岳行ノート

愛宕山〜音羽富士 355m・381m/岡崎市
2009年3月15日(日)


5/15(金)発売の<山と渓谷>6月号[隠れ名山]のコーナーで愛宕山〜音羽富士(岡崎市)が
紹介されています。取材は3/28(土)にされましたが、たまたま私はその少し前に歩きました。
14コマ目と同じようなアングルの写真が、掲載されているのは嬉しいです。

登山道には子供たちが設置した標柱が多数


 10年前になりますが、ひよこさんと蒲郡市形原温泉のあじさいの里へ行きました。見事な花の斜面に感動した後、岡崎市鳥川(トッカワ)へゲンジホタルを見に行ったのです。

 ここのホタルは、40年ほど前に一時姿を消したことがあります。そこで地元の方々が保存会を立ち上げ、鳥川小学校の児童たちも保護活動に参加しました。

 訪れた日、暗くなるとポッポッと淡い光が土手で点滅。『きれ〜』そんな思い出がある鳥川です。昨年11月、縄文人さんがHPで鳥川小学校の廃校を知らせました。


 鳥川はたった一度訪れただけです。しかしそのレポを見た私は、とてもノスタルジックな思いにかられました。それで今回、この山旅に出かけたというわけです。


 教科書は、鳥川小学校HP「登山道の地図/鳥川ホタルの里の山歩き」です。参考書は「縄文人の山日記」さんにお世話になりました。
駐車場周辺図
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神社P
反時計回りに

トヨトミ梨
(登山口)

△愛宕山

△京ケ峰

平成の大崩

△動物山

△ホド田山
(ランチ)

△音羽富士

古坂峠

鳥川城址

P

※色線は実測ではありません
※黄線は車道


■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)


江南:7時00分発  2℃
     快晴、午前は風凍る
周回:2時間35分(〜ホド田山まで、小休止含む)
    1時間40分(神社駐車場まで、小休止含む)

 「新・分県登山ガイド/愛知県の山」コラムで志賀重ミ(シゲタカ)氏が紹介されていました。岡崎インター北に東公園があります。北駐車場から5分ほど舗装歩道を歩くと銅像が立っていました。地理学者で明治27年の「日本風景論」はベストセラーです。欧米に憧れていた日本人に日本の風景を賛美し登山を推奨しました。

 当時それは新鮮な発想であり、本を読んだ小島氏がMr.ウエストンの勧めもあり「日本山岳会」を結成したのです。でも本人は登山家ではなかったのが面白い。またその本を見てどこを賛美したのか知りたい。
偉人は、日本ライン恵那峡の名付け親でもあります。

 さて鳥川沿いに小学校はありました。集落は58戸で児童数8名です。明治8年創立、来年135年でその歴史を閉じます。

 旧校舎は昭和18年と昭和57年、偶然同日の2/8に全焼。その都度、地区の多くの人が山の木やお金を出し合いました。

 だから立て直された現校舎は地区の宝です。

 すみません、今回は文章が多過ぎます。
 



 集落の中央にある白髭八柱神社の駐車場に停めます。右奥の建物はトイレです。

 さて久しぶりに澄んだ空の青を思いっきり吸い込めば‥う〜ん清々しい。始めは車道を5分ほど北上します。
(8:50)



 登山口は、市の天然記念物「とよとみ梨」が目印です。すぐ杉林に入り沢沿いを登ります。少し急登をし普通の尾根に出て驚く。
 
 そこには貝津山の山名表示、次は学校山と案内されています。ではいくつ山があるのか数えながら登りましょう。
 



 岩場に出ると初めて明るくなり、そこが愛宕山でした。写真左上に薄く本宮山、中央ツインピークが額堂山

 写っていませんが三河湾まで展望があります。
(9:30)

 尾根合流点を左折すると見晴し場。縦走最後の山、音羽富士の展望があります。このとき見えない側の山肌のすごさに気がつくはずもありません。

 楽になった尾根を辿れば、京ケ峰442mで三等三角点がありますが、展望はありません。
(9:55)

空は晴れても風は強い。この時期なら風光ると言いたいけど、今日は風凍る様です。
風がまともに当り、ひときわ頬が冷たくなる。平成の大崩れは、地形図にも記されています。

