岳行ノート

能郷白山/岐阜県本巣市  標高1617m
2005.6.18(土)江南6時30分発 
      曇り時々晴れ 23℃ 
登り:計2時間30分(小休止含)
降り:計1時間45分(小休止含)
 この時期、貴重な梅雨の晴れ間にどこへ行くかは悩ましい。そんな時、掲示板に「らぶ」さんから、能郷白山の情報を頂きました。また近所のご夫婦が能郷谷から登り、ご主人の足がつったので撤退したとのこと。病み上がり復帰中のひよこさんと初心者のトミさんとの3人組なので温見(ぬくみ)峠からの短時間コースで初登頂を目指します。

 ガイドブックは、風媒社「岐阜の山旅100コース美濃上」です。参考書は「せきすいの山遊録」さんにお世話になりました。


頂上のザゼンソウ



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能郷白山
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※赤線は実測ではありません。
■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」
 朝、家の近くの用水でカルガモの親子を見ました。どこも育児は大変だ。飛び回るカラスからヒナを守らなければ‥。

 でも親としての充実した日々が羨ましい。我家の黄金期は、20年も前になるでしょうか。
 さて根尾川沿いの157号線をさかのぼると能郷集落があります。白山神社で登山の安全祈願をしました。

 ここで毎年4月13日午後1時から、例祭が行われ能・狂言が奉納されます。国の重要無形文化財です。
 能郷集落から22km,根尾西谷川沿いの道路を温見峠まで走ります。車一台しか走れない箇所もありますが、聞いていたより道は整備されていました。

 ここは、ドライビング・テクニックの見せ所です。バックシートのひよこさんが、酔わないようカーブのところは超スロースピードで運転しました。

 高度を上げると谷まで100mはある崖をギリギリでトラバースするのでスリル満点です。
 県境は福井県側が道路修復中のため通行禁止になっていました。温見峠には、岐阜県側に6台、おや?福井県側にも4台駐車しています。

 急登に備えストレッチをして、登山口の階段から出発です。
(9:40)
 すぐにブナが目立つの森に中に入ります。さすが奥深い山は違う。紅葉期の素晴らしい空間が、想像できます。樹名の書かれたプレートを読みながら進みました。

 山の花・樹の花が咲くこの時期は、小虫がまとわりつきます。虫霧の中では、大きな目や福耳、さぶちゃん鼻は要注意です。
 尾根の急登には、補助ロープもあります。足下のぬるっとした黒い土には神経を使いました。

 すれ違った男性の左脚とお尻、リュックの底にも泥がべったりついています。つい先ほど、しこたま大転びしたのでしょう。照れくさそうに挨拶して降りていかれました。
 


 境界見出標まで来るとようやく急登も終り、道もなだらかになります。
(11:10)

 頂上が見え、先の見通しがつきました。 トミさんが、へばって遅れ気味です。でもすれ違う人に声を掛けているから大丈夫でしょう。
 最初のガレ地に“残雪が、残っています” 
先日NHKのアナウンサーもこう喋って後で謝っていました。(意味が、かぶっている!)
 左上の赤い色は、ムラサキヤシオ(別名:ミヤマツツジ)です。

 登山道のアザミの硬い葉がチクリと痛い。全員にアザミ注意報を発令 

左:ツクバネソウ(衝羽根草)  中:マイヅルソウ(舞鶴草)  右:ナナカマド(七竃)
 
2番目のガレから下の国道までは700m以上の落差があります。スキーの達人なら数分でしょう。 

左:タニウツギ(谷空木)   中:サラサドウダンツツジ(更紗灯台躑躅)  右:モミジの実
 この登山道は、何故か樹木が横に伸びているので障害物競走みたいです。
 最後のひと登りで頂上です。

 ひよこさんは、家で顔にファンデーションと日焼け止めを塗り、山に来て虫除けスプレーをかけました。それを全部、汗で流したのでまるで土石流に襲われたようだ。恐ろしいことです。
 頂上1617.3mで記念撮影と三角点にタッチしたら祠へ向かいます。

