岳行ノート

鳳来寺山2 684m/愛知県新城市

2010年12月5日(日)


仙人様コースの大展望ピークからの玖老勢集落

右端に山びこの丘(キャンプ・スポーツ施設)の高さ33mにある人工壁はブッポウウォールです。
ブッポウソウ(小型梟)がモチーフで目立ちます。製作費3億円の平成6年愛知国体クライミング会場です。
ところが最近劣化が甚だしく“ブッソウウォール”になり使用禁止なったとか?


 鳳来寺山は、初心者のころ参道手前の門谷駐車場から歩きました。仁王門・傘杉・本堂・奥の院・山頂・天狗岩・鷹打場・東照宮と大満足周回コースです。

 その後、2008年1月に小富士山コースを登り、仙人様コースで降ったのですが、途中ルートを失い難渋しました。その時いつかリベンジしよう誓ったのです。

 今回、一人では心もとないのでいつも掲示板に書込みいただいている岳魚さんと歩き、仙人様コースを登りに利用して08年の謎を解きたいと思います。



 教科書は、東三河山ぽ会編「東三河の山」です。参考書として「アウトドア通信」さんにお世話になりました。
<駐車地>
[-]広域図、[+]詳細図、ドラッグスクロールで移動


P:駐車地

仙人様

×ミス

展望ピーク

巨岩

瑠璃山

鳳来寺山

ルリ岩
(ランチ)

犬戻り岩

玖老勢峠

弁財天

P:駐車地

 ※赤線は
GPS軌跡


■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」


江  南:午前5時30分発  6℃
駐車地:午前8時00分着  2℃晴れ
往:3時間15分(以下、小休止含)
復:2時間00分
◆所要時間:5時間15分

 名神高速の豊川インターで下り、〒鳳来寺局へ向います。新城市玖老勢(クロゼ)の斜面にある墓地の手前スペース。

 ご近所の方にお尋ねしたら『ソコいいよ』と言っていただけました。岳魚さんの『バック・ホーライ』で停車。

 写真左後ろ、山へ向って延びる舗装道から歩き始めます。
(8:05)

 スタート地点に道標があり、第一目標の「利修仙人護摩所まで20分」です。左側が墓地で、道はすぐ未舗装になり‥

  歩き出して100mで右に登山口が見つかりました。看板に「利修仙人像」と上張りされ、時間が約30〜40分となっています。



 杉林の山腹を15分登ると尾根に出ました。いよいよ鳳来寺山の西尾根仙人様コースを辿ります。周囲は混合林です。

 この辺りの山系は、海底火山が隆起して侵食され、溶岩が固結したような地層でいたる所に岩盤があります。

突然、頭上に石切り場のような大きな岩壁が見えると、そこが利修仙人護摩所でした。
最初の道標から30分かかったので脚力は1500ccクラスの中古車。
鳳来寺山を開山した利修仙人はこの場所で護摩を焚き修行しました。
(8:35)


左の石像は元禄時代1693年建立され、地元ではここを「仙人様」と呼び今も大事に祀られています。

岩壁右端に説明板→があり、その横から巨岩を巻くように急斜面に道がありました。



岩壁下3〜4mの踏み跡を辿り、長大な岩を巻いたのです。戻った尾根を進むと右手に見えていた朝日が、驚くことに左手で輝くのでミスに気付きました。



 巻頭地形図の×の箇所から仙人様まで戻り再確認。説明板から下へ降りてはだめで岩壁に沿った道があります。

 すぐ補助ロープが現れ、伝って巨岩上に出ると道標が迎えてくれました。15分のロスタイム、独りだと心細かったでしょう。



 この道標は記憶があります。08年の前回、表記された「高徳不動→」「鳳来寺参道→」に従いここから下山しました。

 今日は、そちらには降りず、尾根正面を更に登ります。
(9:05)

 尾根はくねっていますが、テープや切り枝のストッパーで道筋は明快です。展望ピークから北に棚山760m、肝試しの瀬戸岩断崖が写真中央に見えます。

 そして東を見るとこれから歩く尾根が、信じられない角度で左ピークへ登ってます。写真中央辺りが瑠璃山、右の岩肌が鳳来寺山でしょう。

 岩尾根は続き、5mほどの岩斜面で三点支持‥足場と手がかりがあり大丈夫ですが‥登ると大展望ピーク
(10:05)

 このピークを降り、振り返るとこの写真。08年の時、山頂から仙人様コースを降りてきてこの高さ2m超の岩で悩みました。

 結局、岩を登らず左斜面に降りて巨岩群を巻き、不安げに山中を辿ったのです。これで謎が解けました。


その先は一度歩いていますし、充分なテープが案内してくれます。
やがてバランスをとる巨岩の下を潜ると山頂を通る東海自然歩道はもう近い。
岳魚さんが『このコース、面白いね』と笑顔で言われました。
(10:45)

ひょっこりと出た所が、右の分かりにくい写真。
右上にかすれた看板、左下に「東海自然歩道」小プレートがあります。
急に賑やかになり20名の団体さんから話しかけられたり‥
(11:00)





 瑠璃山(ルリヤマ)695mに登頂した方が、歓びの雄たけびを上げたりしています。私たちもリュックをデポして登りましょう。



 径路をさっと登ると山頂は足場があり恐怖感はありません。快晴に絶景が広がり、写真中央、北東の明神山がスターです。
(11:05)