お陰で展望はすこぶる良く、左上には名古屋市街がぼんやり見えました。
鳥川小学校が廃校後、児童は中央に見える集落の豊富小学校に通学します。
その距離は6kmです。
(10:10)



 降って行くと南山があり、やがて七曲峠と呼ばれる鞍部です。ここから再び登りが始まりますが風が止まらない。

 腹が鳴りだしたのでランチをしたいけど‥とりあえずソーセージを食べましょう。
(10:20) 




 峠から尾根は広葉樹、常緑樹の森になります。次々現れる山、自然山、鳥川山、ササユリ山、古里山、ホタル山、豊山

 これで11山、名付けたときの気持ちが伝わります。

 左折点の動物山に来ました。小学校では里山の整備も行っています。

 左の大型山名案内は2008年に設置されました。右の十字架型は、2004年のものです。

 それぞれ作者の児童名があります。おや?この子は明るい名前ですね。♪あっかる〜いNa‥
(10:50)





 さらに元気山昔山平和山と小ピークの登降が続き‥




 三等三角点があるホド田山390mに到着。ここは展望がありません。山頂の少し南に切り開きがあるので降ります。
(11:25)


 斜面に腰かけ名神高速を見ながら展望ランチにします。うまい具合に風がやみました。
大好きなシャケのハラミおにぎりを一口パクリ。後ろのお茶を取ろうと振り向くと
右手のおにぎりからハラミが落ちた。『わー!メインディッシュが無くなった』飯だけ食う。
〜(11:40)

トボトボ行くと左折点の沢山に出て‥『これはすごい!』
そして植林地の境を降っていきます。長沢峠丸山を過ぎました。

振り返って数えると桧の幼木が、1,2,3,〜エイヤで5,000本はあるでしょう。
1本1,000円で請負ったら500万円の収入か。
見晴し場のコマで気を持たせた音羽富士の見えない側はこのことです。




 山頂のきわまで続いた植林が終わると苦しい直登も終わり。すると本日19山目、最後の音羽富士381mです。後は降るだけ。
(12:25)



 途中、先に黒い動物がトコトコ逃げる。『タヌキ?』右の斜面でカサカサ音がする。見るとグレーの大型四足歩行動物。

 『鹿?動物山があるわけだ』誰にも逢わない旅ではなくなりました。古坂峠で左折し、石積みの植林地を降ります。


 やがて車道と出会ったら、左に折れ鳥川に架かる橋を渡ります。そこには整然とした農村景観が広がっていました。

 正面右に京ケ峰。歩いた稜線がグルリと見渡せます。すると自分が意外にも長い距離を歩いたことが嬉しくなります。
(13:00)


後はのんびり歩き、鳥川城祉を探検したり、廃屋の写真を撮ったり、地区の方とお喋りしたり‥
でっかい神木の白髭八柱神社に着き、今日の山旅は終わりました。
(13:20)
 鳥川小学校の道を挟んだ反対側には、情報・駐車場・WCが整備された「ホタルの里インフォメーションコーナー」があります。

 ホタルを守る児童たちの写真も掲示されていました。

 プラケースに入ったとても詳細な「山歩きの案内図」「石仏めぐり案内図」がいただけます。
※私が歩いたこの日(3/15)偶然、鳥川小学校の卒業記念イベントがありました。「ホタルの里の山歩き」で紹介されている全24山を制覇するというものです。8:15児童と先生7名で小学校を出発し額堂山へ登り、16:15全山の頂上を制覇し小学校に帰着しました。残念ながら出合うことはありませんでしたが何か嬉しいですね。(3/25追記)

 10年前ひよこさんとホタルを見て歩いた場所を探し出しました。私が育った町は、ホタルのいない環境です。

 それでもホタルを見るとなぜか遥かな郷愁を覚えます。ここには美しい古里がある。そして初夏になればホタルの光る川がある。

 ここで暮らし遊ぶ子供たちがとても羨ましく思えます。この風景と命の光をいつまでも心に輝かさせていて欲しい。


東海岳行
   “土曜日の恋人”   

