岳行ノート

釈迦ケ岳/三重県菰野町  標高1092m
2005.5.28(土)江南6時15分発 
      晴れ時々曇り 18℃ 
登り:計3時間10分(小休止含)
降り:計2時間45分(小休止含)
 ひよこさんが『土曜日のおでん買ったよ』といいます。これが彼女の“山へ行く行く”サイン。病気静養とリハビリで6週間振りの復活です。アカヤシオの「国見岳」の写真を見てを羨ましがっていたので、シロヤシオ期待の「釈迦ケ岳」に行くことにしました。朝明の陽気な料金係りのおじさんを裏切るけど代金500円節約コースで“たたみ君”と“オーリーちゃん”に活躍してもらいます。

 ガイドブックは、山と渓谷社「名古屋周辺の山」です。


猫岳にシロヤシオ

                                                     


P

登山道入口
 ↓ 
釈迦ケ岳

猫岳

林道

オーリーちゃん
たたみ君



■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


頬に風を感じ

両手に雲をつかまえたい

 今日、山へ行こう
     
 朝明渓谷に来ました。水無バス停脇の駐車場から出発します。西に5分歩けば松尾尾根登山口で、ここより山旅に入りました。
(08:35)
 すぐ尾根道になり緑豊かな雑木林の中、ひたすら尾根を登ることになります。

 突然、大きな熊蜂のチェックを受けました。立ちすくんでいると足元からゆっくり上がってきて、顔に近づいたので堪らず逃げました。
 この樹の傷は、ただ事ではない。この辺りにクマがいたのでしょうか。

長谷川さんより(05.29)
 『木につけられたキズアトですが、自信は有りませんがたぶん鹿の角砥ぎだと思います。小生も最初はクマだと思ったのですが、猟師の方に伺ったところでは鹿が角を尖らす為に木の幹にこすり付けるのだそうです』

 長谷川さん早速のメールありがとうございます。.
よく見ると傷は、爪跡状になっていません。謎が解け、ひよこさんと感心しました。
 常緑樹の落葉が登山道に降り積もってます。ツルツルの枯葉で滑ること滑ること、はなはだしい。

    イワカガミが咲いていました。





 盛期が終った花も自分を見るようでいとおしい。
報告します。
松尾尾根でヒル発見!!

今年初めての遭遇です。
全力で向かってくる
あのキレのいい動きは今ひとつでした。

25℃を超え、いよいよお出ましです。
 三角の大岩を通り抜けるとき、太目の方は要注意。挟まれば遭難です。
(10:05)
 固定ロープで岩場を乗り越えます。ここで年配の方とすれ違い、上の様子を尋ねました。
 『頂上付近は、シロヤシオが咲いてるよ』
 よし!燃えて来たぞ。

ヤマツツジも燃えています。
 尾根分岐まで来るとシロヤシオが目立ち始めました。
(10:55)
 展望もよくなり空中を歩いているようです。
 ホンシャクナゲも枝先に淡い紅深色の花を飾っています。
 これから向かう「松尾尾根頭」が見えました。

 この写真では、岩なのかシロヤシオなのか判別しませんが、雪を乗せたようにあちこちでシロヤシオが咲き誇っています。

このコースのハイライト「大蔭のガレ」に来ました。 
ひよこさんが、右端中央シロヤシオの付近で必死です。
本人談『うん、見た目ほど怖くなかったよ』−成長著しい。
 「松尾尾根頭」に到着しました。2組がお食事中でしたが、私達は頂上へ向かいます。
(11:35)
 「釈迦ケ岳」頂上1092mは、標識がいっぱいぶら下がってました。入れ替わり登山者が立ち寄られるので、ここでの食事は避けます。
(11:45)
 少し戻った東側に展望のきく空き地があり、絶好のランチスポットです。登山者が羨ましそうに後ろを通り過ぎて行きます。メニューはもちろん、ひよこさんが昨日用意してくれたおでんです。
(11:50)〜(12:30)

 ※猫岳分岐の東側にもちょうどいい岩があり、そこもランチスポットですが限定2名です。

腹を満たしたら、シロヤシオ街道のトンネルを潜って「猫岳」に向かいます。
 途中「大蔭のガレ」が望めます。こうして見るとあの薄っぺらで急峻なところを先ほど歩いたとは信じられません。



 「猫岳」頂上1058mです。
(13:05)


 今日一日、この昆虫をあちこちでよく見かけました。ハンミョウ(別称:道教え)です。
 「猫岳」からは、一本道で厳しい急登・急降もなく気楽に歩けます。道も良く踏まれ、移りゆく展望を楽しみながら降っていきました。

 シロヤシオは白滝谷分岐付近まで続きます。
 シロと緑の登山道にヤマツツジが現れると華やかです。
 ひよこさんが久しぶりの山旅で疲れたため「羽鳥峰」には寄らず林道を降りました。よく整備されてますが、岩だらけで車は無理な林道です。
(14:00)

 この道は広くて危険も少なく好展望、雑木林の中も歩けてファミリー登山には良いようです。
 途中、国定文化財の「なわだるみの堰堤」にも寄りました。1888年に作られたと掲示板に書かれていましたが、最近作られたかのように石も輝き、美しい石積みでした。
(14:45)

 地道の林道が舗装路に変わると朝明川の園地に着きます。「オーリーちゃん」と「たたみ君」が、7時間近く待っていてくれました。
(14:55)
 青い山脈を2人で一気に下ります。ペダルは踏む必要はありません。
 疾走していくとすれ違った登山者が、ニコニコ笑って見送っています。
 
 水無バス停の駐車場で「オーリーちゃん」と「たたみ君」を折り畳んで車に乗せれば山旅も終り、そしてサークルKのアイスクリームだ。
(15:10)

麓の麦田では、黄金色の穂が揺れています。 

 また田植えの季節でもあります。美しい棚田を見に行きたくなりました。
 シロヤシオ豆知識  

 八汐(ヤシオ)とは、染色で濃い色にするため何度も染料に入れることを言うそうです。

 葉と花が同時期なので葉の上にボタン雪が積もったようです。明るい岩場が好きなアカヤシオと違い日陰の樹林内や林縁に咲いています。

 花びらに斑点が見えます。柄が長くうつむき加減に咲きます。開花までに20年以上もかかる大器晩成型。私もそのタイプだけどあと何年経てばいいのでしょうか。

 五葉ツツジと呼ばれるくらいですから5枚の葉が枝先に輪生します。赤茶色の縁取りがユニークです。秋は紅葉して明るく美しい。

 古木の樹皮は松肌ですぐ分かります。さわり心地も悪くありません。幹が10cm径になるのに50年かかるそうで、そうするとこの木は100年近い。