 その雰囲気は、2コマ下の写真をご覧ください。


 最高峰瑠璃山から降り、南へ少し行くと山頂広場で、10名ほどのパーティがランチ中です。この鳳来寺山山頂は684m。
(11:20)

 以前むき出しで立っていた60cm高さの三等三角点が見つかりません?瑠璃山の先のルリ岩で展望ランチしましょう。
 手前の岩場がランチ特等席のルリ岩、お昼時の空席は超ラッキーです。
穏やかな小春日和、男子二人の会話は硬い岩の上でよく弾みます。

左上は宇連山(ウレサン)929m、右上が明神山1016m、その右肩の小さな遠い雪山は聖岳3013m。
(11:30)〜(12:50) 





 下山は北尾根の東海自然歩道を玖老勢峠までまず辿ります。危険個所には、ご存知鉄製・木製階段が設置され安心です。




 10分ほどで!ドンとでかいクロ岩が行く手を塞いでいます。ここは左斜面にジグザグ降る大廻りの巻き道がありました。
(13:00)





 さらに一本道を15分行くと一番巨大な犬戻り岩。以前はロープ場で難所だったようですが、柵と階段で難なく歩けます。
(13:15)


 山頂から標高270mを降り玖老勢峠着。自然歩道はこの先、棚山760m〜宇連山929mと続いています。

 私たちはここを左折し、急斜面のジグザグ降りです。しかし玖老勢の由来は何でしょうか?:黒い美石・九の大字。
(13:40)



10分ほど降ると石積みの上に崩壊した小屋があります。
その近くの大岩には左の石碑、昭和34年建立されました。
中学生が小屋まで来て林業の実習をしていたのでしょうか。


そんなことを考えていると水音が聞こえ始め、落葉の沢道を降っていきます。
やがて林道終点の車両転回地から未舗装道です。
(14:05)

 沢は巨岩の転がる川になり周囲は植林に変わります。林道右に弁財天が祀られ、5〜6分先で‥
(14:20)

 植林に「ボク緑大好き!」を見つけ『大人はお金大好き!』だよと呟き左折。道なりに川沿いの農道を南進しました。



 5分も歩けば、その道は舗装道に上がり、橋から振り返ります。奥の凹みが玖老勢峠で1時間かけここまで来ました。

 稜線右方向が山頂方面。今16℃の気温。ここから100m先で車内がいい感じの温度になった愛車が待っているはずです。
(14:40)


東海岳行
   “同じことしても違う” 

 私の若いともだち、恐竜好きの鈴乃助は、時々道草に出演していただいています。彼は私の長女の息子で6歳です。私の長男ですが、最近1週間に一回、写メールや動画を送ってくれます。そこに写っているのは彼の息子、菊千代です。今まで我が家に何度か遊びに来てくれました。

 菊千代は、無口で話好きな私と会話になりません。また動くことが苦手でいつもゴロゴロ寝ています。腹が空くと泣き出し、偏食がはなはだしくミルクしか飲みません。ときどき私がちょっかいを出して身体を触ったり頬を寄せると『ケタケタ』と笑います。いずれは友達になれるでしょう。何しろ彼の人生は1歳未満です。

 人間は歳を取ると子供に還ると言われます。以前、自分の両親を見ていて確かにそう感じました。動きは遅くなり、転びやすく伝い歩きをします。語彙も少なくなり口癖のよう『あれ、それ』主体の会話になりました。身体がどんどん縮んでいきましたが、さすが1m以下にはなりませんでした。



 私もゆっくりと両親と同じ老い坂を降ってるのは自覚できます。急いでは降りたくないので好奇心・行動力・向上心を持つよう心がけますが、それが泉のように自然に湧き上がるわけではなく、かなりパワーが必要です。ひよこさんと比べると私が年長なのできっと子供還りは私が先を行くでしょう。

 ある日、菊千代が我が家に来て相も変わらず居間で寝転がっています。『うん、何か臭うぞ?』私が呟くと台所から息子嫁が来て、手早く菊千代の下半身をモロ出しにして『いっぱい出たね。良かったね』彼に褒め言葉を与える。菊千代もしてやったり顔で右足を両手で持って自分の口に入れています。

 ふっと空想しました。何年か後、私はすっかり子供のようになり、嬉し恥ずかしオムツパンツを万一のため着用します。『ん?』ひよこさんが首をかしげる。私のパンツを下げた途端『わっ、クサッ!‥やれやれ』あの菊千代は褒められるけど私は叱られる。同じことをしても子供はそうはならないでしょう。



 確かに処理器官の古さ、処理のボリュームなど、子供と比べればこちらが圧倒的に分が悪い。間もなく菊千代は、ご飯を食べる様になれば、きっとボロボロこぼすだろう。私も同じようにこぼすでしょう。しかし、同じことをしてもやはりその扱いは天と地、水と泥、一円玉と一万円札。

 彼はこれから能力や知恵・知識と色々なものをプラスしていく人生。私はマイナスしていく人生。菊千代はいいなあ。子供の明日は夢がある。私は明日にはツメを切る。『勝手にどうぞ』(ひ)

10.12.07(火)14:30