登山道入口の道標で電気柵を跨ぎ、右岸を奥へ進みます。(8:45)

 山道にこの案内板がありました。岩を選んで川を渡ります。ここで一汗かき一口飲む。


 尾根斜面を登ると10分で伐採された明るい場所。小滝の集落や駐車地も望め、この769mピークは結構筋肉質。


 細尾根の雪道になります。先人が、トレースを残していかれました。雪の岩場は、慎重になります。


 左:小竜頭、右:竜頭山の分岐に到着。 雪は増量しています。スノーシューのトレースは、明確な溝道です。
(9:55)


 傾斜が増し、滑って歩きにくいので軽アイゼンを装着します。脱いだとき入れるスーパーの袋があって良かった。

 山頂で険しい道に備え重量を減らすことにしました。コンロや鍋、ラーメン用の水をデポします。生活臭がする写真だ。(10:25)

 大竜頭への道に「この先岩場が多く危険 通行注意」と、新城警察署の注意看板。でも6本爪アイゼンのトレースが延びています。


 看板通り急降下の岩場、立ち木につかまり降りました。喉が緊張で渇きます。『リュックが軽くて良かった』
 
山頂から50m高度を下げると眼前に巨大な岩壁。中央下の鞍部に道標が小さく見えます。
『うへ〜これ登るの?』 探せば足跡が、左へ岩縁の雪上を進んでいます。
『偉いもんだ。道筋がわかるなんて』 パズルのように岩と木の根を選び、足の置き場探し。

 鞍部から10分で大竜頭岩頭。石仏が、4体“コ”の字型の石積みに祀られています。寛永‥350年前?

 次の岩場は展望が良いそうですが、木に「危険!この先 山岳死亡事故の発生現場です。(H19.6.5発生)」
(11:00)

 山頂まで戻り、木立ランチにします。ポッコリ腹を抱えて本日のハイライト小竜頭へ行きましょう。
(11:55)〜(12:25)


 雪がグズグズになりました。雑木林と植林が左右に分かれています。30分で小竜頭分岐に戻り、リュックをデポ‥


 またまた50m高度を下げ、トップ写真の気になる角、小竜頭に着きました。道標の先へ進むと‥
(13:00)

 『お〜』 ただごとではない眺望です。風は止み稜線に陽があたっています。いい時間に到着したようです。右の鞍掛山は、御池岳のような台形なんですね。。左へ東海自然歩道三大難所の稜線を辿れば、岩古谷山平山明神山、大鈴山‥みんな懐かしい。左手遠くに北アルプスも望めます。


 分岐点から降ると雪が、まばらになりました。いつアイゼンを脱ぐか悩む。歩きにくいと感じたら取りましょう。


 緊張から開放され駐車地へ。『雰囲気のいい道だ』 向うは笹頭山。車で体勢を整え、「おしどりの里」へ。
(14:25)
 寒狭川田峯で257号線から下り、伊藤さんに挨拶をして庭に駐車。85歳には見えません。40年もおしどりの保護活動をされています。
 駐車代は後払い。鳥がいたら300円、三脚持込なら500円。2時頃はブルーシート近くまで来ていたそうです。
 今年は約350羽、10月から3月末までこの地に。餌のドングリは、11時頃右岸にまかれます。山のドングリが豊作で食べに来ないよう。

 待つと運良く50m離れた対岸の岩場に20羽休憩しました。デジタルズームで撮りましたが、見られてとても幸せな気持ちです。
<おまけ>
 「おしどりの里」近くの田峯城に寄りました。物見台に登ると小竜頭での眺望が、クリアでより近くに見える。

 『え〜そ、そんな!?』
 右:岩古谷山と左:大鈴山、その左手前に鹿島山、真中に和市の里もはっきり。


東海岳行
     “富士山に登りたい”

 初めての1000m級登山は美濃市瓢ケ岳(フクベガダケ)でした。登山道途中の抜戸岩を見上げて『大きいな〜!』とサイズにビックリ。3階建てのビルくらい。岐阜県の美山村(当時)で大黒山頂上から見た恵那山『でか〜い!』と驚嘆しました。中央道から見ても呆れるほどの大きさ。

 乗鞍岳に挑戦することになりました。麓から眺めてもその迫力は桁違いです。畳平から頂上に辿りつくと感動が沸き起こります。そこから見下ろす球形の視野で感じたことは、乗鞍岳も広大な大地の一部なのに気づいたことです。この地球はいったいどれくらい広いのか‥

 海辺から水平線までの距離は、4kmであるとテレビで知りました。歩いて一時間の距離なら意外と近い。地球は12,756kmの直径を持つ球体で想像も出来ない大きさ。地球を10mサイズに縮小すると世界最高峰チョモランマ8,848mさえ7mmの突起にしか過ぎません。



 「旅客機」でシベリア上空を飛んだことがあります。高度10kmの成層圏から見下ろせば、集落や道路が確認できます。地平線は遥か彼方ですが、地球の丸みは確認できません。なにしろ小窓から除く景色なので視野角度は90度そこそこ。

 10m地球で例えれば、わずか8mm離れた空間をスレスレで飛んでいるわけです。でも私たち一般人が体験できるのは、この高度が限界。では「宇宙船」なら‥。船内からの窓越しではなく宇宙遊泳すれば、その視野は180度は確保できます。

 高度はなんと185km〜578kmもあり、10m地球でも15cm〜45cm離れているので充分その丸みを観察できると思われます。私たちには、その体験は絶対できません。日本人の私が地球の大きさを最大限感じられるのは、富士山の山頂でしょう。



 因みに富士山が見える最遠ポイントは、和歌山県小麦峠(標高900m)で323kmの距離です。標高3776mの富士山山頂から水平線迄の距離は、ピタゴラスの定理* *)?で計算すると236kmになります。直線でほぼ東京〜名古屋間です。

 ところが、その球形の視野面積は、地球のたった0.03%(=236km×236km×3.14÷510,000,000平方km)『私の視力か!』 残念ですが、苦労して登ってもそれだけの成果です。富士山は、道中の変化に乏しく「登る山ではなく、見る山」と書かれた本がありました。

 が、それでもいいから生涯に一度は、日本で味わえる最高の地で地球の広大さを体験したい。ただ私の場合、空気が薄いとすぐ頭痛に襲われ、ヘロヘロになってしまうのでそれを克服しないといけません。今回は、“アース”という映画を見た後に思ったことを書いてみました。

2008.2.13/20:50