 随分前のことですが、会社の昼休み、若い女子2人がケラケラ笑いながら話しています。『可笑しかったね』『笑えた笑えた』何がそんなに可笑しいかを尋ねると先日見たお笑い番組「オレたちひょうきん族」で盛りあがっていたのです。当時土曜日20時はドリフ「8時だョ!全員集合」がお笑い番組の頂点でした。

 私は、ドリフの練りに練ったネタで作られる笑いのオチが読めたり、しっくりこなくて殆ど見ていません。また子供に人気があるということは、大人向けではないと思っていました。その女子がドリフの裏番組「オレたちひょうきん族」『見て見て』と言うので次の土曜の夜、テレビの前に座ります。


 

 その日から私は、この番組の虜になったのです。若手芸人‥まだ30代前半のたけし、さんま、紳助、鶴太郎、のりお、邦子が、新しい笑いを身体を張り作っています。その笑撃のパワーは毎週のように爆発し、その番組を見るのが人生の楽しみになってきました。

 色々なコーナーがありましたが、今でも伝説になっている「おでんネタ」は、たけしのアドリブが炸裂、「石井めぐみに夜中に電話した3人とは?」は番組マドンナの最終回での告白話が今見ても笑えます。毎週番組は最後にNGを出したタレントが「ひょうきん懺悔室」で水をかけられておしまい。

 スタッフのテロップが出てBGMが流れるとやるせなくなります。EPO「DownTown」♪七色のたそがれ降りてきて風は‥元歌は山下達郎(毎冬CMで流れる「クリスマス・イブ」で御存じですね)です。この明るく軽快なリズム、日本人離れしたしゃれたセンスの歌でした。

 また彼が歌う「パレード」♪パレードが行くよ‥「土曜日の恋人」♪降り出した雨と 動き出す街の‥もエンディング・テーマ曲です。これらの歌を聴きながら『あ〜1週間待たなければならない』と嘆き、次の土曜日をひたすら待つばかり。恋するように切ない7日間。

(この番組は1981年から1989年まで8年間放送されました)
は、最下段に動画とリンクしていますので、よろしかったらお楽しみください)



 2月22日(日)山下達郎が6年振りにコンサートを行いました。センチュリーホールの3階席と条件は良くありませんが、ひよこさんと出かけたのです。彼は今まで殆どテレビに出演していません。その雰囲気は、時々登山帰りに聞くFMの「サンデーソングブック」(日曜日)で想像するだけです。
 
 7時ピッタリにコンサートは始まりました。肩までのロングヘアにニット帽。少し猫背で長い脚にタイトなジーンズを履きセンターに登場。彼のかっこいい16ビートカッティング・ギターで始まりました。(♪SPARKLE)とにかく達郎と5人のバンド、3人のコーラスがめちゃくちゃうまく1曲1曲聞き逃せません。

 3階でも十分楽しめる音で、得意なアカペラ(楽器なしの歌)も魅了されます。名曲「クリスマス・イブ」が流れたときは、長い間探していた物を見つけたように嬉しかった。話術も奥さんの竹内まりやネタを挟んだり巧みで面白い。バンドのメンバーを大事にしていて、それぞれのパートのソロを十分に聞かせてくれます。

 56歳の彼は、まだ高い声が出て、上の“ラ”は澄んだ声でした。歌詞の出るモニターは使わないのが自慢。歌の途中、突然ステージの後ろの高い場所に駆けあがりマイクなしで歌ったのです。私は生声で聞かせるミュジッシャンは、初めて見たので感激しました。



 そして恋したあの歌、心から待ってたあの歌、「オレたちひょうきん族」のテーマ曲「DownTown」「パレード」「土曜日の恋人」‥その曲が始まると昔の恋人に30年振りに逢った懐かしさで涙があふれて止まりません。一緒に歌おう。
 アンコールも2回あり、最後はアカペラでしんみりと締め、私は3時間24曲ノンストップの夢から覚めました。あ〜思い出が沢山あり過ぎ、古いアルバムに写真を貼りきれない。



[動画リンク] 笑・笑・笑!!
「おでんネタ」
「石井めぐみに夜中に電話した3人とは?」
「ひょうきん懺悔室」

EPO「DownTown」
山下達郎「土曜日の恋人」
2009.03.16(月)22:50