岳行ノート

蕪山/岐阜県関市  標高1069m
2005.7.2(土)江南6時50分発 
          曇り 23℃ 
登り:計2時間50分(小休止含)
降り:計2時間00分(小休止含)
 山仲間のトミさんが、昨年9月の「天王山」デビューから今回で10山目になります。ビギナークラスからの進級記念に「蕪山」(カブラヤマ)を選びました。理由は、登山口の紫陽花が見ごろなこと、株杉でトミさんを驚かすこと、本人が『ヒルの経験をしたい』と言ったからです。そのため吸血の谷「奥牧谷」を避け、ヒルの少ない自然観察道の「株杉コース」から頂上を目指します。ひよこさんは風邪気味でお休みです。しかしヒル期待の登山って?
 ※7月7日(木)19h〜CBC「そこ知り坂東リサーチ」は板取編でした。この「株杉の森」も紹介されました。
 
 ガイドブックは、山と渓谷社「名古屋周辺の山200ベストコース」です。

蕪山登山口の株杉

 


21世紀の森P

株杉コース

蕪山

野鳥観察コース

21世紀の森P


※赤線は実測ではありません。

■「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平17総使、第98号)」                   


 念願のETC車載器が付きました。コミコミ価格で9600円のアンテナ分離型です。月々400円の2年払いですが、高速料金は“半額”になります。

 
今日は試しに関〜美濃間を走り、300円が150円と表示され一安心。ゲートをノンストップで通り抜けました。『もうかった!』

 これで時間が貴重な秋冬には、半額の高速で早く山につけます。
 国道256号線で北上すると板取の「アジサイロード」には、7万本もの紫陽花が咲き競っています。 
 「21世紀の森」の広い駐車場に着きました。ここは3万本の紫陽花です。WCは綺麗だけど、男女兼用なので女子にはつらい。

 隣に浜松ナンバーの車が着き、男女8人が準備を始めました。『お先に』

 青色のない空だけど、あじさい色の壁に沿って登山道に向かいます。
(9:00)
 「株杉コース」の登山口は、駐車場からすぐです。


◆株杉(板取村HP):一本の幹が地上2〜6mの位置で複数に分かれている巨大な「株杉」。推定樹齢は400〜500年といわれ、「21世紀の森公園」内に70株以上も群生しています。自然の不思議さを物語る全国的にも珍しい杉で
す。
 



斜面には株杉が群生しています。近年、保護のためコースロープが張られました。

 トミさんは、カメラに入りきれない風景を眺めながら『この感動は、来た者じゃないと分からん』と唸ってます。
 杉林の中の急登は石階段が続き、昨年行った「熊野古道」のようです。

 株杉の森でゆっくりしていたけど、浜松の8人衆が追いついてきません。他のコースを取ったのでしょうか、まさかヒルの多い「奥牧谷コース」では‥。
 沢沿いを登りますが、足下は湿っているので注意深く進みました。それにしても蒸し暑い。
 「野鳥コース」の合流点に来ました。帰りは、そちらのコースを降る予定です。右手に登っていく道で頂上へ向かいます。
(10:10)
 やがて明るい落葉樹の尾根道に出て、左の木陰で休憩を取りました。
 
 冷えたポカリを飲んでいるとき、トミさんが『何だ!ヒルだ!ヒルがいる』と私のパンツを指差します。
 いつの間に‥左足太ももに5cmのヒルが、伸び縮みしながら上っている最中です。

 慌ててカメラで撮り『トミさん、塩水だ!』と叫びます。彼が、リュックから取り出してスプレーするとあっさり地面に落ちました。
 塩分で細胞破壊されているのでしょうか、もがいています。

 更に容赦なく濃塩水を掛けるとグッタリしました。身長が随分縮んだようです。

 そしてライターでヒルの野心を葬りました。『南無阿弥陀仏』

トミさんはヒルとの初遭遇、戦いの初勝利に興奮冷めやりません。
アドレナリンが、満ち満ち好調に登っていきます。
963mピークからいったん降ると最後の急登です。

                      中:ニガイチゴ(苦苺)の実
 やっと合流点に着きました。写真中央上に道標があります。私達は左から登ってきました。右の道は、「奥牧谷コース」から上がって来た道です。

ここまで来れば頂上は近い。
(11:40)


 登山道に盛期の終ったササユリが寂しそうです。

 もう誰にも写真を撮られない。少し前、その美しさで幾多の登山者を慰めたことか。一心に注目を浴び、どれだけカメラを向けられたでしょう。
 輝きの日々は短く、今は朽ちるのを待つだけ‥。

 まるで自分を見るようで愛おしい。トミさんも横でうなづいています。
『トミさん、輝いたことあるの?』『ある』
 さて頂上に着くとすでに浜松8人衆は、大パーティで盛り上がってます。私達も負けじとおにぎりパーティです。
(11:50〜12:45)

