岳行ノート

舟伏山  1040m/岐阜県山県市

2005.4.22(土)江南6時45分発   登り:計2時間10分(小休止・撮影含)
        晴れ 10℃    降り:計1時間55分(小休止・撮影含)

キバナイカリ草

舟伏山西ルートにて


 そろそろ美濃の山は登山道から雪が消え、私達のような初心者でも登りやすくなります。先週日帰りで、うきさとに大遠征しましたので、本日は比較的近場の舟伏山を目指しました。ここは登山口に大駐車場が用意されるくらい花の山としてとても人気があります。みのわ平にはカタクリの群落があり、期待していますが時期的にちょっと遅いかな‥。

 ガイドブックは、風媒社「岐阜の山旅100コース美濃[下]」です。参考書(HP)は2年前に続き「せきすいの山遊録」さんにお世話になりました。
  
    
   あいの森P
      ↓
    さくら峠
      ↓
    みのわ峠
      ↓
     舟伏山
      ↓
    小舟伏山
      ↓
    あいの森P

※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」

 泡立つ新緑が、車窓を流れてゆく。シャッフル・リズムを刻むギターが心地よい。間違いない春のシーンの中、CR-Vで神崎川を一人疾走してゆく。

 ひよこさんは肋骨のヒビが、また痛むので静養です。
 県道200号線を神崎集落からしばらく進み、墓地の前に「舟伏山登山口3km」の大きな看板を見て左折しました。
 細い林道を奥まで進むと50台以上駐車できる2段の駐車場があり、奥のほうにはトイレもあります。
 桜が残る登山口より山人です。沢沿いを少し歩き、すぐ斜面に取り付きます。
(8:40)
 杉の植林の急斜面をジグザグを切って登りました。途中伐採を逃れたもみの大木や人工林の樹間に小柄なたくましいシロモジが混じっています。
 やがて明るい尾根に出ると樹木に掛けられた名札で勉強です。コナラ、リョウブ、コシアブラ、ミズナラ、イロハカエデ‥カエデ!?

 こんなに樹木が豊かな森では、秋になると山は大変なことになっていそうです。その頃もう一度来なくては‥。
 十方施玉仏が、祀られた桜峠に着きました。桜のない桜峠ではいけないということでしょうか、今月ここに薄墨桜の子孫が7本植樹されました。標識の銘板に書いてあります。10年後が楽しみです。
(9:25)
 よく踏まれた歩きやすい道が続き、フイリシハイスミレが咲き乱れてます。開放された展望が広がり、駐車場も見えました。
 みのわ峠です。今日の目的のカタクリは、どこにいるかな?
 いました!! 数は少ないけどシャイなカタクリ娘が、花びらを後ろにつめ凛とした姿でお迎えです。待っていてくれた。嬉しくて明るい気持ちになります。  よく見ると花びらにお洒落なタトゥがある。今まで気がつかなかった。
 
            ヘビイチゴ            ヤマルリソウ
  少し先の登山道で人がたかり、騒ぎになっています。その中に入るとイワザクラヒトリシズカが並んで咲いていました。

 これは事件だ!騒ぎになるはずです。この時期ならの珍しい光景に出会えラッキーでした。
イワザクラ           キクザキイチゲ           ニリンソウ
 笹が出てきて、なだらかになると頂上は近い。写真を撮っているので前の方達と抜きつ抜かれつです。

 『柳の木→』という大きな案内板に気を取られているときお二人に抜かれました。以前来たときもこの意味が分からないかった?
 頂上広場です。たとえ登山口駐車場が車で埋め尽くされ、全員がここに集まっても大丈夫でしょう。
(10:50)
  まだ雪の見える能郷白山を眺めながらミニおにぎりセットと卵スープなどでランチです。30人ほどお食事中ですが、単独はここでは少数派で肩身が狭い。

 食事後、南北の大展望をゆっくり堪能して小舟伏山経由の西ルートに向かいます。
山頂の稜線道には、コバイケイソウの畑 この傘屋は商売にならない、ヤブレガサ
 こちらのルートは、ニリンソウの葉がいっぱいだ。
ヒトリシズカが賑わしい ボタンネコノメ
 途中展望台がありますが、頂上の展望を高度を低くして見るだけです。そこから下に来た阿弥陀仏で一本立てました。
 春を喜ぶ小鳥が鳴いています。『チッチボ、チッチボ』『チーチョ、チーチョ』名前は分からない。総称してみんな「かわいい小鳥」です。


 快適な雑木林が、やがて薄暗いヒノキの植林に変わります。
          ツルネコノメソウ          ミヤマカタバミ
                       キケマン






 沢を渡り返しながら降って
いきます。
 今日はかわいい花の宝石が、たくさん見られて大満足です。デジカメも『メモリーがいっぱいです』と泣きを入れてます。
 
 美しの宝石山周回も終り、下の駐車場に着きました。
(13:35)
 帰り道に車を止め、神崎の集落から思い出となった舟伏山を振り返ります。双眼鏡で見たら、頂上がはっきりと切り開かれています。でも最高点は、そこよりもっと右方向に見えるけど?
 神崎川沿いを走ると擁壁にシャガヤマブキが、明るく咲いています。

 身体が甘いもの欲しがっている。最初のコンビニまでは、距離があります。フルーチェ・アイスで幸せになるのは、もう少し走らなければなりません。
             万博の山車百両総揃い                


 犬山の知人が4月23日(土)から万博の愛知県ウィークで山車総揃いに出演します。ほとんどのテレビ局が放送するはずです。『万博もただで見られていい思い出になるね』と私が羨ましがったら、『とんでもない』と彼が堰を切ったように喋りだしました。

 23日の土曜日朝3時に集合し、会場に行って山車を組み立てる。誰も山車をばらした事が無いので、半年前に高山の宮大工を呼んで教えてもらった。その様子をビデオカメラで撮り、図面を書き、パーツのすべてに番号を付けた。その後、組み立ての練習を3回した。山車本体は、トラック4台で会場に別送する。カラクリ人形は命なので持っていく。

 3回公演で夜は、提灯にロウソクを1本づつ灯さなくてはならない。その手間が大変だ。終わって家に着くと24時になる。翌日の日曜は、6時に集合して会場に行く。そして24時に家に着く。次の日は、月曜日なので会社だ。

 犬山市は20台山車を出すが、お囃子や操りなどで1台20名ほど必要で60歳以上の人もいる。きっと誰か倒れると思う。費用の運送費・食事代だけは出る。ただで会場に入れるけど見ている余裕や体力は無いだろう。

 その土曜日の今日、偶然「舟伏山」で犬山の人がみえ、冗談で「今日ここに来ていていいんですか?」と聞くと「へへへ」と笑われます。何もいわないでもこの質問だけで犬山の人は、その意味が分かるんだと感心しました。