 すれ違った人が『爺様2人が、周回登山をするため、根尾から温見峠までタクシーでやって来た。頂上からは能郷谷へ降りていき、3時にタクシーと待ち合わせ根尾に戻るそうだ』とビックリ顔で話してくれました。
 
 山たまごが“たたみ君”とする周回登山とは、雲泥の差だ。
 ※たたみ君は「岩古谷山・釈迦ケ岳・八木山」に出演
 能郷谷から上がって来た登山道を左下に見ながら歩くと‥
 斜面に6月中旬というのにカタクリの群生です。

◆カタクリは、花が終わると種ができる。落ちた種を蟻が巣に運ぶ。その一部が甘く食料となる。残ったところから芽が出る。そして咲き誇る。だから群生の近くには、きっと蟻がいるはずです。
 こちらの斜面は、コバイケイソウ(小梅惠草)の群生です。
  祠の近くでランチタイム。大勢の人たちがくつろいでます。曇り空で展望がない変わりにテンションの高い姉さまの声と、漂うタバコの煙が頂上の大休止らしい。
(12:10〜12:55)

 ここは思ったより虫が少なく助かりました。
 ランチで食べたサークルKの新製品「匠の握」(焼鮭)はヒットです。瀬戸のにがり塩も甘みがあり、何より米の握り加減が抜群でおいしかった。

 白山神社奥宮の祠は、開いていてトミさんが賽銭を入れ、帰路の安全を祈願しました。
 笹道を下っていくと向こうに20人以上の団体さんが、まだまだ登って来るのが見えます。今日は、この山で100人以上に出会いました。

 するとトミさんが『ちょっと商用が出来た』と我々を先に行かせます。やがて背後で“ボン”と爆発音が響きました。

左:キジムシロ(雉蓆)三男山男さん 中:ホウチャクソウ(宝鐸草)   左:ノウゴウイチゴ(能郷苺)

サンカヨウ(山荷葉)  ※下の中:いきっこさんより(7/1)

左:ユキザサ(雪笹) 中:アイロンが必要:ニガイチゴ(苦苺) 右:実をつけたエンレイソウ(延齢草)
 ガレ地を行きます。往きと異なり帰りは、ものすごい数の小蝿がまとわりつきます。汗臭い臭いに惹かれるのでしょうか。お一人様100匹ほど引き連れてのご帰還です。
 防虫スプレーを帽子や衣類にかけますが、全くひるみません。困ったものです。何人かの女性は、防虫ネットを被っていました。

 さあここから急降下が始まります。小蝿もしっかり着いて来ます。 
 今度は、ひよこさんが遅れだしました。

 長々と続く急降下に疲れてくると、みんな登山口を夢見てイメージトレーニングを始めます。『エー着いたらまず顔を拭き着替えよう、その後絶対サークルKで冷たいものを飲んで食べて‥ふにゃふにゃ』
 『やったー』温見峠に帰り着きました。トミさんは頂上に着いたときより嬉しそうです。

 向こうに地蔵尊の祠が見えます。
(14:40)
 国道157号線から振り返ると思い出となった「能郷白山」が望めました。
 
 カーナビでは、最初に出会うサークルKが2時間も向こうです。イメージトレーニングが無駄に‥、めまいがする。
 途中、根尾の国定天然記念物「淡墨桜」に寄り道しました。

 4月末の満開の頃に来たことがあります。たった1本の樹に、全国から何万人もが引き寄せられていました。
野の花・樹の花  

上左:旧美山村を走っているとき3人で声をあげた、道路の擁壁上に咲いていた謎の花です。ジギタリスと言い毒草(せきすいさんより)
上中:白山神社に咲いていたユキノシタ(雪の下)
上右:「能郷白山」頂上台地のショウジョウバカマ(猩々袴)
 
左:「能郷白山」不明
右下:根尾西谷川沿いのトリアシショウマ(鳥足升麻). 





 現在、樹と花名を勉強中です。名前が、違っていたらご指摘いただくとありがたいです。また不明なものもご教示いただくと嬉しいです。6/20:鄙家さん、らぶさん、早速ありがとうございました。