 年長の方が『8人で奥牧谷を登って来ました。』と私達に話しかけられます。『ヒルは大丈夫でしたか?』と尋ねると『沢山いて吸われました。ホラ』と靴下をめくって傷跡を見せてくれました。

 突然リーダーが『うわー腕をやられた!』と叫びます。隠れていたヒルの仕業です。
 私が『皆さん、スパッツを脱ぎ、靴の中も見た方がいいですよ。』と言いました。

 するとリーダーの白靴下は、日の丸デザインです。『ひど〜い』女子の叫び声。頂上は、いっぺんに阿鼻叫喚、周章狼狽、風光明媚‥これは違う。
 おまけに女子のゴアテックス靴にヒルが這い出てきました。パーティどころではありません。

 急いでトミさんが例の濃塩水をスプレーし,私がフィルムのプラ缶にヒルを生け捕りにして騒動は治まりました。

頂上から高賀山

板取集落

左:シロバナクガイソウ(三男山男さんより)   中:?  右:ヤブデマリ(三男山男さんより)
 8人衆にご挨拶をして、ロボット雨量計小屋の脇を通り帰路に着きます。
 急降下を終えると<蕪山頂上まで980m>の道標のある小広い場所に出ました。ここには木のベンチがあり、1本立てます。(“休憩をとる”の山屋言葉)
(13:25)
 細かい木の根が現れた坂は、要注意です。そんな矢先、トミさんが『モガーッ』と叫び、万歳しながら全身全霊の尻餅をつきます。リュックがクッションになり事なきを得ました。

 進行方向にタテの根に靴を降ろすと危険です。経験学習は、身に染み込むでしょう。
 「野鳥コース」分岐に来ました。道標に<楽な帰り道>と表示があります。ここでヒルに備え、サロンパスを下半身にスプレーします。

 歩き出すと脚がスースーします。いざと言う時のため、トミさんは右手に濃塩水を握っています。
 しかし期待?はずれでヒルは出ませんでした。ほとんど山腹のジグザグ道だからでしょう。
 紫陽花が、見えたら終着駅です。
(14:35)

株杉の森を横手に林道を降ります。
 駐車場に着くと紫陽花見学の車でいっぱいです。
(14:45)

 まもなく浜松8人衆も戻られました。健闘をたたえ合い、お互いに体制を整えていると『ヒルがイル!』と靴を脱いでいた女子が叫びます。まるで恐怖映画のオチのようです。最後まで気が抜けません。

 私が、フィルム缶に生け捕りました。これは一度ヒルを見てみたいと言っていた会社のパソコン教授へのお土産です。
川浦渓谷への寄り道

 「21世紀の森」から7kmほど板取川を遡ると「川浦(カオレ)渓谷」があります。要所に案内板があり、良い道を車で来られます。意外と穴場で、東屋から見る景色が最高です。深い断崖の間を綺麗な色の水が流れています。
◆杉原の大杉への寄り道◆ 

 「川浦渓谷」から来た道を3kmほど戻るとこの大杉があります。標示板には、この杉のいわれと樹高50m/直径3.5m/樹齢900年と書かれていました。
 野菜の名前の山はとても珍しい。思い出となった「蕪山」をアジサイロードから望みます。1日中曇っていて展望は、残念賞でした。

 トミさんは、車中で2万歩をこなし痙攣待ちの足を揉んでます。そして10山目を完登した満足感に浸りながらつぶやいた。『今日は、紫陽花、株杉、渓谷、浜松の人‥しかし、ヒルは強烈だった。沢山の思い出ご馳走様でした。』と。
 アイスクリーム万歳  

 私のお気に入りのアイスクリームを紹介します。

森永の「チョコモナカ・ジャンボ」
 硬くて薄い板チョコが、アイスクリームの中に挟まれています。外側を同じ板チョコでコーティングし、さらに全体をモナカで包んでいるので、口がチョコまみれになりません。

 チョコの硬さ、厚さ、甘さが絶妙でパリパリとチョコを砕く食感が楽しい。最近なぜかサークルKの定番から外れたようで寂しい。

ロッテのクーリッシュ・バニラ
 買ってもすぐに食べられないもどかしさがワナです。揉みながら中身を溶かしていると手が冷たくなって困ります。「-8℃飲むアイス」とキャッチにあるように最初のひと吸いで冷たさが胃に染み込みます。チョットざらっとした舌触りを味わい、チュウチュウ吸う行為がとても楽しい。最後に残ったアイスを思いっきり吸うと袋がペタンコになる。おや?もう1個欲しくなる魔法も吸い込んでしまったようです。

 以前は、どちらかを登山帰りに食べていたのが、今や二つ食べなければ満足しない身体になってしまった。アイスクリームも酒・タバコのように習慣性があるのだろうか‥。