岳行ノート

大文字山 465m/京都市

2010年2月13日(土)


大文字火床より京都市街



 お盆の翌日、8月16日は京都の夏の夜を彩る「大文字五山送り火」が行われます。奈良の「大文字焼き」と私は混同していました。古から続く精霊を送る宗教行事です。
 
 夜空に「大文字・妙法・舟形・左大文字・鳥居形」の炎が浮かびます。いつから?‥不明で江戸時代前期にはすでにあり、数百年の歴史があることは間違いありません。
 
 なぜ「大」の字か?‥不明ですが「地・水・火・風・空」の大自然を表した五大がヒントかも。その「送り火」の代名詞「大」の字が灯される大文字山を登ってみます。


 いよいよ京都まで出かけるようになりました。1000円高速が廃止されたら‥できないでしょうね。



 教科書は、山と渓谷社刊「関西周辺の山250」です。また参考書は、沢山のHPにお世話になりました。
<駐車地>
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市営P

哲学の道

南禅寺

日向神社

七福思案処

大文字山

大文字火床

林道出合

銀閣寺

市営P


 ※赤線はGPS軌跡


■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前6時25分発   1℃ 
駐車地:午前8時50分着   4℃ 曇り時々晴れ
周回:大文字山迄2時間40分(南禅寺30分含、以下小休止含)、駐車場迄1時間40分(銀閣寺20分含)
◆所要時間:4時間20分



 名神の京都東インターから一般道に。家から2時間半で市営駐車場に着きました。『京都は思ったより近い』

 一日料金800円を支払うと『銀閣寺は、あそこから真直ぐだよ』と教えてくれました。
(9:00)



 その銀閣寺には向かわず、琵琶湖疏水の銀閣寺橋を右折。120年前に造られた用水路に沿う哲学の道を歩きます。

 桜の時期にこの道は、華やかになるでしょう。1.6kmで散策路は終わり、もう少し歩くと‥

 740年前に創建された南禅寺。禅宗の臨済宗南禅寺派の大本山です。
石川五右衛門伝説で有名なこの三門は380年前建立され国重文。
400円の拝観料を支払い国宝方丈の建物に入ります。

方丈前庭の枯山水などリュックを背負っての見学は
重文の中で異和感たっぷりです。
(9:30)



 境内には琵琶湖疏水の水路閣もあります。明治時代に造られ、アーチ構造に美しい調和を感じました。

 30分ものんびり‥これでは何しに来たのかわかりません。登山口は、まだまだ先です。
(10:00)




 楽しいアプローチは終わりました。蹴上インクラインという廃線沿いを南下します。そして疎水にかかる大神宮橋を渡りました。
(10:10)




 参道を登り日向神社で本日初めての小休止。階段を上がりこの外宮、奥の内宮と過ぎ「天の岩戸」道標で山に入ります。
(10:30)



 下写真の岩戸を潜りトレイルコースへ。枝道がありますが、良く踏まれた道を選び進みます。前日の雨でぬかるみが多い。




 やがてトラバース道から少し降り鞍部の五差路七福思案処(シチフクシアンドコロ)。確かに思案しますが、道標が迷いを解きます。
(10:45)

雰囲気が明るくなると南の山科区への展望地です。
3名の登山者が休憩を取られていました。
赤松の目立つ道を登山者やマウンテンバイクとすれ違い更に登ります。
(10:55)

 この道は「京都一周トレイル」で東山・北山・西山をつなぎます。東の伏見稲荷から西の苔寺まで70kmのハイキングコース。

 走破に5日間はかかります。シンプルな道標がスマートです。

 そして三等三角点山頂。真ん中には、地表の歪みを調べる八角形の菱形基線測点石柱があります。風が少し冷たい。

 ここで展望ランチ。西へ180度開け京都に高い建造物はありませんが、遠く大阪に高層ビルが望めます。
(11:40)〜(12:25)




 山頂から西へ15分降ると急斜面の階段。大文字の火床(ヒドコ)です。大の字の交点に行くと‥
(12:40) 

弘法大師の祠があり、そこから京都盆地が一望できます。正面奥は愛宕山924m。
火床は、大谷石で作られ75ケ所もあります。
  ここ「大」の字の中心点は、金尾(カナワ)と称され1番大きい火床です。 

行事当日は、19時にまずこの弘法太師堂でお灯明が灯されます。
20時にすべての火床に点火され「大」の字は30分間燃え上がります。
私は一度も見たことがありませんが、先に舞台裏を覗いてしまいました。





 「大」の字の横棒は80m、これは右のタレの箇所です。当日の入山はもちろん禁止されます。20分も展望を楽しみ‥



 下山していくと鉄の枠があり、上にはケーブル。送り火の前日と当日には銀閣寺で護摩木の志納が受付けられます。

 1本300円で氏名と持病を記すとケーブル・リフトで運ばれ焚かれるのです。健康のためには、二人で10本は買わなくては‥




 途中には、御奇徳で西村氏が建立した千人塚。ジグザグと山腹を降ります。反時計回りの周回はドラマチックで正解でした。
(13:10)

 すると階段から林道が見えます。
(13:20)

 地道を5分で中尾の水。地元の方に「大」を観望する場所を教えていただきました。行ってみましょう。

舗装道に出ると朝とは違い、大勢の観光客が列をなしています。
流れに乗って慈照寺銀閣寺)総門に入り、中門で500円の拝観料を払いました。

順路に従い誠にシブイ庭園を巡ります。ここは世界遺産に登録された京都17社寺のひとつです。
すっかり修学旅行気分ですが、背中のリュックとウォーキング・シューズがここでも浮いています。
それに足元も泥だらけでちょっと恥ずかしい旅行者です。
(13:40)


 20分ほど散策していると舞妓さん?お願いして写真を撮ると皆さんも次々と頼んでいます。レンタル着物かな。なら1万円!

 お寺から出ると男前の車夫さん。またお願いして写真撮影。二人で乗れば30分8000円!京都の山はプラスαが面白い。

 帰着した市営駐車場は満杯です。
(14:05)

 地元の方に教えていただいた出町柳の加茂川西岸まで車で走ります。『あんな風に刈り払われているんだ』

 その夜は10万以上の観光客が、夜空の幻想的な炎を観覧します。

 一度はこの伝統行事を見て心を燃やしたいですね。


東海岳行

    “美人姫”

 知人から美味しいイチゴをいただきました。岐阜産というのです。岐阜なら富有柿蜂屋柿のブランドは、登山に行く途中で目にしますが?静岡や渥美半島の温暖な場所がイチゴ産地だと思っていました。

 どこで買ったのか尋ねると『自動販売機で』『え〜!イチゴの自販機』場所は私のよく行くシネコンの近くでした。パンフを見ると岐阜羽島市に農園と新幹線羽島駅の2か所、一宮市木曽川町の3ケ所に店舗があります。

 早速、イチゴハウスのある本店?羽島市の奥田農園に行ってみました。道路端にプレハブ造りの「いちご直売」店。先客が購入しています。この自販機は、生みたて卵で見たことがありました。イチゴのブランド名は「美人姫」です。一般的な糖度は11度ですが、これは13度〜15度あります。



 何よりも大きな特徴は、粒が超特大です。5粒で5万円のものが、桐箱入りで販売されています。1粒65gあるけど1万円って‥一生食べることはないでしょう。80gを越えたものは、1粒5万円!恐ろしい。

 苗が開花するときに花房を摘み、栄養分を残った花房に集中される独自の方法で巨大イチゴを作ります。と、岐阜版の新聞が切りぬきに表示されていました。高級品は見るだけで十分なので私達は1300円のものを購入してみます。

 イチゴは9時・12時・15時の3回、採れたてが並べられるようです。お店の後ろにビニールハウスがあり、まさに産直です。洗ってそのまま口に入れました。『う〜ん』ちょっとした硬さで鮮度を感じさせます。



 甘さは申し分なく充実したプッチリの実が、舌と歯の間で心地いい感触。いつものスーパーマーケットものだと収穫してから数日は経っているのでその違いはすぐわかります。

 でも5万円のイチゴって誰が買ってどなたが食べるのでしょう???


※2010年3月14日(日)中京テレビ「行列のできる法律相談」で1個5万円のこのイチゴが紹介されました。5個入の桐箱を社長が持参し、出演者がパクパクと惜しげもなく食べていて‥芸能人はいいなあ。
2010.02.14/23:00